Migrate to Virtual MachinesによるVM移行 [準備編]

 2023.12.13 2023.12.14

 

        

はじめに

こんにちは、XIMIXの笹澤です。
NI+C TeamGCP AdventCalendar 2023で投稿します。

気が付けば2023年も残りわずか。気を引き締めて今年を締めくくりましょう。

Migrate to Virtual Machinesという移行ツールを説明しますが、今回は準備編としてM2VM Connector Serverの導入と初期構成を説明します。この定義によりGoogle Cloud コンソール上に既存のvSphere環境の仮想マシン一覧が表示されます。(次回は [操作編]として投稿予定)
作業の大まかな流れは下記です。

  • SSH 公開鍵/秘密鍵のペア作成
  • M2VM Connector ServerのOVFデプロイ
  • M2VM Connector Serverの初期構成

Migrate to Virtual Machinesとは

vSphere環境をGoogle CloudのCompute Engineへリフト移行するためのマイグレーションツール(無料)です。Migrate to VM Connector Server(以下M2VM Connector Serverで表記)をvSphere環境へ構成すると、移行元となる仮想マシン一覧がGoogle Cloud コンソールに統合表示されます。Google Cloud コンソールから簡単な操作で移行作業が行えます。

1-4

前提

  • Google Cloud で Migrate to Virtual Machines サービスを有効にします。
  • M2VM Connector Serverの仮想マシンスペックはvCPU4、メモリー16GB、データストア30GBが必要です。
  • vCenterにMigrate Connectorユーザを作成し権限を付与します。
  • 適切な通信ポート設定します。

    詳細は参考をご覧ください。

SSH 公開鍵/秘密鍵のペア作成

M2VM Connector Serverで利用するSSH 公開鍵/秘密鍵を作成します。Windows環境であれば「PuTTy key Generator」で作成します。作成した鍵はvCenterに接続できるPCに保管して利用します。

2-1

M2VM Connector ServerのOVFデプロイ

ここからはvCenerからM2VM Connector Serverをデプロイしていきます。

  1. 最新のOVFテンプレートをURLからダウンロードします。
  2. vCenterコンソールからOVFテンプレートをデプロイします。
    3-2
    ②-1.OVFテンプレート>ダウンロードしたOVFを指定
    ②-2.名前とフォルダの指定>仮想マシン名を指定[規定値:M4C]
    ②-3.コンピューティングリソースの選択>ホスト指定
    ②-4.詳細の確認>確認のみ
    ②-5.ストレージの選択>データストア指定
    ②-6.ネットワークの選択>仮想ネットワーク指定
    ②-7.テンプレートカスタマイズ>作成したSSH 公開鍵/秘密鍵、IPアドレス、DNSを指定
    4-1

M2VM Connector Serverの初期構成

  1. デプロイしたM2VM Connector Serverの電源をON
  2. IPアドレス、SSH公開鍵に紐づく秘密鍵(デプロイ時に指定)でログイン
    (ユーザはadmin、パスワードを入力)
    5-1
  3. コマンドm4c registorで初期構成を開始
  4. [Please enter vCenter host address:]  vCenter Server IPアドレスを指定
  5. vCenter Server の SSL 証明書サムネイル(Fingerprint)を承諾
  6. [Please enter vCenter account name to be used by this appliance:]
        vCenter Server への接続に使用するユーザアカウント/パスワードを入力
  7. Google Cloud への Migrate Connector 登録に使用する Google Cloud ユーザアカウントを指定
  8. [Please visit this URL to authorize this application:]に表示されたURLをブラウザに貼り付け、⑦で指定したユーザアカウントに対する OAuth 接続コードを取得し[Enter the authorization code:]にコピー&ペースト。OAuth接続コードはCLOUD SHELLよりコマンド「gcloud auth print-access-token」で取得
    7-1
  9. [Please select project:]  Migrate Connectorを紐付ける Project を指定
  10. [Please select region:]  Migrate Connectorを紐付けるリージョンを指定
  11. [Please supply new vSphere source name]  Google Cloudに登録するSourceNameを指定
  12. [Please select service account: (“new” to create)]でMigrate ConnectorがGoogle Cloud への接続に使用するサービスアカウントを指定もしくは新規に作成
    (このサービスアカウントに対して、自動的に必要なロールが適用されます)
  13.  ⑫で “new” を選択した場合には [Please supply new service account name…]で作成するサービスアカウント名を指定

    初期構成が完了するとGoogle Cloudコンソールより登録したMigrate ConnectorとvSphereの仮想マシン一覧が表示されます。
    9-1

まとめ

今回はvSphere環境にM2VM Connector ServerをデプロイしGoogleCloud接続の初期構成を行いました。vSphereに慣れている方であれば難しくないでしょう。ここまでくれば移行準備は完了です。
次回はMigrate to Virtual Machinesで仮想マシンの移行を解説したいと思います。お楽しみに!

参考

Migrate Connector をインストールする

VMware ソースから仮想マシンを移行する

Google Cloud、Google Workspace に関するご相談はXIMIXへ!

Google Cloud、Google Workspaceに関する お問い合わせはこちら


Migrate to Virtual MachinesによるVM移行 [準備編]

BACK TO LIST