データを活用した意思決定が当たり前になりつつある今、Google Cloud のデータ分析サービスは着実に進化を続けています。2026年5月24日〜31日の期間に、BigQuery や Looker など主要サービスで実業務に直結するアップデートが発表されました。
本記事では、この期間に発表されたデータ分析カテゴリのアップデート8件を、業務担当者・IT 部門・経営層の方々にわかりやすく解説します。AI エージェントによるデータ分析支援の一般提供開始、BI ツールの新機能、Knowledge Catalog のデータプロダクト GA、データパイプライン管理の改善など、データ活用推進の場面で役立つ内容をまとめました。
データ活用基盤の整備やクラウド移行を検討中の方は、ぜひ各アップデートが自社の課題解決にどう活用できるか、ユースケースとともにご確認ください。
| 対象期間 | 2026年5月24日〜2026年5月31日 |
| 対象製品 | Google Cloud |
| 対象カテゴリ | データ分析 |
| アップデート件数 | 8件 |
BigQuery(Google Cloud が提供するクラウド型データウェアハウスサービス)と Colab Enterprise(クラウド型 Jupyter ノートブック環境)向けの Data Science Agent(DSA) が、2026年5月26日に一般提供(GA)を開始しました。
DSA は、データサイエンティストや分析担当者の作業をアシストする AI エージェントです。BigQuery 上のデータを使って、探索的データ分析(EDA)、特徴量エンジニアリング、機械学習モデルの構築などを、自然言語の指示で進められます。Preview から GA になったことで、本番環境での利用に向けたサポートが正式に提供されます。
データサイエンティストが BigQuery 上の売上データを分析して予測モデルを構築する際、従来は Python コードの記述やライブラリ選定など専門知識が必要でした。DSA を活用することで、自然言語での指示によってデータの前処理・可視化・モデル選定をエージェントが補助し、分析業務を加速できます。データ分析リソースが限られている事業部門でも、高度なデータ分析に取り組みやすくなります。
Looker(Google Cloud の BI・データ可視化プラットフォーム)のバージョン 26.8 が 2026年5月27日よりロールアウトを開始しました。今回のリリースでは、開発・運用効率を高める機能が GA となるほか、AI を活用した新機能が Preview として複数追加されています。
特に注目は Continuous Integration(CI)機能の GA 化です。Looker のダッシュボードやレポートの変更を本番環境へ安全に展開するための自動テスト・検証プロセスが、正式な機能として提供されます。
BI 担当者が Looker のダッシュボードを更新する際、変更が既存レポートに影響を与えないかを CI 機能で自動的に検証できます。また、データ活用に慣れていないビジネス部門の担当者が、自然言語で「先月の地域別売上をグラフにして」と指示するだけでワークフローを作成できる将来像も見えてきます(自然言語ワークフロー・Preview)。
Dataplex(Google Cloud のデータガバナンス・データ管理サービス)のデータ系統(Data Lineage)情報を、LLM や AI アプリケーションから直接照会できる リモート MCP(Model Context Protocol)サーバー が、2026年5月27日に Preview として公開されました。
データ系統とは、「データがどのシステムからどのシステムへ流れてきたか」を記録・可視化したものです。従来は管理コンソール上での確認が必要でしたが、MCP サーバーを通じることで AI エージェントがリアルタイムに系統情報を取得・活用できるようになります。
データエンジニアが「このレポートのデータはどのテーブルから来ているか」「ETL パイプラインのどの段階でデータが変換されたか」を AI エージェントに質問し、即座に回答を得られます。コンプライアンス対応や監査のために、データの来歴を素早く確認したい場面でも活用できます。
BigQuery に接続するための Simba ODBC Driver(ODBC: Open Database Connectivity、各種ツールからデータベースへ接続するための標準規格)の新バージョンが 2026年5月27日に公開されました。
ODBC ドライバは、Excel・Tableau・Power BI などの既存 BI ツールや社内業務システムから BigQuery のデータに接続する際に使用されます。定期的なアップデートにより、最新の BigQuery 機能への対応や接続の安定性が維持されます。
既存の BI ツール(Tableau、Power BI 等)や基幹業務システムから BigQuery へ ODBC 経由で接続しているチームが、より安定した接続と最新機能への対応を得られます。既存システムのクラウドデータウェアハウス連携を維持・改善したいケースで特に有効です。
Cloud Composer(Google Cloud が提供するマネージド Apache Airflow サービス)の新ビルド composer-3-airflow-3.1.7-build.10 が 2026年5月27日に公開されました。
Apache Airflow(アパッチ エアフロー)は、データパイプライン(データの収集・加工・転送の一連の流れ)をコードで定義・自動実行するためのオープンソースツールです。Cloud Composer は、この Airflow をクラウド上でフルマネージドに利用できるサービスです。
複数の部門がそれぞれのデータパイプラインを Cloud Composer で管理しているケースで、Google Cloud タグを使って「どの部門のリソースか」を明示でき、コスト管理や請求の按分が容易になります。また、プライベートコンテナレジストリから独自イメージを pull するワークフローで、認証設定を Kubernetes Secret で管理できます。
Knowledge Catalog(旧 Dataplex Universal Catalog。Google Cloud のデータカタログ・データガバナンスサービス)の Data Products(データプロダクト)機能が、2026年5月25日に一般提供(GA)を開始しました。
データプロダクトとは、特定のビジネス課題を解決するために設計されたデータ資産とコンテキストの論理的パッケージです。データの発見・利用申請・承認・管理を体系化することで、組織全体でのデータ活用を促進します。
データエンジニアリングチームが整備した社内データを、マーケティングや経営企画などのビジネス部門が安全に利用できるよう、データプロダクトとして公開・申請管理する場面で活用できます。データのガバナンスを維持しながら、部門横断のデータ活用を促進できます。
Cloud Composer(マネージド Apache Airflow)の以下のバージョン・ビルドが、2026年5月27日をもってサポート終了(End of Life)を迎えました。
Cloud Composer の Managed Airflow (Gen 2) に、新しいイメージが追加されました(2026年5月27日)。
Gen 2 は Gen 3 への移行期においても引き続き更新が提供されており、既存の Gen 2 環境を安定的に維持できます。
2026年5月24日〜31日のデータ分析カテゴリで特に対応が求められるのは、Cloud Composer 旧バージョンのサポート終了です。composer-3-airflow-2.9.3-build.24 など3つのビルドが EOL を迎えているため、該当環境をお持ちの場合はサポート中の最新バージョンへのアップグレードを検討してください。
新機能としては、BigQuery Data Science Agent の GA(AI エージェントによるデータ分析支援の本番利用開始)と Knowledge Catalog Data Products の GA(データプロダクトの申請・承認ワークフロー)が注目です。いずれもデータ活用の民主化と組織横断のデータ共有促進に直結するアップデートです。Looker 26.8 の CI 機能 GA は BI 環境の安定運用に、Dataplex の MCP サーバー Preview はデータガバナンスと AI エージェントの融合という新領域に向けた一歩です。
XIMIX(サイミクス)は NI+C が運営する Google Cloud プレミアパートナーサービスです。Google Cloud / Google Workspace の導入・活用支援、データ活用、AI 活用などをご支援しています。本記事で取り上げた Google Cloud データ分析サービスのアップデートを自社でどう活用するかご関心がありましたら、お気軽にご相談ください。