はじめに
「Google Workspaceを導入して業務効率を上げたいけれど、まずはコストを抑えて始めたい」 「一番安いBusiness Starterプランで、どこまでのことができるのだろうか?」 グループウェアの導入や刷新を検討する際、特にコストパフォーマンスは重要な判断基準となります。Google Workspaceには複数のプランがありますが、最も手頃な価格で始められる「Business Starter」に関心をお持ちの企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、安価なプランであるがゆえに、「機能が不足しないか?」「自社の使い方に合っているのか?」といった疑問も生じます。
この記事では、Google Workspaceの導入を検討されている方、特にBusiness Starterプランに関心のある方に向けて、その具体的な機能、知っておくべき制限、料金体系、そしてどのような企業やチームに適しているのかを、上位プランとの比較も交えながら分かりやすく解説します。 (※本記事の情報は2025年4月20日時点のものです。最新情報はGoogle公式サイトをご確認ください。)
Google Workspace Business Starterとは?
Google Workspace Business Starterは、Google Workspaceのビジネス向けプランの中で最も基本的な機能を備え、最も安価なエントリープランです。個人事業主や小規模チーム、あるいは初めて本格的なグループウェアを導入する企業が、低コストでビジネスに必要なコミュニケーションツールやコラボレーションツールを利用開始するのに適しています。
料金: (2025年4月時点) ※詳細はXIMIXサイトの料金表をご確認ください。
- 月間契約: 1ユーザーあたり月額 ¥959
- 年間契約: 1ユーザーあたり月額 ¥800
低価格ながら、ビジネスの基盤となる多くの機能を利用できるのが特徴です。
Business Starterで「できること」:主要機能紹介
Business Starterプランでも、日常業務に必要な基本的な機能は網羅されています。
コミュニケーションツール
- カスタムドメインのビジネス用Gmail: @yourcompany.com のような独自ドメインのメールアドレスを利用できます。強力な迷惑メールフィルタやセキュリティ機能も備わっています。
- Google Chat: テキストメッセージによるリアルタイムコミュニケーション、グループチャット、ファイル共有が可能です。
- Google Meet: 最大100人まで参加可能なオンラインビデオ会議を開催できます。画面共有やチャット機能も利用可能です。
コラボレーションツール
- Google Drive: 1ユーザーあたり30GBのクラウドストレージが提供されます。ファイルの保存、共有、アクセス権限の設定が可能です。
- 注意点: この30GBは、Gmailの添付ファイルやGoogleフォトのデータも含まれるプールストレージです。
- Googleドキュメント、スプレッドシート、スライド: クラウドベースで文書作成、表計算、プレゼンテーション作成ができ、複数人でのリアルタイム共同編集が可能です。Microsoft Officeファイルとの互換性もあります。
- Googleカレンダー: 個人のスケジュール管理はもちろん、チームメンバーとのスケジュール共有、会議のスケジュール設定、会議室などのリソース予約が可能です。
- Google Keep: メモやリストを作成し、チームメンバーと共有できます。
基本的な管理・セキュリティ機能
- 管理コンソール: ユーザーアカウントの追加・削除、基本的なセキュリティ設定(2段階認証プロセスの推奨など)を行えます。
- 標準的なセキュリティ機能: スパム、フィッシング、マルウェアからの保護など、基本的なセキュリティ対策が提供されます。
これらの機能により、多くの企業で基本的なコミュニケーションや情報共有、ファイル管理といった業務を効率化できます。
Business Starterの主な「制限・できないこと」:上位プランとの比較
Business Starterは魅力的なプランですが、上位プラン(Business Standard, Business Plus, Enterpriseなど)と比較すると、いくつかの重要な制限があります。導入後に「こんなはずではなかった」とならないよう、主な制限事項を把握しておきましょう。
ストレージ容量
- Business Starter: 1ユーザーあたり30GB
- Business Standard: 1ユーザーあたり2TB
- Business Plus: 1ユーザーあたり5TB
- Enterprise: プランにより5TB(追加リクエスト可能)
動画ファイルやデザインデータなど、大容量ファイルを多く扱う場合、30GBではすぐに不足する可能性があります。
Google Meet(ビデオ会議)の機能
- 参加人数: Starterは最大100人ですが、Standardは150人、Plusは500人、Enterpriseは最大1000人まで参加可能です。
- 会議の録画: Business Starterでは会議の録画機能が利用できません。会議の内容を記録・共有したい場合は、Business Standard以上のプランが必要です。
- ノイズキャンセル、アンケート、Q&A機能: これらの高度な会議機能は、Starterでは利用できません。
セキュリティと管理機能
- 高度なセキュリティ機能: データ損失防止(DLP)、Vault(データのアーカイブと電子情報開示)、高度なエンドポイント管理、コンテキストアウェアアクセスなどの高度なセキュリティ・コンプライアンス機能は、Business Starterでは利用できません。企業のセキュリティポリシーによっては、これらの機能が必要となる場合があります。
- 詳細な監査ログとレポート: より詳細な利用状況の分析や監査ログの取得は、上位プランで提供されます。
これらの制限を理解し、自社の業務要件や将来的な拡張性を考慮してプランを選択することが重要です。
どんな企業・チームにBusiness Starterはおすすめ?
上記の機能と制限を踏まえると、Business Starterは以下のような企業やチームに適していると言えます。
- 従業員数が比較的少ない企業やチーム: 特に300ユーザー以下の組織が対象となります(Businessプランの上限)。
- 初めてグループウェアを導入する企業: まずは基本的な機能からスモールスタートしたい場合に最適です。
- コストを最優先したいスタートアップ企業: 初期投資を抑えながらビジネスの基盤を整えられます。
- 基本的なメール、カレンダー、ファイル共有、ビデオ会議機能で十分な組織: 高度な機能や大容量ストレージを現時点では必要としない場合。
- 個人事業主やフリーランサー: プロフェッショナルな独自ドメインのメールアドレスと基本的なツール群を手頃な価格で利用できます。
Business Starterでは不十分なケースとは?
一方で、以下のようなニーズがある場合は、Business Starterでは機能不足となり、Business Standard以上のプランを検討する必要があります。
- 大量のファイル(特に動画や画像)をクラウドで管理したい: 30GBのストレージでは不足します。最低でも2TBを提供するBusiness Standardが必要です。
- 100人を超える規模のオンライン会議を頻繁に行う、または会議の録画機能が必要: Business Standard以上の機能が必要です。
- 高度なセキュリティ対策やコンプライアンス要件(アーカイブ、DLPなど)を満たす必要がある: Business PlusやEnterpriseプランの検討が必要です。
- より詳細な管理機能や利用状況レポートが必要: 上位プランで提供されます。
自社の現在の状況だけでなく、将来的な事業拡大や働き方の変化も見据えてプランを選択することが推奨されます。
XIMIXによるGoogle Workspaceプラン選定・導入支援
「自社のセキュリティ要件を満たすには、どのプランが最適なんだろう?」 「将来的な拡張を考えると、最初からStandardにしておくべきか…?」
各プランの機能や制限を理解しても、自社の状況に照らし合わせて最適なプランを判断するのは、なかなか難しいものです。特に、既存システムからの移行や、中堅・大企業特有の複雑な要件がある場合はなおさらです。
私たちXIMIXは、Google CloudおよびGoogle Workspaceのプレミアパートナーとして、数多くの企業様のプラン選定から導入、活用までをご支援してきた豊富な実績があります。
- 最適なプラン選定コンサルティング: お客様の現在の業務内容、将来の展望、セキュリティ要件などを詳しくヒアリングし、Business Starterを含む全てのプランの中から、コストと機能のバランスが取れた最適なプランをご提案します。
- スムーズな導入と移行: 「Business Starterで始めて、将来的に上位プランへ移行したい」といったステップアップのご相談にも対応可能です。データ移行や初期設定も、専門知識を持つエンジニアがサポートします。
- 導入後の活用支援: プラン導入後も、効果的な活用方法に関するトレーニングや、運用に関するご相談に対応し、お客様のDX推進を継続的に支援します。
どのプランが自社に最適か迷われている場合は、ぜひお気軽にXIMIXにご相談ください。
XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。
※Google Workspace の基本的な機能については、こちらの記事もご参照ください。
- 改めて知りたい「Google Workspace とは」- 機能・メリット・活用法をDX視点で解説
- グループウェアの進化がDXを加速する - Google Workspaceに見る次世代の働き方
- Google Workspace導入コストを徹底解剖!ライセンスから運用まで費用全体を把握
まとめ
Google Workspace Business Starterは、最も手頃な価格でGoogle Workspaceの基本的な機能を利用開始できる魅力的なプランです。独自ドメインのGmail、100人までのビデオ会議など、多くの企業にとって必要十分な機能を提供します。
しかし、ストレージ容量(30GB)、会議録画不可、高度なセキュリティ・管理機能の制限など、上位プランと比較していくつかの重要な制限があることも事実です。
Business Starterが最適かどうかは、企業の規模、業務内容、将来の拡張性、セキュリティ要件によって異なります。コストを抑えつつスモールスタートしたい企業には良い選択肢ですが、データ量が多い、高度な機能が必要といった場合は、Business Standard以上のプランを検討する必要があります。
この記事を参考に、自社のニーズをしっかりと見極め、最適なGoogle Workspaceプランを選択するための一助となれば幸いです。
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