Google Workspace Marketplaceとは?基本的な使い方、アプリ連携で業務効率化

 Apr 23, 2025 7:41:18 AM 2025.04.23

はじめに

「Google Workspaceを導入したものの、標準機能だけでは少し物足りない…」「もっと自社の業務に合わせてカスタマイズできたら便利なのに」と感じることはありませんか? 日々の業務でGoogle Workspaceを活用する中で、特定の作業をもっと効率化したり、他のツールと連携させたりしたいというニーズが出てくるのは自然なことです。

実は、Google Workspaceには、そうしたニーズに応えるための強力な機能「Google Workspace Marketplace」が用意されています。これは、Google Workspaceの機能を拡張し、様々な外部アプリケーションと連携させるための公式「アプリストア」のようなものです。

この記事では、Google Workspace Marketplaceについて、「名前は聞いたことがあるけれど、よく知らない」「どうやって使うの?」という入門者の方に向けて、その基本的な概念からメリット、使い方、アプリ選びのポイントまで、分かりやすく解説します。Marketplaceを理解し活用することで、貴社のGoogle Workspace利用価値をさらに高め、業務効率化や生産性向上を実現する第一歩を踏み出しましょう。

Google Workspace Marketplaceとは?

Google Workspace Marketplaceは、Google Workspace (Gmail、Google ドライブ、カレンダー、ドキュメント、スプレッドシートなど) の機能を拡張したり、普段利用している他のビジネスツールと連携させたりできる、サードパーティ製アプリケーションが集まる公式のプラットフォームです。スマートフォンにアプリを追加して機能を増やすように、Google WorkspaceにもMarketplaceからアプリを追加することで、より便利に、よりパワフルに利用できるようになります。

Marketplaceで連携できるアプリの種類

Marketplaceには、様々なカテゴリのアプリケーションが登録されています。代表的な例としては、以下のようなものがあります。

  • プロジェクト管理: Asana、Trello、Wrikeなど、使い慣れたプロジェクト管理ツールをGmailやカレンダーと連携させ、タスク管理を効率化できます。
  • CRM (顧客関係管理): Salesforce、HubSpot、Zoho CRMなどのCRMツールと連携し、Gmailから直接顧客情報を確認したり、活動履歴を記録したりできます。
  • コミュニケーション: Slack、Zoomなど、社内外のコミュニケーションツールと連携し、Google Workspace内での情報共有や会議設定をスムーズに行えます。
  • 電子署名: DocuSign、Adobe Acrobat Signなどと連携し、契約書などの文書作成から署名依頼、保管までをGoogle Workspace上で完結できます。
  • 会計・経費精算: QuickBooks、Xeroなどと連携し、請求書作成や経費精算のプロセスを効率化できます。
  • セキュリティ強化: 追加の認証機能やデータ損失防止 (DLP) ツールなど、Google Workspaceのセキュリティをさらに強化するアプリもあります。
  • 独自業務ツール: 各企業が独自に開発した業務効率化ツールなども登録されている場合があります。

これらのアプリを導入することで、複数のツール間を行き来する手間を省き、日々の業務をGoogle Workspace中心でよりシームレスに進めることが可能になります。

Marketplaceを利用するメリット

Google Workspace Marketplaceを活用することには、主に以下のようなメリットがあります。

  1. 生産性の向上: 繰り返し作業の自動化、ツール間の連携強化により、従業員一人ひとりの作業時間を短縮し、コア業務に集中できる環境を構築できます。例えば、Gmail上でCRMの顧客情報を確認できれば、わざわざCRMを開く手間が省けます。
  2. 業務プロセスの改善: 電子署名アプリの導入で契約プロセスをデジタル化したり、プロジェクト管理ツール連携で進捗管理を円滑化したりするなど、既存の業務プロセスそのものを見直し、効率化を図ることができます。
  3. Google Workspaceの機能拡張: 標準機能にはない特定のニーズ(高度な分析、特定の業界向け機能など)を、サードパーティ製アプリによって補完できます。
  4. セキュリティと管理: Googleによって審査されたアプリが提供されており、管理者は組織全体でのアプリの利用状況を把握し、アクセス権限をコントロールできます。これにより、シャドーIT(管理者が把握していないツールの利用)のリスクを低減し、セキュリティガバナンスを維持しやすくなります。
  5. 柔軟なカスタマイズ: 企業の特定のニーズに合わせて、必要なアプリを選択・導入することで、Google Workspaceを自社に最適化されたツールへと進化させることができます。

これらのメリットは、特に業務効率化やDX推進を目指す中堅・大企業にとって、大きな価値をもたらす可能性を秘めています。

【基本操作】Marketplaceを使ってみよう

Marketplaceの利用は、思ったよりも簡単です。ここでは、基本的な使い方をステップごとに見ていきましょう。

Marketplaceへのアクセス方法

Marketplaceへは、いくつかの方法でアクセスできます。最も簡単なのは、Google Workspaceの各アプリケーション画面の右側にあるサイドパネルからアクセスする方法です。

  1. Gmail、カレンダー、ドライブなどのGoogle Workspaceアプリを開きます。
  2. 画面右側にあるサイドパネル(GoogleカレンダーやKeepなどが表示されているエリア)の下部にある「+」(アドオンを取得)アイコンをクリックします。
  3. Google Workspace Marketplaceのウィンドウが開きます。

あるいは、直接ウェブブラウザで https://workspace.google.com/marketplace/ にアクセスすることも可能です。

アプリの検索方法

Marketplaceには数多くのアプリが登録されているため、目的のアプリを見つけるには検索機能が便利です。

  • キーワード検索: 画面上部の検索バーに、アプリ名、機能名(例:「電子署名」「プロジェクト管理」)、連携したいサービス名(例:「Salesforce」)などを入力して検索します。
  • カテゴリ検索: 「業務効率化」「マーケティング・営業」「コミュニケーション」などのカテゴリから、関連するアプリを探すこともできます。
  • フィルタリング: 「評価の高いアプリ」「Google製アプリ」「新着アプリ」などのフィルタを使って絞り込むことも可能です。

アプリ詳細ページの確認ポイント

気になるアプリを見つけたら、クリックして詳細ページを確認しましょう。インストールする前に、以下の点をチェックすることが重要です。

  • 概要・機能: アプリがどのような機能を提供し、どのような課題を解決するのかを確認します。スクリーンショットや動画も参考になります。
  • レビュー・評価: 他のユーザーの評価やコメントを確認し、アプリの使い勝手や信頼性を判断します。
  • 必要な権限: アプリがGoogle Workspaceのどのデータ(メール、カレンダー、ドライブなど)にアクセスする必要があるかを確認します。意図しない広範な権限を要求していないか注意が必要です。
  • 価格: 無料で利用できるか、有料プランがあるか、トライアル期間の有無などを確認します。
  • 提供元・サポート情報: アプリの開発元や、サポート体制(ヘルプページ、問い合わせ先など)を確認します。信頼できる提供元かどうかも判断材料になります。
  • 連携するGoogleサービス: どのGoogle Workspaceアプリ(Gmail, ドライブ, etc.)と連携するのかを確認します。

アプリのインストール手順

インストールしたいアプリが決まったら、詳細ページにある「インストール」ボタンをクリックします。

  1. 権限の確認: アプリが必要とする権限が表示されるので、内容を確認し、問題なければ「続行」をクリックします。
  2. アカウントの選択: どのGoogleアカウントにアプリをインストールするかを選択します。
  3. アクセス許可: アプリがGoogleアカウントのデータにアクセスすることを許可します。(この内容をよく確認することがセキュリティ上重要です)
  4. インストール完了: しばらく待つとインストールが完了し、該当するGoogle Workspaceアプリ(Gmailのサイドパネルなど)で利用できるようになります。

管理者によるインストール: 企業や組織で利用する場合、Google Workspace管理者が組織全体または特定の部門・ユーザーに対してアプリを一括でインストールしたり、利用できるアプリを制限したりすることも可能です。セキュリティポリシーやガバナンスの観点から、管理者がアプリ導入をコントロールすることが推奨されます。

アプリ選びのポイントと注意点

Marketplaceには便利なアプリがたくさんありますが、どれでも無条件に導入して良いわけではありません。ここでは、アプリを選ぶ際のポイントと注意点を解説します。

自社の課題に合ったアプリを選ぶには?

まずは、「何のためにアプリを導入するのか?」という目的を明確にすることが重要です。

  • 現状の業務課題: どの業務に時間がかかっているか、非効率な点はどこか?
  • 達成したい目標: 生産性を〇%向上させたい、〇〇のプロセスを自動化したい、など。
  • 連携したいツール: 現在利用している他のシステムやSaaSと連携させたいか?

これらの点を整理することで、数あるアプリの中から自社にとって本当に価値のあるアプリを絞り込むことができます。

信頼できるアプリの見分け方

アプリの信頼性は非常に重要です。以下の点を参考に判断しましょう。

  • 提供元の信頼性: Google自身が提供しているアプリや、実績のある有名なソフトウェアベンダーのアプリは、一般的に信頼性が高いと言えます。
  • レビューと評価: 多くのユーザーから高い評価を得ているか、具体的な活用事例や問題点に関するレビューがあるかを確認します。
  • セキュリティ評価: アプリによっては、Googleのセキュリティ基準を満たしていることを示すバッジが表示されている場合があります。
  • 更新頻度: 定期的にアップデートされているアプリは、開発元が積極的にメンテナンスを行っている証拠です。

セキュリティに関する注意点

アプリをインストールする際は、必ず「必要な権限」を確認してください。アプリは、その機能を実現するために、ユーザーのGmailの内容、カレンダーの予定、ドライブのファイルなどにアクセスする権限を要求します。

  • 最小権限の原則: アプリが必要最低限の権限しか要求していないか確認しましょう。機能に対して過剰な権限を要求するアプリには注意が必要です。
  • プライバシーポリシー: 提供元がどのようにデータを扱うか、プライバシーポリシーを確認することも重要です。
  • 管理者の承認: 企業で利用する場合は、情報システム部門や管理者がアプリの安全性や組織のポリシーとの整合性を確認し、承認プロセスを経ることが不可欠です。不用意に従業員が個人でアプリをインストールしないよう、管理コンソールで利用を制限することも検討しましょう。

無料アプリと有料アプリの違い

Marketplaceには無料アプリと有料アプリがあります。

  • 無料アプリ: 基本的な機能を手軽に試すことができますが、機能制限があったり、サポートが限定的だったりする場合があります。
  • 有料アプリ: より高機能であったり、手厚いサポートが提供されたりすることが多いです。多くの場合、無料トライアル期間が設けられているので、まずは試用してみるのが良いでしょう。

予算や必要な機能レベル、サポート体制などを考慮して、自社に適したプランを選択してください。

【活用例】こんなアプリで業務が変わる

Marketplaceアプリを活用することで、具体的にどのように業務が改善されるのでしょうか。ここでは、カテゴリ別に簡単な活用例をご紹介します。(特定のアプリ名ではなく、カテゴリとしての利用イメージです)

  • プロジェクト管理アプリ連携: Gmailで受け取った依頼メールから直接プロジェクト管理ツールにタスクを登録したり、Googleカレンダーの予定とタスクの期限を同期させたりすることで、タスクの抜け漏れを防ぎ、進捗管理を効率化できます。
  • CRM連携: Gmailの連絡先情報からワンクリックでCRMの顧客情報を表示・編集できるようにしたり、メールのやり取りを自動でCRMに記録したりすることで、営業活動の効率と質を高めることができます。
  • コミュニケーション効率化 (電子署名など): Googleドキュメントで作成した契約書を、そのまま電子署名ツールに連携して署名依頼を送信。署名済みの文書は自動的にGoogleドライブに保存される、といったワークフローを構築し、契約業務を迅速化・ペーパーレス化できます。

これらはあくまで一例です。Marketplaceには多種多様なアプリが存在するため、自社の業務内容や課題に合わせて探求することで、思わぬ効率化のヒントが見つかるかもしれません。

XIMIXによるGoogle Workspace活用支援

Google Workspace Marketplaceは、業務効率化や生産性向上に貢献する非常に強力なツールです。しかし、その一方で、

  • 「自社の課題に最適なアプリがどれか分からない」
  • 「複数のアプリを連携させる設定が複雑で難しい」
  • 「多数のアプリを導入する上でのセキュリティ管理や運用ルールをどう整備すれば良いか」
  • 「導入したアプリの効果を最大限に引き出すための活用方法を知りたい」

といった新たな課題や疑問に直面することも少なくありません。特に、組織全体での導入や、既存システムとの連携、厳格なセキュリティポリシーの遵守が求められる中堅・大企業様にとっては、アプリの選定から導入、運用、管理に至るまで、専門的な知見が必要となるケースが多くあります。

私たちXIMIX は、Google CloudおよびGoogle Workspaceの導入・活用支援における豊富な実績を持つパートナーです。お客様のビジネス課題やDX戦略に基づき、導入設定、既存システムとの連携、従業員へのトレーニング、セキュリティポリシーの策定、そして継続的な運用サポートまで、お客様に寄り添った伴走型の支援を提供いたします。

多くの企業様をご支援してきた経験から得られた知見を活かし、貴社にとって最適なGoogle Workspace環境の構築と、その効果を最大化するための活用促進をご支援します。

Google Workspaceのさらなる活用や、Marketplaceアプリ導入に関するご相談、DX推進に関する課題など、お気軽にお問い合わせください。

XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。

※Google Workspace については、こちらのコラム記事もご参照ください。 

改めて知りたい「Google Workspace とは」- 機能・メリット・活用法をDX視点で解説
グループウェアの進化がDXを加速する - Google Workspaceに見る次世代の働き方
Google Workspace導入コストを徹底解剖!ライセンスから運用まで費用全体を把握

まとめ

今回は、Google Workspace Marketplaceの基本的な概念から、メリット、使い方、アプリ選びのポイント、活用例までを解説しました。

Marketplaceは、Google Workspaceの標準機能を補完し、連携アプリを通じて業務をさらに効率化・高度化するための「宝の山」とも言える場所です。まずは基本的な使い方をマスターし、自社の課題解決に役立ちそうなアプリを探してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

アプリの選定や導入、運用においては、セキュリティへの配慮や管理体制の整備が不可欠です。特に組織的に活用を進める際には、専門家のサポートを得ることも有効な選択肢となります。

この記事が、貴社のGoogle Workspace活用のヒントとなり、より生産的な働き方の実現に貢献できれば幸いです。


Google Workspace Marketplaceとは?基本的な使い方、アプリ連携で業務効率化

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