Google Cloud アップデート情報 | セキュリティ (2026年8月24日〜2026年8月30日)

 2026.09.10 XIMIX Google Cloud チーム

はじめに

クラウドのセキュリティ運用は、脅威インテリジェンスの活用、ログの取り込み・検知、境界保護、バックアップ保護、脆弱性対応まで幅広い領域にまたがります。2026年8月24日〜8月30日の期間は、Google SecOps の脅威情報・検知強化に関するアップデートが目立ち、あわせて Cloud Service Mesh の脆弱性修正や Backup and DR の暗号鍵対応、Application Integration の認可モデル変更の予告なども発表されました。

本記事では、この期間に発表された Google Cloud セキュリティカテゴリの主要アップデートを10トピックに整理し、リリース日の昇順で解説します。セキュリティオペレーション(Google SecOps SIEM / SOAR / Marketplace)、サービスメッシュの脆弱性対応(Cloud Service Mesh)、境界セキュリティ(VPC Service Controls)、バックアップ保護(Backup and DR)、不正防止(Fraud Defense)まで、セキュリティ担当者・IT 部門が把握しておきたい内容を取り上げます。

特に Google SecOps の Emerging Threats Center における Operations(組織単位の脅威活動の可視化)Mandiant Frontline Threats のルールパック追加Cloud Service Mesh のセキュリティ速報 GCP-2026-057 に対応するパッチApplication Integration の認可変更の予告は、自社環境への影響や適用方針を検討したい内容です。経営層はリスク低減とガバナンス強化の観点から、IT 担当者は適用判断の観点から読み進めていただくと役立ちます。

対象期間 2026年8月24日〜2026年8月30日
対象製品 Google Cloud
対象カテゴリ セキュリティ
アップデート件数 10件(主要トピック)

今回のアップデート一覧

2026年8月24日〜8月30日の Google Cloud セキュリティアップデート一覧。Google SecOps、Cloud Service Mesh、VPC Service Controls、Backup and DR など主要10トピックのインフォグラフィック

アップデート詳細

1. Backup and DR — Filestore の CMEK 暗号化インスタンスをバックアップvaultで保護(GA)

Backup and DR Service(バックアップ・災害復旧サービス)で、顧客管理の暗号鍵(CMEK: customer-managed encryption keys)で暗号化された Filestore インスタンスのバックアップvault(改ざん・削除に強い保管庫)サポートが一般提供(GA)になりました(2026年8月24日)。CMEK を有効にしたバックアップvaultへ Filestore インスタンスをバックアップすると、そのバックアップはバックアップvaultの CMEK 鍵で暗号化されます。

🔍 何が変わったのか

  • CMEK で暗号化された Filestore インスタンスのバックアップvaultサポートが一般提供(GA)になりました
  • CMEK を有効にしたバックアップvaultにバックアップした場合、バックアップはバックアップvaultの CMEK 鍵で暗号化されます
  • バックアップvaultへの保存と、バックアップvaultからの Filestore インスタンス復元の手順が公式ドキュメントで案内されています

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

共有ファイルサーバー(Filestore は Google Cloud のマネージド NFS ファイルストレージ)を運用し、暗号鍵を自社で管理したい IT・インフラ担当者が対象です。「鍵の管理主体を自社に置くこと」が社内規程や監査要件で求められる環境で、ファイルデータのバックアップまで含めて要件を満たしたい場面に役立ちます。

✨ 導入メリット

  • 本番データとバックアップの双方を自社管理の鍵で暗号化でき、鍵管理ポリシーの一貫性を保てます
  • バックアップvaultによる保護と CMEK を組み合わせられ、データ保護要件への対応に寄与します
  • GA として提供されるため、本番環境での採用を検討しやすくなります

📚 公式ソース

2. Google SecOps — Emerging Threats Center に Operations が追加

セキュリティオペレーション基盤 Google SecOpsEmerging Threats Center(新興脅威センター)フィードで、Operations がサポートされました(2026年8月24日、スポットライト機能)。Operations は、単一の組織を標的とする脅威活動の詳細を素早く可視化する仕組みです。グローバルな Campaigns(キャンペーン)を補完し、Managed Threat Defense(MTD)の対応など最前線の調査から得られた粒度の高い脅威インテリジェンスを提供します。

🔍 何が変わったのか

  • Emerging Threats Center のフィードで Operations がサポートされ、単一組織を標的とする脅威活動の詳細を確認できます
  • 焦点を絞った脅威インサイト: 個々のミッションに固有の、局所的な攻撃者の活動やパーソナライズされた攻撃経路に着目できます
  • 包括的な脅威マッピング: Operations をグローバルな Campaigns と並べて確認し、攻撃者の戦術・技術・手順(TTPs)の全体像を把握できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

脅威インテリジェンスを活用する SOC(セキュリティ監視チーム)や脅威分析担当者が対象です。「業界全体を狙う広域キャンペーン」だけでなく「自組織が標的にされている個別の活動」を把握し、優先的に手を打つべき攻撃経路を見極めたい場面に役立ちます。

✨ 導入メリット

  • 自組織を標的とする脅威活動の詳細を素早く把握でき、対応の優先順位付けに寄与します
  • 最前線の調査に基づく粒度の高い脅威情報を活用でき、検知・防御の精度向上に役立ちます
  • Campaigns と並べて確認できるため、攻撃者の全体像を踏まえた対策検討が可能になります

📚 公式ソース

3. Google SecOps / SecOps SIEM — データ処理パイプラインに Unroll プロセッサを追加

Google SecOps および Google SecOps SIEM のデータ処理パイプライン(取り込んだログを整形する処理の流れ)で、Unroll プロセッサ(イベントブレーキング)がサポートされました(2026年8月24日)。複数イベントの配列を含むログエントリを、パース(解析)と取り込みの前に個々のログイベントへ分割できます。

🔍 何が変わったのか

  • イベントブレーキング機能: ログ内の配列を、個別のログイベントへ自動的に展開します
  • パース前の前提条件: Unroll プロセッサは構造化されたデータ入力を必要とします。生の文字列ペイロードは、パイプラインの実行順序で Unroll プロセッサより前に配置した Transform プロセッサ(JSON をパースする処理など)で先に構造化しておく必要があります
  • データ処理パイプラインとプロセッサの設定方法は公式ドキュメントで案内されています

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

ログの取り込み設計を担う SecOps エンジニア・データ取り込み担当者が対象です。1件の API レスポンスやファイルに複数イベントがまとめられて届くログ(配列形式のログ)を扱う際、パイプライン側で1イベント単位に分割し、検知ルールや検索が正しく機能する形へ整えたい場面に役立ちます。

✨ 導入メリット

  • 配列形式のログを取り込み前に分割でき、イベント単位での検知・検索の精度向上に寄与します
  • 前処理をパイプライン内で完結でき、外部での事前加工に頼る運用を減らせます
  • ログソースごとの個別対応が減り、取り込み設計の標準化・属人化の解消に役立ちます

📚 公式ソース

4. Fraud Defense — Mobile SDK v18.10.0-beta01(iOS)が macOS デスクトップ・tvOS に対応

不正防止サービス Google Cloud Fraud Defense(reCAPTCHA 系の不正対策機能)で、Fraud Defense Mobile SDK v18.10.0-beta01 が iOS 向けに提供されました(2026年8月25日)。SDK のバージョン更新であり、自社アプリへの適用判断が必要な内容のため、以下に整理します。

✨ 使えるようになる機能

  • macOS デスクトップおよび tvOS のサポートを追加しました
  • ネットワーク消費の改善が行われました
  • レイテンシ(応答時間)と信頼性の改善が行われました

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 公式リリースノートでは、廃止された機能・非推奨化・破壊的変更は挙げられていません。追加対応と改善が中心の内容です
  • バージョン名が示すとおり beta01 のプレリリース版であり、正式版とは提供段階が異なります

🤔 判断観点

  • 緊急性: 公式リリースノートにセキュリティ修正の記載はなく、機能追加と性能改善が中心です。適用の急ぎ度は自社の要件に照らして判断する観点があります
  • 影響範囲: iOS アプリに Fraud Defense SDK を組み込んでいる開発チームが関係します。macOS デスクトップ・tvOS へ展開予定があるかどうかが検討材料になります
  • 検証推奨事項: beta 版であるため、まず検証環境で既存の実装・トークン取得処理との互換性を確認する観点があります
  • ロールアウト戦略: 段階的な適用(検証ビルド → 社内配布 → 本番リリース)とするか、次回のアプリ更新に合わせるかを検討する観点があります

📚 公式ソース

5. Cloud Service Mesh — 脆弱性を修正した3系統のパッチを提供(GCP-2026-057)

Cloud Service Mesh(サービス間通信を管理する仕組み。Istio ベースのサービスメッシュ)で、プラットフォームの脆弱性(CVE)を修正したパッチが提供されました(2026年8月26日)。in-cluster(クラスタ内)構成向けに 1.27.9-asm.341.28.10-asm.241.29.7-asm.2 の3系統が利用可能になり、いずれもセキュリティ速報 GCP-2026-057 に記載された脆弱性を解消します。バージョンアップの適用判断が必要な内容のため、以下に整理します。

✨ 使えるようになる機能

  • 脆弱性を修正した3系統のパッチが in-cluster 構成で利用可能になりました(1.27.9-asm.34 / 1.28.10-asm.24 / 1.29.7-asm.2)
  • 1.27.9-asm.34 と 1.29.7-asm.2 は Envoy v1.35.14、1.28.10-asm.24 は Envoy v1.36.10 を使用します
  • いずれもセキュリティ速報 GCP-2026-057 に記載された脆弱性を解消します。公式リリースノートで新機能としてハイライトされた項目はなく、脆弱性修正が中心の内容です

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

セキュリティ速報 GCP-2026-057 では 13件の CVE(High 7件・Moderate 6件) が公開されており、いずれも「すべての Cloud Service Mesh バージョンが影響を受ける」と記載されています。RBAC ポリシーが意図せず許可側に倒れる事象(CVE-2026-73513)や、パスパラメータの扱いに起因する認可バイパス(CVE-2026-73550)など、アクセス制御に関わる修正が含まれます。また、1.26 系以前を利用している場合はすでにサポート終了(EOL)とされており、今回の修正はバックポートされていません。速報では 1.27 系以降へのアップグレードが案内されています。

これとは別に、今回のパッチにはプラットフォーム(コンテナイメージ)側の CVE も含まれています。各パッチが修正対象とする CVE は次のとおりです(括弧内は公式リリースノート記載の深刻度。いずれも GCP-2026-057 に掲載された CVE とは別のものです)。

パッチ 修正対象の CVE(深刻度)
1.27.9-asm.34 CVE-2026-10536(Low (9.8))、CVE-2026-42151(High (7.5))、CVE-2026-42154(High (7.5))、CVE-2026-40179(Medium (6.1))、CVE-2026-44903(Medium (6.1))、CVE-2026-5704(Medium (5.5))
1.28.10-asm.24 CVE-2026-5704(Medium (5.5))
1.29.7-asm.2 CVE-2026-5704(Medium (5.5))
  • 影響を受けるコンポーネントは CVE ごとに異なり、Proxy・Control Plane・CNI のいずれかに該当します(Distroless イメージはいずれの CVE でも該当なしと記載されています)
  • 1.27.9-asm.34 で修正対象となっている CVE-2026-42151・CVE-2026-42154・CVE-2026-40179・CVE-2026-44903 は、公式リリースノートの記載では CNI のみが影響対象です

🤔 判断観点

  • 緊急性: セキュリティ速報 GCP-2026-057 は全バージョンが影響対象とされ、High 深刻度 7件を含みます。認可制御に関わる修正が含まれるため、自社の利用バージョンを確認したうえで適用時期を検討する観点があります
  • 影響範囲: in-cluster 構成で Cloud Service Mesh を利用しているクラスタが対象です。利用中のマイナーバージョン(1.27 系 / 1.28 系 / 1.29 系)ごとに適用先パッチが異なります
  • 検証推奨事項: Envoy のバージョンが更新されるため、プロキシ設定・トラフィックポリシー・可観測性設定への影響を検証環境で確認する観点があります
  • ダウンタイム想定: アップグレード手順は公式の「Upgrade Cloud Service Mesh」に従う必要があり、プロキシの再起動を伴う作業計画を想定する観点があります
  • ロールアウト戦略: 開発・ステージング環境で先行適用し、段階的に本番へ広げるか、メンテナンス時間帯に一括適用するかを検討する観点があります

📚 公式ソース

6. Google SecOps / SecOps SIEM — Mandiant Frontline Threats のルールパックを追加

Google SecOps および Google SecOps SIEMCurated Detections(Google が用意する検知ルール群)が拡充され、Linux・MacOS・Google Cloud を対象とした Mandiant Frontline Threats の検知が追加されました(2026年8月26日、スポットライト機能)。追加されたルールパックは Content Hub から利用できます。

🔍 何が変わったのか

  • Content Hub に「Mandiant Frontline Threats for Linux」が追加されました
  • Content Hub に「Mandiant Frontline Threats for MacOS」が追加されました
  • Content Hub に「Mandiant Frontline Threats for Google Cloud」が追加されました

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

検知ルールの整備を担う検知エンジニアリングチーム・SOC チームが対象です。Linux サーバーや macOS 端末、Google Cloud 環境に対する脅威を検知したいものの、自社でゼロからルールを書く余力がない場面で、Mandiant の最前線の調査に基づくルールパックを取り込んで検知範囲を広げられます。

✨ 導入メリット

  • Google が管理するルールパックを利用でき、検知ルールの自作負荷を抑えられます
  • Linux・MacOS・Google Cloud と対象範囲が広がり、検知の網羅性向上に寄与します
  • Content Hub から適用できるため、導入・有効化の手順を標準化しやすくなります

📚 公式ソース

7. VPC Service Controls — Cloud FTP との統合をサポート(Preview)

VPC Service Controls(データ漏えい防止のための境界セキュリティ機能)で、Cloud FTP との統合が Preview 段階でサポートされました(2026年8月26日)。VPC Service Controls は、サービス境界(サービスペリメータ)を設定して、境界の外へデータが持ち出されることを防ぐ仕組みです。

🔍 何が変わったのか

  • Cloud FTP が VPC Service Controls のサポート対象製品として Preview 段階で追加されました
  • 対応状況の詳細は、公式の「Products supported by VPC Service Controls」で確認できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

境界セキュリティを設計・運用するセキュリティ担当者・クラウド管理者が対象です。ファイル転送(FTP)を伴う業務データのやり取りをクラウド上で行う際に、その経路もサービス境界の管理下に置き、データの外部持ち出しリスクを抑えたい場面に役立ちます。

✨ 導入メリット

  • ファイル転送を含む経路もサービス境界で保護でき、データ漏えいリスクの低減に寄与します
  • 保護対象サービスが増えることで、境界設計の抜け漏れを減らしやすくなります
  • Preview として、既存の境界ポリシーとの組み合わせを早期に検証できます

📚 公式ソース

8. Managed Cloud Service Mesh — 各チャネルへ脆弱性修正イメージを順次展開

Managed Cloud Service Mesh(Google がマネージドで提供するサービスメッシュ)で、脆弱性を解消したイメージのロールアウトが開始されました(2026年8月27日、セキュリティ速報)。リリースチャネルごとに展開されるバージョンが異なります。適用判断のための情報として以下に整理します。

✨ 使えるようになる機能

  • 1.21.6-asm.71 が rapid(迅速)リリースチャネルへ順次展開されます
  • 1.20.8-asm.119 が regular(通常)リリースチャネルへ順次展開されます
  • 1.19.10-asm.109 が stable(安定)リリースチャネルへ順次展開されます

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • これらのバージョンは、セキュリティ速報 GCP-2026-057 に記載された脆弱性を解消します
  • 公式リリースノートでは、廃止機能・非推奨化・破壊的変更は挙げられていません

🤔 判断観点

  • 緊急性: セキュリティ速報に対応する更新であり、速報の内容を確認して自社への影響度を把握する観点があります。なお速報によれば、マネージド構成については「全バージョンがサポート対象のままで、今後数週間かけて自動的に更新される」とされています
  • 影響範囲: マネージド構成で Cloud Service Mesh を利用している環境が対象です。自社クラスタが属するリリースチャネル(rapid / regular / stable)によって適用されるバージョンが異なります
  • ロールアウト戦略: マネージド構成では Google 側から順次展開されるため、チャネル設定が自社の検証方針(先行検証を重視するか、安定性を重視するか)に合っているかを確認する観点があります
  • 検証推奨事項: 展開後にサービス間通信の挙動や可観測性の指標に想定外の変化がないかを監視する観点があります

📚 公式ソース

9. Application Integration — 統合実行の認可(Authorization)が変更される予告

Application Integration(各種システムをつなぐアプリケーション統合サービス)で、統合(integration)実行時の ID の扱いに関する変更が予告されました(2026年8月28日)。変更後は、すべての実行が「実行をトリガーした人」または「設定した run-as サービスアカウント」のいずれかとして動作し、統合の実行にはそのサービスアカウントとして動作する権限が必要になります。変更の適用前に対応が必要になる可能性があるため、以下に整理します。

✨ 使えるようになる機能

  • 統合の実行主体を、トリガーした人物または明示的に設定した run-as サービスアカウントとして扱う仕組みに変わります
  • 影響を受ける統合の特定方法と更新手順が、公式ドキュメント「Prepare for upcoming authorization changes」で案内されています

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 統合の実行には、対象のサービスアカウントとして動作する権限が必要になります
  • スケジュールやイベントで開始される統合など、人を介さずに実行される統合には、run-as サービスアカウントを明示的に設定する必要があります
  • 変更が有効になる前に対応が必要になる場合があります(Action might be required と案内されています)

🤔 判断観点

  • 緊急性: 変更の適用前に設定を見直す必要がある可能性があるため、公式ドキュメントの手順に沿って影響有無を早めに確認する観点があります
  • 影響範囲: 特にスケジュール実行・イベント起動など、人を介さずに動く統合が関係します。まず該当する統合を棚卸しする観点があります
  • 検証推奨事項: run-as サービスアカウントの設定と、必要な権限の付与が正しく行われているかを検証環境で確認する観点があります
  • リスクと対応案: 設定が未対応のまま変更が適用された場合の業務影響(自動連携の停止など)を想定し、対応の優先度を決める観点があります

📚 公式ソース

10. Google SecOps SOAR — Release 6.3.99 のロールアウトを開始

Google SecOps SOAR(セキュリティ対応の自動化・オーケストレーション基盤)で、Release 6.3.99 が初期フェーズのリージョンへロールアウトを開始しました(2026年8月30日)。このリリースには、内部および顧客から報告されたバグの修正が含まれます(公式リリースノートに記載されている情報はこの点のみです)。

✨ 使えるようになる機能

  • 公式リリースノートで新機能としてハイライトされた項目はなく、バグ修正が中心のリリースです
  • 内部および顧客から報告されたバグの修正が含まれます

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 公式リリースノートでは、廃止機能・非推奨化・破壊的変更は挙げられていません
  • ロールアウトは初期フェーズのリージョンから開始されるため、リージョンによって適用時期が異なります

🤔 判断観点

  • 影響範囲: Google SecOps SOAR を利用している組織が対象です。自社のリージョンが初期フェーズに含まれるかを確認する観点があります
  • 検証推奨事項: バグ修正が中心のリリースであり、公式には修正内容の詳細が公開されていないため、適用後にプレイブックや連携ジョブの挙動を確認する観点があります
  • ロールアウト戦略: マネージドサービスとして Google 側から順次適用されるため、適用タイミングに合わせた監視・確認の計画を立てる観点があります

📚 公式ソース

その他のアップデート

上記の主要トピック以外にも、この期間には Google SecOps Marketplace の統合更新や、SOAR の計画メンテナンス、ネットワーク・サービスメッシュに関する運用アップデートが発表されています。自組織の利用状況に応じてご確認ください。

  • Google SecOps Marketplace — 統合の更新(複数): ServiceNow(71.0、Sync Incidents Job で OAuth 認証をサポート)、Microsoft Graph Mail Delegated(23.0、Wait For Email From User / Search Emails のパラメータとフィルタ条件を更新)、Microsoft Graph Mail(46.0、同アクションのパラメータとフィルタ条件を更新)、FireEye HX(26.0、Get File / Check Containment Status アクションを追加、Contain Host / Cancel Host Contain に Agent Id パラメータを追加)、Proofpoint Email Protection(11.0、Forward Quarantined Email / Release Quarantined Email アクションを追加)、Wiz(10.0、Gov(FedRAMP)・カスタム環境向けの Authentication URL パラメータと双方向同期ジョブを追加)が更新されました(2026年8月26日)。詳細は Google SecOps Marketplace integrations release notes をご確認ください。
  • Google SecOps / SecOps SOAR — 計画メンテナンスの案内: SOAR のデータベースおよびインフラのメンテナンスが、2026年8月30日(日)の標準メンテナンスウィンドウ中に実施される予定と案内されました(2026年8月27日)。このウィンドウ中は短時間のダウンタイムが発生しますが、利用者側での対応は不要とされています。詳細は Google Cloud release notes - August 27, 2026 をご確認ください。
  • Google SecOps SOAR — Release 6.3.98 が全リージョンで利用可能: Release 6.3.98 が全リージョンで利用可能になりました(2026年8月29日)。詳細は Google SecOps SOAR release notes および Google Cloud release notes - August 29, 2026 をご確認ください。
  • Managed Cloud Service Mesh — トレースのサンプリング率設定に対応(Rapid チャネル): TRAFFIC_DIRECTOR 実装を使用するクラスタで、Telemetry API の randomSamplingPercentage によるトレースのサンプリング率設定が Rapid リリースチャネルでサポートされました(2026年8月26日)。詳細は Accessing Cloud Trace をご確認ください。
  • Virtual Private Cloud — BYOIP サブプレフィックスからの静的外部 IPv6 アドレス予約が GA: EXTERNAL_IPV6_FORWARDING_RULE_CREATION モードの BYOIP(持ち込み IP アドレス)サブプレフィックスから、静的な外部 IPv6 アドレスを予約できるようになりました(2026年8月27日、一般提供)。これらのアドレスは外部パススルー ネットワークロードバランサや外部プロトコル転送の転送ルールに割り当てられ、外部転送ルールで使用中のエフェメラルな IPv6 BYOIP アドレスを予約済みの静的アドレスへ昇格させることもできます。詳細は Create external forwarding rules をご確認ください。

まとめ

2026年8月24日〜8月30日のセキュリティカテゴリは、脅威インテリジェンスの活用・ログ取り込みの高度化・脆弱性対応・境界保護・データ保護の各領域で強化が進みました。とりわけ Google SecOps の Emerging Threats Center における OperationsMandiant Frontline Threats のルールパック追加は、自組織を狙う脅威の把握と検知範囲の拡大を同時に進められる、注目のアップデートです。

また、Backup and DR の Filestore CMEK バックアップvault対応(GA)VPC Service Controls の Cloud FTP 統合(Preview)は、データ保護とガバナンス強化の選択肢を広げます。一方で、Cloud Service Mesh のセキュリティ速報 GCP-2026-057 に対応するパッチApplication Integration の認可変更の予告のように、自社の構成と利用状況を確認しておきたい変更点もあります。公式ドキュメントをもとに、適用・対応方針を見極めることをご検討ください。

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執筆者紹介

XIMIX Google Cloud チーム
XIMIX Google Cloud チーム
監修:増谷 謙介(クラウドインテグレーション部 テクニカルエキスパート)。2018年よりGoogle Cloudビジネスに携わり、営業からマーケティング、ビジネス立ち上げまで幅広い業務を通じてGoogle Cloudの導入・活用を推進。Google Cloud専業パートナー、コンサル系パートナー企業を経て現職。Google Cloud Partner Tech Influencer Challenge 2025受賞。Google Cloud Next Tokyo 2025に登壇(ITmedia掲載)。保有資格はGoogle Cloud Digital Leader、生成AIパスポート、情報セキュリティマネジメント、GAIQ、Google教育者レベル1など。

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