[Google Cloud Next '25 Las Vegas] セッション参加レポート: Agentspaceを始めるために知っておくべきこと

 2025.04.13 杉山 聖乃

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Google Cloud Next '25 Las Vegasとは

Google Cloud Next '25は、2025年4月9日から4月11日の3日間、アメリカ・ラスベガスのMandalay Bayにおいて開催されるGoogleのクラウドサービスに関する世界最大級のイベントです。「今回は、これまでで一番多彩なデベロッパー コンテンツを用意します。デベロッパー専用のエクスペリエンスやコンテンツを充実させ、アプリ開発や AI のほか、スケーラブルで安全なデータ駆動型アプリケーションの学習や開発に役立つ重要なトピックを網羅します。」と銘打っており、AIコンテンツで大いに盛り上がった昨年や一昨年にも勝るとも劣らないイベントとなることが期待されます。

私たち日本情報通信株式会社も、Google Cloudに精通した専門家として、技術イノベーションの最新動向を取り入れ、顧客に対するソリューション提供に活かしていくことを目指して参加しています。

このような貴重な機会ですので、現地からいち早くブログで最新情報や熱量を発信してまいります。

本記事で紹介するセッション概要

  • 講演日時:2025年4月9日
  • セッションタイトル:Three paths to agentic AI on Google Cloud
  • セッション内容のサマリ
    AIエージェントは興味深い機会を提供します。これらのAIシステムは、目標を達成するために自律的に推論、計画、行動する能力を持ち、複雑なタスクの自動化や革新的なAI駆動型アプリケーションの作成を含む、広範な可能性を解き放ちます。この講演では、AIエージェントの3つのアプローチ1) Agentspace を基盤とする構築、2) NotebookLM の利用、3) Google 上のAIエージェントについて掘り下げます。セッションの終わりまでに、参加者はAIエージェントを始める方法について確固たる理解を得られるでしょう。

このセッションで期待できること

どのセッションでも"Agentic AI"と耳にするほど、NEXT'25を語る上で外せないGoogleのAIエージェント『Agentspace』ですが、構築方法や各種機能の違いなど気になる点が盛りだくさんかと思います。このセッションでは『Agentspace』初心者の私が、プロダクトについて理解を深められればと期待して参加したセッションです。

セッション内容

Agentspaceは大きく3層で構成されています。

  1. 開発基盤:ADK / Agent Engine / Gemini API
  2. AIエージェント開発:Conversational Agents
  3. AIエージェント利用:Agentspace

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ADKではPythonを用いて開発を行いますが、Pythonの経験がない方でもチュートリアルやデモを確認しながら開発することが可能です。Conversational Agentsの層にはAgentspace Agent Designer等の機能が含まれ、ノーコードでAIエージェント開発をサポートします。

Agentspaceに関しては、一機能としてNotebookLM Enterpriseの利用が可能です。NotebookLMの基本機能に加え、Enterpriseを利用する4つの利点をご紹介します。

  • VPC-SCをはじめとしたクラウド環境のセキュリティサービスをサポートによる
  • Google Identity, Okta, Azure ADなどSSO認証でNotebookLMの利用可能
  • Cloud IAMのロールでGCPプロジェクト内の他のユーザーにNotebooksの共有が可能
  • DOCX,PPTX,XLSXなど多様なファイルタイプをサポート

セキュリティ要件が厳しいとなかなか生成AI活用が進まないとご相談いただくお客様も多いですが、Enterpriseを利用することで着々と活用を推進できるのではないでしょうか。

最後にAgentspaceで利用できるGoogle提供AIエージェントをご紹介します。4/13現在発表されているAIエージェントは以下2つです。

  • Idea Generation Agent
  • Deep Research Agent

以下ではGoogleが提供する2つのAIエージェントを詳しくご紹介します。

Idea Generation Agent

Idea Generation Agentは名前の通り、アイデアを創出・ランク付けすることでイノベーションと問題解決を支援するエージェントです。ブレインストーミングをはじめ、マーケティング、製品開発、エンジニアリングなど様々な分野にまたがってアイデアを生成します。数分間で100-200件規模の膨大なアイデアを生成し、トーナメント形式のシステムとユーザー定義の基準を利用して評価およびランク付けをします。

現在はPre-GAの状態ですが、既に公式ドキュメントも作成されているのでご興味のある方は是非ご覧ください。

Deep Research Agent

Deep Research Agentは、ユーザーの代わりに数百ものウェブサイトを自動的に参照し、得られた結果を分析して複数のページで構成される分析情報のレポートを作成します。競合分析や、製品比較をはじめとした業務に最適なエージェントです。

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他セッションでの紹介説明の画像にはなりますが、画面イメージのように複数の分析情報が表示され、各タブを展開することで説明を確認することが可能です。

まとめ・感想

ADKをはじめとしたAIエージェント開発基盤をもとに、他プロダクトと組み合わせを経てAgentspaceが動いているということを改めて理解できたセッションでした。本ブログでのご紹介はありませんが、Googleが提供するAIエージェントをはじめとした各種AIエージェントは、Agentspace Agent Galleryから確認することが可能です。今後ますます拡充が期待されるGalleryにて、業務に沿ったAIエージェントを選び、ワークフローにAIエージェントを取り込んでいくスタイルが今後の未来になるのかな.. なったらいいな..と思う発表でした!

参考

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執筆者紹介

Satono Sugiyama
杉山 聖乃
Lookerの提案~開発を担当。Google Cloud Partner Top Engineer 2025 Data Analytics 部門、Google Cloud Partner Tech Blog Challenge 2023/2024 Data Analytics 部門を受賞。

[Google Cloud Next '25 Las Vegas] セッション参加レポート: Agentspaceを始めるために知っておくべきこと

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