はじめに
Google Cloud の AI 関連サービスは、2026年6月中旬も活発に進化しています。新しい AI モデルの追加から Gemini Enterprise の機能拡張、コンタクトセンター(CCaaS)の分析強化まで、AI 活用を推進する企業が押さえておくべきアップデートが発表されました。
本記事では、2026年6月8日〜14日に発表された Google Cloud AI カテゴリの主要アップデートを解説します。Model Garden への新モデル追加、Gemini Enterprise のエージェント共有、Vertex AI Search の検索フィルタ強化、そして重要な設定変更(Gemini 3.5 Flash トグル廃止)まで取り上げています。
特に Gemini 3.5 Flash の機能管理トグル廃止(2026年6月16日〜)は、設定で無効化していた組織に影響するため、ぜひ本文をご確認ください。
| 対象期間 | 2026年6月8日〜2026年6月14日 |
| 対象製品 | Google Cloud |
| 対象カテゴリ | AI |
| アップデート件数 | 6件(主要トピック) |
今回のアップデート一覧

アップデート詳細
1. Gemini Enterprise — Gemini 3.5 Flash の機能管理トグル廃止(2026年6月16日〜)
Gemini Enterprise において、Gemini 3.5 Flash の機能管理トグル(管理者による有効/無効の切り替え)が、2026年6月16日以降は利用できなくなることが告知されました(2026年6月8日)。今後は管理者がオフにできなくなります。
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- 2026年6月16日以降、Gemini 3.5 Flash の機能管理トグルが廃止
- 管理者が Gemini 3.5 Flash を無効化することはできなくなる(デフォルトで有効)
🤔 判断観点
- 緊急性: 2026年6月16日が期限。トグルで無効化していた組織は挙動変化を事前に把握しておく必要がある。
- 影響範囲: Gemini Enterprise を利用し、Gemini 3.5 Flash をトグルで無効化していた組織の管理者
- 確認推奨事項: Gemini 3.5 Flash が常時有効になることを前提に、社内の利用方針を見直すことを推奨
📚 公式ソース
2. Vertex AI Search — 検索フィルタの強化(EXISTS・前方/部分一致)(Preview)
Vertex AI Search(Agent Search)の検索クエリのフィルタリング機能が強化されました(2026年6月8日、いずれも Preview)。EXISTS フィルタと前方一致・部分一致に対応します。
🔍 何が変わったのか
- EXISTS フィルタ: 特定フィールドが存在するドキュメントに絞って検索できる(Preview)
- 前方一致・部分一致: スキーマフィールドで prefix matching・partial matching を設定できる(Preview)
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
エンタープライズ検索アプリで、「特定の属性を持つ文書だけを対象にする」「商品コードの前方一致で検索する」といった、より精緻な絞り込みが可能になります。検索体験の質を高められます。
✨ 導入メリット
- 検索フィルタの表現力が向上し、目的の情報に到達しやすくなります
- 業務に即した検索アプリ・エージェントを構築しやすくなります
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: Vertex AI Search 検索フィルタドキュメント
- リリースノート: Google Cloud release notes - June 8, 2026
3. CX Agent Studio — 評価データのインポート・エクスポートに対応
CX Agent Studio(会話 AI プラットフォーム)で、評価(evaluation)データのインポート・エクスポートができるようになりました(2026年6月8日)。
🔍 何が変わったのか
- CX Agent Studio で評価データをインポート・エクスポートできる
- 会話エージェントの品質評価データを再利用・共有しやすくなる
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
会話 AI(チャットボット・音声ボット)の品質を継続的に評価しているチームが、評価データを書き出して分析したり、別環境に取り込んで回帰テストに使ったりできます。エージェント品質管理の効率化に役立ちます。
✨ 導入メリット
- 評価データを再利用でき、エージェント品質管理を効率化できます
- 環境間でのデータ移行・共有が容易になります
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: CX Agent Studio(Dialogflow CX)ドキュメント
- リリースノート: Google Cloud release notes - June 8, 2026
4. Google Cloud CCaaS — バージョン 4.39 リリースとレポートダッシュボードの強化
Google Cloud Contact Center as a Service(CCaaS)のバージョン 4.39 がリリースされ(2026年6月8日)、あわせてレポートダッシュボードの機能が多数強化されました(2026年6月11日)。
✨ 使えるようになる機能
- CCaaS 4.39 リリース(各種改善・不具合修正)、Android 向けモバイル SDK 2.15.3 パッチ
- キュー実績ダッシュボードの拡充: 子キュー(Child Queues)フィルタ、リアルタイムのキュー監視・エージェント/キュー状況の指標追加、リピートコンタクト集計、CSAT スコアから CRM への直接リンクなど
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
コンタクトセンターのスーパーバイザーが、子キュー単位でのリアルタイム監視やリピートコンタクトの集計を活用し、待ち時間の長いキューへの応援配置や、繰り返し問い合わせの多い業務の改善につなげられます。CSAT から CRM への直接リンクにより、低評価対応の振り返りも迅速に行えます。
✨ 導入メリット
- リアルタイム指標とキュー分析の強化で、オペレーションの可視化と要員配置の最適化が進みます
- CSAT と CRM の連携により、顧客対応品質の改善サイクルを回しやすくなります
🤔 判断観点
- 影響範囲: Google Cloud CCaaS を利用するコンタクトセンター運用・分析チーム
- 活用ポイント: リアルタイム監視・キュー分析の強化により、オペレーション可視化が向上。更新タイミングはデプロイスケジュールに依存するため公式リリースノートで確認を推奨
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: Google Cloud CCaaS ドキュメント
- リリースノート: Google Cloud release notes - June 8, 2026
5. Gemini Enterprise Agent Platform — Anthropic Claude Fable 5 が Model Garden に追加
Gemini Enterprise Agent Platform(Vertex AI のサービスが統合された基盤)の Model Garden に、Anthropic の Claude Fable 5 が追加されました(2026年6月9日)。Google Cloud 上で最新の Claude モデルを利用できます。
🔍 何が変わったのか
- Model Garden で Anthropic の Claude Fable 5 が利用可能に
- Google Cloud のセキュリティ・データガバナンスの枠組みの中で最新 Claude モデルを使える
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
高度な文章生成・要約・コーディング支援などに最新の Claude モデルを使いたい企業が、Google Cloud 上で自社データのガバナンスを保ちながら活用できます。モデルの選択肢が広がり、用途に応じた使い分けが可能になります。
✨ 導入メリット
- 最新の Claude モデルを Google Cloud のガバナンス下で安全に利用できます
- 用途に応じて Gemini と Claude を使い分け、AI 活用の幅を広げられます
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: Gemini Enterprise Agent Platform - Claude Fable 5
- リリースノート: Google Cloud release notes - June 9, 2026
6. Gemini Enterprise — エージェントを Google グループと共有可能に
Gemini Enterprise で、Agent Designer で作成したエージェントを Google Identity グループ(Google グループ)と共有できるようになりました(2026年6月9日、管理者による設定が前提)。
🔍 何が変わったのか
- Agent Designer で作成したエージェントを、個人だけでなく Google グループ単位で共有できる
- 部門・チーム単位でのエージェント配布・管理が容易に
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
部門で共通利用する業務エージェントを、メンバー個別ではなく Google グループに一括共有できます。人事異動時もグループ管理で権限が自動的に追従し、運用負荷を下げられます。
✨ 導入メリット
- グループ単位の共有で、エージェント配布・権限管理の手間を削減できます
- 組織変更にも追従しやすく、ガバナンスを保ちやすくなります
📚 公式ソース
- 製品ドキュメント: Gemini Enterprise ドキュメント
- リリースノート: Google Cloud release notes - June 9, 2026
まとめ
2026年6月8日〜14日の AI カテゴリで特に対応が求められるのは、Gemini 3.5 Flash の機能管理トグル廃止(2026年6月16日〜)です。設定で無効化していた組織は、常時有効になることを前提に利用方針を見直してください。
新機能としては、Model Garden への Claude Fable 5 追加、Agent Designer のグループ共有、Vertex AI Search のフィルタ強化など、AI 活用の選択肢と運用性を高めるアップデートが揃いました。Google Cloud CCaaS 4.39 ではレポートダッシュボードが大幅に強化され、コンタクトセンターの可視化が進みます。自組織の AI 活用方針に照らして、これらの新機能の評価を進めることをお勧めします。
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- XIMIX について: https://ximix.niandc.co.jp/about-ximix
参考資料
- Google Cloud Release Notes: https://cloud.google.com/release-notes
- 2026-06-08: Google Cloud release notes - June 8, 2026
- 2026-06-09: Google Cloud release notes - June 9, 2026
- 2026-06-11: Google Cloud release notes - June 11, 2026
- Vertex AI Generative AI リリースノート: https://cloud.google.com/vertex-ai/generative-ai/docs/release-notes
- Gemini Enterprise リリースノート: https://cloud.google.com/gemini/enterprise/docs/release-notes
執筆者紹介

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- クラウド