はじめに
多くの企業で導入が進むGoogle Workspace。その中でも「Googleフォーム」は、単なるアンケート作成ツールだと思われがちです。しかし、その真価は「最も手軽に始められる業務アプリ開発ツール」である点にあります。
「社内の申請業務がまだ紙やExcelのリレーで行われている」 「顧客からの問い合わせ対応が属人化している」
もしこのような課題をお持ちなら、Googleフォームは最適な解決策になります。 本記事では、企業のIT活用を支援してきた「XIMIX」が、Googleフォームの基本的な使い方はもちろん、中堅・大企業が実践すべき「セキュリティを担保した業務自動化(DX)」への活用術までを徹底解説します。
Googleフォームとは?DXの第一歩に最適な理由
Googleフォームは、Googleが提供するオンラインフォーム作成ツールです。直感的なインターフェースで、誰でも数分でフォームを作成・公開できます。 なぜ、今Googleフォームが企業のDX推進において重要視されているのでしょうか。その理由は、現場主導で「データドリブンな業務プロセス」を構築できる点にあります。
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ビジネス活用の5大メリット
企業がGoogleフォームを活用することで得られるメリットは、コスト削減だけではありません。
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圧倒的な業務スピード向上: 紙の配布・回収・手入力による集計作業が「ゼロ」になります。
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リアルタイムな可視化: 回答データは即座にグラフ化され、Googleスプレッドシートとも自動連携。意思決定のスピードを加速させます。
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デバイスフリー: スマホ、タブレット、PC問わず、どこからでも回答可能。外勤営業や現場スタッフからの報告業務を効率化します。
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高度な連携機能: Gmail、Google Chat、カレンダーなど、他のGoogle Workspaceアプリと連携し、通知やタスク登録を自動化できます。
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コストパフォーマンス: Google Workspaceライセンスに含まれているため、追加コストなしで高機能なフォームシステムを利用可能です。
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知っておくべきデメリットと解決策
万能に見えるGoogleフォームにも、得意・不得意があります。
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複雑なワークフロー: 多段階の承認ルート設定などは標準機能では困難です。
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解決策: Google Apps Script (GAS)でのカスタマイズや、AppSheetとの連携でカバー可能です。
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デザインの制約: 自社Webサイトのような完全なデザイン統合はできません。
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解決策: ブランディングが必要な場合はヘッダー画像の工夫で対応し、実利を優先する場面での利用に特化させるのが賢明です。
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【基本編】Google Apps Script (GAS) とは?機能、業務効率化、メリットまで徹底解説
【基本編】AppSheetとは?ノーコードで業務アプリ開発を実現する基本とメリット
Googleフォームの基本的な使い方(6ステップ)
初めての方でも迷わず作成できるよう、基本フローを解説します。これさえ覚えれば、あらゆる業務フォームに応用可能です。
ステップ1: 新規フォームの立ち上げ
Googleドライブを開き、左上の「+ 新規」ボタンから「Googleフォーム」を選択します。「空白のフォーム」から作成するのが一般的ですが、目的に応じた「テンプレート」も利用可能です。
ステップ2: 目的の明確化(タイトル設定)
「無題のフォーム」をクリックし、タイトルを入力します(例:「2025年度 上期キックオフ参加確認」)。
ポイント: 「フォームの説明」欄には、回答期限、所要時間、問い合わせ先を明記することで、回答率が大幅に向上します。
ステップ3: 質問項目の設計
右側のメニュー「+」で質問を追加し、最適な形式を選びます。
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記述式: 氏名や感想など、自由入力に。
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ラジオボタン: 「はい/いいえ」など、1つだけ選択させたい時に。
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チェックボックス: 複数選択を許可する場合に。
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均等目盛(スケール): 「満足度(1〜5)」などの評価収集に。
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日付・時刻: 希望日程の調整などに。
※各質問右下の「必須」をオンにすることで、回答漏れを防げます。
ステップ4: テーマとデザイン調整
画面右上のパレットアイコンから、企業のブランドカラーに合わせたテーマ色や、ヘッダー画像を設定します。ロゴを入れるだけで、公式文書としての信頼感が増します。
ステップ5: プレビューとテスト
目のアイコン(プレビュー)をクリックし、回答者視点でどう見えるかを確認します。誤字脱字や、必須項目の設定ミスがないか、必ず一度自分でテスト送信を行いましょう。
ステップ6: 共有とデータ活用
「送信」ボタンから共有方法を選びます。
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メール: 特定の相手に直接送付。
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リンク: URLを発行し、チャットや社内ポータルで共有。
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埋め込み: HTMLコードを取得し、Webサイト内に表示。
集計結果は「回答」タブでリアルタイムに確認できるほか、スプレッドシートアイコンをクリックすれば、全データを一覧表として書き出せます。
【応用編】業務を変えるGoogleフォーム活用事例7選
ここからは、単なるアンケートに留まらない、企業の生産性を高める具体的な活用シーンを紹介します。
1. 従業員満足度(ES)調査・パルスサーベイ
匿名設定を活用し、定期的に組織のコンディションを定点観測します。
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活用ポイント: スプレッドシートや、スプレッドシートにデータ連携ツール(Looker Studio)を接続すれば、部署ごとのスコア推移をダッシュボード化し、経営会議で即座に共有できます。
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Google Workspaceで実現する従業員パルスサーベイ|設計・分析・活用の秘訣
2. 社内ヘルプデスク・問い合わせ受付
「PCが起動しない」「パスワードを忘れた」などのIT依頼をフォーム化。
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活用ポイント: 必須項目で「エラー画面のスクリーンショット(ファイルアップロード機能)」を添付させることで、ヒアリングの手間を削減し、解決スピードを向上させます。
3. イベント・研修の出欠管理
社内イベントやウェビナーの申し込みに。
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活用ポイント: 「Googleカレンダー」と連携させ、申し込みと同時に招待状を自動送付する仕組みも構築可能です。
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Google Workspaceでイベント運営を効率化!企画からフォローまで完全ガイド
4. 日報・営業報告
外勤先からスマホで入力できる簡易日報として活用。
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活用ポイント: 選択式の項目(訪問目的、受注確度など)を設けることで、テキストだけの日報よりもデータ分析が容易になり、営業戦略の改善に役立ちます。
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【入門編】Google Workspaceで実現する日報・議事録の効率化ガイド
5. 備品購入・経費精算の簡易申請
紙で行っていた小口の申請業務をデジタル化。
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活用ポイント: 回答内容に応じて、自動で上長へ承認依頼メールを飛ばす簡易フローを組むことで、ペーパーレス化を実現します。
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「紙・ハンコ文化」からの脱却はどこまで可能?Google Workspaceで実現するペーパーレス化
6. 理解度チェックテスト(eラーニング)
コンプライアンス研修やセキュリティ教育後の確認テストに。
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活用ポイント: 「テスト」機能を有効にすれば、自動採点と正解・解説の即時フィードバックが可能。管理者の採点工数をゼロにします。
7. 採用エントリー・面接日程調整
採用サイトに埋め込み、応募者情報をデータベース化。
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活用ポイント: 履歴書等のファイル収集もセキュアに行え、面接官全員で情報をリアルタイム共有できます。
【重要】企業利用で押さえるべきセキュリティとガバナンス
ビジネス利用、特に全社展開する場合、情報漏洩リスクへの対策は必須です。管理者・決裁者が知っておくべき3つの鉄則があります。
1. 「信頼できる組織」への限定公開
社内情報の収集であれば、設定画面で「(自社ドメイン)のユーザーに限定する」を必ずオンにしてください。これにより、社外の第三者がリンクを知ってもアクセスできなくなり、情報漏洩を物理的に防げます。
2. 個人情報(PII)と機密情報の扱い
フォーム設定で「メールアドレスを収集する」を有効にすると、誰が回答したかを正確に追跡できます。一方で、ハラスメント通報窓口など、匿名性が重要なケースでは意図的にオフにするなど、用途に応じた使い分けとプライバシーポリシーの明示が重要です。
3. シャドーITの防止(共同編集者の管理)
フォームの作成者が退職すると、そのフォームの管理権限が宙に浮くリスクがあります。 組織で利用する重要フォームは、個人の「マイドライブ」ではなく、チームで管理する「共有ドライブ」内に作成することを強く推奨します。これにより、担当者が変わってもフォームの運用を継続できます。
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【入門編】シャドーIT・野良アプリとは?DX推進を阻むリスクと対策を徹底解説【+ Google Workspaceの導入価値も探る】
XIMIXが支援する「一歩先の」Googleフォーム活用
Googleフォームは便利ですが、標準機能だけでは実現できない高度な要望も出てきます。 XIMIXでは、Google Workspaceの専門家として、以下のような高度なカスタマイズ支援を行っています。
Google Apps Script (GAS) による業務自動化
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承認ワークフロー構築: フォーム回答後、条件分岐で部長→経理と承認メールを自動リレー。
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チャット通知連携: 「クレーム」カテゴリの問い合わせが来た瞬間、サポートチームのGoogle Chatスペースへメンション付きで即時通知。
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帳票自動生成: 申請内容を元に、Googleドキュメントで見積書や請求書のPDFを自動生成し、顧客へ送付。
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データ分析基盤の構築
フォームで集めたデータをBigQueryに蓄積し、Looker Studioで経営ダッシュボードを構築。単なる「集計」から「経営判断の材料」へとデータを昇華させます。
「ツールは導入したが、業務が変わっていない」 「もっと全社的にデータを活用したい」
そうお考えの企業様は、ぜひXIMIXにご相談ください。現状の業務フロー診断から、最適な自動化スクリプトの開発まで、貴社のDXを伴走支援いたします。
XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。
XIMIXのGoogle Cloud 導入支援についてはこちらをご覧ください。
よくある質問(Q&A)
Q1: Googleフォームは無料で使えますか?
A1: はい、Googleアカウントがあれば基本機能は無料です。ただし、企業利用(Google Workspace)の場合、管理者による詳細なセキュリティ設定や、組織内限定公開などの機能が利用でき、より安全に運用できます。
Q2: 既に回答された内容を修正できますか?
A2: 設定で「回答後の編集を許可する」をオンにしておけば、回答者が自分の回答を後から修正可能です。日程調整などで変更の可能性がある場合に便利です。
Q3: 回答数が上限に達したら締め切りたいのですが?
A3: 標準機能では「回答数による自動締め切り」はありませんが、手動で「回答を受け付ける」スイッチをオフにすることで即座に停止できます。また、GAS(スクリプト)を利用すれば、「先着100名で自動クローズ」といった制御も可能です。
まとめ
Googleフォームは、誰でも使える「最強の業務改善ツール」です。アンケートだけでなく、申請・報告・テスト・問い合わせ管理と、その用途は無限大です。
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まずは身近な「紙・Excel」業務をフォームに置き換える。
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スプレッドシート連携で集計を自動化する。
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GASや他ツールと連携し、プロセス全体をDX化する。
このステップを踏むことで、組織の生産性は確実に向上します。 Googleフォームの活用を起点に、Google Workspace全体のポテンシャルを引き出し、真のDXを実現したいとお考えの際は、ぜひ私たちXIMIXにお声がけください。豊富な実績に基づき、最適なソリューションをご提案します。
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