はじめに
多くの企業が業務効率化や多様な働き方の実現を目指し、様々なクラウドサービスを導入しています。しかしその一方で、「利用するサービスが増えすぎて管理が煩雑になっている」「サービス間の連携が取れず、かえって非効率だ」「ライセンス費用が積み重なり、コスト負担が大きい」といった課題を感じている方も少なくないのではないでしょうか。
特にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上では、サイロ化されたシステムやデータは大きな障壁となり得ます。このような状況を打開し、よりスマートで効率的な業務環境を構築する手段として注目されているのが、Google Workspaceへのクラウドサービスの集約と、AppSheetのようなノーコードツールの活用です。
本記事では、DX推進をご検討中、あるいは現在のクラウド環境に課題を感じている企業の決裁者層の方々に向けて、以下の点を入門レベルで分かりやすく解説します。
- なぜ今、クラウドサービスの集約が求められるのか
- Google Workspace の主要機能と、既存サービスをどこまで代替できるのか
- Google Workspace への集約によって得られる具体的なメリット
- AppSheet を活用した業務改善の可能性
- 移行を検討する上での重要なポイント
この記事を読むことで、貴社のクラウド環境を見直し、Google Workspace と AppSheet を活用してDXを加速させるためのヒントを得ていただければ幸いです。
なぜ今、クラウドサービスの集約が求められるのか?
デジタルトランスフォーメーション(DX)が企業の成長戦略に不可欠となる現代において、クラウドサービスの活用はもはや当たり前となっています。しかし、部門ごとや目的別に異なるサービスを導入した結果、以下のような課題に直面する企業が増えています。
複数サービス利用の現状と課題
- コストの増大: 利用サービスごとにライセンス費用が発生し、重複する機能に無駄なコストを支払っているケースがあります。また、管理コストもサービス数に比例して増加します。
- 管理の煩雑化: アカウント管理、セキュリティ設定、契約更新などがサービスごとに必要となり、IT部門の負担が増大します。シャドーITのリスクも高まります。
- セキュリティリスクの分散: 各サービスでセキュリティポリシーが異なり、一貫したセキュリティ対策を講じることが困難になります。情報漏洩のリスクも高まります。
- データ連携の不足とサイロ化: サービス間でデータが分断され、スムーズな情報共有や連携が阻害されます。結果として、部門間のサイロ化を助長し、全社的なデータ活用を妨げます。
- 従業員の負担増: 複数のツールを使い分ける必要があり、操作方法の習得や切り替えに手間と時間がかかり、生産性の低下を招くことがあります。
- 現場ニーズへの迅速な対応の難しさ: 業務改善のための小さなシステムやツールが必要な場合でも、IT部門に開発を依頼すると時間やコストがかかり、迅速な対応が難しいことがあります。
これらの課題は、特にDXを推進しようとする企業にとって、大きな足かせとなり得ます。DXの成功には、組織全体でのスムーズな情報共有、部門横断的なコラボレーション、データに基づいた迅速な意思決定、そして現場主導の業務改善が不可欠だからです。
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DX推進における統合プラットフォームとノーコード活用の重要性
このような背景から、複数のクラウドサービスを統合し、一元的なプラットフォームで管理・運用することの重要性が高まっています。統合プラットフォームは、以下の点でDX推進を強力に後押しします。
- コミュニケーションとコラボレーションの円滑化: 全従業員が共通のツールセットを利用することで、情報共有や共同作業がスムーズになり、組織全体の生産性向上に貢献します。
- データの一元管理と活用: 散在していたデータを集約し、分析・活用しやすい環境を構築することで、データドリブンな経営判断を支援します。
- セキュリティとガバナンスの強化: 一元的な管理体制のもとで、統一されたセキュリティポリシーを適用し、コンプライアンスを強化できます。
- 運用効率の向上とコスト最適化: ライセンス管理の簡素化、重複機能の排除、IT部門の管理工数削減により、TCO(総所有コスト)の削減が期待できます。
さらに、AppSheetのようなノーコード開発ツールを組み合わせることで、プログラミングの専門知識がない現場の従業員でも、自らの手で業務改善アプリケーションを迅速に開発できるようになります。これにより、IT部門に頼ることなく、現場のニーズに即したきめ細やかなDXを推進することが可能になります。
Google Workspace は、まさにこの統合プラットフォームとして機能し、さらに AppSheet と連携することで企業のDX推進をより一層加速させるポテンシャルを秘めています。
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Google Workspaceとは? – 基本機能と特徴のおさらい
Google Workspace は、Google が提供するクラウドベースのグループウェアサービスです。Gmail や Google ドライブ など、個人向けにも馴染みのあるツール群をビジネス向けに拡張し、セキュリティや管理機能を強化した統合型ソリューションです。
ここでは、Google Workspace の主要な機能と、それらがビジネスシーンでどのように活用できるかを簡単におさらいしましょう。
コミュニケーションツール
- Gmail: 高機能なメールサービスです。強力な検索機能、迷惑メールフィルタ、大容量ストレージを備え、ビジネスコミュニケーションの中心となります。
- Google チャット: テキストメッセージ、ファイル共有、タスク管理などが可能なビジネスチャットツールです。チームやプロジェクトごとのスペースを作成し、リアルタイムなコミュニケーションを実現します。
- Google Meet: 高画質なビデオ会議システムです。画面共有、録画機能、字幕表示など、オンラインミーティングに必要な機能が揃っており、場所を選ばない柔軟な働き方を支援します。
コラボレーションツール
- Google ドライブ: あらゆるファイルをクラウド上に保存・共有できるオンラインストレージサービスです。ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどとシームレスに連携し、ファイルの共同編集も容易です。
- Google ドキュメント: Webブラウザで利用できる文書作成ツールです。リアルタイムでの共同編集が可能で、コメント機能や変更履歴も充実しており、複数人での文書作成・レビューを効率化します。
- Google スプレッドシート: 高機能な表計算ツールです。関数、グラフ作成、ピボットテーブルなどの機能を備え、データ分析やプロジェクト管理に活用できます。こちらもリアルタイム共同編集に対応しています。
- Google スライド: プレゼンテーション作成ツールです。多彩なテンプレートやアニメーション機能を備え、魅力的な資料をチームで共同作成できます。
業務効率化・自動化ツール
- AppSheet: プログラミングの知識がなくても、Google スプレッドシート、Excel、Cloud SQLなどのデータソースからカスタム業務アプリケーションを迅速に構築できるノーコード開発プラットフォームです。例えば、日報作成、在庫管理、顧客情報管理、タスク管理といった様々な業務アプリを、現場の担当者自身が作成・改善していくことが可能です。これにより、業務プロセスの自動化や効率化をスピーディーに実現できます。
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管理・セキュリティ機能
- 管理コンソール: Google Workspace の管理者がユーザーアカウント、セキュリティ設定、サービポリシーなどを一元的に管理できるツールです。詳細な監査ログやレポート機能も提供し、組織のガバナンス強化を支援します。
- 高度なセキュリティ: 2段階認証プロセス、データ損失防止(DLP)、迷惑メール対策、フィッシング対策、データの暗号化など、エンタープライズレベルのセキュリティ機能が標準で備わっています。AppSheetで作成したアプリもGoogle Workspaceのセキュリティ基盤上で動作します。
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これらのツール群が緊密に連携し、1つのプラットフォーム上でシームレスに動作することが Google Workspace の大きな特徴です。加えてAppSheetを利用することで、既存の業務プロセスをさらに効率化し、現場のニーズに合わせた柔軟なシステム構築が可能になります。
Google WorkspaceとAppSheetでどこまで代替可能?主要なサービス・ツールとの比較
現在、ファイル共有、コミュニケーション、オフィスソフト、さらには簡易的な業務システムなど、様々な目的で特定のクラウドサービスやツールを利用している企業も多いでしょう。ここでは、Google Workspace と AppSheet がこれらのカテゴリーにおいて、どの程度代替の選択肢となり得るのかを見ていきます。
①ファイルストレージ・共有サービス → Google ドライブ での代替
多くの企業で利用されているファイルストレージサービスは、Google ドライブ によって十分に代替可能です。
- 機能面: ファイルのアップロード、ダウンロード、共有、アクセス権限設定、バージョン管理といった基本機能は Google ドライブ も網羅しています。さらに、Google ドライブ はドキュメント、スプレッドシート、スライドといった生産性向上ツールとネイティブに統合されており、ファイルを開いてそのまま共同編集を開始できるシームレスな体験を提供します。
- 容量とコスト: Google Workspace の各プランには、ユーザーあたり十分なストレージ容量が含まれており、多くの場合、既存の専用ストレージサービスのコストを削減できる可能性があります。
- 移行のポイント: 既存のファイル構造やアクセス権限設定を Google ドライブ へどのように移行するかがポイントとなります。XIMIXのような専門パートナーは、スムーズなデータ移行を支援します。
②コミュニケーションツール → Google チャット, Google Meet での代替
チャットベースのコミュニケーションツールやビデオ会議システムも、Google Workspace の Google チャット と Google Meet で代替できる部分が多くあります。
- チャット機能 (Google Chat): 1対1のダイレクトメッセージ、グループチャット(スペース)、ファイル共有、タスク管理など、主要なチャットコミュニケーション機能をカバーしています。Gmail やカレンダーとの連携もスムーズです。
- ビデオ会議機能 (Google Meet): 高画質ビデオ会議、画面共有、録画、背景ぼかし、ブレイクアウトルーム(プランによる)など、充実した機能を備えています。Google カレンダー からの簡単な会議設定・参加が可能です。
- 統合のメリット: コミュニケーションツールを Google Workspace に集約することで、情報が分散せず、Gmail や ドライブ といった他のツールとの連携が強化され、業務フロー全体の効率化が期待できます。
③オフィススイート → Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドでの代替
多くの企業で標準的に使われているオフィススイートも、Google のドキュメント、スプレッドシート、スライドも強力な代替候補です。
- 機能面: 文書作成、表計算、プレゼンテーション作成に必要な基本機能から高度な機能まで幅広くカバーしており、多くの業務は Google Workspace のツールで十分に対応可能です。特に、リアルタイム共同編集機能はブラウザベースで手軽に利用できる点で優位性があります。
- 互換性: 特定のオフィススイート形式のファイル(.docx, .xlsx, .pptxなど)を Google Workspace で開き、編集・保存することが可能です。逆も同様で、Google のファイル形式をそれらの形式でエクスポートすることもできます。これにより、社外とのファイル共有もスムーズに行えます。
- コストとアクセシビリティ: 一般的に、Google Workspace は他のオフィススイートと比較してライセンスコストを抑えられる可能性があります。また、ブラウザさえあればどのデバイスからでもアクセスできるため、テレワークやマルチデバイス環境との親和性が高いです。
④簡易的な業務アプリケーションやデータベースツール → AppSheet での代替・内製化
従来、ExcelマクロやAccessデータベース、あるいは小規模なカスタム開発で対応していたような業務報告、在庫管理、顧客管理、プロジェクト進捗管理などの簡易的な業務アプリケーションも、AppSheet を活用することで、専門的なプログラマーでなくても開発・運用できるようになります。
- ノーコード開発: プログラミングスキルがなくても、直感的なインターフェースでアプリケーションを構築できます。
- データ連携: Google スプレッドシート や ドライブ 上のデータを直接データソースとして活用できるため、既存の資産を活かしつつ、データ連携もスムーズです。Cloud SQL や Salesforce など、他のデータソースとの連携も可能です。
- 迅速な開発と改善: IT部門に開発を依頼するよりもはるかに短い時間でアプリを開発・展開でき、現場のフィードバックを元にした改善も迅速に行えます。これにより、業務の変化に柔軟に対応できます。
- コスト削減: 高価な専用パッケージソフトの導入や、カスタム開発のコストを抑えることができます。
もちろん、非常に複雑な基幹システムや専門性の高い業務システム全てを AppSheet で代替できるわけではありません。しかし、多くの企業における「ちょっとした業務の非効率」を解決するツールとしては、非常に強力な選択肢となり得ます。
重要なのは、自社の業務プロセスや必要な機能を洗い出し、Google Workspace のコア機能と AppSheet を組み合わせることで、どの範囲まで効率化・内製化できるかを具体的に検討することです。
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Google WorkspaceとAppSheetへの集約で得られるメリット
複数のクラウドサービスを Google Workspace に集約し、さらに AppSheet を活用することで、企業は具体的にどのようなメリットを享受できるのでしょうか。ここでは、代表的なメリットを解説します。
メリット1: コスト削減(ライセンス費用、管理コスト、開発コスト)
複数のクラウドサービスを利用している場合、それぞれのサービスに対してライセンス費用が発生します。Google Workspace に集約することで、これらのライセンス費用を一本化し、重複機能を整理することで、トータルコストを削減できる可能性があります。
さらに、AppSheet を活用することで、従来は外部に委託していた小規模な業務アプリ開発や、高価なパッケージソフトの導入コストを削減できます。また、サービスごとに必要だったアカウント管理、契約更新、セキュリティ設定などの手間が一元化され、IT部門の管理工数を大幅に削減できます。
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メリット2: 生産性向上(シームレスな連携、共同編集、業務自動化)
Google Workspace の最大の強みの一つは、各ツールがシームレスに連携している点です。例えば、Gmail で受け取ったメールから直接 Google Meet の会議を設定したり、Google ドライブ 上のドキュメントを Google チャット で共有し、そのまま共同編集を開始したりといったことがスムーズに行えます。
AppSheet を組み合わせることで、この生産性向上はさらに加速します。Google スプレッドシート のデータを活用した業務アプリを AppSheet で作成し、入力されたデータを自動的に集計・分析したり、特定のアクションをトリガーに通知を送ったりといった業務自動化が容易に実現できます。これにより、手作業によるミスや時間のロスを削減し、従業員はより付加価値の高い業務に集中できます。
メリット3: セキュリティ強化(一元管理、高度なセキュリティ機能)
セキュリティは企業にとって最重要課題の一つです。複数のクラウドサービスを利用していると、それぞれのサービスでセキュリティポリシーが異なり、一貫した管理が難しくなる傾向があります。
Google Workspace では、Admin Consoleを通じて、ユーザーアクセス、データ保護、デバイス管理などを一元的にコントロールできます。2段階認証、データの暗号化、迷惑メール・フィッシング対策、データ損失防止(DLP)といった高度なセキュリティ機能も標準で提供されており、企業の重要な情報を強固に保護します。AppSheet で作成されたアプリケーションも、Google Workspace の堅牢なセキュリティ基盤上で動作するため、安心して利用できます。XIMIXでは、お客様のセキュリティポリシーに合わせた最適な設定のご支援も行っています。
メリット4: 情報共有の円滑化とサイロ化の解消
部門ごとやプロジェクトごとに異なるツールを利用していると、情報が分散し、組織内での共有が困難になる「情報のサイロ化」が発生しがちです。
Google Workspace を共通のプラットフォームとして導入することで、組織内の誰もが同じツールセットで情報にアクセスし、共有できるようになります。Google Drive でファイルを一元管理し、Google Chat や Meet で活発なコミュニケーションを促進することで、部門の壁を越えたコラボレーションが生まれやすくなります。さらに、AppSheet で作成した業務アプリを通じて、現場のデータがリアルタイムに共有・可視化されることで、組織全体の情報透明性が向上します。
メリット5: DX推進の基盤構築と現場主導のイノベーション促進
デジタルトランスフォーメーション(DX)を成功させるためには、従業員一人ひとりがデジタルツールを使いこなし、データを活用して新しい価値を創造できる環境が必要です。Google Workspace は、そのための強力な基盤となります。
クラウドネイティブな設計、AIを活用したインテリジェントな機能、そして拡張性の高さは、企業が変化に迅速に対応し、イノベーションを生み出すための土壌を育みます。特に AppSheet のようなノーコードツールは、IT部門だけでなく、実際に業務を行っている現場の従業員が主体的に業務改善アプリを開発することを可能にします。これにより、トップダウンのDX施策だけでなく、現場の小さな気づきやアイデアから生まれるボトムアップのイノベーションを促進し、全社的なDXマインドの醸成に貢献します。
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Google WorkspaceとAppSheetへの移行・活用を検討する際のポイント
Google Workspace への移行と AppSheet の活用は、多くのメリットをもたらす可能性がありますが、成功させるためにはいくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
①現状の課題と目的の明確化
まず、なぜ Google Workspace への移行や AppSheet の活用を検討するのか、現状のクラウド環境や業務プロセスにおける具体的な課題は何か(コスト、生産性、セキュリティ、業務の非効率など)、そしてそれらによって何を達成したいのか(目的)を明確にすることが重要です。
②必要な機能とアプリ化する業務の洗い出し
現在利用している各クラウドサービスの機能をリストアップし、その中で本当に必要な機能、Google Workspace で代替できる機能、代替できない機能を整理します。 加えて、AppSheet でアプリケーション化することで効率化が見込める業務プロセスを洗い出します。全ての業務をアプリ化するのではなく、費用対効果が高く、現場の負担軽減に繋がりやすい業務からスモールスタートすることが推奨されます。
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③データ移行計画
既存のメールデータ、ファイル、カレンダー情報などを Google Workspace へどのように移行するか、具体的な計画を立てる必要があります。AppSheet で活用する既存のデータ(スプレッドシートなど)の整理や準備も重要です。
④従業員へのトレーニングと定着化支援
新しいツールやアプリケーションを導入する際には、従業員がスムーズに利用を開始し、そのメリットを実感できるようにするためのトレーニングやサポート体制が不可欠です。Google Workspace の基本操作に加え、AppSheet を活用したアプリ作成・利用に関する教育も、内製化を進める上では重要になります。多くの企業様をご支援してきた経験から、この導入初期のサポートが長期的な活用度を左右すると言えます。
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⑤専門家への相談の重要性
自社だけで上記のポイント全てを網羅し、スムーズな移行と活用を実現するのは容易ではありません。特に中堅〜大企業においては、既存システムとの連携や、部門ごとの多様なニーズへの対応、AppSheet を活用した効果的なアプリ開発の進め方など、考慮すべき点が多くなります。
Google Cloud、Google Workspace、そして AppSheet の導入・活用に豊富な実績を持つ専門家(SIerやコンサルタント)に相談することで、客観的なアドバイスや、自社の状況に合わせた最適な移行プランの策定、そして実際の導入・運用支援を受けることができます。
XIMIXによる支援サービス
ここまで、Google Workspace へのクラウドサービス集約と AppSheet 活用のメリットや移行・導入のポイントについて解説してきました。しかし、実際にこれらを進める上では、「自社に最適なプランは何か?」「既存システムとの連携はどうすればよいのか?」「データ移行は安全に行えるのか?」「どのような業務を AppSheet でアプリ化できるのか?」「導入後の社員教育やサポート体制はどうしよう?」といった、さらなる疑問や課題に直面することも少なくありません。
私たちXIMIXは、Google Cloud および Google Workspace の認定パートナーとして、これまで多くの中堅・大企業様のDX推進をご支援してまいりました。その豊富な経験と専門知識を活かし、お客様の課題解決に向けた最適なソリューションをご提案します。
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Google Workspace への移行と AppSheet の活用は、単なるツール変更ではなく、働き方改革やDX推進の重要な一歩です。XIMIXは、お客様のビジネス成長に貢献できるよう、戦略策定から導入、運用、さらなる高度化まで、トータルでサポートいたします。
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まとめ
本記事では、複数のクラウドサービスから Google Workspace へ集約し、さらに AppSheet を活用することのメリットや、代替可能性、そして導入・移行を検討する際のポイントについて解説しました。
現代のビジネス環境において、クラウドサービスの利用は不可欠ですが、その運用方法によってはコスト増や管理の煩雑化といった新たな課題を生み出すこともあります。Google Workspace は、コミュニケーション、コラボレーション、セキュリティといった業務に必要な機能を一つのプラットフォームに統合し、さらに AppSheet によって現場主導の業務アプリケーション開発を可能にすることで、これらの課題を解決し、企業の生産性向上とDX推進を力強くサポートします。
主なメリットとして、以下の点が挙げられます。
- コスト削減: ライセンス費用、管理工数、小規模開発コストの最適化。
- 生産性向上: シームレスなツール連携、リアルタイム共同編集、業務自動化の実現。
- セキュリティ強化: 一元管理による高度なセキュリティ体制の構築。
- 情報共有の円滑化: サイロ化を防ぎ、組織全体のコラボレーションとデータ活用を促進。
- DX推進の基盤構築と現場イノベーション: 全社的なDXマインドの醸成とボトムアップでの業務改善。
Google Workspace への移行と AppSheet の活用は、単にツールを入れ替えるだけでなく、業務プロセス全体を見直し、より効率的で創造的な働き方を実現する絶好の機会です。
クラウド環境の最適化や Google Workspace の導入、AppSheet を活用した業務改善をご検討の際は、ぜひ一度XIMIXにご相談ください。専門的な知見と豊富な実績に基づき、貴社のDX推進をサポートさせていただきます。まずは第一歩として、現状の課題整理から始めてみてはいかがでしょうか。
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