多くの企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の鍵として導入が進む Google Workspace。その多機能性とコラボレーション促進力は、業務効率の向上に大きく貢献します。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、導入後のエンドユーザーサポート、すなわち社内ヘルプデスクの体制構築と適切な運用が不可欠です。
「新しいツールを導入したものの、社員からの問い合わせ対応に追われている」 「せっかくのGoogle Workspaceが、一部の機能しか活用されていない」 「ヘルプデスクの運用が属人化しており、担当者の負担が大きい」
このような課題を感じているDX推進担当者や情報システム部門の決裁者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、Google Workspace導入後の社内ヘルプデスク体制をどのように構築し、運用していけば、エンドユーザーの満足度を高め、ひいては企業全体のDX推進を円滑に進められるのか、その基本的な考え方と具体的なステップを解説します。この記事を読むことで、効果的なヘルプデスク体制構築の第一歩を踏み出すためのヒントを得られるはずです。
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Google Workspaceは、Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダー、Google Meet、Google チャットなど、多岐にわたるアプリケーション群で構成されています。これらのツールを連携させて活用することで、コミュニケーションの活性化、情報共有の円滑化、場所を選ばない働き方の実現など、DX推進に直結する多くのメリットが期待できます。
しかし、高機能である反面、全ての従業員がすぐに使いこなせるわけではありません。特に、ITツールに不慣れな従業員や、従来の業務プロセスからの変化に戸惑う従業員にとっては、操作方法の疑問や利用上のトラブルが生じやすいものです。
ここで重要になるのが、社内ヘルプデスクの存在です。適切に機能するヘルプデスクは、以下のような役割を果たし、Google Workspaceの社内浸透とDX推進を力強くサポートします。
単なる「問い合わせ窓口」ではなく、DX推進を陰で支える戦略的な機能として、ヘルプデスクの重要性を認識することが第一歩です。
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効果的な社内ヘルプデスクを構築するためには、計画的なアプローチが必要です。ここでは、入門レベルとして押さえておきたい基本的な構築ステップを紹介します。
まずは、自社の現状を把握し、ヘルプデスクに何を期待するのか、どのような課題を解決したいのかを明確にします。
これらの情報を整理することで、新しいヘルプデスクが果たすべき役割や規模感が見えてきます。
次に、ヘルプデスクが「何を行い、何を行わないのか」という役割と、「どの程度のサービスレベルを目指すのか」(SLA: Service Level Agreement)を定義します。
最初から完璧を目指す必要はありませんが、明確な基準を設けることで、ユーザーの期待値をコントロールし、ヘルプデスク担当者の業務負荷を適切に管理できます。
ヘルプデスクを実際に運営するための体制を構築します。
中堅・大企業においては、ある程度の問い合わせボリュームが見込まれるため、兼務ではなく、コアとなる担当者を複数名配置することも検討に値します。
スムーズなヘルプデスク運用のためには、明確なルールが必要です。
これらのルールは、文書化し、関係者間で共有することが重要です。
ヘルプデスク業務を効率的に行うためのツールや、ユーザーが自己解決を促すためのナレッジベースを準備します。
これらのツールを整備することで、属人化を防ぎ、効率的なサポート体制を実現できます。
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体制を構築した後は、日々の運用が重要になります。エンドユーザーの満足度を高め、ヘルプデスクを形骸化させないための運用ポイントをいくつか紹介します。
ユーザーが最も重視するのは、問い合わせに対する迅速かつ丁寧な対応です。専門用語を避け、分かりやすい言葉で、共感の姿勢を持って接することが大切です。解決までに時間がかかる場合でも、進捗状況を適宜連絡することで、ユーザーの不安を軽減できます。
「同じような問い合わせが繰り返し寄せられる」というのは、ヘルプデスク運用でよくある課題です。問い合わせ内容を分析し、FAQやマニュアルを継続的に拡充していくことが重要です。そして、それらの情報源をユーザーに積極的に周知し、自己解決を促すことで、ヘルプデスクの負荷軽減にもつながります。Google Workspace内でのポータルサイト作成や、定期的なアナウンスが有効です。
受け付けた問い合わせの内容や対応履歴は、貴重なデータです。これらのデータを定期的に分析し、以下のような改善活動につなげましょう。
このようなPDCAサイクルを回すことで、ヘルプデスクの質は継続的に向上していきます。
ヘルプデスク業務自体も、Google Workspaceの機能を活用して効率化できます。
自らGoogle Workspaceを使いこなすことで、ユーザーへのより実践的なサポートも可能になります。
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適切に構築・運用される社内ヘルプデスクは、単なるコストセンターではなく、企業のDX推進を加速させる重要な役割を担います。
多くの企業様をご支援してきた経験から、導入初期のつまずきを解消し、利用を軌道に乗せるヘルプデスクの存在は、DXの成否を分けると言っても過言ではありません。
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ここまで、Google Workspace導入後の社内ヘルプデスク体制構築と運用のポイントについて解説してきました。しかし、「自社だけではリソースが足りない」「何から手をつければ良いか具体的に相談したい」「より専門的な知見を取り入れたい」といったお悩みをお持ちの企業様もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合XIMIXがお客様の課題解決をサポートします。XIMIXでは、Google Workspaceの導入支援に留まらず、導入後の定着化支援、ヘルプデスク構築・運用支援、さらにはお客様のDX戦略に寄り添った伴走支援まで、幅広いサービスを提供しています。
XIMIXのヘルプデスク関連支援の特徴:
社内ヘルプデスクの構築・運用は、DX推進の重要な基盤です。しかし、その構築や日々の運用には専門的な知識や相応のリソースが必要となります。もしヘルプデスク体制の構築や運用、Google Workspaceの更なる活用についてお困りの場合は、ぜひ一度XIMIXにご相談ください。
XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。
XIMIXのGoogle Cloud 導入支援についてはこちらをご覧ください。
本記事では、Google Workspace導入後の社内ヘルプデスク体制を構築し、運用するための基本的なステップとポイントを解説しました。
効果的なヘルプデスクは、エンドユーザーの満足度を高め、Google Workspaceの利活用を促進し、結果として企業全体のDX推進を円滑に進めるための重要な鍵となります。
これらのポイントを押さえ、自社に合ったヘルプデスク体制を構築・運用していくことで、Google Workspaceは真の価値を発揮し始めるでしょう。DX推進の一環として、ぜひ社内ヘルプデスクの強化に取り組んでみてください。
より具体的な進め方や、専門家のサポートが必要な場合は、お気軽にXIMIXまでお問い合わせください。お客様のDX推進を、経験豊富な専門家が力強くサポートいたします。