コラム

【基本編】Googleサイト活用ガイド:機能、業務効率化、メリットまで徹底解説

作成者: XIMIX Google Workspace チーム|2025,04,18

はじめに

多くの企業、特に組織規模が大きくなる中堅・大企業において、「必要な情報がどこにあるか分からない」「部門間の情報共有がスムーズにいかない」「情報発信のたびにIT部門に依頼が必要で時間がかかる」といった課題は、DX推進を阻む大きな壁となりがちです。

こうした情報共有の課題を解決し、従業員が必要な情報へ容易にアクセスできる環境を整備することは、業務効率化と生産性向上に不可欠です。その有力な解決策の一つが、Google Workspaceに含まれる「Googleサイト」の活用です。

Googleサイトは、専門知識がなくても直感的な操作でウェブサイトを作成できるツールです。社内ポータルやプロジェクトサイト、ヘルプセンターなど、多様な用途で情報共有基盤を構築できます。

この記事では、Googleサイトの基本的な機能から、具体的な活用シーン、メリット・デメリット、そして中堅・大企業が活用する上でのポイントまで、網羅的に解説します。Googleサイトへの理解を深め、貴社のDX推進の一助となれば幸いです。

Googleサイトとは?

Googleサイトは、Googleが提供するウェブサイト作成ツールです。Googleアカウントがあれば、特別なソフトウェアのインストールは不要で、Webブラウザ上で全ての操作が完結します。

プログラミングやHTML/CSSといった専門知識は一切不要で、テキスト、画像、動画などを、まるで文書作成ソフトのような感覚で配置できます。

Google Workspace内でシームレスな連携

Googleサイトの最大の強みは、Googleドライブ、ドキュメント、スプレッドシート、スライド、フォーム、カレンダーといった、他のGoogle Workspaceサービスと緊密に連携できる点です。

  • Googleドライブ上のファイル: ドキュメントや資料を簡単に埋め込み、常に最新情報を表示できます。

  • Googleカレンダー: プロジェクトのスケジュールや社内イベント情報を共有できます。

  • Googleフォーム: アンケートや問い合わせフォームを簡単に設置できます。

これにより、散在しがちな情報をGoogleサイト上に集約し、一元的な情報ポータルとして機能させることが可能です。

関連記事:なぜGoogle WorkspaceのUI/UXは使いやすい?DXを成功に導く「直感性」と「シームレス連携」の価値【基本解説】

レスポンシブデザインに標準対応

作成したサイトは、PC、タブレット、スマートフォンなど、閲覧するデバイスの画面サイズに合わせて自動的にレイアウトが最適化される「レスポンシブデザイン」に標準で対応しています。特別な設定は不要で、どのデバイスからアクセスしても快適な閲覧体験を提供できます。

柔軟な権限管理とセキュリティ

サイト全体やページ単位で、閲覧・編集権限を細かく設定できます。

  • 特定のユーザーやグループのみに公開: 部門ポータルやプロジェクトメンバー限定の情報共有に適しています。

  • 組織内全体に公開: 全社向けのお知らせや規定などを掲載できます。

  • 一般公開 (Web): 採用情報や外部向けイベント情報の発信も可能です。

Google Workspaceの管理コンソールと連携することで、組織全体のセキュリティポリシーに準拠したサイト運用が可能です。

初心者でも簡単!Googleサイトの基本的な作り方

Googleサイトがいかに簡単に作成できるか、基本的な流れをご紹介します。

①サイトの新規作成

Googleサイトのホーム画面から「新しいサイトを作成」をクリックするか、テンプレートを選択するだけですぐに始められます。

②コンテンツの追加

右側の「挿入」メニューから、テキストボックス、画像、埋め込みコードなどを選択し、ドラッグ&ドロップでページに追加していきます。Googleドライブ内のドキュメントやスプレッドシートも、ここから簡単に挿入できます。

③ページの追加と構成

「ページ」メニューから新しいページを追加し、サイトの階層構造を作ります。ページをドラッグ&ドロップするだけで、ナビゲーションメニューの順序を簡単に入れ替えることができます。

④デザインテーマの選択

「テーマ」メニューで、サイト全体のフォントや色の組み合わせを選択できます。企業のブランドカラーに合わせてカスタマイズすることも可能です。

⑤共有と公開

サイトが完成したら、右上の「共有」ボタンで編集メンバーを追加したり、「公開」ボタンで公開範囲(組織内限定、一般公開など)を設定して、ウェブ上に公開します。

このように、わずか数ステップで基本的なサイトを立ち上げられる手軽さが、Googleサイトの大きな魅力です。

Googleサイトを導入するメリット・デメリット

Googleサイトは非常に有用なツールですが、導入を検討する際はメリットとデメリットの両方を理解しておくことが重要です。

メリット

導入・運用コストを大幅に削減できる

Google Workspaceを利用していれば、追加費用なしで利用を開始できます。サーバー構築やメンテナンスも不要なため、従来のウェブサイト構築・運用にかかるコストを大幅に削減できます。

情報発信のスピードが向上する

専門知識が不要なため、IT部門に依頼することなく、現場の担当者自身が迅速に情報を発信・更新できます。これにより、情報の鮮度が保たれ、スピーディーな意思決定や業務遂行に貢献します。

情報へのアクセス性が高まる

社内ポータルなどを構築することで、必要な情報へのアクセス経路が集約され、従業員の情報検索にかかる時間を短縮できます。ある調査会社のデータによれば、従業員は業務時間のうち約20%を情報の検索に費やしているとも言われており、この課題の解決は生産性向上に直結します。

デメリット・注意点

デザインの自由度に制限がある

テンプレートベースで簡単に作成できる反面、HTML/CSSを駆使したウェブサイトのような、凝ったデザインや複雑なレイアウトを組むことは困難です。ブランディングに強いこだわりがある場合は、物足りなさを感じる可能性があります。

高度な機能は搭載されていない

データベースとの連携や、動的なコンテンツ生成といった高度なウェブサイト機能は標準では搭載されていません。あくまで情報共有を主目的としたツールと位置づけるのが適切です。

単体での詳細なバックアップ機能がない

サイトのコンテンツはGoogleドライブ上に保存されますが、サイト構成やページバージョンを詳細に管理・復元する専門のバックアップ機能はありません。重要なサイトは、運用ルールを定めて慎重に管理する必要があります。

【応用編】Googleサイト活用術:こんな業務が変わる!

Googleサイトを導入することで、具体的にどのような業務が効率化されるのでしょうか。より具体的な活用例をご紹介します。

ケース1:全社・部門ポータルサイトの構築

課題: お知らせがメールで流れ、社内規定や申請書がファイルサーバーの奥深くにあり、探すだけで一苦労。

解決策: 従来メールやファイルサーバーで共有されていた情報をGoogleサイトに集約。トップページに最新のお知らせ、ナビゲーションに各種規定や申請書へのリンクを整理して配置します。従業員はポータルサイトを見るだけで必要な情報にアクセスでき、情報検索の手間が大幅に削減されます。

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ケース2:プロジェクト単位の情報共有基盤

課題: プロジェクトメンバー間の情報格差が発生し、途中参加者が状況を把握するのに時間がかかる。

解決策: プロジェクト専用のGoogleサイトを作成。トップページに進捗状況(ガントチャートのスプレッドシートを埋め込み)、議事録(Googleドキュメントを埋め込み)、関連資料(Googleドライブフォルダを埋め込み)などを集約します。これにより、メンバー間の情報格差をなくし、円滑なコミュニケーションとプロジェクト推進を支援します。

関連記事:Google Workspaceをプロジェクト管理ツールとして最大限に活用する手法

ケース3:ナレッジマネジメント・FAQサイト

課題: 同じような質問が繰り返し寄せられ、特定の人に業務が集中。異動や退職でノウハウが失われる。

解決策: 各部門が持つ業務マニュアル、よくある質問とその回答(FAQ)、成功事例などをGoogleサイトに蓄積。検索機能も利用できるため、従業員が必要な時に自己解決できる環境を整備し、問い合わせ対応の工数を削減します。これは組織全体の知識レベル向上にも繋がります。

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中堅・大企業におけるGoogleサイト活用の成功ポイント

中堅・大企業でGoogleサイトを効果的に活用するためには、個人利用とは異なる視点での計画が不可欠です。

ガバナンスと運用ルールの策定

誰が、どのようなサイトを、どこまで公開できるのか、といったルールを明確に定めることが最も重要です。Google Workspaceの管理機能を活用し、サイト作成権限や公開範囲設定のポリシーを全社的に適用することで、意図しない情報公開リスクを防ぎ、統制の取れたサイト運用を実現します。

デザインテンプレートとブランディング

全社で利用するサイトのデザインや構成に統一性を持たせることは、ユーザーの利便性向上と企業としての一体感醸成に繋がります。XIMIXがご支援する際には、企業のロゴやブランドカラーを反映した共通のヘッダー・フッターを含むテンプレートを作成し、それを全社に展開することを推奨しています。

Google Workspaceや他システムとの連携強化

Googleサイト単体でも強力ですが、他のツールと連携・使い分けることで、その価値はさらに高まります。例えば、Apps Scriptを利用して、スプレッドシートのデータを自動でサイトに反映させるなどのカスタマイズも可能です。より高度な連携については、専門家の支援を検討することをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q. 独自ドメインを設定できますか?

はい、可能です。Google Workspaceの管理コンソールから設定を行うことで、portal.yourcompany.comのような、自社の独自ドメインをGoogleサイトに割り当てることができます。

Q. アクセス解析はできますか?

はい、Googleアナリティクスと連携させることが可能です。ページビュー数や訪問者数などの基本的なアクセスデータを計測できます。

Q. SharePointなど他のツールとの違いは何ですか?

SharePointは高機能でカスタマイズ性に優れる一方、構築や管理には一定の専門知識が求められます。対してGoogleサイトは、機能はシンプルですが、誰でも手軽にサイトを作成・更新できる点が最大の強みです。「現場主導でスピーディーな情報共有を行いたい」というニーズに非常にマッチしたツールと言えます。

Google Workspace活用を成功させるために:XIMIXの支援

Googleサイトは手軽に始められる一方で、中堅・大企業で全社的に活用し、その効果を最大化するためには、適切な導入計画、運用ルールの策定、そして従業員への利用促進が不可欠です。

  • 「自社に最適な活用方法が分からない」

  • 「効果的な社内ポータルを設計したい」

  • 「ガバナンスを効かせた運用ルールをどう設定すれば良いか」

  • 「Google Workspace全体の活用を最適化したい」

このような課題をお持ちではありませんか?

私たちXIMIXは、Google CloudおよびGoogle Workspaceのプレミアパートナーとして、多くの中堅・大企業様のDX推進をご支援してきた豊富な実績と知見を有しています。

Googleサイトの効果的な活用提案はもちろん、Google Workspace全体の導入コンサルティング、環境構築、運用設計、従業員向けトレーニング、そして継続的な伴走支援まで、お客様の状況や課題に合わせた最適なソリューションを提供します。

Googleサイトを含むGoogle Workspaceの導入・活用に関するご相談は、ぜひXIMIXにお任せください。

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まとめ:Googleサイトで情報共有を次のレベルへ

Googleサイトは、専門知識不要で、低コストかつスピーディーに情報共有基盤を構築できる強力なツールです。社内ポータル、プロジェクトサイト、ナレッジベースなど、多様な用途で活用することで、業務効率化、コミュニケーション活性化、そしてDX推進に大きく貢献します。

特に、情報が分散しがちで、部門間の連携が課題となりやすい中堅・大企業において、Googleサイトはその解決策となり得ます。Google Workspaceとのシームレスな連携や柔軟な権限管理機能も、組織的な情報活用を後押しします。

この記事を参考に、ぜひGoogleサイトの活用を検討してみてはいかがでしょうか。そして、導入や活用に際して課題を感じられた際には、お気軽にXIMIXまでご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な活用プランをご提案いたします。