はじめに
こんにちは、XIMIXの笹澤です。
NI+C TeamGCP AdventCalendar 2023で投稿します。
気が付けば2023年も残りわずか。気を引き締めて今年を締めくくりましょう。
Migrate to Virtual Machinesという移行ツールを説明しますが、今回は準備編としてM2VM Connector Serverの導入と初期構成を説明します。この定義によりGoogle Cloud コンソール上に既存のvSphere環境の仮想マシン一覧が表示されます。(次回は [操作編]として投稿予定)
作業の大まかな流れは下記です。
- SSH 公開鍵/秘密鍵のペア作成
- M2VM Connector ServerのOVFデプロイ
- M2VM Connector Serverの初期構成
Migrate to Virtual Machinesとは
vSphere環境をGoogle CloudのCompute Engineへリフト移行するためのマイグレーションツール(無料)です。Migrate to VM Connector Server(以下M2VM Connector Serverで表記)をvSphere環境へ構成すると、移行元となる仮想マシン一覧がGoogle Cloud コンソールに統合表示されます。Google Cloud コンソールから簡単な操作で移行作業が行えます。
前提
- Google Cloud で Migrate to Virtual Machines サービスを有効にします。
- M2VM Connector Serverの仮想マシンスペックはvCPU4、メモリー16GB、データストア30GBが必要です。
- vCenterにMigrate Connectorユーザを作成し権限を付与します。
- 適切な通信ポート設定します。
詳細は参考をご覧ください。
SSH 公開鍵/秘密鍵のペア作成
M2VM Connector Serverで利用するSSH 公開鍵/秘密鍵を作成します。Windows環境であれば「PuTTy key Generator」で作成します。作成した鍵はvCenterに接続できるPCに保管して利用します。
M2VM Connector ServerのOVFデプロイ
ここからはvCenerからM2VM Connector Serverをデプロイしていきます。
- 最新のOVFテンプレートをURLからダウンロードします。
- vCenterコンソールからOVFテンプレートをデプロイします。
②-1.OVFテンプレート>ダウンロードしたOVFを指定
②-2.名前とフォルダの指定>仮想マシン名を指定[規定値:M4C]
②-3.コンピューティングリソースの選択>ホスト指定
②-4.詳細の確認>確認のみ
②-5.ストレージの選択>データストア指定
②-6.ネットワークの選択>仮想ネットワーク指定
②-7.テンプレートカスタマイズ>作成したSSH 公開鍵/秘密鍵、IPアドレス、DNSを指定
M2VM Connector Serverの初期構成
- デプロイしたM2VM Connector Serverの電源をON
- IPアドレス、SSH公開鍵に紐づく秘密鍵(デプロイ時に指定)でログイン
(ユーザはadmin、パスワードを入力) - コマンドm4c registorで初期構成を開始
- [Please enter vCenter host address:] vCenter Server IPアドレスを指定
- vCenter Server の SSL 証明書サムネイル(Fingerprint)を承諾
- [Please enter vCenter account name to be used by this appliance:]
vCenter Server への接続に使用するユーザアカウント/パスワードを入力 - Google Cloud への Migrate Connector 登録に使用する Google Cloud ユーザアカウントを指定
- [Please visit this URL to authorize this application:]に表示されたURLをブラウザに貼り付け、⑦で指定したユーザアカウントに対する OAuth 接続コードを取得し[Enter the authorization code:]にコピー&ペースト。OAuth接続コードはCLOUD SHELLよりコマンド「gcloud auth print-access-token」で取得
- [Please select project:] Migrate Connectorを紐付ける Project を指定
- [Please select region:] Migrate Connectorを紐付けるリージョンを指定
- [Please supply new vSphere source name] Google Cloudに登録するSourceNameを指定
- [Please select service account: (“new” to create)]でMigrate ConnectorがGoogle Cloud への接続に使用するサービスアカウントを指定もしくは新規に作成
(このサービスアカウントに対して、自動的に必要なロールが適用されます) - ⑫で “new” を選択した場合には [Please supply new service account name…]で作成するサービスアカウント名を指定
初期構成が完了するとGoogle Cloudコンソールより登録したMigrate ConnectorとvSphereの仮想マシン一覧が表示されます。
まとめ
今回はvSphere環境にM2VM Connector ServerをデプロイしGoogleCloud接続の初期構成を行いました。vSphereに慣れている方であれば難しくないでしょう。ここまでくれば移行準備は完了です。
次回はMigrate to Virtual Machinesで仮想マシンの移行を解説したいと思います。お楽しみに!
参考
Google Cloud、Google Workspace に関するご相談はXIMIXへ!
Google Cloud、Google Workspaceに関する お問い合わせはこちら
- カテゴリ:
- クラウド
- キーワード:
- Google Cloud