Google Cloud アップデート情報 | AI (2026年9月28日〜2026年10月4日)

 2026.10.09  XIMIX Google Cloud チーム

はじめに

2026年9月28日〜10月4日の Google Cloud AI カテゴリでは、Gemini Enterprise の管理と社内データ連携の機能が拡充されました。アプリやデータストア単位で IAM の権限を付与できるようになり、AlloyDB・BigQuery・Cloud SQL・Spanner のデータをコピーせずに問い合わせるフェデレーションクエリモードが Preview で提供されています。モデル面では Claude Sonnet 5.5 が Model Garden で利用可能となり、Grok 4.7 と音声合成モデル Gemini 3.8 Flash TTS・Gemini 3.8 Flash-Lite TTS が Preview で加わりました。

本記事では、この期間に公式リリースノートで発表された AI カテゴリの24件のアップデートを、リリース日を基準に、関連する項目をまとめて解説します。各トピックには、公式ドキュメントと該当日のリリースノートへのリンク、想定されるユースケース、業務上のメリットを添えました。CodeMender v0.11.0 と Google Cloud CCaaS 6.17 のように既存の動作が変わる更新には、適用を判断するための観点も載せています。

経営層の方は「社内データを AI アシスタントにどう安全につなぐか」、IT 担当者の方は「権限設計と既定値の変更にどう備えるか」という視点で読み進めると、判断の材料を拾いやすくなります。

対象期間 2026年9月28日〜2026年10月4日
対象製品 Google Cloud
対象カテゴリ AI
アップデート件数 24件

今回のアップデート一覧

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アップデート詳細

1. Agent Platform Workbench — 定期リリースと CVE の一括修正(2026年9月28日)

Agent Platform Workbench(Jupyter ノートブックをベースにした、データ分析・機械学習向けの開発環境)で 20260927.00_p0 Release が公開されました。上流の依存パッケージから最新版がインストールされ、あわせてカスタムコンテナイメージで Critical / High の CVE(公開済みの脆弱性)が一括修正されています。

🔍 何が変わったのか

  • 定期リリース: 20260927.00_p0 Release が公開されました
  • 依存パッケージ: 上流の依存関係から最新のパッケージがインストールされています
  • セキュリティ修正: Workbench のカスタムコンテナイメージに含まれる、深刻度 Critical と High の CVE をまとめて修正するパッチが適用されました

✨ 使えるようになる機能

  • 依存パッケージの最新化とセキュリティ修正が中心のリリースであり、公式にハイライトされた新機能はありません

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 依存パッケージのバージョンが上がるため、特定のバージョンを前提にした処理では挙動が変わる可能性があります

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Workbench を分析基盤として運用している情報システム部門と、カスタムコンテナイメージで独自の分析環境を配布しているデータ基盤の担当者が対象です。脆弱性管理の台帳で Workbench 環境の対応状況を記録している場合、このリリースが更新の基準日になります。

✨ 導入メリット

  • Workbench のカスタムコンテナイメージに含まれる深刻度の高い脆弱性が、Google 側のパッチでまとめて修正されています
  • リリース名と日付が公開されているため、環境の変更履歴を追跡しやすくなります

🤔 判断観点

  • 緊急性: Critical / High の CVE の修正が含まれます。カスタムコンテナイメージを使っているかどうかが、対応の優先度を決める起点になります
  • 影響範囲: Workbench のインスタンスを利用している分析チームと、カスタムコンテナイメージを管理する担当者が確認対象です
  • 検証推奨事項: バージョンを固定したライブラリに依存する処理がある場合、更新後に同じ結果が得られるかを確認する進め方が考えられます
  • ダウンタイム想定: 公式リリースノートには、停止や再起動の要否に関する記載はありません

📚 公式ソース

2. Gemini Enterprise — アプリとデータストア単位のアクセス制御(2026年9月28日)

Gemini Enterprise(企業向けの AI アシスタント・エージェントプラットフォーム)で、管理者が個々のアプリやデータストアに対して IAM(Identity and Access Management、Google Cloud の権限管理の仕組み)の権限を設定できるようになりました。データストアとは、AI アシスタントが参照する情報の接続先のことです。プロジェクト全体の権限を与えずに、担当するアプリとデータストアだけを操作・閲覧させる構成がとれます。

🔍 何が変わったのか

  • リソース単位の権限付与: Gemini Enterprise Admin、Gemini Enterprise Viewer、Gemini Enterprise User の各ロールを、個別のアプリやデータストアに付与できます
  • 制限付きペルソナ向けのカスタムロール: 制限付きの管理者・閲覧者・エンドユーザー向けに、プロジェクトレベルのカスタムロールを作成できます。割り当てられたアプリとデータストアにだけアクセスできる構成になります
  • データストアの詳細表示: Google Cloud コンソールで、データストアの設定、接続されたアプリ、同期の詳細、ユーザーの権限を確認できます
  • 設定方法: Google Cloud コンソール、Google Cloud CLI、REST API のいずれでも設定できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

部門ごとに Gemini Enterprise のアプリを用意し、それぞれの部門に管理を任せたい情報システム部門が対象です。たとえば人事部門のアプリとデータストアの管理を人事部門の担当者に委ねつつ、営業部門のデータストアには触れさせない、という分担を権限設定で表現できます。

✨ 導入メリット

  • 必要な範囲だけに権限を与えられるため、最小権限の原則に沿った運用がしやすくなります
  • 部門単位で管理を分担でき、情報システム部門への設定依頼の集中を緩和できます
  • データストアの接続状況と権限をコンソールで確認でき、棚卸しや監査の準備に使えます

📚 公式ソース

3. Gemini Enterprise Agent Platform — Provisioned Throughput の注文の範囲変更と期間延長(2026年9月28日)

Provisioned Throughput(生成 AI モデルの処理能力を一定量あらかじめ確保して購入する方式)で、注文のスコープ(範囲)の変更と契約期間の延長を、セルフサービスのコンソールから直接行えるようになりました。既存の注文を新しい注文で置き換える「supersede and replace(置き換え)」の操作として処理されます。

🔍 何が変わったのか

  • 対応する変更: 注文のスコープの変更と、契約期間(term)の延長です
  • 操作場所: セルフサービスのコンソールから直接操作できます
  • 処理の方式: 既存の注文を置き換える supersede and replace の操作として扱われます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

生成 AI を組み込んだ業務システムを運用し、Provisioned Throughput で処理能力を確保している情報システム部門と、その費用を管理する部門が対象です。利用の拡大にあわせて確保の範囲を見直したい場合や、契約期間を延ばしたい場合に、コンソールから手続きを進められます。

✨ 導入メリット

  • 利用状況の変化に合わせて、確保している処理能力の契約を見直しやすくなります
  • コンソールから直接操作できるため、変更手続きにかかる時間を短縮できます

📚 公式ソース

4. Gemini Enterprise Agent Platform — Interactions API が Gemini 3 モデルに対応(Preview・2026年9月28日)

Gemini Enterprise Agent Platform(機械学習・生成 AI を統合的に扱う Google Cloud のプラットフォーム)の Interactions API で、Gemini 3 モデルがサポートされました。提供段階は Preview(評価目的での先行提供)です。

🔍 何が変わったのか

  • 対応モデル: Gemini 3 モデルが Interactions API で利用できるようになりました(Preview )

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Gemini Enterprise Agent Platform 上で生成 AI アプリケーションを開発しているチームが対象です。Interactions API を使った実装で Gemini 3 モデルを試し、既存のモデルとの結果を比べる検証に使えます。

✨ 導入メリット

  • Interactions API から選べるモデルの範囲が広がり、用途に合わせた選択がしやすくなります
  • Preview 段階で試せるため、本番採用の前に自社の用途での適合性を確認できます

📚 公式ソース

5. Gemini Enterprise Agent Platform — Claude Sonnet 5.5・Gemini 3.8 Flash TTS・Grok 4.7 が追加(2026年9月28日・9月30日)

Gemini Enterprise Agent Platform で利用できるモデルが増えました。9月28日に Anthropic's Claude Sonnet 5.5 が Model Garden(Google 製とパートナー各社のモデルを一覧から選んで使えるカタログ)で利用可能になり、音声合成モデルの Gemini 3.8 Flash TTS と Gemini 3.8 Flash-Lite TTS が Preview となりました。9月30日には xAI's Grok 4.7 が Model Garden で Preview として加わっています。

🔍 何が変わったのか

  • Claude Sonnet 5.5(9月28日): Model Garden で利用できるようになりました
  • Gemini 3.8 Flash TTS / Gemini 3.8 Flash-Lite TTS(9月28日): global エンドポイントで Preview として提供されます。TTS(Text-to-Speech)はテキストを音声に変換する機能です。話者とスタイルの構造化メタデータ、文中に埋め込む発声タグ、複数話者の対話、ストリーミング、ボイスデザイン、ボイスレプリケーションに対応します
  • Grok 4.7(9月30日): Model Garden で Preview として提供されます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

用途に応じて複数の生成 AI モデルを使い分けたい AI アプリケーション開発チームが対象です。音声合成モデルは、複数話者の対話やストリーミングに対応するため、音声ガイダンスや読み上げコンテンツを制作する部門での検証に向いています。

✨ 導入メリット

  • 同じプラットフォーム上でパートナー各社のモデルを比較でき、業務に合うモデルを選びやすくなります
  • 音声合成で話者やスタイルを指定できるため、読み上げ音声の作り分けにかかる手間を減らせます
  • Preview のモデルは本番採用の前に評価でき、導入判断の材料を揃えられます

📚 公式ソース

6. Gemini Enterprise — 新しいデータストアと Microsoft Outlook のアクション(Public Preview・2026年9月29日)

Gemini Enterprise で、D&B Finance Analytics、Omni Analytics、Zapier の3つのデータストアが Public Preview で利用できるようになりました。あわせて、Microsoft Outlook のデータストアで、メールを操作する新しいアクションが Public Preview で提供されています。

🔍 何が変わったのか

  • 追加されたデータストア: D&B Finance Analytics、Omni Analytics、Zapier です
  • Microsoft Outlook の新しいアクション: 添付ファイルの追加(Add attachments)、メッセージの作成(Create message)、転送(Forward mail)、移動(Move mail)、返信(Reply to message)、メッセージの更新(Update message)に対応しました
  • 提供段階: いずれも Public Preview です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Gemini Enterprise を社内の AI アシスタントとして導入し、外部サービスの情報も参照させたい情報システム部門が対象です。Outlook を使っている組織では、アシスタントへの指示からメールの返信や転送まで進められるため、問い合わせ対応などで、アシスタントからメール操作まで行えるかを確かめる検証に使えます。

✨ 導入メリット

  • 業務で使っている外部サービスの情報を、AI アシスタントの参照範囲に加えられます
  • 参照だけでなくメールの作成・返信・転送まで指示できるため、画面の切り替えにかかる手間を減らせます
  • Public Preview として提供されるため、本格展開の前に業務適合性を確認できます

📚 公式ソース

7. Gemini Enterprise — AlphaEvolve の既定モデルが Gemini 3.8 Flash に(2026年9月29日)

Gemini Enterprise の AlphaEvolve で、実験の候補プログラムを生成するモデルとして Gemini 3.7 Flash と Gemini 3.8 Flash を使えるようになりました。モデルを明示的に指定しない場合の既定は、Gemini 3.5 Flash から Gemini 3.8 Flash に変わります。

🔍 何が変わったのか

  • 利用できるモデル: 候補プログラムの生成に Gemini 3.7 Flash と Gemini 3.8 Flash を使えます
  • 既定モデル: モデルを指定しない場合、Gemini 3.5 Flash に代わって Gemini 3.8 Flash が使われます
  • 別のモデルの指定: generationSettings の models フィールドで、使いたいモデルを指定します
  • 既存の実験: この変更の前に作成された実験は、設定に記録されたモデルをそのまま使います

✨ 使えるようになる機能

  • Gemini 3.7 Flash と Gemini 3.8 Flash による候補プログラムの生成

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • モデルを指定せずに新しく作成した実験では、既定モデルが Gemini 3.5 Flash から Gemini 3.8 Flash に変わります
  • 変更前に作成した実験は記録済みのモデルを使い続けるため、既定モデルの変更の影響は受けません
  • 公式リリースノートでは、Gemini 3.5 Flash の廃止は示されていません

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

AlphaEvolve の実験を設計・運用している研究開発部門やデータサイエンスチームが対象です。新しい実験を作るときにモデルを指定していない場合、生成に使われるモデルが切り替わります。

✨ 導入メリット

  • モデルを指定しなくても、新しいモデルで候補プログラムを生成できます
  • 既存の実験は記録済みのモデルを使い続けるため、既定値の変更の影響を受けません

🤔 判断観点

  • 影響範囲: モデルを指定せずに新しい実験を作成している利用者が対象です
  • 検証推奨事項: 旧来の既定モデルとの結果を比べたい場合は、models フィールドで明示的に指定する方法があります
  • 運用ルール: 実験の比較可能性を重視する場合、モデルを常に明示する運用に切り替えるかどうかを検討する観点があります

📚 公式ソース

8. Gemini Enterprise Agent Platform — セマンティックガバナンスポリシーの拒否メッセージを設定可能に(2026年9月29日)

セマンティックガバナンスポリシー(エージェントへの要求を内容に基づいて許可・拒否するポリシー)で、要求を拒否したときにエンドユーザーへ表示する固定の拒否メッセージを設定できるようになりました。これまで表示されていたポリシーの拒否理由の代わりに、組織が用意した文面を表示できます。

🔍 何が変わったのか

  • 拒否メッセージ(Denial message): 最大1,000文字まで設定できます
  • 設定方法: Google Cloud コンソールのポリシー作成・編集ページ、または REST API でポリシーリソースの agentResponseCustomization.denialMessage を設定します
  • 複数ポリシーが拒否した場合: 設定済みの拒否メッセージを結合し、重複を除いて表示します。拒否メッセージを設定していないポリシーについては、汎用のメッセージが使われます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

社内向けの AI エージェントにガバナンスポリシーを適用している情報システム部門やセキュリティ部門が対象です。拒否理由をそのまま見せたくない場合や、問い合わせ先を案内したい場合に、表示する文面を統一できます。

✨ 導入メリット

  • 拒否時の案内を組織の文面で統一でき、利用者の混乱や問い合わせを減らせます
  • ポリシーの拒否理由の代わりに固定の文面を表示できるため、利用者に示す情報の範囲を組織側で決められます

📚 公式ソース

9. Gemini Enterprise Agent Platform — CodeMender が v0.11.0 へ更新(2026年9月30日)

CodeMender(コードの脆弱性を検出し、修正まで支援するツール)が v0.11.0 へ更新されました。サービスのロケーションの指定方法が変わり、CI(継続的インテグレーション)での判定に使う深刻度の値が事前に検証されるようになっています。

🔍 何が変わったのか

  • ロケーションの設定方法の変更: 環境変数 CM_LOCATION または config.yaml の location でサービスのロケーションを指定できるようになりました(既定は global)。これまでのコマンドラインフラグ --location を置き換えます
  • CI ゲートの深刻度の検証: cm find の --fail-on に指定する値(CRITICAL、HIGH、MEDIUM、LOW、NONE)を実行前に検証するようになりました。これまではつづりを誤った値が警告なく無視されていました
  • サンドボックス内でのブランチ作成と強化: --architecture セッションで、既定のサンドボックス化されたワーカー内での vcs_branch の作成と候補ブランチの片付けが可能になりました。VCS テンプレートの展開は、シェルのメタ文字やコマンドインジェクションへの対策が強化されています
  • 不具合修正: 脆弱性の種類の表記やファイルパスの揺れによって検出結果が重複する問題など、3件が修正されました

✨ 使えるようになる機能

  • 環境変数 CM_LOCATION と config.yaml によるロケーションの設定
  • サンドボックス化されたワーカー内での vcs_branch の作成と候補ブランチの片付け
  • 中断した cm find・cm verify・cm fix セッションの再開

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • コマンドラインフラグ --location は、CM_LOCATION と config.yaml による設定に置き換えられました
  • --fail-on の値は実行前に検証されます。つづりを誤った値を指定している CI ジョブは、これまでのように無視されず、実行前の検証の対象になります
  • 検出結果の正規化により重複が除かれるため、検出件数が以前と変わる可能性があります

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

CodeMender を CI/CD パイプラインに組み込み、プルリクエストごとにセキュリティ点検を行っている開発部門とプラットフォーム部門が対象です。レート制限を受けやすい環境で長時間のスキャンを実行する場合も、再試行の延長によってスキャンが途中で失敗しにくくなります。

✨ 導入メリット

  • 深刻度の指定ミスが実行前に分かるため、意図しない判定のまま CI が通過する状態を避けられます
  • ロケーションを設定ファイルや環境変数で管理でき、実行環境ごとの設定を揃えやすくなります
  • 中断したセッションを再開できるため、長時間のスキャンをやり直す手間を減らせます

🤔 判断観点

  • 影響範囲: --location フラグを使っているスクリプトや CI 設定、--fail-on を指定している CI ジョブが確認対象です
  • 検証推奨事項: 更新前に CI 設定の --fail-on の値と --location の利用箇所を洗い出す進め方が考えられます
  • 集計の連続性: 重複の除去により検出件数が変わる可能性があるため、件数の推移を報告している場合は前後の比較に注意する観点があります

📚 公式ソース

10. Gemini Enterprise Agent Platform — Agent Gateway が Cloud Trace と連携(Preview・2026年9月30日)

Agent Gateway が Cloud Trace(リクエストの処理経過を記録・可視化する分散トレーシングサービス)と連携できるようになりました。提供段階は Preview です。エージェントからのリクエストが、ゲートウェイを通って Google Cloud のサービス、ツール、他のエージェント、MCP サーバーへどう伝わるかを、端から端まで追跡できます。

🔍 何が変わったのか

  • 連携の内容: Cloud Trace を有効にすると、エージェントのワークロードについてリクエスト全体の可観測性が得られます
  • 追跡できる範囲: エージェントからゲートウェイを経由し、Google Cloud のサービス、ツール、エージェント、MCP サーバー(AI がツールやデータに接続するための標準プロトコルに対応したサーバー)に至るまでの流れです
  • 提供段階: Preview です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

複数のツールやエージェントを呼び出す AI エージェントを運用している開発チームと運用チームが対象です。応答が遅い、途中で失敗するといった問題が起きたとき、どの呼び出し先で時間がかかったかを確認できます。

✨ 導入メリット

  • エージェントの処理の流れを可視化でき、障害や遅延の原因調査にかかる時間を短縮できます
  • Cloud Trace でエージェントのワークロードのリクエストも追跡できます

📚 公式ソース

11. Gemini Enterprise Agent Platform — App Topology API が正式提供(GA・2026年9月30日)

Gemini Enterprise Agent Platform でエージェントのトポロジー(エージェントと周辺のサービスとのつながりを示す構成図)を提供する App Topology API が、正式提供(GA)となりました。あわせて、トポロジーを調べるためのクエリビルダーが追加され、単一エージェントのトポロジー表示が簡素化されています。

🔍 何が変わったのか

  • 提供段階: GA(正式提供)となりました
  • クエリビルダー: Topologies ページで、提案されるクイッククエリをカスタマイズしたり、独自のクエリを作成したりできます。エージェントの ID、アラート、脆弱性、基盤のインフラストラクチャなどの関連データを調べられます
  • 単一エージェントのトポロジー: Agent Registry で、エージェントとの間で1ホップ(直接の送受信)のトラフィックを含むトポロジーがページに自動的に読み込まれます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

組織内で稼働する AI エージェントを把握・管理する情報システム部門とセキュリティ部門が対象です。特定のエージェントについて、どのサービスとつながり、どんなアラートや脆弱性が関係しているかを、トポロジーの画面から確認できます。

✨ 導入メリット

  • エージェントの構成と関連情報を一つの画面で確認でき、影響範囲の把握にかかる時間を短縮できます
  • GA として提供されるため、エージェント管理の本番運用に組み込む判断がしやすくなります

📚 公式ソース

12. Google Cloud CCaaS — ヘッドレスモバイル SDK が提供開始(2026年9月30日)

コンタクトセンター基盤の Google Cloud Contact Center as a Service(CCaaS)で、Android と iOS 向けのヘッドレスモバイル SDK が利用できるようになりました。CCaaS の機能を自社のモバイルアプリに組み込みつつ、画面(UI)は自社で自由に設計できます。通話(予約通話を含む)、チャット、メールに対応します。

🔍 何が変わったのか

  • 対応プラットフォーム: Android と iOS です
  • 対応チャネル: 通話(予約通話を含む)、チャット、メールです
  • 役割分担: セッション、ルーティング、チャネルの処理などの中核エンジンを CCaaS が提供し、UI は自社のデザインとコンポーネントで構築します
  • 既存の Mobile SDK v2 との違い: Mobile SDK v2 はカスタマイズ可能な構築済み UI を提供します。公式には、ヘッドレスモバイル SDK はブランドの一貫性と見た目の完全な制御を求める組織向け、Mobile SDK v2 は設計・開発の負担を抑えて早く展開したい組織向けと説明されています

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

自社のモバイルアプリにサポート窓口を組み込みたい企業の、アプリ開発チームとカスタマーサポート部門が対象です。アプリのデザインガイドラインが厳密に定められている場合、問い合わせ画面もアプリ全体と同じ見た目で構築できます。

✨ 導入メリット

  • 問い合わせ画面をアプリのデザインに揃えられ、ブランド体験の一貫性を保てます
  • ルーティングなどの中核処理は CCaaS 側が担うため、開発チームは UI の構築に集中できます
  • 構築済み UI の Mobile SDK v2 と比べたうえで、自社の開発体制に合う方式を選べます

📚 公式ソース

13. Gemini Enterprise — Data Cloud コネクタのフェデレーションクエリモードと Knowledge Catalog 統合(Preview・2026年10月2日)

Gemini Enterprise で、Data Cloud コネクタのフェデレーションクエリモードが Preview で提供されました。運用系・分析系のデータを、データストアへコピーや取り込みをせずに、その場で問い合わせられます。あわせて Knowledge Catalog(データの所在や意味を管理するデータカタログ)との統合も Preview で利用できるようになりました。

🔍 何が変わったのか

  • 対象のコネクタ: AlloyDB for PostgreSQL、BigQuery、Cloud SQL、Spanner です
  • 問い合わせの方式: Model Context Protocol(MCP)と各ユーザー自身の認証情報を使って、データをその場で問い合わせます。データストアへのコピーや取り込みは行いません
  • Knowledge Catalog 統合: フェデレーションクエリモードの Data Cloud コネクタを接続すると、アプリの Assistant タブで Knowledge Catalog が自動的に有効になります。アシスタントは読み取り専用のツールで、ユーザーがアクセスできるデータを検索し、技術的・業務的な文脈を取得します
  • 提供段階: いずれも Preview です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

BigQuery や Cloud SQL に業務データを蓄積し、それを AI アシスタントから自然言語で引き出したい企業のデータ活用部門と情報システム部門が対象です。各ユーザーの認証情報で問い合わせるため、部門ごとに閲覧できるデータが異なる環境でも、既存のアクセス権の範囲でアシスタントを使えます。

✨ 導入メリット

  • データをコピーせずに問い合わせられるため、複製データの管理や同期の手間を省けます
  • ユーザー自身の認証情報を使うため、各ユーザーのアクセス権の範囲で問い合わせが行われます
  • Knowledge Catalog の文脈情報を参照できるため、アシスタントがデータの技術的・業務的な文脈を踏まえて検索できます

📚 公式ソース

14. Google Cloud CCaaS 6.17 がリリース — ウォーム転送の自動保留解除と不具合修正(2026年10月2日)

Google Cloud CCaaS のバージョン 6.17 がリリースされました。ウォーム転送(転送元のオペレーターが受け手と相談してから引き継ぐ転送)で、引き継ぎ後に問い合わせ者の保留が自動で解除されるようになり、あわせて多数の不具合が修正されています。インスタンスへの適用時期は、選択しているデプロイスケジュールによって決まります。

🔍 何が変わったのか

  • ウォーム転送の自動再開: 転送元のオペレーターが通話から抜けた時点で問い合わせ者の保留が自動で解除され、受け手のオペレーターと問い合わせ者の双方向の音声がつながります。オペレーター同士の相談中は問い合わせ者は保留のままです。キュー経由の転送と特定のオペレーターへの直接転送の両方に適用されます
  • Salesforce 連携の設定追加: Salesforce CRM 連携に、オペレーターの割り当て時にチケット所有者の更新を無視するチェックボックスが追加されました
  • 画面表示の修正(5件): セッションデータフィードの Call ended カードで、実際の通話時間は正しく記録されているのに 00:00 と表示される問題など、5件が修正されました
  • ルーティング・転送の修正(4件): 容量超過時の迂回を有効にした状態でオペレーターの内線へコールド転送すると、問い合わせ者が保留のまま残る問題など、4件が修正されました
  • バーチャルエージェント関連の修正(4件): 通話終了後もバーチャルエージェントの会話が開いたままになる問題など、4件が修正されました。このうち、バーチャルエージェントの対話結果が「Undefined」や「Unknown」に誤って分類される問題の修正により、セッションの分類の集計値が変わる可能性があります
  • オペレーターの状態・後処理の修正(3件): 自動後処理タイマーの満了後もオペレーターが Wrap-up 状態のまま残る問題など、3件が修正されました
  • 指標・バックグラウンド処理の修正(3件): 文字起こしの更新で過剰なバックグラウンド処理が発生する問題など、3件が修正されました。このうち、バーチャルエージェントから有人オペレーターへ引き継がれた予約コールバックでキュー滞在時間が記録されなかった問題の修正により、キュー滞在時間の指標が変わる可能性があります

✨ 使えるようになる機能

  • ウォーム転送後の自動保留解除(auto-resume)
  • Salesforce CRM 連携で、オペレーター割り当て時のチケット所有者の更新を無視する設定
  • 画面表示、ルーティング・転送、バーチャルエージェント、オペレーターの状態、指標にまたがる19件の不具合修正

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • ウォーム転送の挙動が変わります。これまでは引き継ぎ後も問い合わせ者が保留のまま残り、無音の時間が生じていましたが、転送元が抜けた時点で自動的に通話がつながります
  • バーチャルエージェントの対話結果の分類が是正されるため、「Undefined」「Unknown」として集計されていたセッションの扱いが変わります
  • 予約コールバックのキュー滞在時間が記録されるようになるため、キュー関連の指標が修正前と変わる可能性があります
  • 公式リリースノートでは、廃止・非推奨化された機能は示されていません

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

CCaaS を運用しているコンタクトセンター全般が対象です。とくに、一次受けから専門部署へウォーム転送を多用する運用では、引き継ぎ後の無音がなくなり、受け手のオペレーターが保留解除の操作をせずに会話を始められます。バーチャルエージェントと有人オペレーターを組み合わせている運用では、分類と指標の修正がレポートの数値に関わります。

✨ 導入メリット

  • 引き継ぎ後に問い合わせ者が保留のまま残る無音の時間がなくなり、受け手のオペレーターが手動で保留を解除する操作も不要になります
  • オペレーターの状態や後処理の不具合が修正され、オペレーターが振り分け対象から外れる状態を減らせます
  • 対話結果の分類とキュー滞在時間の計測が是正され、レポートの数値の信頼性が高まります

🤔 判断観点

  • 影響範囲: ウォーム転送を使うオペレーターと、レポートを集計する運営管理者が確認対象です
  • オペレーターへの周知: 転送後の保留解除が自動になるため、従来の手順で保留解除を操作していた場合は、手順書やトレーニング内容を見直す余地があります
  • 集計の連続性: 対話結果の分類とキュー滞在時間の指標は、修正前後で同じ期間の数値が変わる可能性があります。月次・四半期の報告との関係を整理しておく観点があります
  • ロールアウト戦略: 適用時期は選択中のデプロイスケジュールに依存します。公式のスケジュール情報を確認し、繁忙期を避けた確認計画を立てるという観点があります

📚 公式ソース

まとめ

2026年9月28日〜10月4日の AI カテゴリでは、Gemini Enterprise を社内データと安全につなぐための機能が追加されました。アプリとデータストア単位で IAM の権限を設定でき、部門ごとに管理を分担できます。フェデレーションクエリモード(Preview)では、AlloyDB・BigQuery・Cloud SQL・Spanner のデータを、コピーせずにユーザー自身の認証情報で問い合わせられます。Microsoft Outlook のメール操作アクションや、D&B Finance Analytics・Omni Analytics・Zapier のデータストアも Public Preview で加わりました。

エージェントの運用管理では、App Topology API が GA となり、Agent Gateway と Cloud Trace の連携が Preview で提供されています。モデル面では Claude Sonnet 5.5、Grok 4.7(Preview)、Gemini 3.8 Flash TTS・Flash-Lite TTS(Preview)が加わりました。IT 担当者が押さえておく変更としては、AlphaEvolve の既定モデルの切り替えと、CodeMender v0.11.0 での --location フラグの置き換え・--fail-on の値の事前検証があります。

コンタクトセンター領域では、Google Cloud CCaaS 6.17 でウォーム転送後の保留が自動で解除されるようになり、19件の不具合が修正されました。対話結果の分類とキュー滞在時間の指標は修正前後で数値が変わる可能性があるため、レポートを経営指標に使っている組織では確認の対象になります。経営の視点では、AI アシスタントに接続するデータの範囲を広げる計画と、権限設計の見直しを並行して進めることになります。

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参考資料

執筆者紹介

XIMIX Google Cloud チーム
XIMIX Google Cloud チーム
監修:増谷 謙介(クラウドインテグレーション部 テクニカルエキスパート)。2018年よりGoogle Cloudビジネスに携わり、営業からマーケティング、ビジネス立ち上げまで幅広い業務を通じてGoogle Cloudの導入・活用を推進。Google Cloud専業パートナー、コンサル系パートナー企業を経て現職。Google Cloud Partner Tech Influencer Challenge 2025受賞。Google Cloud Next Tokyo 2025に登壇(ITmedia掲載)。保有資格はGoogle Cloud Digital Leader、生成AIパスポート、情報セキュリティマネジメント、GAIQ、Google教育者レベル1など。

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