コラム

Compute Engine(GCE)とは?仮想サーバーの基本からメリット、用途まで【入門編】

作成者: XIMIX Google Cloud チーム|Apr 22, 2025 2:04:01 AM

はじめに

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進において、クラウドコンピューティングの活用は不可欠な要素となっています。中でも、Google Cloud はその柔軟性、拡張性、そして先進的な技術力から多くの企業に選ばれています。しかし、「クラウド」や「仮想サーバー」と聞いても、具体的にどのようなものなのか、自社のビジネスにどう役立つのか、イメージが湧きにくいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、DX推進を検討されている企業の決裁者層の方々を対象に、Compute Engine とは何か、その基礎となる仮想サーバーの概念から、GCEを利用するメリット、そして具体的な用途まで、入門レベルで分かりやすく解説します。この記事を読むことで、GCEの基本的な知識を習得し、自社でのクラウド活用に向けた具体的なイメージを持つことができるでしょう

Compute Engine (GCE) とは? 

Compute Engine (GCE) とは、Google Cloud が提供する IaaS (Infrastructure as a Service) の一つで、Google の高性能なインフラ上で仮想サーバー(仮想マシン、VMとも呼ばれます)を作成・実行できるサービスです。

そもそも「仮想サーバー」とは?

「仮想サーバー」という言葉に馴染みがない方もいるかもしれません。簡単に言えば、物理的な1台の高性能コンピューター(サーバー)のリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)をソフトウェアによって論理的に分割し、あたかも複数台の独立したサーバーが存在するかのように見せる技術です。

従来の物理サーバー(オンプレミス)では、サーバー機器の購入、設置場所の確保、OSのインストール、ネットワーク設定、保守運用など、多くの手間とコストがかかりました。仮想サーバーは、こうした物理的な制約から解放され、必要な時に必要なだけ、コンピュータリソースを迅速かつ柔軟に利用することを可能にします。

GCE は、この仮想サーバーを Google の堅牢で高性能なインフラ上で手軽に利用できるようにしたサービス、と理解すると良いでしょう。

GCE の主な特徴

  • 柔軟性: ビジネスの成長や需要の変動に合わせて、CPU、メモリ、ディスク容量といった仮想サーバーのスペック(マシンタイプ)を簡単かつ迅速に変更できます。アクセスが急増する時期だけ性能を上げ、閑散期には下げるといった柔軟な対応が可能です。
  • 自由度が高い: Linux や Windows Server など、様々なOSイメージを選択でき、自社の要件に合わせた自由な環境構築が可能です。また、多様なマシンタイプ(汎用、コンピューティング最適化、メモリ最適化など)が用意されており、ワークロードに最適な構成を選べます。
  • 従量課金制: 利用した分だけ(秒単位や分単位での課金)料金が発生するため、初期投資を抑え、コスト効率の高い運用が可能です。使わないインスタンスを停止しておけば、課金を最小限に抑えることもできます。
  • グローバルネットワーク: Google の高品質なグローバルネットワークを利用できるため、世界中のどこからでも安定したアクセスが可能です。
  • 高可用性: ライブマイグレーション機能により、Google側のインフラメンテナンス時にも、仮想サーバーを停止させることなく運用を継続できます。また、複数のゾーンやリージョンにインスタンスを分散させることで、障害発生時のリスクを低減できます。

なぜ GCE を選ぶのか? ビジネスにおけるメリット

GCE を利用することは、特にDXを推進する中堅〜大企業にとって、以下のような多くのメリットをもたらします。

1. インフラ管理の負担軽減とコスト削減

物理サーバーの購入・設置・保守といった手間とコストから解放されます。サーバー管理に必要な人員や時間といったリソースを、より戦略的なIT投資やコア業務に集中させることができます。また、従量課金制により、TCO (総所有コスト) の削減も期待できます。

2. ビジネスの変化に即応できる俊敏性

新規事業の立ち上げやサービスの急拡大など、ビジネス環境の変化に応じて、必要なITリソースを数分で調達・拡張できます。市場投入までの時間を短縮し、ビジネスチャンスを逃しません。

3. 高いパフォーマンスと安定性

Google の高性能なインフラとグローバルネットワークにより、安定したサービス提供が可能になります。ミッションクリティカルなシステムの基盤としても安心して利用できます。

4. セキュリティの強化

Google Cloud は、多層的なセキュリティ対策を提供しており、堅牢なインフラ上でシステムを運用できます。専門的な知識がなくても、高度なセキュリティ環境を利用できる点は大きなメリットです。

5. 他の Google Cloud サービスとの連携

GCE は、Cloud Storage (ストレージ), BigQuery (データ分析), Cloud SQL (マネージドデータベース) など、他の豊富な Google Cloud サービスとシームレスに連携できます。これにより、データ活用基盤の構築や AI/ML 技術の導入など、より高度なDXの実現を加速させます。

Compute Engine の主な用途

GCE はその柔軟性から、様々な用途で活用されています。以下に代表的な例を挙げます。

  • Webサイト・Webアプリケーションのホスティング: コーポレートサイト、ECサイト、ブログ、業務アプリケーションなど、様々なWebシステムのサーバー基盤として利用されます。アクセス数に応じたスケーリングが容易なため、安定したサービス提供に適しています。
  • 基幹システムの実行環境: 企業の基幹業務システム(ERP, CRMなど)をクラウド上で稼働させる基盤としても利用可能です。オンプレミスからの移行先として選ばれるケースも多いです。
  • データ処理・バッチ処理: 大規模なデータ処理や、夜間バッチ処理など、一時的に高い計算能力が必要となるタスクの実行環境として活用できます。必要な時だけ高性能なインスタンスを利用し、処理が終われば停止することでコストを最適化できます。
  • 開発・テスト環境: アプリケーション開発やテストに必要な環境を、必要な期間だけ迅速に構築・破棄できます。開発サイクルの短縮や、複数環境の並行利用が容易になります。
  • リモートデスクトップ・仮想デスクトップ (VDI) 基盤: セキュアなリモートワーク環境を提供するための仮想デスクトップ基盤としても利用できます。

これらはあくまで一例であり、GCE の使い方は企業のニーズに応じて多岐にわたります。

GCE 利用を成功させるために

GCE は非常に強力で柔軟なサービスですが、その機能を最大限に活用し、コストを最適化しながら安定運用を実現するには、適切な設計、構築、そして運用管理のノウハウが必要です。

特に、以下のような点に注意が必要です。

  • 適切なマシンタイプの選定: ワークロードの特性に合わないマシンタイプを選ぶと、オーバースペックによるコスト増や、性能不足による機会損失につながる可能性があります。
  • ネットワーク設計: セキュアで効率的な通信を実現するための VPC (Virtual Private Cloud) やファイアウォールの設定には専門知識が求められます。
  • コスト管理: 従量課金制はメリットである一方、意図しないリソースの起動や設定ミスが思わぬ高額請求につながるリスクもあります。利用状況のモニタリングと最適化が重要です。
  • 運用・監視体制: 安定稼働のためには、OSやミドルウェアのアップデート、セキュリティパッチ適用、パフォーマンス監視などの継続的な運用管理が必要です。

これらの課題に対し、自社だけで対応することが難しい場合や、より戦略的に Google Cloud を活用していきたい場合には、専門知識を持つパートナーとの連携が有効な選択肢となります。

XIMIX による Google Cloud 導入・活用支援

私たちNI+C (日本情報通信株式会社) が提供する XIMIX  は、Google Cloud と Google Workspace の導入から活用、最適化までをトータルでサポートするソリューションサービスです。

Compute Engine をはじめとする Google Cloud の導入・活用においては、単に仮想サーバーを構築するだけでなく、お客様のビジネス課題や DX 戦略に基づいた最適なアーキテクチャ設計、セキュリティ対策、コスト最適化、そして継続的な運用支援が不可欠です。

XIMIX では、これまでの豊富な Google Cloud 導入実績と、中堅〜大企業様をご支援してきた経験に基づき、以下のようなサービスを提供しています。

  • 導入計画策定・コンサルティング: お客様の現状と目的に合わせた最適な Google Cloud 活用プランをご提案します。GCE のサイジングやネットワーク設計、移行計画などを具体化します。
  • 環境構築・移行 (SI): 設計に基づき、セキュアで効率的な GCE 環境を構築します。オンプレミスからの移行や、他のクラウドサービスとの連携もお任せください。
  • 運用・保守サポート: 構築後の監視、障害対応、セキュリティアップデート、コスト管理などを継続的にサポートし、お客様の運用負荷を軽減します。
  • 最適化・高度化支援: 利用状況を分析し、コスト削減やパフォーマンス向上に向けた改善提案を行います。また、データ分析基盤構築や AI 活用など、更なる DX 推進に向けたご支援も可能です。

GCE や Google Cloud の導入・活用にご興味のある方、現在利用中の環境に課題を感じている方は、ぜひお気軽に XIMIX にご相談ください。

XIMIXのGoogle Cloud 導入支援についてはこちらをご覧ください。
XIMIXのインフラ構築・移行についてはこちらをご覧ください。

※Google Cloud については、こちらのコラム記事もご参照ください。 
 【基本編】Google Cloudとは? DX推進の基盤となる基本をわかりやすく解説
 【基本編】Google Cloud導入のメリット・注意点とは? 初心者向けにわかりやすく解説

まとめ

今回は、Google Cloud の中核サービスである Compute Engine (GCE) について、その基本概念である仮想サーバーから、メリット、主な用途までを解説しました。

GCE は、インフラ管理の負担を軽減し、ビジネスの俊敏性を高め、コスト効率の良い IT 基盤を実現するための強力なツールです。Webサイトのホスティングから基幹システムの運用、データ処理、開発環境まで、幅広いシーンで活用できます。

DX 推進に向けたクラウド活用の第一歩として、あるいは既存システムのクラウド移行の選択肢として、GCE の導入を検討してみてはいかがでしょうか。この記事が、皆様のクラウド活用の一助となれば幸いです。

Google Cloud や GCE の活用をさらに進めたい、専門家のサポートが必要だと感じられた際には、ぜひ XIMIX までお声がけください。