[Flows100本ノック] 受信したメール内容を要約するフローを作成してみた

 2025.12.01 Yudai Imai

はじめに

本記事は、Google Workspace Flowsの実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Flows活用方法100本ノック」の一つとなります。  

今回は、毎日届くメールをいちいち開く手間や見落としを減らし、チーム全体で素早く状況を共有できるようにすることが目的です。Gmailに新しいメールが入った瞬間に、内容の要点だけを自動で要約してGoogle Chatに流すシンプルな仕組みを整え、通知のし忘れや確認の遅れをなくしていきます。

難易度 初心者向け
実現すること すべての受信したメールが都度要約され、その内容を簡便に把握できるようになります
想定する対象者 メールがたくさん来てすべてを把握することに困っている人
利用サービス Gmail, Google Chat

ユースケース

今回作成するフローの代表的なユースケースとしては以下のようなことが考えられると思います。

  • 問い合わせ対応チームの見落とし防止
    • サポート宛てメールを受信したら、その本文をGeminiで要約し、チャットスペースに自動投稿。届いた内容をチーム全員で素早く把握し、対応漏れを防ぐ。
  • 営業チームの情報共有
    • お客様からのメールが届いたタイミングで要点を自動サマリ化してチャットに通知。移動中のメンバーも概要をすぐキャッチでき、先手のアクションにつなげやすくする。
  • チームリーダーの状況把握
    • 重要メールの受信と同時に、要約がチャットに流れるシンプルな仕掛けを導入。個別にメールを開かなくても概要を追えるため、状況確認のモレを減らせる。

前提条件

今回のフローを作成するための前提条件は以下となります。Google Workspace Flowsは2025年12月時点ではGemini Alphaプログラムのユーザーのみが利用できるサービスかつまだ提供されて間もないため、このブログの内容が最新ではなくなる可能性があることをご了承ください。
  • 利用環境:Google Workspace Flows(Gemini Alphaプログラム対象テナントで提供)にアクセスできるユーザーであること。
  • 利用アプリ:Gmailで対象メールが受信でき、通知先のGoogle Chatスペース(またはDM)が事前に用意されていること。
  • 社内ルール:メール内容をAIに渡す際の社内ポリシーや情報管理ルールを確認済みであること。

フローの全体図

今回作成したフローは3ステップのシンプルな構成となっています。

スターターとして「When I get an email」を設定し、Gmailで新しいメールを受信したタイミングでフローが起動します。

続くアクションでは、まずGeminiの「Summarize」ステップでメール本文を要約し、その結果をもとに「Notify me in Chat」ステップでGoogle Chatへ通知を送ります。

メール受信 → 要約 → Chat通知というシンプルな3ステップ構成です。

構築手順

今回作成したフローの構築手順は以下のようになっています。

Starter

Starterで「When I get an email」を選択して、「All emails」を選択します。

Actions

最初のActionsでは「Summarize」を選択して、What to summarizeのプルダウンの中の「Content from previous steps」を選択します。

そして、Select content from previous stepsのVariableのボタンを選択して、Step1のStarterで設定した「When I get an email」の内容となる「Email body」を選択します。そして、Enter a promptの欄に「このメールの主要なポイントを簡潔に要約してください。」と記載します。

次のStep3を追加するため、Add stepのボタンをクリックして、Add stepの一覧の中にある「Notify me in Chat」を選択します。

次に、Messageの欄にはChatへ転送する内容を設定します。具体的には、VariablesからStep1で取得した受信メールの差出人と件名を挿入し、さらにStep2で作成した要約文をメッセージの末尾に追加することで、Google Chatに情報がまとまって送信されるように構成します。

実行テスト

作成したフローを有効化します。フローの下部に存在している「Turn on」のボタンを押してエージェントを有効化します。

試しに、自分に対して以下のようなテストメールを送信してみました。

そうすると以下の要約されたChatも送信されてきました。ChatはFlowsのアプリから届くような動きになっています。

まとめ

Gmailで受信したメールをそのまま放置せず、要点だけをGoogle Chatへ自動で流すフローを組むことで、重要情報の見逃しや共有の遅れを一気に減らせます。

Google Workspace Flowsなら、StarterにGmail、ActionsにGeminiの要約+Chat通知を設定するだけで、数分で仕組み化が可能です。

まずはシンプルなサマリ通知を導入し、チーム全員が同じ情報を素早く把握できる環境を整えたうえで、次のフローづくりにも挑戦していきましょう。


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