[Google Cloud Next '23] Day2 セッションピックアップ

 2023.08.31 2023.09.01

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Google Cloud Next '23 inサンフランシスコ

2023年8月29日〜31日、アメリカ・サンフランシスコで開催されているGoogle Cloud Next'23に、日本情報通信株式会社クラウドインテグレーション部から5名が参加しています。

このイベントは、世界最大規模のクラウドコンピューティングイベントであるGoogle Cloud Next'23で、Google Cloudの最新情報やソリューションを学ぶことができます。

基調講演やブレイクアウトセッションでは、Google Cloudのトップエンジニアやソートリーダーから直接話を聞くことができます。

日本よりも3年ほど先に進んでいると言われている現地で、最先端のGoogle Cloudの最新情報や今後の方向性について、自身の目で見てくる非常に貴重な機会です。

このような貴重な機会ですので、現地からいち早くブログで最新情報や熱量を発信してまいります。

Day 2 セッションピックアップ

中根です。

本日はGoogle Cloud Next Day 2 にて私が実際に参加したセッションについてお伝えできればと思います。
またセッションは随時オンデマンド公開されますので気になる内容があればぜひご登録のうえご視聴いただければと思います。
セッション名の冒頭にある英数字はセッションコードになりますので検索にお使いください。

DEV302: Extend your Cloud Run containers’ capabilities using sidecars

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Day 2 の1つ目は今年5月にプレビューリリースされていたCloud Runのサイドカーについてのセッションとなります。
Day 2は朝8時からになるのですが多くの人が参加されていました。

サイドカーの機能紹介からユースケース、事例紹介といった流れになります。
個人的にはサイドカーという機能の有用性がありピンと来ていなかった部分がありました。
ですがセッション内にて複数のチームやレイヤー(共通機能とApp機能)における開発言語や開発サイクルのギャップを分離できるといった話を聞いてなるほど、と思いました。

セッション内の事例でもk8s環境からCloud Runに移行したことでアプリケーションのリリース頻度が月に数回から日に数回というレベルで向上したという話もありました。
ですのでサイドカー機能はk8sからのCloud Runへの移行・分離のときに最も力を発揮すると感じました。

ANA212: What's new in business intelligence for today's GenAI world

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Day 2つ目はBI、Lookerのセッションとなります。
直前でセッション予約を間違えておりWaiting列に並び会場を待つことになりましたが無事入場できました。

セッションは紹介からデモ動画といった内容でした。
執筆時点ではセッション動画の公開がされていないのですがデモ動画についてはぜひ見ていただきたいと思いました。Duet AI in Lookerの理想が垣間見えた気がしました。

私自身Lookerの導入、開発に関わらさせていただいたことがあリます。
その中でBIユーザーの方々へ要望をヒアリングさせていただくのですがまさにDuet AIへ要望を伝えるとその場でLookやアクションへ繋げられるというような内容でした。

また、セッションの以下のスライドが表示されたときに戦略を変えてきたな、と思いました。
皆様は下記スライドから気づくでしょうか。

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それはデータプラットフォームとBIそれぞれにLookerが記載されていることです。

Looker 登場当初は第3世代BIとしてBI面を強調していました。
近年はデータプラットフォーム、データハブといった要素を押し出してきておりましたがスライドのロゴの大きさからもその傾向が強くなっていると感じます。

またConnectivity & Collaborationに一般的にBIとして競合となるようなtableauやPower BIが存在しています。
セッション内にてこれらの製品とのConnectorが発表されています。

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LookerとしてBIについてはユーザーの使い慣れたものを、しかしながらプラットフォーム、ハブとしては唯一無二の自身があるという現れでもあるかな、と一人盛り上がっていました。

ANA200: Share securely with data clean rooms

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Day 2の中でもっとも期待していたセッションとなります。
データクリーンルーム自体は昨日のセッションにて BigQuery data clean rooms として発表されていました。
私もいくつかデータクリーンルームをGoogle Cloud にて行うには?というご相談を頂いたこともあり期待していました。

まず最初にBigQuery data clean roomsは パブリックプレビューとして利用が可能となりました。

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BigQuery data clean roomsは以下のような特徴があるようです。

  • データクリーンルームとして Analytics Hub 内に作成
  • クリーンルームに共有するViewおよびデータへのポリシーを設定(ポリシーはJOIN可否やデータの持ち出し可否等々)
  • 上記Viewをクリーンルームへパブリッシュ
  • 共有相手はクリーンルーム内をサブスクライブして利用

以下のスライドからもわかるようにパブリッシュ/サブスクライブといった観点はAnalytics Hubにて同じみかと思います。
個人的にはまるっと新しいサービスというよりはAnalyticsHubのアドオンのように感じました。

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ただアドオンといってもコンソールや専用のモニタリングが用意されています。
とくにデータのアクセスや参照量等正しく想定された利用が行われているか確認がシンプルに行えるかは非常に重要な要素です。

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また BigQuery data clean rooms という新サービスですがセッション内にてエコシステムとして以下のパートナーが紹介されていました。

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セッションでは事例に登場しているL'Oréal社が利用しているHabuについてもピックアップされていました。

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詳細はセッション動画をご確認頂きたいのですが、かなり高機能でありデータクリーンルームのサービスだけではなく、見慣れたLookerがエンベデッドされていたり、Duet AIによる自然言語のやり取り等々かなり高機能なデータプラットフォームのようです。

今回のNextのセッションではエコシステムによるスピードアップというキーワードをよく聞いています。
もしゼロベースでのスタートとなる場合はOut-of-Boxでの利用として検討してみるのも良いかと思います。

DEV303: Fast track to modernization: Build next-generation data pipelines with containers

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データ大好きな私としてはセッションタイトルから外せないデータパイプラインについてになります。

本セッションではCloud Run/Cloud Run jobsを中心としたデータパイプラインパターンについて紹介されています。
まさに教科書的に学べるセッションとなっていました。

今回セッションタイトルにもあるコンテナの有用性がわかるスライドです。
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オンデマンド/バッチについてはCloud Run jobsを、

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リアルタイムはPull型/Push型それぞれについて解説がありました。

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繰り返しになりますが本セッションはまさに教科書的に学べるセッションとなっていましたので多くの方の約に立つかと思います。

ANA115: Data and AI Cloud for Marketing: Your marketing, multiplied by Google Cloud

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Day 2 最後のセッションはマーケティングに関するセッションとなりました。
マーケティングについては足りない部分がありますがテクノロジーなら負けない気持ちで挑みました。

セッション自体はGoogle Cloud におけるマーケティングアーキテクチャの紹介、事例としてアメリカの香辛料メーカーMcCormick&Company社のスライド、トーク形式による事例紹介でした。

セッションが始まるまでデモ動画が流れていたのですが(セッション内でも流れました。)Duet AIによる自然言語でのオーディエンス抽出やImagenによるマーケティング画像生成といったNextの要素がぎっしり詰まっていました。

マーケティングソリューションとしてlytics社を組み合わせたソリューションや

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Google Cloud のおなじみのサービスを使ったJump Start、

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デモ動画に登場したAIベースのソリューション、

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クリーンルームにて登場したHabu

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といった多くの紹介がありました。
もちろんマーケティングユースケースによるまとめ

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そして事例紹介になります。

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McCormick社とGoogle社によるマーケティングプラットフォームを実現するためのジャーニーや苦労について紹介がありました。

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その中でもサイロの解消や新しいアプローチに対するプロセスは非常に苦労されたとのことでした。
お話の中でも"タフ"という言葉が何回もありました。

半日〜終日かかる内容昨日はロンドンの担当と、今日はニューヨークの担当と、というように大規模のシステムとしての苦労についてもお話されていました。

またアーキテクチャとしては積極的なエコシステムの利用を述べていました。
Out-of-Boxで利用することによるスピードアップを重視した一方、Out-of-Boxであることのデメリットも(名言されていませんでいたが)あったことは想像に難くないかと思います。

さて明日は最終日となりセッション数が少ないですが引き続き速報をお届けできればと思います。

Google Nextはオンデマンドでもセッションが視聴可能です。
ぜひご登録いただければと思います。

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執筆者紹介

Yohei Nakane
XIMIX 中根
2012 年日本情報通信株式会社へ入社。 入社後はインフラ エンジニアとして活躍。 2018 年より Google Cloud を担当。 アプリ開発からデータ基盤、クラウド全体のアーキテクトと幅広く担当。 Google Cloud Top Engineer 2023 を受賞。

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