多くの企業で情報共有やコミュニケーションの中心として期待される社内ポータル。しかし、「立ち上げたものの、デザインが古く使いにくい」「どこに何の情報があるかわからない」「更新が滞り、形骸化してしまった」といった課題を抱えているケースは少なくありません。特に、DX推進の一環として情報基盤の整備が急務となる中、効果的な社内ポータルの構築・刷新は重要なテーマです。
もし、あなたがGoogle Workspaceを導入済み、あるいは導入を検討されているなら、「Googleサイト」の活用が有力な選択肢となります。プログラミングの知識がなくても、直感的な操作でWebサイトを作成できるツールであり、社内ポータル構築にも適しています。
この記事では、Googleサイトを使って社内ポータルを構築・刷新したいと考えているものの、特にデザイン、情報設計、運用体制に課題を感じている担当者様に向けて、その基本的な考え方と進め方を【入門編】として解説します。この記事を読むことで、Googleサイト活用のメリットを理解し、「使われる」社内ポータル構築への第一歩を踏み出すヒントを得られるでしょう。
数あるWebサイト作成ツールの中で、なぜGoogleサイトが社内ポータルに適しているのでしょうか。主なメリットを見ていきましょう。
Googleサイトの最大の特長は、プログラミングやHTMLといった専門知識が不要な点です。ドラッグ&ドロップの簡単な操作で、テキスト、画像、動画などを配置し、ページを作成できます。これにより、情報システム部門だけでなく、現場の担当者でも比較的容易にコンテンツの作成や更新が可能となり、運用負荷の軽減につながります。
Google Workspace (旧 G Suite) の一部であるため、他のGoogleサービスとの連携が非常にスムーズです。
これらの連携により、社内ポータルが単なる情報掲示板ではなく、業務に役立つプラットフォームとして機能します。
Google Workspaceのライセンスがあれば、追加費用なしで利用できる点も大きな魅力です。(※一部機能やストレージはプランにより制限がある場合があります) 高価な専用ツールやサーバー構築費用が不要なため、特にコストを抑えたい場合に有効な選択肢となります。
Google Workspaceの強固なセキュリティ基盤上で動作し、アクセス権限も柔軟に設定可能です。組織全体、特定の部署やグループ、個々のユーザー単位で閲覧・編集権限をコントロールできるため、機密性の高い情報も安全に共有できます。
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具体的な構築プロセスに入る前に、大まかな流れを把握しておきましょう。
次章からは、特に課題となりやすい「デザイン」「情報設計」「運用体制」について掘り下げていきます。
「デザインは二の次」と考えがちですが、社内ポータルの利用率を左右する重要な要素です。使いにくく、見た目が古いサイトは敬遠されてしまいます。
Googleサイトには、ビジネス向けのテンプレートが用意されています。まずはこれらを活用し、基本的なレイアウトの参考にすると良いでしょう。テンプレートをベースに、自社の要件に合わせてカスタマイズしていくのが効率的です。
企業のロゴを配置し、コーポレートカラーを基調とした配色にするだけでも、社員の帰属意識を高め、ポータルへの親近感を醸成できます。一貫性のあるデザインは、信頼感にもつながります。
情報を詰め込みすぎず、余白を意識したシンプルなレイアウトが重要です。どこに何があるか直感的にわかるように、ナビゲーション(メニュー)は分かりやすく整理しましょう。
Googleサイトで作成したサイトは、特別な設定をしなくても自動的にレスポンシブデザインに対応し、PC、タブレット、スマートフォンなど、異なるデバイスでも最適化された表示になります。この点を意識してコンテンツを配置することが大切です(例:横長の大きな画像はスマホで縮小されることを考慮する)。
「情報はあるはずなのに、どこにあるか分からない」これは社内ポータルでよく聞かれる悩みです。情報設計(IA: Information Architecture)は、利用者が目的の情報にスムーズにたどり着けるように、情報を整理・構造化するプロセスです。
まず、ポータルサイトの主な利用者(ターゲット)と、彼らが求めている情報(ニーズ)を洗い出します。「全社員向けのお知らせ」「営業部向けの資料」「人事部への申請手順」など、ターゲットと情報の種類を明確にすることが第一歩です。
サイト全体の構造を考え、利用者が迷わないようなナビゲーションメニューを設計します。
収集した情報を、利用者の視点に立って分かりやすく分類・整理します。「組織別」「業務別」「コンテンツ種別(規定、申請書、ニュースなど)」といった切り口が考えられます。検索機能(Googleサイト標準の検索機能)も重要ですが、基本的な分類がしっかりしていることが、情報発見の基盤となります。
ページタイトルやファイル名に一貫性を持たせることも重要です。例えば、「【日付】〇〇会議事録」「【部署名】〇〇手順書」のようにルールを決めておくと、利用者が内容を推測しやすくなり、検索性も向上します。
素晴らしいポータルサイトを構築しても、更新が止まってしまっては意味がありません。持続可能な運用体制を構築することが成功の鍵です。
誰が、どの情報を、いつ、どのように更新するのか、具体的な役割分担を決めます。全社的なお知らせは広報部、部署ごとの情報は各部署の担当者、といった形です。Googleサイトは共同編集が可能なので、複数人での分担作業も容易です。
コンテンツの品質を保ち、運用をスムーズにするために、簡単なガイドラインを作成しましょう。
情報の機密性に応じて、適切なアクセス権限(閲覧権限、編集権限)を設定・管理することが重要です。Google Workspaceのグループ機能を活用すると、部署単位などでの権限管理が効率的に行えます。定期的な権限の見直しも必要です。
Googleアナリティクスなどを連携させることで、どのページがよく見られているか、どのようなキーワードで検索されているかといった利用状況を分析できます。(※設定には専門知識が必要な場合があります) データに基づいてコンテンツや構成を定期的に見直し、改善していくことが、ポータルサイトを「生きた」ものにするために不可欠です。
ここまで、Googleサイトを用いた社内ポータル構築の基本的なポイントを解説してきました。これらの基本を押さえるだけでも、十分効果的なポータルサイトを構築・運用することは可能です。
しかし、実際にプロジェクトを進める中では、
といった、より高度なニーズや、リソース不足といった課題に直面することも少なくありません。
私たちNI+Cが提供するXIMIXは、Google CloudおよびGoogle Workspaceの導入・活用支援に特化したサービスです。多くの企業様のDX推進をご支援してきた豊富な経験に基づき、Googleサイトを活用した社内ポータル構築においても、お客様の課題解決を力強くサポートします。
もし、Googleサイトでの社内ポータル構築・刷新において、デザイン、情報設計、運用体制、あるいはそれ以上の課題をお持ちでしたら、ぜひ一度XIMIXにご相談ください。
XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。
XIMIXのGoogle Cloud 導入支援についてはこちらをご覧ください。
Googleサイトは、専門知識がなくても直感的に操作でき、Google Workspaceとの連携も強力なため、社内ポータル構築・刷新の有力なツールです。成功の鍵は、単にサイトを作るだけでなく、「デザイン」「情報設計」「運用体制」という3つの要素をしっかりと考え、計画的に進めることです。
まずは小規模な範囲からスタートし、試行錯誤しながら改善していくアプローチも有効です。この記事が、貴社の社内ポータルをより効果的なものにするための一助となれば幸いです。
もし、より高度な要件への対応や、専門家の支援が必要だと感じられた場合は、いつでもXIMIXがお手伝いいたします。お気軽にご相談ください。