はじめに
2026年10月5日〜10月11日の Google Cloud データ分析カテゴリでは、BigQuery で gemini-embedding-2 モデルが一般提供(GA)となり、Cloud SQL for MySQL ではブルーグリーン デプロイが Preview で使えるようになりました。Looker では、10月12日から展開が予定されている Looker 26.20 に、既存の設定に影響しうる変更が2件含まれています。
この期間に公開されたデータ分析カテゴリのアップデートは、公式リリースノート上で44件でした。内訳は Looker 27件、Cloud SQL for MySQL 5件、BigQuery 4件、Cloud SQL for PostgreSQL 2件、Knowledge Catalog・Datastream・Agent Platform Workbench・Managed Service for Apache Spark・Managed Service for Apache Kafka・Memorystore for Redis が各1件です。主要な更新は「アップデート詳細」で、小規模な変更は「その他のアップデート」で扱います。
各トピックでは「何が変わったのか」「どんな業務シーンで使えるのか」「どんなメリットがあるのか」を、業務担当者・IT 部門・経営層の方に向けて整理し、公式ドキュメントへのリンクを添えています。Looker は Looker (original) と Looker (Google Cloud core) で適用時期が異なる項目があるため、対象のインスタンス種別もあわせて記載しました。
| 対象期間 | 2026年10月5日〜2026年10月11日 |
| 対象製品 | Google Cloud |
| 対象カテゴリ | データ分析 |
| アップデート件数 | 14件(主要トピック) |
今回のアップデート一覧

アップデート詳細
1. BigQuery — gemini-embedding-2 モデルが一般提供に(GA・2026年10月5日)
BigQuery の SQL から、gemini-embedding-2 モデルを使って埋め込み(文章や画像の意味を数値の並びで表したもの)を作成できるようになりました。本モデルは一般提供(GA)です。公式リリースノートでは、多言語や非構造化データを含む長い文字列の埋め込みに適したモデルと説明されています。
🔍 何が変わったのか
- テキスト、画像、音声、動画、PDF ファイルを組み合わせた入力に対応しています
- AI.EMBED・AI.GENERATE_EMBEDDING 関数(埋め込みを作成する関数)と、AI.SIMILARITY 関数(2つの入力のコサイン類似度を求める関数)で利用できます
- AI.EMBED のリファレンスによると、本モデルはマルチリージョンまたはグローバルのエンドポイントでのみ利用できます
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
社内文書や製品画像、問い合わせ記録などを BigQuery や Cloud Storage に蓄積している組織で、データ分析の担当者が「内容の似たデータ」を探す場面で使えます。たとえば、問い合わせ文と過去の回答資料の類似度を AI.SIMILARITY で求め、関連する資料を探す処理を SQL で組めます。
✨ 導入メリット
- 文章と画像・PDF などを同じ仕組みで扱えるため、データの種類ごとに処理を分けて用意する手間を減らせます
- 埋め込みの作成から類似度の計算までを SQL の中で完結でき、データを別の環境へ移す作業を省けます
- 一般提供(GA)となり、本番の検索・分析処理への組み込みを計画できます
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: The AI.EMBED function(BigQuery)
- 製品ドキュメント: The AI.SIMILARITY function(BigQuery)
- 製品ドキュメント: The AI.GENERATE_EMBEDDING function(BigQuery)
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 05, 2026
2. Cloud SQL for MySQL — ブルーグリーン デプロイに対応(Preview・2026年10月8日)
Cloud SQL for MySQLで、ブルーグリーン デプロイが Preview として使えるようになりました。本番環境(ブルー)を写した別の環境(グリーン)を用意し、そこで変更を確かめてから切り替える方式です。MySQL 8.0 から 8.4 へのメジャーバージョンアップグレードや、ハードウェア・構成の変更を、ダウンタイムを抑えて行えます。
🔍 何が変わったのか
- Cloud SQL がグリーン環境を作成し、ブルーからグリーンへ論理レプリケーション(データの変更を継続的に複製する仕組み)を続けます
- 本番のトラフィックに影響を与えずに、グリーン環境でアプリケーションの互換性と性能を確認できます
- 確認後に切り替え(スイッチオーバー)を実行します。公式ドキュメントでは、切り替え時の停止時間は Enterprise Plus エディションで通常1秒未満、Enterprise エディションで通常60秒未満(負荷とレプリケーションの遅延による)とされています
- 新しいネットワーク アーキテクチャであること、自動バックアップとバイナリログが有効であることなどの要件があります。リードレプリカを持つインスタンスは対象外で、ブルーとグリーンが併存する間は両方の料金がかかります
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
業務システムのデータベースとして Cloud SQL for MySQL を運用しているインフラ担当者が、MySQL 8.4 への移行やマシンタイプの変更を計画する場面で使えます。切り替え前にアプリケーションの動作を本番相当の環境で確認できます。
✨ 導入メリット
- 従来はメンテナンス時間を確保して行っていたバージョンアップを、停止時間を抑えて実施する選択肢が加わります
- 本番と同じデータでの事前確認により、移行後の不具合を見つけやすくなります
- 切り替えに失敗した場合、接続先はブルーのまま残りデータも失われないと公式ドキュメントに記載されています
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: Cloud SQL の Blue/Green デプロイについて
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 08, 2026
3. Looker — Looker 26.20 を10月12日から展開予定、既存設定に影響しうる変更2件を含む(2026年10月8日)
Looker 26.20 を、Looker (original) と Looker (Google Cloud core) の両方のインスタンスへ展開する予定が告知されました。展開開始は2026年10月12日(月)、最終展開とダウンロード提供は2026年10月25日(日)の予定です。以下は、告知の時点で Looker 26.20 に含まれる予定とされている内容です。
🔍 何が変わったのか
- 展開スケジュール: 2026年10月12日に開始し、10月25日に最終展開とダウンロード提供の予定です
- 新機能: これまで内部ダッシュボードに適用できたテーマ(フォントや色の設定)を、Look にも適用できるようになります
- 既存設定に影響しうる変更(BREAKING_CHANGE)が2件あります。詳細は下の「使えなくなる機能 / 変更点」に記載しました
- 不具合の修正が12件あります(内容は下記)
✨ 使えるようになる機能
- Look へのテーマ適用: Look の編集画面の Style パネルから、テーマを選んで適用できます。テーマの利用には、管理者が Internal Dashboard Theming のプレビュー機能を有効にする必要があります
- 不具合の修正(計12件): 内訳は次のとおりです。このうち1件(短い KPI 表示の比較バーの不透明度を下げる変更)は Looker (Google Cloud core) のみが対象です
- ビジュアリゼーション関連: 小計を有効にしてもセル表示の設定が自動で無効にならない問題など、5件
- ダッシュボード関連: 編集・保存後にダッシュボードの再読み込みが止まらない問題など、2件
- 連携・スケジュール関連: Slack でのグラフのプレビューが表示されない場合がある問題など、2件
- System Activity 関連: 2件。Dashboard Diagnostics ダッシュボードが LookML ダッシュボードの統計値・タイル実行数・性能に関する推奨に対応し、query_metrics Explore では失敗・タイムアウトしたクエリの処理時間の内訳も記録されるようになります。更新後は System Activity に表示される集計値が変わる可能性があります
- BigQuery JDBC ドライバ関連: BYTES、STRUCT/RECORD、入れ子の ARRAY などのデータ型を正しく解析できない場合がある問題、1件
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- セルフサービス モデリングの利用条件の変更: 接続を設定する際、セルフサービス モデリングを使えるのは、create_self_service_from_table 権限を付与するロールが、そのロールのモデルセットを通じてセルフサービス モデリングを選択している場合に限られるようになります(原文: "self-service modeling will now be available only if a role that grants create_self_service_from_table also selects it through that role's model set")
- カスタム TopoJSON の URL 検証の強化: セキュリティ向上のため、カスタム TopoJSON(地図の境界データ)の URL の検証が更新されます。影響は Preview 中の Google マップ表示に限られます。Google Maps Enhancements のプレビュー機能を有効にし、カスタム TopoJSON ファイルを使っている既存のダッシュボードと Look は影響を受ける可能性があります
- 本告知には、機能の廃止・非推奨、および CVE(脆弱性識別番号)に関する記載はありません
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
Looker を運用している情報システム部門の担当者が、10月12日以降の展開に備えて権限設定と地図表示の確認を段取りする場面で参照できます。Look を社内に配布している部門では、テーマの適用によって、ダッシュボードと Look の見た目をそろえられます。
✨ 導入メリット
- 展開前に影響しうる変更が明示されているため、確認作業を前倒しで計画できます
- Look にもテーマを適用でき、社内向けのレポートの見た目を統一しやすくなります
- System Activity の修正により、ダッシュボードやクエリの性能を調べる際の情報が増えます
🤔 判断観点
自組織の利用状況に照らして、以下の観点をご確認いただくとよいでしょう。XIMIX として一律の対応を推奨するものではなく、状況に応じたご判断の材料としてご参照ください。
- セルフサービス モデリングの利用有無: 利用している場合、create_self_service_from_table 権限を持つロールのモデルセットで、対象の接続が選択されているかを確認する観点があります
- Google Maps Enhancements の利用有無: プレビュー機能を有効にし、カスタム TopoJSON を使ったダッシュボードや Look があるかを洗い出し、更新後の表示を確認します
- System Activity の数値の扱い: System Activity の値を社内の運用レポートに使っている場合は、更新前後で数値の算出対象が変わる点を関係者と共有するかを検討します
- インスタンス種別とチャンネル: 告知の対象は Looker (original) と Looker (Google Cloud core) の両方です。展開期間は10月12日〜25日です。自社インスタンスへの適用状況は、Looker リリースノートの続報で確認します
- 適用タイミング: 月次締めなど画面や挙動の変化を避けたい時期と、10月12日〜25日の展開期間が重ならないかを確認します
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: 内部ダッシュボードと Look のテーマ
- 製品ドキュメント: 管理者設定 - プレビュー機能
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 08, 2026
4. Knowledge Catalog — データプロダクトに Looker (Google Cloud core) のアセットを含められるように(GA・2026年10月5日)
Knowledge Catalog(旧 Dataplex Universal Catalog。Google Cloud のデータカタログ・ガバナンスサービス)のデータプロダクトが、Looker (Google Cloud core) のアセットに対応しました。データプロダクトとは、データ資産を見つけやすく、信頼でき、利用しやすい形にまとめた論理的なまとまりです。本機能は一般提供(GA)です。
🔍 何が変わったのか
- Looker (Google Cloud core) のダッシュボード、ダッシュボード要素、Look、Explore、LookML のプロジェクト・モデル・ビューを、データプロダクトに含められます
- Google グループのミラーリングと IAM のアクセス制御を使って、パッケージ化・統制・共有を行えます
- 公式ドキュメントに記載されている Looker のアセットは Looker (Google Cloud core) のものです。アクセスグループにサービスアカウントを含められない、ロール名は参考情報で Looker 側の設定は手動で行う、といった制約があります
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
BigQuery のテーブルと、それを可視化した Looker のダッシュボードを、部門をまたいで提供しているデータ管理部門が使えます。元のデータと分析結果を一つのデータプロダクトとしてまとめ、利用者に届けられます。
✨ 導入メリット
- データと可視化の成果物を同じ単位で管理でき、利用者がどこを見ればよいかを示しやすくなります
- Google グループと IAM を使ったアクセス制御で、共有範囲をデータ管理の方針に合わせられます
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: サポートされているアセット
- 製品ドキュメント: データ プロダクト用に Looker(Google Cloud コア)を構成する
- 製品ドキュメント: Looker(Google Cloud コア)の概要
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 05, 2026
5. Datastream — SQL Server の空間データ型 GEOMETRY・GEOGRAPHY の複製に対応(2026年10月9日)
Datastream(データベースの変更をリアルタイムに複製するサービス)が、SQL Server の空間データ型(位置や図形を表すデータ型)である GEOMETRY と GEOGRAPHY の複製に対応しました。
🔍 何が変わったのか
- SQL Server の GEOMETRY 型と GEOGRAPHY 型の列を複製できます
- Datastream の統合型(unified type)では、どちらも GEOMETRY 型に対応付けられます
- BigQuery へ複製する場合は、WKB 形式(空間データの標準的なバイナリ形式)の値、SRID(座標系の識別番号)、型名を持つ STRUCT 型として格納されます
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
店舗や配送先の位置情報を SQL Server で管理している組織で、データエンジニアがそのデータを BigQuery に複製して分析する場面で使えます。位置情報の列を除外せずに、ほかの業務データと一緒に複製できます。
✨ 導入メリット
- 空間データ型の列を別の手段で移す作業が不要になり、複製の構成を一本化できます
- 位置情報を含むデータを分析基盤に集め、エリア別の分析などデータ活用の範囲を広げられます
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: SQL Server のデータ型を Datastream の統合型にマッピングする
- 製品ドキュメント: BigQuery のデータ型のマッピング
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 09, 2026
6. BigQuery — Iceberg テーブルで柔軟な列名が既定で利用可能に(GA・2026年10月5日)
BigQuery の Iceberg 外部テーブルと Iceberg マネージドテーブルで、柔軟な列名(flexible column names)が既定で使えるようになりました。Apache Iceberg はオープンなテーブル形式の一つです。本機能は一般提供(GA)です。
🔍 何が変わったのか
- Iceberg 外部テーブルと Iceberg マネージドテーブルで、柔軟な列名が既定で有効になりました
- 柔軟な列名では、各言語の文字や数字、ハイフン、空白、一部の記号(&、%、=、+、: など)を列名に使えます
- 感嘆符・括弧・ピリオド・カンマなど、使えない記号もあります。また、レガシー SQL では柔軟な列名を使えません
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
日本語の列名や、ハイフン・空白を含む列名を持つデータを Iceberg 形式で管理しているデータエンジニアが使えます。元データの列名を BigQuery 向けに付け替えずに、そのまま扱える範囲が広がります。
✨ 導入メリット
- 列名を変換する前処理を減らせるため、データの取り込みから分析までの手順を短縮できます
- 元のシステムと同じ列名で参照できるため、項目の対応関係を確認する手間を減らせます
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: 柔軟な列名
- 製品ドキュメント: Apache Iceberg 外部テーブルを作成する
- 製品ドキュメント: Apache Iceberg マネージド テーブル
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 05, 2026
7. BigQuery — 会話型分析で AI.CAUSAL_EFFECT 関数に対応(Preview・2026年10月6日)
BigQuery の会話型分析(自然な言葉で質問するとエージェントが分析する機能)が、AI.CAUSAL_EFFECT 関数に対応しました。本機能は Preview です。AI.CAUSAL_EFFECT は、時系列データに対して特定の施策(介入)がどれだけ影響したかを定量化する関数です。
🔍 何が変わったのか
- 会話型分析から AI.CAUSAL_EFFECT 関数を使った分析を依頼できます
- AI.CAUSAL_EFFECT は、施策の実施時点より後の実績値と、施策がなかった場合の推定値を比較します
- 結果には、効果の絶対値と相対値、p 値(偶然で説明できる可能性の指標)などが含まれます
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
キャンペーンや価格改定を実施したマーケティング担当者や事業部門が、日次の売上やアクセス数への効果を確かめる場面で使えます。公式ドキュメントでも、出来事の発表が関連するページの閲覧数に与えた影響を測る例が紹介されています。
✨ 導入メリット
- 施策の効果を、前後の単純比較ではなく「施策がなかった場合の推定値」との比較で確認できます
- 会話型分析から使えるため、SQL を書かない担当者も効果測定を依頼できます
- Preview の段階のため、まずは検証用のデータで試し、結果の見方を社内で確認する進め方が取れます
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: The AI.CAUSAL_EFFECT function(BigQuery)
- 製品ドキュメント: BigQuery AI と ML のサポート
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 06, 2026
8. Cloud SQL for MySQL — マネージド バッファプールの拡張しきい値を変更できるフラグを追加(2026年10月8日)
Cloud SQL for MySQL で、innodb_cloudsql_managed_buffer_pool_tuneup_pct データベースフラグがサポートされました。マネージド バッファプールは、メモリ不足の発生を減らすため、InnoDB バッファプール(データをメモリ上に保持する領域)の大きさを自動で調整する機能です。
🔍 何が変わったのか
- マネージド バッファプールは、縮小した後にメモリ使用率が70%以下の状態が10分以上続くと、バッファプールを拡張します
- 新しいフラグで、この70%のしきい値を別の値に変更できます
- 利用には、Cloud SQL のメンテナンス バージョン MYSQL_VERSION.R20260726.00_05 以降が必要です
- マネージド バッファプールは、共有コアのインスタンスと MySQL 5.6・5.7 では有効にできません
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
Cloud SQL for MySQL のメモリ使用状況を監視しているデータベース管理者が使えます。平常時の使用率が70%を超えている環境ではしきい値を上げてバッファプールを元の大きさに戻しやすくし、急な負荷に備えたい環境ではしきい値を下げてメモリに余裕を残す、という使い分けが公式に示されています。
✨ 導入メリット
- ワークロードの特性に合わせて、性能とメモリの余裕のどちらを優先するかを調整できます
- メモリ不足による障害を減らしつつ、バッファプールが小さいまま残る状態を避けやすくなります
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: マネージド バッファプールを有効にする
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 08, 2026
9. BigQuery — Data Engineering Agent が東京リージョンのエンドポイントで利用可能に(GA・2026年10月9日)
BigQuery Data Engineering Agent が、asia-northeast1(東京)のリージョン エンドポイントで利用できるようになり、gemini-3.5-flash モデルに対応しました。本機能は一般提供(GA)です。Data Engineering Agent は、自然な言葉による指示で BigQuery のデータパイプラインを構築・変更・トラブルシューティングできるエージェントです。
🔍 何が変わったのか
- Data Engineering Agent を、asia-northeast1(東京)のリージョン エンドポイントで利用できます
- gemini-3.5-flash モデルに対応しました
- Gemini in BigQuery のデータ処理場所を説明する公式ページでは、Data Engineering Agent の専用エンドポイントとして us、eu、asia-northeast1(東京)、グローバルが挙げられています
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
データの処理場所を日本国内に限定する方針を持つ組織で、データエンジニアが Dataform のパイプラインを作成・修正する場面で使えます。データの取り扱いに関する社内規程を確認したうえで、東京のエンドポイントを選ぶ構成を検討できます。
✨ 導入メリット
- 処理場所の要件から利用を見送っていた組織でも、導入を検討する選択肢が増えます
- パイプラインの作成や不具合の調査を自然な言葉で依頼でき、作業時間の短縮につながります
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: データ エンジニアリング エージェントの概要
- 製品ドキュメント: BigQuery データ エンジニアリング エージェント
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 09, 2026
10. Cloud SQL for MySQL・PostgreSQL — 既存インスタンスでも Knowledge Catalog へのメタデータ同期がほぼリアルタイムに(2026年10月9日)
Cloud SQL for MySQL と Cloud SQL for PostgreSQL で、2026年4月18日より前に作成したインスタンスでも、Knowledge Catalog との連携を有効にするとスキーマとメタデータの更新がほぼリアルタイムで同期されるようになりました。従来は1日1回の同期でした。2026年4月18日以降に作成したインスタンスは、ほぼリアルタイムの同期が既定で有効です。
🔍 何が変わったのか
- 対象は、新しいネットワーク アーキテクチャ上で MySQL 8.0 以降、または PostgreSQL 14.0 以降を実行しているインスタンスです
- 連携が無効の対象インスタンスで連携を有効にすると、ほぼリアルタイムの同期になります
- すでに1日1回の同期で連携が有効になっている場合は、連携を一度無効にしてから再度有効にすると、ほぼリアルタイムの同期に切り替わります
- 同期されるのは、インスタンス名、リージョン、テーブルやビューのスキーマ、説明、主キー・外部キーの制約などです(MySQL のドキュメントより)
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
業務データベースのテーブル定義を Knowledge Catalog で一覧・検索できるようにしているデータ管理部門が使えます。新しい DDL やスキーマの変更は10分以内にカタログに反映される(既存のリソースの取り込みは24時間以内)と公式ドキュメントに記載されているため、利用者は最新の定義を確認できます。
✨ 導入メリット
- カタログ上の定義と実際のデータベースのずれが短時間で解消され、カタログの情報を信頼して使いやすくなります
- 既存のインスタンスを作り直さずに、連携の再設定だけで切り替えられます
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: 既存の Cloud SQL インスタンスで Knowledge Catalog の統合を有効にする(Cloud SQL for MySQL)
- 製品ドキュメント: 既存の Cloud SQL インスタンスで Knowledge Catalog の統合を有効にする(Cloud SQL for PostgreSQL)
- 製品ドキュメント: インスタンスを新しいネットワーク アーキテクチャにアップグレードする
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 09, 2026
11. Looker — AI コーディング エージェントで作る Looker Data Apps を提供開始(Preview・2026年10月9日)
Looker Data Apps が Preview として提供されました。Gemini CLI、Claude Code、Cursor などのローカルの AI コーディング エージェントが、自然な言葉の指示から作成する自由配置型のダッシュボードです。
なお、同日の Looker リリースノートでは、11〜14で紹介する機能(Data Apps、定期実行ワークフロー、Fast モードの既定化、Starter questions、Diagnose & Repair、Style Validator、Dremio・ClickHouse の接続、Modern User Interface の既定オン、Modern visualization の拡充)について、2026年10月5日から Looker 26.18 を実行している Looker (original) インスタンスで自動的に有効化すると告知されています。Looker (Google Cloud core) での有効化は別途告知される予定です。
🔍 何が変わったのか
- 要素の絶対位置指定や重ね合わせ、カスタムの Web コンポーネントを含め、画面の配置を自由に決められます
- データは LookML のセマンティックレイヤー(指標や項目の定義を一元管理する層)からのみ取得し、閲覧するユーザーの Looker 権限と行レベルのアクセス制御が適用されます
- AI を使うのは作成時だけで、公開後の閲覧時には AI モデルを使いません
- 利用には、Looker がホストする Looker 26.18 以降のインスタンスで、管理者が Data Apps のプレビュー機能を有効にする必要があります
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
経営会議向けの指標画面など、通常のダッシュボードのタイル配置では表現しにくいレイアウトを求められる BI 担当者が使えます。LookML で定義済みの指標を使うため、画面の自由度を上げても数値の定義は既存のダッシュボードとそろいます。
✨ 導入メリット
- 画面のデザインを自然な言葉で指示でき、作成にかかる時間を短縮できます
- LookML とユーザー権限による統制が保たれるため、自由なレイアウトでも閲覧範囲の管理は従来どおり行えます
- Preview の段階のため、まずは限られた用途で試し、運用方法を確かめる進め方が取れます
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: Looker Data Apps の概要と設定
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 09, 2026
12. Looker — Conversational Analytics の定期実行ワークフロー(Preview)、質問モードの既定値変更、Starter questions の一般提供(2026年10月9日)
Looker の Conversational Analytics(自然な言葉でデータに質問できる対話型分析機能)とその周辺で、3件の更新がありました。定期実行のエージェント型ワークフローの追加(Preview)、質問モードの既定値の変更、Starter questions の一般提供(GA)です。
🔍 何が変わったのか
- 定期実行のエージェント型ワークフロー(Preview): 条件をきっかけに動くワークフローに加えて、定期実行のワークフローを作れるようになりました。AI が生成した分析の要約、データの表、グラフ、PDF レポートを、自然な言葉で指示してメールや Slack へ定期配信できます
- 質問モードの既定値: 既定の質問モードが Thinking から Fast に変わりました。Fast は推論の過程を生成せずに、質問を LookML の定義へ直接対応付けて素早く回答するモードです
- Starter questions(GA): 新しい Explore 画面で、Gemini in Looker が Explore を分析して、最初に試す質問とその分析結果を提案する機能です
✨ 使えるようになる機能
- 定期配信の頻度は、分単位(最短15分)、毎時、毎日、毎週、毎月などから選べます。受信者は通知の Investigate を選ぶと、データエージェントとの非公開の会話を開けます
- ユーザーは Manage Workflows ページで、管理者は管理画面の Manage Workflows ページでワークフローを管理できます。管理者は新しい Workflow Executions ページで、実行状況の確認とエラーの調査を行えます
- Starter questions の利用には、Gemini in Looker が有効であることと、所定の権限(モデルに対する develop 権限など)が必要です
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- 旧バージョンで作成したワークフロー: Looker 26.14 より前のバージョンで作成したワークフローは Legacy Workflows タブに表示され、作り直す必要があります
- 質問モードの既定値: 既定が Fast になりました。推論の過程を確認したい複雑な質問では、質問モードのドロップダウンから Thinking を選べます
- 外部への配信: 公式ドキュメントでは、Looker のアクセス制御はメールや Slack などの外部の配信先には及ばないこと、プロンプトに個人情報を含めないことが注意点として挙げられています
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
毎週の売上や在庫の状況を関係部門へ報告している担当者が、定期実行のワークフローで要約とグラフを Slack やメールに配信する場面で使えます。受信した部門の担当者は、気になった点をそのままデータエージェントに質問できます。
✨ 導入メリット
- 定例報告の作成と配信にかかる手作業を減らせます
- 報告を受けた側がすぐに追加の質問をできるため、意思決定スピードの向上につながります
- Starter questions により、モデル化された質問がまだない Explore でも分析の糸口を得られます
🤔 判断観点
自組織の利用状況に照らして、以下の観点をご確認いただくとよいでしょう。XIMIX として一律の対応を推奨するものではなく、状況に応じたご判断の材料としてご参照ください。
- インスタンス種別とバージョン: 同日の自動有効化の告知は、本項目の機能を含め Looker 26.18 の Looker (original) が対象で、Looker (Google Cloud core) は別途告知されます。自社のインスタンスで各機能が使える状態かを確認します
- 既存ワークフローの棚卸し: Looker 26.14 より前に作成したワークフローがあるかを確認し、作り直しの要否と時期を検討します
- 質問モードの周知: 利用者が Thinking モードの推論表示を前提に使っていた場合、既定値の変更を周知するかを検討します
- 配信先の管理: 定期配信の宛先となるメールアドレスや Slack チャンネルの範囲を、データの機密度に照らして確認します
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: Agentic Workflows の概要
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 09, 2026
13. Looker — LookML 開発を支える Diagnose & Repair ツールと Style Validator、Dremio・ClickHouse の新しい接続方式(2026年10月9日)
LookMLの開発と、データベースへの接続に関する4件の更新がありました。Git リポジトリを診断・修復する Diagnose & Repair ツール、継続的インテグレーション(CI)の Style Validator、Dremio 26.0+ (Arrow Flight SQL) と ClickHouse 26+ の SQL 方言への対応です。
🔍 何が変わったのか
- Diagnose & Repair: LookML プロジェクトのリポジトリを8項目で診断します。対象は個人の開発環境と共有の本番環境のどちらかを選べます。問題が見つかると、古いロックファイルの削除、ファイル権限の修正、破損したオブジェクト索引の修復などを自動で行い、破損したリポジトリを再構築する場合は、コミットしていない変更を専用の復旧用ブランチに退避します
- Style Validator: Looker CI の一機能として、LookML のコーディング規約、命名規則、構造上のベストプラクティスを検査します。プロジェクトのリポジトリのルートに lkmlstyle.yaml を置き、組み込みのルールセットを使うか、ルールの重要度、除外ファイル、パスごとの設定、独自ルールを指定します。公式ドキュメントによると、利用には Looker 26.18 以降で CI の要件を満たすことが必要で、CI スイートの設定にある Style Validator の切り替えは既定でオフです
- Dremio 26.0+ (Arrow Flight SQL): 同梱の Apache Arrow Flight SQL JDBC ドライバを使うため、個別の JDBC ドライバの JAR ファイルをインストールする必要がありません
- ClickHouse 26+: 刷新された JDBC ドライバを使い、対称集計(symmetric aggregates。テーブル結合時に集計値が重複して数えられるのを防ぐ Looker の仕組み)に対応します
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
複数の開発者で LookML を管理している BI チームが、レビューの前に命名規則の違反を Style Validator で自動検出する場面や、Git の不具合で開発環境が使えなくなったときに Diagnose & Repair で原因を調べる場面で使えます。Dremio や ClickHouse を分析用のデータベースとして使っている組織では、Looker からの接続の準備が簡単になります。
✨ 導入メリット
- コーディング規約の確認を自動化でき、レビューの負担を減らして LookML の品質をそろえられます
- リポジトリの不具合を管理者に頼らず診断でき、開発の中断時間を短縮できます
- Dremio と ClickHouse への接続準備の手順が減り、接続先の選択肢が広がります
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: LookML プロジェクトでの Git の問題の診断と修復
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 09, 2026
14. Looker — Modern User Interface のプレビュー機能が既定でオンに、モダンなビジュアリゼーションのグラフ種類を拡充(2026年10月9日)
Looker の Modern User Interface プレビュー機能の切り替えが、既定でオンになりました。この機能は、刷新されたナビゲーションとページレイアウトを有効にし、ダッシュボードとビジュアリゼーションにモダンな表示テーマを設定できるようにするものです。あわせて、Modern visualization テーマで使えるグラフの種類が増えました。
🔍 何が変わったのか
- Modern User Interface プレビュー機能の切り替えが、既定でオンになりました
- Modern visualization テーマが、地図(静的なポイントと地域)、ワードクラウド、ドーナツ マルチプルに対応しました。ドーナツ マルチプルは以前からドキュメントに記載がありましたが、今回のリリースで正式に利用可能になりました
✨ 使えるようになる機能
- 刷新されたナビゲーションとページレイアウトが、既定の表示になります
- モダンなテーマのまま、地図・ワードクラウド・ドーナツ マルチプルのグラフを使えます
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- 既定の画面表示の変更: Modern User Interface はプレビュー機能のため、既定でオンになると、利用者が目にするナビゲーションとページレイアウトが変わります
- 本告知には、機能の廃止・非推奨に関する記載はありません
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
Looker のダッシュボードを全社に展開している管理者が、画面の変化について利用者向けの案内を用意する場面で参照できます。拠点別の地図や自由記述の頻出語を表示したい分析担当者は、モダンなテーマのまま該当するグラフを使えます。
✨ 導入メリット
- モダンなテーマで表現できるグラフが増え、ダッシュボードの見た目をそろえやすくなります
- 既定の変更が事前に分かるため、利用者への周知を計画できます
🤔 判断観点
自組織の利用状況に照らして、以下の観点をご確認いただくとよいでしょう。XIMIX として一律の対応を推奨するものではなく、状況に応じたご判断の材料としてご参照ください。
- インスタンス種別とバージョン: Looker (original) 26.18 では10月5日から既定でオンになり、Looker (Google Cloud core) は別途告知されます。自社のインスタンスが Looker (original) か Looker (Google Cloud core) か、どのバージョンかを確認し、既定値の変更がいつ反映されるかを Looker リリースノートで確認します
- 利用者への影響範囲: 画面の操作手順を社内マニュアルにまとめている場合は、表示の変化に合わせた更新が必要かを確認します
- 検証推奨事項: 主要なダッシュボードが、新しいレイアウトでも想定どおりに表示されるかを確認します
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: モダンなユーザー インターフェース
- 製品ドキュメント: 最新の可視化
- リリースノート: Google Cloud release notes - October 09, 2026
その他のアップデート
このほか、以下の更新がありました。
- Agent Platform Workbench(2026年10月5日): BigQuery の JupyterLab プラグインが Dataproc プラグインとは独立して有効化されるようになりました。既定で有効で、新しいインスタンス メタデータキー disable-bigquery で無効にできます。disable-mixer は Dataproc プラグインのみを制御するようになりました
- Managed Service for Apache Spark(旧 Google Cloud Serverless for Apache Spark、2026年10月5日): サーバーレス セッションの作成時に、短いテンプレート名を指定できるようになりました
- Cloud SQL for MySQL・PostgreSQL(2026年10月6日): Private Service Connect を有効にした、2026年9月30日以降に作成された16 vCPU 以上のインスタンスで、同時接続数の上限が MySQL は100,000、PostgreSQL は129,024 になりました(MySQL、PostgreSQL)
- Memorystore for Redis(2026年10月8日): Google Cloud コンソールでインスタンスを作成すると、RDB スナップショット(データを定期的にファイルへ保存する仕組み)が既定で有効になりました。データ保護と基本的な永続性の確保が目的です。一般提供(GA)です(Manage RDB snapshots)
- Managed Service for Apache Kafka(2026年10月9日): 新しく作成するクラスタで、ブートストラップ アドレスとブローカー URL の形式が変わりました。アドレスの確認方法は View a Managed Service for Apache Kafka cluster に記載されています
- Cloud SQL for MySQL(2026年10月10日): Cloud SQL for MySQL 8.0 の既定のマイナーバージョンが MySQL 8.0.46 になりました(MySQL 8.0)
まとめ
2026年10月5日〜11日のデータ分析カテゴリでは、BigQuery で gemini-embedding-2 モデルと Data Engineering Agent の東京リージョン エンドポイントが一般提供(GA)となり、会話型分析では AI.CAUSAL_EFFECT 関数による施策効果の測定が Preview で加わりました。データベース側では、Cloud SQL for MySQL のブルーグリーン デプロイ(Preview)と、Knowledge Catalog へのほぼリアルタイムのメタデータ同期が、既存インスタンスでも選べるようになっています。
Looker は更新が27件と多く、時期と対象が分かれています。10月12日から展開予定の Looker 26.20 には、セルフサービス モデリングの利用条件と、カスタム TopoJSON の URL 検証に関する変更が含まれます。10月9日付では Data Apps(Preview)や定期実行ワークフロー(Preview)などが発表され、これらは Looker 26.18 の Looker (original) で10月5日から自動的に有効化されると告知されました(Looker [Google Cloud core] は別途告知の予定)。自社のインスタンス種別とバージョンを確認したうえで、該当する項目をご参照ください。
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参考資料
- Google Cloud Release Notes: https://cloud.google.com/release-notes
- BigQuery リリースノート: https://cloud.google.com/bigquery/docs/release-notes
- Looker リリースノート: https://docs.cloud.google.com/looker/docs/release-notes
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