はじめに
Google Workspaceを導入し、日々の業務でGoogleドライブを活用する中で、「今、どれくらいの容量を使っているのだろう?」「自社の契約プランでの容量上限はどれくらいなのか?」「特定の部署やユーザーが多く容量を消費していないか?」といった疑問を持つことがあるのではないでしょうか。特に、ファイルサイズの大きなデータが増えたり、長期間利用したりする中で、ストレージ容量は気になるところです。容量の上限を超えてしまうと、新たなファイルのアップロードができなくなるなど、業務に支障をきたす可能性もあります。
この記事では、Google Workspaceを利用している企業のユーザーおよび管理者の皆様に向けて、Googleドライブ(および関連サービス)のストレージ容量を確認する方法、契約プランごとの容量上限、そして効率的な容量管理のポイントについて解説します。自社の利用状況を正しく把握し、適切なストレージ管理を行うための一助となれば幸いです。
Google Workspaceのストレージ容量の仕組み
まず理解しておきたいのは、Google Workspaceのストレージ容量の基本的な考え方です。多くのビジネス向けプランでは、組織全体で共有される「プール制」のストレージが提供されます。これは、個々のユーザーに固定の容量が割り当てられるのではなく、契約ライセンス数に応じた総量が組織全体で利用可能になる仕組みです。
例えば、1ユーザーあたり5TBのプールストレージが提供されるプランを100ライセンス契約している場合、組織全体で 5TB × 100 = 500TB のストレージ容量を共有して利用できることになります。これにより、容量をあまり使わないユーザーと、大量に使うユーザーがいても、組織全体で柔軟に容量を調整できるメリットがあります。
ただし、どのデータがこのプールストレージを消費するのか、プランによって容量がどう異なるのかを把握しておくことが重要です。
プラン別ストレージ容量の上限(目安)
Google Workspaceには様々なエディション(プラン)があり、提供されるストレージ容量も異なります。以下に代表的なプランとそのストレージ容量の目安を記載します(2025年4月20日時点の情報です。最新かつ正確な情報は必ずGoogle Workspace公式サイトでご確認ください)。
- Business Starter: ユーザーあたり 30 GB(プール制)
- Business Standard: ユーザーあたり 2 TB(プール制)
- Business Plus: ユーザーあたり 5 TB(プール制)
- Enterprise Standard / Enterprise Plus: ユーザーあたり 5 TB(プール制、必要に応じて追加申請可能)
注記: 上記は一般的な目安であり、契約内容やプロモーションによって異なる場合があります。また、Google Workspaceのプラン構成や容量は変更される可能性があります。
※詳細: Google Workspace の各エディションの比較 (公式ドキュメント)
自社が契約しているプランと、それに応じたストレージ容量の上限を正確に把握しておくことが、容量管理の第一歩となります。契約内容は管理コンソール等で確認できます。
【ユーザー向け】自分の使用容量を確認する方法
個々のユーザーが自分のGoogle Workspaceアカウントでどれくらいのストレージを使用しているかは、比較的簡単に確認できます。
Google ドライブ画面での確認
- WebブラウザでGoogleドライブ(drive.google.com)を開きます。
- 画面左下のメニューにある「ストレージ」(または「保存容量」)をクリックします。
- 現在の使用容量と、割り当てられている容量(プール制の場合は組織全体の容量が表示されることもあります)が表示されます。また、どのサービス(ドライブ、Gmail、Googleフォト)でどれくらいの容量を使用しているかの内訳も確認できます。
Google One ストレージ画面での確認
Google Workspaceアカウントでも、one.google.com/storage にアクセスすることで、使用容量を確認できます。個人向けのGoogle Oneとはインターフェースが似ていますが、表示されるのはWorkspaceアカウントの容量情報です。
【管理者向け】組織やユーザーの使用容量を確認する方法
管理者は、管理コンソールを通じて組織全体のストレージ使用状況や、個々のユーザー、共有ドライブの使用容量を詳細に確認できます。
管理コンソールでの確認手順
- 管理コンソールにログイン: 管理者アカウントで admin.google.com にアクセスします。
- [レポート] > [アプリレポート] > [アカウント] を選択: 左側メニューまたはホーム画面からレポートセクションに進みます。
- [ストレージの使用状況] レポートを確認:
- 組織全体の合計使用容量: 組織全体で現在どれくらいのストレージが使用されているかを確認できます。契約している総容量に対する割合も表示されることが多いです。
- ユーザー別の使用容量: 各ユーザーがどれくらいの容量を使用しているかを一覧で確認できます。容量を多く使用しているユーザーを特定するのに役立ちます。並べ替え機能で、使用量が多い順に表示させることも可能です。
共有ドライブの容量確認
共有ドライブは、組織のチームなどでファイルを共同管理するためのスペースですが、その容量も組織全体のプールストレージから消費されます。管理者は、管理コンソールの「アプリ」>「Google Workspace」>「ドライブとドキュメント」>「共有ドライブを管理」から、各共有ドライブのストレージ使用量を確認できます。
どの部署の共有ドライブが容量を多く使っているかを把握することは、組織全体の容量管理において重要です。
容量を消費するデータは何?
Google Workspaceのストレージ容量は、主に以下のサービスで作成・保存されたデータによって消費されます。
- Google ドライブ:
- アップロードしたファイル(PDF、画像、動画、Microsoft Officeファイルなど)
- Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム、サイト、図形描画などで作成されたファイル(注意: 従来、これらは容量を消費しませんでしたが、ポリシー変更によりカウントされるようになっている場合があります。最新の仕様をご確認ください)
- ゴミ箱内のアイテム(完全に削除されるまで容量を消費します)
- Gmail: 受信トレイや送信済みアイテム、迷惑メール、ゴミ箱内のメールと添付ファイル。
- Google フォト: 高画質または元の画質でバックアップされた写真や動画。
意図せず容量を消費しているケースとして、ゴミ箱に大量のファイルが残っている、Gmailの添付ファイルが大きい、などが考えられます。
容量を節約・管理するためのヒント
ストレージ容量を効率的に管理し、逼迫を防ぐためには、日頃からの意識と対策が重要です。
- 不要なファイルの定期的な削除:
- ユーザー自身がマイドライブ内の不要なファイル(古いバージョン、重複ファイルなど)を定期的に整理・削除する。
- ゴミ箱を空にする操作も忘れずに行う。
- サイズの大きいファイルの特定と見直し: 管理コンソールのレポートを活用し、特に容量を圧迫しているファイルを特定し、必要性を検討します。
- 共有ドライブの適切な活用とルール策定:
- 個人所有ではなくチームで管理すべきファイルは、共有ドライブに移行・集約する。
- 共有ドライブ内のフォルダ構成や命名規則、不要ファイルの削除ルールなどを明確化する。
- 管理コンソールのレポート活用: 定期的にストレージ使用状況レポートを確認し、容量増加のトレンドや、特定のユーザー/共有ドライブの利用状況を把握し、早期に対策を打ちます。
- [XIMIXの関連ブログ記事【初心者向け】Google Workspace管理コンソールとは?主要機能と導入時の初期設定ガイド]
- ユーザーへの啓発: 全従業員に対して、ストレージ容量の仕組みや、不要ファイル削除の重要性などを定期的に周知・啓発することも効果的です。
XIMIXによるGoogle Workspace導入支援
Google Workspaceのストレージ管理は、単に容量を確認するだけでなく、組織のファイル管理ポリシー、プランの選択、運用ルールの策定など、多岐にわたる検討が必要です。特に、組織規模が大きくなると、全体像の把握や最適な管理策の実施が難しくなるケースも少なくありません。
私たちXIMIXは、Google Workspaceの導入から運用、最適化まで、幅広い支援を提供しています。
- 現状分析と最適化提案: お客様の現在のストレージ利用状況を詳細に分析し、無駄な容量消費の原因特定や、より効率的な管理方法、最適なプランへの見直しなどを提案します。
- ポリシー策定支援: 共有ドライブの運用ルールやファイル削除ポリシーなど、お客様の組織に合った管理ポリシーの策定を支援します。
- 運用代行・サポート: 定期的なレポート分析や、ユーザーへの注意喚起、不要データのクリーンアップ支援など、管理者の負荷を軽減する運用サポートも提供可能です。
「ストレージ容量が逼迫しそうで不安」「より効率的な管理方法を知りたい」「プランの見直しを検討したい」といった課題をお持ちでしたら、ぜひXIMIXにご相談ください。多くの企業様をご支援してきた経験に基づき、お客様に最適なストレージ管理戦略をご提案します。
XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。
※Google Workspace については、こちらのコラム記事もご参照ください。
まとめ
Google Workspaceのストレージ容量は、組織全体の情報資産を管理する上で重要な要素です。この記事では、ユーザーおよび管理者が容量を確認する方法、プランごとの上限の目安、そして容量管理のポイントについて解説しました。
定期的に使用状況を確認し、不要なファイルを削除したり、共有ドライブを効果的に活用したりすることで、ストレージの逼迫を防ぎ、スムーズな業務遂行を維持することができます。特に管理者は、管理コンソールのレポート機能を活用して組織全体の状況を把握し、必要に応じて対策を講じることが求められます。
Google Workspaceのストレージを適切に管理することは、コスト最適化やセキュリティ維持にも繋がります。本記事を参考に、ぜひ自社のストレージ利用状況を見直し、より効果的な活用を目指してください。
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