かつて「クラウドファースト」は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の合言葉でした。
しかし現在、潮目は変わりつつあります。ガートナーなどの調査機関が指摘するように、無計画なクラウド移行によるコスト肥大化や、ベンダーロックインへの懸念から、一部のシステムをオンプレミスに戻す「揺り戻し(オンプレミス回帰)」の動きさえ見られます。
しかし、これは「クラウドが不要になった」ことを意味しません。むしろ、「どの資産をクラウドに置き、何を手元に残すべきか」という判断の高度化が求められているのです。
本記事では、数多くの中堅・大企業のインフラ刷新を支援してきた経験から、表面的なコスト比較では見えてこないクラウド移行の判断基準を提示します。
貴社のシステム資産を「コストセンター」から「利益を生む武器」へと変えるための意思決定フレームワークを持ち帰ってください。
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判断基準を議論する前に、多くの企業が陥る失敗パターンを直視する必要があります。これらは技術的な問題というより、経営判断のミスに起因することが大半です。
既存のオンプレミスサーバーをそのままクラウド上の仮想マシン(VM)に移す「リフト&シフト」は、移行のハードルが低い反面、クラウド本来のメリット(自動スケーリングやマネージドサービスの活用)を十分に享受できません。
結果として、ライセンス料やリソース使用料が嵩み、オンプレミス時代よりもTCO(総保有コスト)が増大する「クラウド破産」を招くケースが後を絶ちません。
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一部のシステムだけをクラウド化した結果、オンプレミスに残った基幹システムとのデータ連携が複雑化し、スパゲッティ状態になる現象です。
これにより、DXの要である「リアルタイムなデータ活用」が阻害されるだけでなく、専用線接続によるネットワークコストやレイテンシ(遅延)の問題が顕在化します。
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「クラウドはセキュアである」という認識は正しいですが、それは適切な設定と運用が行われてこそです。
オンプレミス時代の境界型セキュリティの考え方をそのままクラウドに持ち込んだ結果、設定ミスによる情報漏洩リスクや、コンプライアンス違反(データ主権の問題など)に直面する企業が増えています。
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では、何を基準に「Go / No-Go」を決めるべきでしょうか。SIerとして現場を見てきた視点から、エンジニア任せにせず、経営層・リーダー層が自ら問うべき4つの基準を定義しました。
そのシステムは、市場の変化に合わせて頻繁な機能追加や改修が必要でしょうか?
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生成AI(GenAI)の活用が企業の競争力を左右する今、データが「どこにあるか」は極めて重要です。
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単なる金額の多寡ではなく、財務戦略としての適合性を見ます。
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上記の基準に照らし合わせると、多くの大企業にとっての正解は「オールクラウド」でも「オンプレミス回帰」でもなく、両者のいいとこ取りをする「ハイブリッドクラウド」に行き着きます。
ハイブリッド環境の最大の課題は「運用管理の分断」です。ここで、Google Cloudの優位性が際立ちます。
Google Cloudは、Google Distributed Cloudや GKE Enterprise といったソリューションによりというソリューションにより、クラウド上もオンプレミス上も、同じコンテナ技術(Kubernetes)で統一的に管理・運用することを可能にしています。
このように、「ポリシーで守り、テクノロジーで攻める」柔軟な構成こそが、これからのエンタープライズITの勝ち筋です。
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判断基準が明確になったとしても、実際に移行プロジェクトを推進するには、既存資産の棚卸しやアーキテクチャの再設計など、膨大な労力と専門知識が必要です。ここで、パートナー選びがプロジェクトの成否を分けます。
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