AppSheetで営業活動はどう変わる?明日から試せる業務効率化の具体例を紹介

 Apr 23, 2025 6:02:52 PM 2025.04.23

はじめに

「営業日報の作成に時間がかかる」「顧客情報や案件の進捗がチーム内でうまく共有できていない」「外出先から報告やデータ入力がスムーズにできない」—— 営業部門では、このような課題を抱えているケースが多く見られます。日々の業務に追われ、本来注力すべき顧客へのアプローチや提案活動に十分な時間を割けない、という悩みは尽きません。

こうした営業現場の課題解決に役立つツールが、 Google のノーコード開発プラットフォーム「AppSheet」です。プログラミングの知識がなくても、業務に合わせたカスタムアプリケーションを簡単に作成できるため、現場主導での業務改善を実現できる可能性を秘めています。

しかし、「AppSheetで何ができるのか具体的にイメージできない」「営業チームでどのように活用すれば効果が出るのか知りたい」と感じている方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、AppSheetが営業チームの業務効率化にどのように貢献できるのか、具体的な活用事例を交えながら入門レベルでわかりやすく解説します。Google Workspaceとの連携メリットにも触れながら、AppSheetを営業活動に活用するためのヒントを提供します。

AppSheetとは? ノーコードで業務アプリを簡単作成

AppSheetは、Google Cloud が提供するノーコード開発プラットフォームです。ノーコード(No-Code)とは、ソースコードを記述することなく、あらかじめ用意された部品や設定を組み合わせることでアプリケーションを開発できる手法を指します。

AppSheetの主な特徴は以下の通りです。

  • 専門知識不要: プログラミングの知識がなくても、直感的なインターフェースでアプリケーションを作成できます。
  • データソースの柔軟性: Google スプレッドシート、Excel、Cloud SQL、Salesforceなど、様々なデータソースを元にアプリを作成できます。
  • マルチデバイス対応: 作成したアプリは、PCのブラウザだけでなく、スマートフォンやタブレットの専用アプリからも利用できます。
  • Google Workspaceとの連携: Google Workspace(旧 G Suite)の機能(GmailGoogle カレンダーGoogle ドライブなど)とシームレスに連携し、業務プロセスを自動化できます。

特に、多くの企業で利用されている Google スプレッドシートをデータソースとして、入力フォーム、データ表示、簡単なワークフローなどを備えたアプリを手軽に作成できる点は大きな魅力です。

参考:【基本編】AppSheetとは?ノーコードで業務アプリ開発を実現する基本とメリット

営業チームが抱える典型的な課題とAppSheetによる解決

営業部門では、日々変化する顧客情報や案件状況を正確に把握し、チーム内で共有することが求められます。しかし、以下のような課題が業務効率化の妨げになっていることが少なくありません。

  • 報告業務の負荷: 外出先からの報告がしづらい、日報や週報の作成に時間がかかる。
  • 情報共有の遅延・漏れ: 案件の進捗状況がリアルタイムで共有されず、担当者以外には状況が分かりにくい。顧客情報が点在し、一元管理されていない。
  • データ入力の非効率: 紙やExcelでの管理が多く、転記作業や集計作業に手間がかかる。入力ミスが発生しやすい。
  • 現場ニーズとの乖離: システム部門が開発したツールが現場の実態に合わず、使われなくなってしまう。

AppSheetは、これらの課題に対して、現場主導で迅速かつ柔軟に解決策を提供できる可能性を持っています。

【具体例】AppSheetによる営業業務効率化の活用アイデア

では、具体的にAppSheetを営業活動でどのように活用できるのでしょうか。ここでは代表的な活用事例をいくつかご紹介します。

活用例1:営業日報・活動報告アプリ

毎日作成が必要な営業日報も、AppSheetを使えばスマートフォンから簡単に入力できるアプリを作成できます。

  • 機能イメージ:
    • 訪問先、商談内容、成果、ネクストアクションなどを選択式やテキスト入力で記録。
    • スマートフォンのGPS機能と連携し、訪問場所を自動記録。
    • カメラ機能で撮影した名刺や現場の写真を添付。
    • 入力されたデータはリアルタイムで Google スプレッドシートに集約。
  • 期待される効果:
    • 移動中や空き時間に入力でき、報告業務の時間を大幅に削減。
    • 入力フォーマットの統一により、報告内容の標準化と抜け漏れ防止。
    • マネージャーはリアルタイムで部下の活動状況を把握可能に。データ集計も容易に。

活用例2:案件管理・進捗共有アプリ

Excelなどで管理されがちな案件情報も、AppSheetでアプリ化すれば、チーム全体で最新状況を共有しやすくなります。

  • 機能イメージ:
    • 案件名、顧客情報、担当者、フェーズ(引き合い、提案中、受注など)、受注確度、予定時期などを管理。
    • フェーズの変更やコメント追記などを簡単に行える。
    • 担当者別、フェーズ別などで案件リストをフィルタリング表示。
    • 重要な更新があった場合に、関係者に自動で通知(メール連携など)。
  • 期待される効果:
    • 案件の進捗状況が可視化され、チーム内での情報共有が円滑に。
    • マネージャーは全体の案件パイプラインを正確に把握し、適切な指示やサポートが可能に。
    • 報告会議のための資料作成時間を削減。

活用例3:顧客情報管理アプリ(簡易CRM)

本格的なCRM(顧客関係管理)システムの導入には至らないまでも、基本的な顧客情報を管理・共有したい場合にAppSheetは有効です。

  • 機能イメージ:
    • 顧客名、担当者情報、連絡先、過去の対応履歴、関連案件などを一元管理。
    • スマートフォンから顧客情報を簡単に検索・参照。
    • 地図アプリと連携し、顧客所在地へのルートを表示。
  • 期待される効果:
    • 属人化しがちな顧客情報をチームの資産として共有・活用。
    • 外出先でも必要な顧客情報にすぐにアクセスでき、営業活動の質を向上。
    • 簡易的ながら、CRMの基本的な機能を実現。

活用例4:見積作成支援アプリ

定型的な見積作成業務をAppSheetで効率化することも可能です。

  • 機能イメージ:
    • 商品マスタや価格表データを参照し、選択した商品・数量に基づいて見積金額を自動計算。
    • 承認ワークフローを設定し、上司の承認を得てから顧客へ提出。
    • 作成した見積データを記録・管理。
  • 期待される効果:
    • 見積作成時間の短縮と計算ミスの防止。
    • 承認プロセスの迅速化とペーパーレス化。

活用例5:在庫確認・製品情報参照アプリ

特に、多くの製品を扱う営業担当者にとって、外出先で正確な在庫情報や製品スペックを確認できることは重要です。

  • 機能イメージ:
    • 基幹システムや在庫管理データと連携し、リアルタイムの在庫状況を表示。
    • 製品カタログやマニュアルなどの資料をアプリから参照。
    • バーコードやQRコードを読み取って製品情報を検索。
  • 期待される効果:
    • 顧客からの問い合わせにその場で正確に回答でき、機会損失を防ぐ。
    • 常に最新の製品情報を参照可能に。

AppSheetを営業活動に導入するメリット

これらの活用例からもわかるように、AppSheetを営業活動に導入することには多くのメリットがあります。

  • 業務効率の大幅な向上: 定型業務や報告業務の時間を削減し、コア業務に集中できる環境を作る。
  • リアルタイムな情報共有: チーム内での情報格差をなくし、迅速な意思決定を支援する。
  • データ入力の精度向上と一元化: 手作業によるミスを減らし、データを蓄積・活用しやすい形にする。
  • 現場主導の改善サイクル: 現場のニーズに合わせて営業担当者自身がアプリを改善・進化させることができる。
  • コスト削減: 高価な専用システムを導入する前に、低コストで業務アプリを試すことができる。
  • Google Workspaceとの連携: 既に Google Workspace を利用している場合、アカウント管理やデータ連携がスムーズに行える。

XIMIXによるAppSheet導入・活用支援

AppSheetは手軽に始められるツールですが、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントがあります。「どの業務からアプリ化すべきか」「データソースの設計はどうすればよいか」「組織全体で活用を広げるにはどうすればよいか」といった課題に直面することもあるでしょう。

私たちXIMIXでは、Google Workspace の導入・活用支援の一環として、AppSheet を活用した業務改善コンサルティングやアプリケーション開発支援を行っています。

多くの企業様の 業務効率化 をご支援してきた経験に基づき、以下のようなサポートを提供します。

  • AppSheet活用コンサルティング: 業務課題のヒアリング、AppSheetによる解決策の提案、導入計画策定。
  • AppSheetアプリ開発支援・トレーニング: お客様自身でのアプリ開発を支援するトレーニングや、複雑なアプリの開発代行。
  • Google Workspace連携強化: AppSheetと他の Google Workspace ツール(Gmail, Google Drive, BigQueryなど)との連携による自動化・高度化支援。
  • 運用・定着化支援: 作成したアプリの改善や、組織内での利用促進をサポート。

AppSheetを活用した 営業 チームの 業務効率化 や、Google Workspace のさらなる活用にご興味をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。
XIMIXのAppsheet開発支援についてはこちらをご覧ください。

※Google Workspace については、こちらのコラム記事もご参照ください。 

改めて知りたい「Google Workspace とは」- 機能・メリット・活用法をDX視点で解説
グループウェアの進化がDXを加速する - Google Workspaceに見る次世代の働き方
Google Workspace導入コストを徹底解剖!ライセンスから運用まで費用全体を把握


まとめ

今回は、Google のノーコード開発プラットフォームである AppSheet を、営業チームの業務効率化にどのように 活用 できるか、具体的な 事例 を交えてご紹介しました。

営業日報、案件管理、顧客管理といった日々の業務を AppSheet でアプリ化することにより、報告業務の削減、情報共有の円滑化、データ入力の効率化など、多くのメリットが期待できます。

プログラミングの知識がなくても、現場のニーズに合わせてスピーディーに業務改善を進められる AppSheet は、営業 DX の第一歩として非常に有効なツールです。特に Google Workspace を利用している企業にとっては、親和性が高く導入しやすい点も魅力です。

まずは身近な業務課題の解決から AppSheet の活用を検討してみてはいかがでしょうか。この記事が、皆様の 営業 チームにおける 業務効率化 のヒントとなれば幸いです。


AppSheetで営業活動はどう変わる?明日から試せる業務効率化の具体例を紹介

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