Google Cloud アップデート情報 | データ分析 (2026年7月20日〜2026年7月26日)

 2026.07.28 XIMIX Google Cloud チーム

はじめに

データを起点にした意思決定が広がるなか、Google Cloud のデータ分析サービスは「他システムとつなぎやすい」「安心して運用できる」方向へ進化を続けています。2026年7月20日〜7月26日の期間は、BigQuery の SAP 連携やデータベース群の可用性・セキュリティ強化、ガバナンス機能の拡充など、実務に直結するアップデートが発表されました。

本記事では、この期間に発表されたデータ分析カテゴリのアップデートから、特に注目したい主要トピック 9 件を抜粋し、業務担当者・IT 部門・経営層の方々にわかりやすく解説します。セキュリティ速報やバージョン系の告知などは、記事末尾の「その他のアップデート」でまとめてご紹介します。

特に BigQuery の SAP Business Data Cloud 連携(Preview) や、Cloud SQL / AlloyDB の可用性・セキュリティ強化Knowledge Catalog のガバナンスワークフロー(Preview) は、データ活用と統制の両面で押さえておきたいアップデートです。

対象期間 2026年7月20日〜2026年7月26日
対象製品 Google Cloud
対象カテゴリ データ分析
アップデート件数 9件(主要トピック)

今回のアップデート一覧

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アップデート詳細

1. BigQuery — Cross-cloud Lakehouse が SAP Business Data Cloud 連携に対応(Preview・2026年7月20日)

BigQuery(Google Cloud のクラウド型データウェアハウス)の Cross-cloud Lakehouse が、SAP Business Data Cloud(BDC) との連携に対応しました(Preview)。SAP 上のデータを移行せずに BigQuery から扱えるようになり、SAP と Google Cloud のデータをつなぐ選択肢が広がります。

🔍 何が変わったのか

  • SAP BDC からのフェデレーション: Lakehouse に Delta Sharing カタログを作成し、SAP BDC の共有・スキーマ・テーブルを自動的に同期できます
  • SAP データのクエリ: 同期した SAP BDC のテーブルを、データ移行なしに BigQuery から直接クエリできます
  • SAP BDC への公開: Apache Iceberg REST カタログ(IRC)テーブルや Knowledge Catalog のデータプロダクトを Lakehouse から SAP BDC に公開でき、SAP 側では移行なしにリモートテーブルとして利用できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

SAP を基幹システムとして使う企業のデータエンジニアが、SAP のデータを移行せずに BigQuery で横断分析したい場面で活用できます。反対に、Google Cloud で整備したデータを SAP 側の利用者・アプリケーションに提供したいケースにも適しています。

✨ 導入メリット

  • データ移行なしに SAP と Google Cloud のデータを相互に活用でき、連携の手間とコストを抑えられます
  • 共有・スキーマ・テーブルの自動同期により、データ鮮度を保ちやすくなります
  • 双方向の連携により、SAP と分析基盤をまたいだデータ活用の幅が広がります

📚 公式ソース

2. Cloud SQL — Data API で Secret Manager による認証に対応(2026年7月20日)

Cloud SQL for MySQLCloud SQL for PostgreSQL(いずれも Google Cloud のマネージドデータベース)で、Data API を使って SQL を実行する際に Secret Manager(機密情報の管理サービス)による認証を利用できるようになりました。データベースのパスワードをコード内に書かずに扱えます。

🔍 何が変わったのか

  • Data API の SQL 実行機能(executeSql)で、Secret Manager による認証に対応しました
  • データベースのパスワードを Secret Manager のリージョナルシークレットに保存し、そのシークレットバージョンのリソース名を API リクエストで渡せます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

アプリケーションや自動化処理から Cloud SQL に対して SQL を実行する開発者・運用担当者が、認証情報を安全に管理したい場面で活用できます。パスワードを設定ファイルやコードに直接書く運用から、Secret Manager による一元管理へ移行できます。

✨ 導入メリット

  • パスワードを Secret Manager で一元管理でき、認証情報の漏えいリスクを抑えやすくなります
  • シークレットのローテーションや権限管理と組み合わせ、セキュリティ運用を標準化しやすくなります

📚 公式ソース

3. Firestore — セキュリティルールをコンソールで管理できるように(2026年7月20日)

Firestore(Google Cloud のサーバーレス ドキュメントデータベース)で、Firestore Security Rules(アクセス制御ルール)を Google Cloud コンソール上で直接表示・管理・デプロイできるようになりました。Native モード(Standard・Enterprise エディション)が対象です。

🔍 何が変わったのか

  • Google Cloud コンソールから、Firestore のセキュリティルールを表示・管理・デプロイできます
  • 新しいルールセットの作成に加え、タイムラインからルールセットのクローンや復元ができます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Firestore を利用するアプリ開発者や運用担当者が、コマンドラインツールを使わずにブラウザ上でアクセス制御ルールを見直したい場面で活用できます。過去のルールセットへの復元も画面から行えます。

✨ 導入メリット

  • コンソール上でルールを一元的に管理でき、設定の見通しと運用のしやすさが高まります
  • タイムラインからのクローン・復元により、変更前の状態に素早く戻せます

📚 公式ソース

4. Looker — クロスサイトスクリプティング(XSS)脆弱性のセキュリティ速報(2026年7月22日)

Looker(Google Cloud の BI・データ可視化プラットフォーム)で、クロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性(CVE-2026-15810)が公表されました。攻撃者が細工した URL を Looker 管理者が開くと、攻撃者が任意のスクリプトを実行し、管理者アカウントを侵害される可能性があるとされています。

✨ 使えるようになる機能

本件はセキュリティ脆弱性への対応を目的とした速報であり、新機能の追加ではありません。Looker-hosted インスタンスではすでに緩和策が適用済みで、追加の対応は不要とされています。

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • Looker-hosted と自己ホスト(self-hosted)の両方のインスタンスが影響を受けることが確認されています
  • 自己ホストのインスタンスについては、脆弱性を修正した以下のバージョン(およびそれ以降)が公開されています: Looker 26.8.7 以降、26.6.28+、26.4.36+、26.2.47+、26.0.66+、25.18.68+、25.12.65+、25.6.103+

🤔 判断観点

自己ホストの Looker を運用している場合、更新の要否は次の観点から検討できます。XIMIX として一律の推奨は行わず、自組織の状況に応じたご判断の材料としてご参照ください。

  • 緊急性: 管理者アカウントの侵害につながりうる XSS 脆弱性であり、深刻度と自組織の露出状況をどう評価するか
  • 影響範囲: 自己ホスト型か Looker-hosted か。Looker-hosted は緩和済みのため追加対応は不要とされています
  • 検証推奨事項: 更新対象バージョンと、現行のカスタマイズ・連携への影響
  • ロールアウト戦略: 検証環境での確認を経た段階的な適用か、速やかな一括適用か

📚 公式ソース

5. Mainframe Assessment Tool 3.4.0 — ビジネスルール抽出が GA(2026年7月22日)

Mainframe Assessment Tool(メインフレームのアセスメントを支援するツール)で、バージョン 3.4.0 が公開されました。ビジネスルール抽出(Business Rules Extraction) が一般提供(GA)となり、メインフレーム資産の可視化と移行検討を後押しします。

✨ 使えるようになる機能

  • ビジネスルール抽出が GA になり、抽出したルールの 仕様書(Specification) を自動生成できるようになりました
  • 抽出した各ルールに、元となったソースコードへの参照(コードリファレンス)が付与され、資産ごとにグループ化されエクスポートにも含まれます
  • ビジネスルールのエクスポートに、生成されたプロセスフロー図が含まれるようになりました
  • AI 生成サマリーが、COBOL プログラム・JCL ジョブ・データセット・DB2 テーブルなどの参照資産に直接リンクするよう強化されました
  • Datasets レポートの CICS File Definitions テーブルにフィルタが追加され、DFSORT や IDCAMS などの JCL ユーティリティ検出も改善されました

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 本ツールでのコードサジェスト(プログラム翻訳)の生成は行われなくなりました。プログラム翻訳を含むコードのモダナイゼーション作業は、Antigravity ワークフローで実施する形に変わりました。過去に生成済みのコードは引き続き表示・エクスポートできます
  • 3.4.0 では、より安全なアセスメント環境のためのセキュリティ脆弱性の修正も行われています

🤔 判断観点

  • 影響範囲: 本ツールでプログラム翻訳を利用していた場合、コードモダナイゼーションの手順を Antigravity ワークフローへ見直す必要があるか
  • 活用機会: ビジネスルール抽出の GA により、既存資産の棚卸しや移行計画の精度をどこまで高められるか

📚 公式ソース

6. AlloyDB — 透過的クエリ転送が Preview(2026年7月23日)

AlloyDB(Google Cloud の PostgreSQL 互換 高性能データベース)で、透過的クエリ転送(Transparent query forwarding) が Preview で利用できるようになりました。PostgreSQL 17・18 互換のクラスターが対象です。読み取りクエリを自動で振り分け、性能とスケーラビリティの向上を後押しします。

🔍 何が変わったのか

  • クラスターのプライマリノードが読み取り専用クエリを受け取り、リードプールインスタンスへ選択的に転送します
  • この際、read-your-writes(自分が書き込んだ内容を読み取れる)整合性を維持します

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

読み取り負荷の高いアプリケーションを AlloyDB で運用するデータベース管理者・開発者が、読み取り処理をリードプールに逃がして性能を最適化したい場面で活用できます。アプリ側の接続先を大きく変えずに、読み取りの分散を進められます。

✨ 導入メリット

  • 読み取りクエリを自動でリードプールに転送でき、プライマリノードの負荷を抑えやすくなります
  • read-your-writes 整合性を保ちながら読み取りを分散でき、性能とデータの一貫性を両立しやすくなります

📚 公式ソース

7. Cloud SQL for PostgreSQL — 論理レプリケーションのフェイルオーバースロットに対応(2026年7月24日)

Cloud SQL for PostgreSQL で、フェイルオーバースロット(failover slot) を使った論理レプリケーションに対応しました。高度な災害復旧(DR)のスイッチオーバーやレプリカのフェイルオーバー操作と組み合わせ、事業継続性を高めやすくなります。

🔍 何が変わったのか

  • フェイルオーバースロットを用いた論理レプリケーションを利用できるようになりました
  • 高度な DR のスイッチオーバーやレプリカフェイルオーバー操作と併用し、事業継続性の確保に役立てられます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

ミッションクリティカルなシステムのデータベースを Cloud SQL for PostgreSQL で運用する IT 担当者が、災害時やフェイルオーバー時にも論理レプリケーションを継続させたい場面で活用できます。DR 設計の一部として組み込めます。

✨ 導入メリット

  • フェイルオーバー時にも論理レプリケーションを維持しやすく、事業継続性を高められます
  • 高度な DR 機能と組み合わせることで、災害復旧の設計をより堅牢にできます

📚 公式ソース

8. Knowledge Catalog — ガバナンスワークフローが Preview(2026年7月24日)

Knowledge Catalog(旧 Dataplex Universal Catalog。データカタログ・ガバナンスサービス)で、ガバナンスワークフロー(Governance workflows) が Preview で利用できるようになりました。データプロダクトへのアクセス管理を、申請・レビューの仕組みで自動化できます。

🔍 何が変わったのか

  • データプロダクトへのアクセス管理に、申請・レビュー(request-review)の仕組みによる自動化された制御を設定できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

全社のデータガバナンスを担う担当者が、データプロダクトへのアクセス付与を申請ベースで統制したい場面で活用できます。利用者からの申請とレビュー担当者による承認の流れを、仕組みとして整備できます。

✨ 導入メリット

  • アクセス付与を申請・レビュー方式で自動化でき、統制を保ちながら運用負荷を抑えられます
  • アクセス管理の手順を標準化でき、ガバナンスの一貫性を高めやすくなります

📚 公式ソース

9. Managed Service for Apache Airflow — バージョンサポートポリシーの変更を予告(2026年7月24日)

Managed Service for Apache Airflow(Google Cloud のマネージド Apache Airflow)で、2026年9月からのバージョンサポートポリシーの変更が予告されました。今後リリースされる Airflow 2 のバージョンに関する告知です。

✨ 使えるようになる機能

本件は新機能の追加ではなく、提供バージョンに関する運用上のサービス告知です。今後は Airflow 2 系について、Airflow 2.11 の新しいイメージ・ビルドが提供の中心となります。

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 2026年9月から、新しい Managed Airflow のイメージ・ビルドに Airflow 2.10.5 が含まれなくなります(既存のイメージ・ビルドには影響しません)
  • Managed Airflow(Gen 2)では、新しいイメージは Airflow 2.11 のみリリースされ、新しい Airflow 2.10.5 イメージはリリースされなくなります
  • Managed Airflow(Gen 3)では、Airflow 3 の新ビルドは継続しつつ、Airflow 2 系は 2.11 の新ビルドのみとなり、新しい Airflow 2.10.5 ビルドはリリースされなくなります

🤔 判断観点

  • 影響範囲: 現在 Airflow 2.10.5 を利用している環境で、Airflow 2.11 への移行計画をいつ・どの範囲で進めるか
  • 検証推奨事項: 既存の DAG・依存パッケージが Airflow 2.11 で問題なく動作するかの事前検証
  • 時間軸: 既存イメージ・ビルドには影響しないため、9月の変更に向けた準備期間をどう確保するか

📚 公式ソース

その他のアップデート

上記の主要トピック以外にも、この期間には非推奨化やバージョン系の情報が発表されています。自組織の利用状況に応じてご確認ください。

  • Looker reports の非推奨化(2026年7月21日告知/2026年7月13日付で非推奨化): プレビューで提供されていた Looker reports が非推奨となりました。プレビューを有効化していた場合、新規レポートの作成や、プレビュー期間に作成したレポートの表示・編集ができなくなります。インスタンス内のその他の Looker コンテンツへのアクセスは影響を受けず、Data Studio および Data Studio Pro からのデータソースとしての Looker の利用も継続できます。代替として、CSV・XLS・XLSX をアップロードして LookML モデルや Git 設定なしに分析できるセルフサービス Explores が案内されています。

    📚 公式ソース

  • BigQuery — Simba ODBC ドライバの更新(2026年7月23日): BigQuery 向けの Simba ODBC ドライバの更新版が提供されました。既存の連携ツールとの接続に関わる変更のため、必要に応じて適用をご検討ください。

    📚 公式ソース

まとめ

2026年7月20日〜7月26日のデータ分析カテゴリは、データ連携の拡充データベース群の可用性・セキュリティ強化が大きなテーマでした。BigQuery の SAP Business Data Cloud 連携(Preview)は、基幹システムと分析基盤をつなぐ選択肢を広げます。Cloud SQL の Secret Manager 認証・論理レプリケーションのフェイルオーバースロット対応AlloyDB の透過的クエリ転送(Preview)は、安全性と性能の両面を後押しします。

また、Firestore のセキュリティルールのコンソール管理Knowledge Catalog のガバナンスワークフロー(Preview)Mainframe Assessment Tool 3.4.0Managed Service for Apache Airflow のバージョンサポート変更予告など、運用性とガバナンスにも動きがありました。Preview の機能や予告事項も含まれるため、まずは検証環境での確認から、自組織の利用状況に照らしてご検討ください。

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参考資料

執筆者紹介

XIMIX Google Cloud チーム
XIMIX Google Cloud チーム
監修:増谷 謙介(クラウドインテグレーション部 テクニカルエキスパート)。2018年よりGoogle Cloudビジネスに携わり、営業からマーケティング、ビジネス立ち上げまで幅広い業務を通じてGoogle Cloudの導入・活用を推進。Google Cloud専業パートナー、コンサル系パートナー企業を経て現職。Google Cloud Partner Tech Influencer Challenge 2025受賞。Google Cloud Next Tokyo 2025に登壇(ITmedia掲載)。保有資格はGoogle Cloud Digital Leader、生成AIパスポート、情報セキュリティマネジメント、GAIQ、Google教育者レベル1など。

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