[Google Cloud Next '25 Las Vegas] コンピューティングリソースとコミットメントの効果的な管理方法

2025.04.13 Katsuhiko Shigeyama

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Google Cloud Next '25 Las Vegasとは

Google Cloud Next '25は、2025年4月9日から4月11日の3日間、アメリカ・ラスベガスのMandalay Bayにおいて開催されるGoogleのクラウドサービスに関する世界最大級のイベントです。「今回は、これまでで一番多彩なデベロッパーコンテンツを用意します。デベロッパー専用のエクスペリエンスやコンテンツを充実させ、アプリ開発や AI のほか、スケーラブルで安全なデータ駆動型アプリケーションの学習や開発に役立つ重要なトピックを網羅します。」と銘打っており、AIコンテンツで大いに盛り上がった昨年や一昨年にも勝るとも劣らないイベントとなることが期待されます。

私たち日本情報通信株式会社も、Google Cloudに精通した専門家として、技術イノベーションの最新動向を取り入れ、顧客に対するソリューション提供に活かしていくことを目指して参加しています。

このような貴重な機会ですので、現地からいち早くブログで最新情報や熱量を発信してまいります。

本記事で紹介するセッション概要

講演日時：2025年4月11日　11:00 - 11:45 GMT-7
セッションタイトル：Manage compute resources and commitments effectively across Google Cloud
登壇者
- Ari Liberman
  - Google Cloud Compute プロダクトマネージャー
- Yasmin Mowafy
  - Google Cloud Compute シニアプロダクトマネージャー

セッション内容のサマリ
- Google Cloudの利用料金を最適化するための戦略について解説しています。具体的には、Compute Engine、Cloud Run、Vertex AI、GKE Autopilotといったサービスにおけるコスト削減の方法を取り上げています。容量予約の管理や、Spot VM、Dynamic Workload Scheduler、確約利用割引（CUD）のような消費モデルを活用することで、コスト効率とキャパシティ可用性の最適なバランスを実現する方法を学ぶことができます。

このセッションで期待できること

本セッションでは、Google Cloudにおけるコンピューティングリソースとコミットメントの効果的な管理方法について、学ぶことが出来ます。セッションでは以下について、紹介されていました。

コンピューティングの状況と課題
適切な消費モデルの選択
コミットメントの種類
キャパシティアシュアランス

セッション内容

本ブログでは、実際にセッションを聞いて特に興味深く感じたポイントを抜粋します。

コンピューティングの状況と課題

まず、コンピューティングの状況と課題について、以下のように紹介されていました。

クラウドは柔軟性とスケールを提供する一方で、コストと複雑性が増大しており、新しい支出管理のアプローチが必要である。
多様なワークロードは異なるニーズを持っており、特化したインフラストラクチャと消費モデルの必要性が高まっている。
適切な購入モデルをワークロードに適合させることが重要であり、パフォーマンスと可用性を最大化し、不要なコストを最小限に抑えることが大切である。
Google Cloudは、AI/MLワークロード、モダンワークロード（コンテナ化、サーバーレスなど）、伝統的なエンタープライズワークロードなど、様々なワークロード向けに最適化されたインフラストラクチャを提供している。
コンピューティングは、汎用的なものから特化したものまで幅広い選択肢があり、様々なワークロードに対応できる。

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Instance flexibility instance in MIGs

Managed Instance Groups (MIGs) において、2024年にリリースされたInstance flexibilityについて紹介されていました。

Instance flexibility instanceにより、以下のことが可能になります。

異なるSpot VMタイプ間で自動的にキャパシティを見つけることが可能
異なるVMファミリーとサイズの複数Spot VMタイプを設定可能
コストとパフォーマンスの最適な組み合わせのために選択の優先順位を選択可能
MIGsは、最も低く観測されたプリエンプション率のVMタイプを自動的に選択し、ワークロードの中断を減らすことを目指す

このInstance flexibility機能は、Spot VMを利用する際に、より柔軟にキャパシティを確保し、コスト効率を高め、中断のリスクを低減することを目的としていると言えます。

コミットメントタイプの種類

フレキシブルCommitted Use Discounts（CUD）

特定のVMファミリーやリージョンに縛られることなく、より広い範囲でコミットメントによる割引を受けたい場合に最適です。予測可能なクラウド支出に対して、柔軟性を保ちながらコストを最適化することができます。

主な特徴は以下のとおりです。

柔軟性: VMファミリーとリージョンを跨いで利用可能
対象ワークロード: 予測可能な支出が見込まれるワークロードに適している
割引: 1年間のコミットメントで最大28%、3年間のコミットメントで最大46%の割引
適用範囲: 全ての汎用およびコンピュート最適化VMファミリー
共有: 同一課金アカウント内の複数のプロジェクト間で共有可能

リソースベースCommitted Use Discounts（CUD）

リソースベースのCUDは、コミットメント期間と引換えに大幅な割引を提供するものです。これは、予測可能で安定したワークロードに最適です。

主な特徴は以下のとおりです。

対象ワークロード: リージョンとマシンファミリー内の集約されたリソース (vCPU、メモリ、ローカルSSD、GPUなど) に適用
割引: 1年間のコミットメントで最大37%、3年間のコミットメントで最大55%（メモリ最適化されたインスタンスの場合は最大70%）の割引
適用範囲: VMファミリータイプごと
共有: 同一課金アカウント内の複数のプロジェクト間で共有可能

コンピューティングリソースの最適化への道

コンピューティングリソースのコスト最適化の段階的な進め方については、以下のように紹介されていました。

1st Step：オンデマンドまたはSpot VMを利用
- バースト的なワークロードや早期のピーク使用に対応することが推奨
2nd Step：フレキシブルCUDを利用
- 1年から3年利用するが、まだ完全に計画されていない成長期のワークロードに最適
3rd Step：リソースベースCUDを利用
- 1年から3年利用する計画された安定したワークロードに最適

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まとめ・感想

これまでは、オンデマンドから予測可能な利用が見えてきた段階で、リソースベースのCUDという検討を進めるお客様が多かったですが、今回紹介されたコンピューティングリソースの最適化という観点は、非常に参考になりました。

今後は、このような考え方を念頭に置いて、お客様の環境に寄り添っていきたいなと感じました。

最後に

長かったようで、あっという間のラスベガスでの滞在でした。次回も今回同様に、ラスベガスでのGoogle Cloud Next2026（4月22日〜24日）が行われるようです。次回参加できるかは分かりませんが、今回の経験を糧に、日本での仕事に活かしていければと考えています。

参考

Compute のフレキシブル CUD
リソースベースの CUD

最後に

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執筆者紹介

Katsuhiko Shigeyama

2011年に日本情報通信株式会社（通称NI+C）に入社し、オンプレミスのエンジニアとして、従事クラウドビジネスの成長性・進歩に興味を抱き、2019年からGoogle Cloudに従事し始める。当初は、クラウドのインフラを中心に担当し、現在は、主にデータアナリティクスを中心に活動をしている Google Cloud Partner Top Engineer 2025受賞

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