【基本編】Googleフォーム活用ガイド:機能、業務効率化、メリットまで徹底解説

 2025,04,21 2025.07.06

はじめに

DX推進が不可欠となった現代のビジネス環境において、「いかに効率的に情報を収集し、活用するか」は企業競争力を左右する重要なテーマです。社内アンケート、顧客からの問い合わせ、イベントの申し込み管理など、多くの業務が情報収集から始まります。

「これらの業務をもっと手軽に、そして正確に行いたい」

こうした課題を抱える多くの企業にとって、Googleフォームは極めて強力な解決策となります。Googleフォームは、Google Workspaceに含まれる多機能なWebフォーム作成ツールであり、直感的な操作で専門知識なく利用できる手軽さから、多くの現場で導入されています。

しかし、その真価は単なる「簡単なフォーム作成ツール」に留まりません。Google Workspaceの他ツールと連携させることで、情報収集から集計、分析、そして次のアクションまでをシームレスに繋ぎ、業務プロセス全体を自動化・高度化することが可能です。

この記事では、Googleフォームの導入を検討されている企業の担当者様に向けて、基本的な機能から、競合に差をつける応用的な活用法、そしてGoogle Workspace連携によるDXの実現までを、Google WorkspaceのプレミアパートナーであるXIMIX (NI+C) の知見を交えながら、網羅的かつ分かりやすく解説します。

関連記事:改めて知りたい「Google Workspace とは」- 機能・メリット・活用法をDX視点で解説

なぜGoogleフォームはビジネスで選ばれるのか?導入のメリット

多くの企業でGoogleフォームが選ばれるのには明確な理由があります。ツールがもたらす具体的なメリットを確認しましょう。

①直感的な操作性と導入の容易さ

専門的なITスキルは不要です。マニュアルを熟読せずとも、見たままの感覚で質問項目を作成・編集できるため、IT部門だけでなく、あらゆる部署の担当者が自ら業務に必要なフォームを作成できます。これにより、現場主導の迅速な業務改善が促進されます。

②Google Workspaceとの強力な連携による業務自動化

Googleフォームの最大の強みは、他のGoogle Workspaceツールとのシームレスな連携にあります。

  • Googleスプレッドシート: 回答はリアルタイムでスプレッドシートに自動集計され、関数やグラフを用いた高度な分析が可能です。手作業による転記ミスや集計の手間を完全に排除します。

  • Gmail: フォームの送信や、回答者への自動返信メールを設定できます。セミナー申込者への受付完了通知などを自動化できます。

  • Googleドライブ: フォーム自体や、フォームで収集した添付ファイルは全てGoogleドライブで一元管理され、セキュアな情報共有を実現します。

これらの連携により、情報収集から管理・活用までの一連のプロセスを劇的に効率化します。

③場所とデバイスを選ばない柔軟なアクセス

クラウドベースであるため、インターネット環境さえあれば、オフィス、自宅、外出先など、場所を問わずにPCやスマートフォン、タブレットからフォームの作成・編集・回答・結果確認が可能です。これにより、多様な働き方に柔軟に対応できます。

関連記事:Google Workspaceで築く、次世代ハイブリッドワーク環境構築術

④リアルタイムでの回答収集と自動集計・可視化

回答は送信された瞬間にリアルタイムで収集され、自動でグラフ化されます。従業員満足度調査や顧客アンケートの結果を即座に把握し、迅速な意思決定に繋げることができます。

Googleフォームの基本操作と作成ステップ

まずは、基本的なフォーム作成の流れを理解しましょう。ここでは、社内イベントの出欠確認フォームを例に解説します。

①フォームの新規作成

Googleドライブから「新規」>「Googleフォーム」を選択するか、直接Googleフォームのページにアクセスして新しいフォームを作成します。無地のフォームから始めるか、用途に合わせた豊富なテンプレート(イベント参加申込、連絡先情報など)を活用すると効率的です。

②質問形式の選択と設定

Googleフォームは、目的に応じて最適な質問形式を選択できます。

  • 記述式: 氏名や自由意見の記入に。

  • ラジオボタン: 複数の選択肢から1つだけ選ぶ場合に(例:「参加」「不参加」)。

  • チェックボックス: 複数の選択肢を選ぶ場合に(例:参加希望の分科会)。

  • プルダウン: 選択肢が多い場合にフォームをすっきりと見せます(例:所属部署の選択)。

  • 均等目盛: 満足度などを段階で評価してもらう場合に。

  • 日付・時刻: 希望日時などを入力してもらう場合に。

各質問は「必須」に設定でき、回答漏れを防ぎます。

③デザインのカスタマイズと共有

フォーム上部のパレットアイコンから、テーマカラーやヘッダー画像を変更できます。企業のブランドイメージに合わせたデザインにすることで、回答者に安心感を与えることができます。 作成したフォームは、リンクの共有、メールでの送信、Webサイトへの埋め込みなど、様々な方法で簡単に配布できます。

【応用編】一歩進んだGoogleフォーム活用テクニック

基本操作をマスターしたら、次はより高度な機能を活用して、フォームの利便性と回答の質を高めましょう。

①条件分岐で回答者に合わせた質問を提示

「ラジオボタン」や「プルダウン」の回答内容に応じて、次に表示する質問を変えることができます。例えば、イベントの出欠確認で「参加」と回答した人にだけ、希望する食事のメニューを尋ねる、といった設定が可能です。これにより、回答者にとって不要な質問をスキップさせ、回答の負担を軽減できます。

②回答の検証機能で入力ミスを防ぐ

記述式の回答に対して、特定のルール(数値のみ、メールアドレス形式など)を設定できます。意図しない形式のデータ入力を防ぎ、後工程でのデータクレンジングの手間を大幅に削減します。

③共同編集でチームでのフォーム作成を効率化

複数人で同時に一つのフォームを編集できます。マーケティングチームでキャンペーンの応募フォームを作成したり、人事部でアンケートの質問項目をレビューしたりする際に非常に便利です。

【実践編】部門別・具体的なGoogleフォーム活用シーン

Googleフォームは、アイデア次第で様々な業務に応用できます。ここでは、XIMIXがご支援する企業様でも多く見られる、具体的な活用シーンをご紹介します。

人事・総務部門での活用

  • 従業員エンゲージメントサーベイ: 定期的な満足度調査や意識調査を実施。スプレッドシートでの時系列分析により、組織課題の早期発見に繋げます。

  • 各種申請業務の電子化: 休暇申請、経費精算、備品購入依頼などをフォーム化。ペーパーレス化を推進し、承認プロセスを迅速化します。

  • 研修・イベントの管理: 参加申し込みから、事後アンケート、理解度チェックテストまでを一気通貫で管理。参加者リストの作成や効果測定を効率化します。

マーケティング・営業部門での活用

  • Webサイトからの問い合わせ窓口: 専門知識がなくてもWebサイトに「お問い合わせフォーム」を簡単に設置できます。

  • セミナー・ウェビナーの申込管理: 申込フォームとして活用し、収集した顧客情報をスプレッドシートで一元管理。営業リストとして活用できます。

  • リード獲得キャンペーン: プレゼントキャンペーンや資料ダウンロードの応募フォームとして利用。手軽にリード情報を収集できます。

情報システム部門での活用

  • ITサポート・ヘルプデスク窓口: PCの不具合やソフトウェアに関する問い合わせを受け付けるフォームを作成。問い合わせ内容を定型化し、対応状況をスプレッドシートで管理することで、業務を標準化できます。

  • IT資産の棚卸し: 各従業員に利用しているPCやスマートフォンの情報をフォームで入力してもらうことで、管理台帳の更新作業を効率化します。

【発展編】Google Workspace連携で業務プロセスを自動化・高度化する

Googleフォームの真価は、他のツールと連携させることで最大限に発揮されます。これは、DX推進の観点からも非常に重要です。

Googleスプレッドシート × GASによる高度な自動化

GoogleスプレッドシートとGoogle Apps Script (GAS) を組み合わせることで、高度な業務自動化が可能です。

  • 自動返信メールのカスタマイズ: フォームに回答された内容(氏名など)を引用した、パーソナライズされた受付完了メールを自動で送信する。

  • 条件に応じた通知: 特定の回答(例:クレームや緊急度の高い問い合わせ)があった場合にのみ、担当者のチャットツールに即時通知を送る。

  • 承認ワークフローの構築: 申請フォームが提出されたら、上長に承認依頼メールを自動送信し、承認結果をスプレッドシートに記録する。

Looker Studio (旧データポータル) によるデータの可視化

フォームで収集し、スプレッドシートに蓄積したデータをLooker Studioに連携させることで、インタラクティブなダッシュボードを構築できます。顧客満足度の推移や、問い合わせ内容の傾向などをリアルタイムで可視化し、データに基づいた迅速な意思決定を支援します。

Googleフォームを安全に活用するためのセキュリティ

企業で利用する以上、セキュリティは重要な考慮事項です。Google Workspaceの管理者機能を使えば、組織のポリシーに合わせた安全な運用が可能です。

回答者の制限

フォームの回答者を、自社のドメイン(@company.com)を持つユーザーのみに限定できます。これにより、部外者からの不正な回答を防ぎ、社内向けのアンケートなどを安全に実施できます。

共有設定の管理

ファイル共有と同様に、フォームの共有範囲を細かく制御できます。「組織内の特定のユーザーのみが閲覧・編集可能」といった設定を行い、意図しない情報漏洩を防止します。機密性の高い情報を扱う場合は、必ず情報システム部門と連携し、適切な運用ルールを定めてください。

まとめ:GoogleフォームはDX推進の第一歩

今回は、Googleフォームの基本的な機能から、業務効率を飛躍させる応用的な活用法、そしてGoogle Workspace連携によるDXの可能性までを解説しました。

Googleフォームは、単なるアンケートツールではありません。

  • 現場の業務を効率化する

  • ペーパーレス化を推進する

  • データを収集・蓄積し、意思決定に活用する

といった、DXの根幹をなす要素を、誰でも手軽に実践できる強力なツールです。まずは、部署内の簡単な情報共有や日報の電子化など、スモールスタートでその効果を実感してみてください。

そして、全社的な導入や、GASやLooker Studioと連携したより高度な業務自動化・データ活用による本格的なDX推進をご検討の際には、ぜひ私たちXIMIXにご相談ください。Google Workspaceのプレミアパートナーとして培った豊富な経験と専門知識で、貴社の課題解決を力強くサポートいたします。

XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。
XIMIXのGoogle Cloud 導入支援についてはこちらをご覧ください。


【基本編】Googleフォーム活用ガイド:機能、業務効率化、メリットまで徹底解説

BACK TO LIST