はじめに
こんにちは。日本情報通信の李です。
ノンコーディングによるアプリ開発の魅力は、プログラミングの知識がなくても手軽に自分だけのアプリを作成できることです。AppSheetはそのための優れたツールです。この記事では、初心者向けにAppSheetでよく使われる関数を解説します。手順を追って、自分のアプリを作る際に役立ててください。
AppSheetとは?
AppSheetは、スプレッドシートを基にしてアプリを開発できるプラットフォームです。
プログラミングの知識がなくても、スプレッドシートのデータを利用してフォームやリスト、チャートなど多彩なアプリを作成できます。直感的な使いやすさが魅力で、アイデアをリアルなアプリに変えるのに最適です。
事前準備するもの
AppSheetを始める前に、以下の事前準備が必要です。
- Googleアカウントの取得
AppSheetはGoogleと連携して動作します。Googleアカウントを持っていない場合は、まずは取得しましょう。
- データベースの用意
AppSheetはスプレッドシートをデータベースとして利用します。アプリに組み込むデータを整理してGoogle Sheetsを用意しましょう。
関数の紹介
①ユーザー関連の関数
AppSheetでは、様々なユーザー関連の関数が提供されています。以下に、いくつかの主要なユーザー関連の関数を紹介します。
- USEREMAIL() 関数
現在のアプリを利用しているユーザーのメールアドレスを取得します。ユーザーに基づいてデータの表示や操作を個別化するのに使用されます。
- DOMAINOF() 関数
DOMAINOF()関数は、ドメイン(ドメイン名)を返す関数です。主に、セキュリティやアクセス制御のために使用されます。
DOMAINOF(USEREMAIL())とすると、ユーザーのメールアドレスのドメインを取得できます。USEREMAIL()関数で現在のユーザーのメールアドレスを取得し、そのメールアドレスのドメインをDOMAINOF()関数で取得しています。
- USERROLE() 関数
現在のユーザーの役割(ロール)を取得します。
特定のユーザーが管理者であるか、あるいは一般ユーザーであるかなど、ユーザーのロールに基づいて条件分岐を行う場合に使用します。
これらの関数は、ユーザーに依存するアプリケーションやデータ処理を行う際に活用されます。ユーザーに関する情報を取得し、それを元に柔軟にアプリケーションの挙動を変更したり、ユーザーエクスペリエンスをカスタマイズしたりすることができます。
②日時関連の関数
AppSheetには、日付と時刻に関するさまざまな関数があります。以下に、AppSheetで一般的に使用されるいくつかの日付関連の関数を紹介します。
- TODAY() 関数
現在の日付を返します。これは動的な関数であり、アプリを開いた時点での日付が表示されます
- NOW() 関数
現在の日時を返します。これも動的な関数であり、アプリを開いた時点での日時が表示されます。
NOW()とTODAY()が返す値は、ユーザーのデバイスのタイムゾーンオフセットを反映しています。たとえば、ユーザーのデバイスのタイムゾーンが太平洋標準時(PST)の場合、返される値はUTC-08:00になります。ユーザーのデバイスのタイムゾーンが香港の場合、返される値はUTC+8:00になります。
- DATE() 関数
指定した年、月、日の日付を返します。年、月、日の引数を指定して使います。
- DATETIME() 関数
指定した年、月、日、時、分、秒の日時を返します。年、月、日、時、分、秒の引数を指定して使います。
- DAY() 関数
指定した日付の日を返します。
- MONTH() 関数
指定した日付の月を返します。
- YEAR() 関数
指定した日付の年を返します。
これらの関数は、日付や時刻に関連するデータを操作する際に使用されます。例えば、期限の管理、日付に基づく条件の設定、経過時間の計算などに応用できます。
③テキスト関連の関数
AppSheetには、さまざまなテキスト関連の関数があります。以下にいくつかの代表的なテキスト関数を紹介します。
- CONCATENATE() 関数
AppSheetで文字列を結合するための関数です。複数のセルやテキストを一つにまとめたり、任意の形式で文字列を作成するのに役立ちます。
- SUBSTITUTE() 関数
SUBSTITUTE()関数は、テキスト内の特定の文字列を別の文字列に置き換えます。
- LEFT() 関数
LEFT()関数は、指定した文字数だけ左端からテキストを抽出します。
- RIGHT() 関数
RIGHT()関数は、指定した文字数だけ右端からテキストを抽出します。
- MID() 関数
MID()関数は、指定した位置から指定した文字数だけの部分文字列を取得します。
- LEN() 関数
LEN()関数は、指定したテキストの長さ(文字数)を返します。
これらの関数を組み合わせて使用することで、テキストデータを柔軟に操作できます。テキストの結合、抽出、変更、置換などの基本的な操作ができるようになります。
まとめ
本記事では、初心者向けにAppSheetでよく使われる関数を解説しました。ユーザー関連、日付関連、テキスト関連の関数を学ぶことで、データの処理や表示をより柔軟に行うことができます。
具体的には、以下のことができます。
- ユーザーごとに異なる表示や操作を実現する
- 期限の管理や日付に基づく条件の設定などを行う
- テキストの結合、抽出、変更、置換などの基本的な操作を行う
AppSheetでアプリを作成する場合、これらの関数を組み合わせて活用することで、さらに複雑なデータ処理を行うことができます。ぜひ、本記事で紹介した関数を参考に、AppSheetの活用に役立ててください。
第二弾では、続いて他の関数の使い方や、関数を組み合わせたデータ処理の例などを紹介していきます。
ぜひ、第二弾も楽しみにしてください。
参照資料
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