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Google Cloud アップデート情報 | データ分析 (2026年9月7日〜2026年9月13日)

作成者: XIMIX Google Cloud チーム|2026.09.27

はじめに

「先月実施した施策は、本当に売上に効いたのか」——多くの企業が抱えるこの問いに、データウェアハウスの機能だけで迫れる選択肢が広がりつつあります。2026年9月7日〜9月13日の期間は、時系列データに対する施策の影響度を数値化する BigQuery の AI.CAUSAL_EFFECT(Preview) や、保存済みモデルを用意せずに予測精度を測れる ML.METRICS(Preview)、さらに Looker の VS Code 拡張機能の一般提供(GA)など、データ活用の裾野を広げるアップデートが発表されました。

本記事では、この期間に発表された Google Cloud のデータ分析カテゴリのアップデート9件を、業務担当者・IT 部門・経営層の方々に向けてわかりやすく解説します。それぞれ「何が変わったのか」「どんな業務シーンで使えるのか」「どんなメリットがあるのか」を整理し、公式ドキュメントへのリンクを添えています。

今回は BigQuery の分析系 AI 関数の拡充が中心テーマです。加えて、データガバナンスに関わる Knowledge Catalog のデータドメイン(Preview)、ストリーミング基盤の Managed Service for Apache Kafka のパブリッククラスタ対応、そして自社の対応時期を検討しておきたい Looker Mobile (Legacy) の廃止延期の告知も含まれています。

対象期間 2026年9月7日〜2026年9月13日
対象製品 Google Cloud
対象カテゴリ データ分析
アップデート件数 9件

今回のアップデート一覧

アップデート詳細

1. Knowledge Catalog — データドメインで社内リソースを論理的に整理(Preview・2026年9月7日)

Knowledge Catalog(Google Cloud のデータカタログ・ガバナンスサービス)に、データドメイン(data domains)が追加されました。企業内のリソースを論理的に整理することで、大規模な環境でもデータの発見とキュレーション(整理・選別)を進められるようにする機能です。本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です。

🔍 何が変わったのか

  • Knowledge Catalog で、企業内のリソースを論理的に整理できるデータドメインを利用できるようになりました
  • 公式リリースノートでは、データを大規模に「発見」し「キュレーション」するための機能として案内されています
  • 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

全社のデータ基盤を管理するデータガバナンス担当者が、「どの部門が、どのデータを、どの目的で保有しているのか」を整理したい場面で活用できます。データセットやテーブルが部門ごとに増え続け、全体像を把握しきれなくなっている組織では、リソースを業務領域(ドメイン)の単位でまとめ直すことで、利用者が目的のデータへたどり着きやすくなります。

✨ 導入メリット

  • リソースを論理的な単位で整理でき、必要なデータを探す時間の短縮につながります
  • 大規模環境でもデータのキュレーションを進めやすくなり、データ品質の維持に寄与します
  • 「どこに何があるか特定の担当者しか分からない」状態の緩和につながり、属人化の解消に寄与します

📚 公式ソース

2. BigQuery — 会話型分析が AI.PREDICT による予測モデリングの質問に対応(Preview・2026年9月8日)

BigQuery(Google Cloud のクラウド型データウェアハウス)の会話型分析(conversational analytics。自然言語でデータに問いかけられる機能)が、AI.PREDICT 関数を用いた予測モデリングに関する質問をサポートしました。本機能は Preview(プレビュー)段階です。

🔍 何が変わったのか

  • 会話型分析が、AI.PREDICT 関数を使った予測モデリングの質問に対応しました
  • 自然言語での問いかけから、AI.PREDICT による予測モデリングを扱えるようになりました
  • 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

営業企画やマーケティングの担当者が、BigQuery に蓄積された顧客データや売上データに対して「今後の傾向はどうなりそうか」を確かめたい場面で活用できます。これまでは予測を試すために SQL を書くか、データ分析の担当者に依頼する必要がありましたが、会話型分析の画面から自然言語で問いかけられるようになりました。

✨ 導入メリット

  • SQL を書かずに予測を試せるため、仮説検証のリードタイムを短縮できます
  • 分析担当者への依頼と待ち時間が減り、現場主導のデータ活用を進めやすくなります
  • データ分析チームは、定型的な依頼対応から高度な分析業務へリソースを振り向けやすくなります

📚 公式ソース

3. BigQuery — 生成 AI 関数が新しい Gemini モデル 3 種をサポート(2026年9月9日)

BigQuery の生成 AI 関数(SQL から大規模言語モデルを呼び出す関数群)が、新たに 3 つの Gemini モデルをサポートしました。

🔍 何が変わったのか

  • BigQuery の生成 AI 関数で、gemini-3.5-flash-lite、gemini-3.6-flash、gemini-3.7-flash の 3 モデルを利用できるようになりました
  • 利用可能なモデルとリージョンの組み合わせは、公式ドキュメントの生成 AI 概要ページ(ロケーション)で案内されています

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

問い合わせ履歴やアンケートの自由記述など、BigQuery に蓄積された非構造化テキストを扱うデータ分析担当者が、要約や分類を SQL から実行する場面で活用できます。選択できるモデルが増えることで、処理速度・コスト・出力品質のバランスを、用途に応じて選び分けやすくなります。

✨ 導入メリット

  • 用途ごとに適したモデルを選択でき、処理コストと品質のバランスを取りやすくなります
  • 新しいモデルを既存の SQL から利用でき、アプリケーション側の改修を伴わずに試行できます
  • データを BigQuery の外へ持ち出さずに生成 AI を適用でき、データ管理をシンプルに保てます

📚 公式ソース

4. Looker — Looker Mobile (Legacy) の提供終了が2027年1月31日へ延期(2026年9月9日)

Looker(Google Cloud の BI・データ可視化プラットフォーム)の Looker Mobile (Legacy) アプリケーションについて、提供終了(廃止)の期日が 2027年1月31日 へ延期されることが告知されました。本項目は非推奨・廃止に関する告知であり、読者が「自社の対応をいつ、どう進めるか」を判断する必要があるため、以下の 3 つの観点で整理します。

✨ 使えるようになる機能

  • 本項目は提供終了の期日延期に関する告知であり、新機能の追加ではありません。公式にハイライトされた新機能はありません
  • 公式リリースノートでは、レガシー版ではない通常版(非レガシー版)の Looker モバイルアプリのインストールが推奨されています

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • Looker Mobile (Legacy) アプリケーションの廃止期日が 2027年1月31日 へ延期されました
  • 2027年1月31日以降、Looker Mobile (Legacy) アプリのサポートは終了します
  • 同日以降、App Store および Play Store からのアプリのダウンロードができなくなります
  • なお、すでに端末へインストール済みのユーザーは、その後も Looker Mobile (Legacy) アプリを利用できると案内されています

🤔 判断観点

自組織の利用状況に照らして、以下の観点をご確認いただくとよいでしょう。XIMIX として一律の対応を推奨するものではなく、状況に応じたご判断の材料としてご参照ください。

  • 影響範囲: 社内でレガシー版の Looker モバイルアプリを利用している端末・部門がどの程度あるか、という確認の観点があります
  • 時間的猶予: 期日が2027年1月31日へ延期されたため、当初の想定より計画に余裕が生まれています。この猶予を、移行計画の精緻化や検証にどう充てるかという観点があります
  • 移行先の検証: 非レガシー版の Looker モバイルアプリで、現在利用しているダッシュボードや Look(保存済みの分析結果)が想定どおり表示されるかを確認する観点があります
  • ロールアウト戦略: 一部の部門で先行して非レガシー版へ切り替え、その後に全社展開する段階的な進め方を検討する観点があります
  • 端末管理との連動: モバイルデバイス管理(MDM)でアプリを配布している場合、配布設定の切り替え作業をいつ行うかという観点があります

📚 公式ソース

5. BigQuery — AI.CAUSAL_EFFECT で施策の影響度を定量化(Preview・2026年9月10日)

BigQuery の AI.CAUSAL_EFFECT 関数を使って、時系列データに対する特定の介入(intervention)の影響を定量化できるようになりました。介入とは、キャンペーンの実施や価格の変更など、意図的に加えた変化のことです。本機能は Preview(プレビュー)段階です。

🔍 何が変わったのか

  • AI.CAUSAL_EFFECT 関数により、時系列データに対する特定の介入の影響を定量化できるようになりました
  • 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

マーケティング担当者や事業企画担当者が、「実施した販促キャンペーンは、売上にどれだけ寄与したのか」を確かめたい場面で活用できます。時系列の売上データに対して、キャンペーン開始という介入の影響を数値として取り出せるため、施策の前後で数字が動いた要因を、勘や経験だけに頼らず評価しやすくなります。価格改定やサービス仕様の変更といった、時期を特定できる施策の効果検証にも適用できます。

✨ 導入メリット

  • 施策の効果を定量的に示せるため、次の投資判断に客観的な根拠を持たせられます
  • BigQuery 上の SQL から実行でき、統計解析の専用ツールを別途用意する必要性を下げられます
  • 効果検証のサイクルを短縮でき、施策の改善スピードの向上に寄与します

📚 公式ソース

6. BigQuery — ML.METRICS でモデルを用意せずに評価指標を算出(Preview・2026年9月10日)

BigQuery の ML.METRICS 関数を使って、機械学習の分類(カテゴリの判定)や回帰(数値の予測)に関する評価指標を算出できるようになりました。実測値と予測値を含むテーブルやクエリであれば対象にでき、保存済みのモデルを作成・参照する必要がありません。本機能は Preview(プレビュー)段階です。

🔍 何が変わったのか

  • ML.METRICS 関数により、実測値と予測値を含む任意のテーブルまたはクエリに対して、分類・回帰タスクの評価指標を算出できるようになりました
  • 保存済みモデルの作成や参照をせずに、予測結果を評価できます
  • 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

データ分析担当者が、外部のツールや他システムで作成された予測結果の精度を BigQuery 上で確かめたい場面で活用できます。予測値と実測値が揃ったテーブルさえあれば評価指標を算出できるため、モデルの作成元を問わず、同じ物差しで精度を比較できます。複数のベンダーやチームが提供する予測結果を横並びで評価したい場面にも適しています。

✨ 導入メリット

  • モデルの登録や再学習が不要なため、精度評価に要する準備工数を削減できます
  • 作成元の異なる予測結果を共通の指標で比較でき、評価の客観性を高められます
  • 評価を BigQuery 内で完結でき、データの持ち出しを伴わずに検証を進められます

📚 公式ソース

7. BigQuery — 会話型分析が ML.CORRELATION による相関分析に対応(Preview・2026年9月10日)

BigQuery の会話型分析が、ML.CORRELATION 関数をサポートしました。テーブル内の対象列(target column)と、1 つ以上の指標列(metric columns)との間の統計的な相関を計算できます。相関とは、2 つの数値がどの程度連動して動くかを示す指標です。本機能は Preview(プレビュー)段階です。

🔍 何が変わったのか

  • BigQuery の会話型分析が ML.CORRELATION 関数に対応しました
  • テーブル内の対象列と 1 つ以上の指標列との統計的な相関を計算できます
  • 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

事業部門の企画担当者が、「解約率と関係が深そうな指標はどれか」「売上と連動している行動指標は何か」といった、当たりを付ける段階の分析を行いたい場面で活用できます。会話型分析の画面から自然言語で問いかけられるため、複数の指標をひとつずつ SQL で確認していく手間を省けます。分析の初期段階で、注目すべき指標を絞り込む用途に向いています。

✨ 導入メリット

  • SQL や統計の専門知識がなくても相関の確認を進められ、分析の入り口を広げられます
  • 複数の指標を一度に評価でき、探索的な分析にかかる時間を短縮できます
  • 注目すべき指標を早期に絞り込めるため、意思決定スピードの向上に寄与します

📚 公式ソース

8. Managed Service for Apache Kafka — パブリッククラスタとして構成可能に(2026年9月10日)

Google Cloud Managed Service for Apache Kafka(フルマネージドの Apache Kafka サービス)のクラスタを、パブリッククラスタとして構成できるようになりました。これにより、クライアントアプリケーションがパブリックインターネット経由で接続できるようになります。Apache Kafka は、大量のデータをリアルタイムに受け渡しするためのメッセージング基盤です。

🔍 何が変わったのか

  • Managed Service for Apache Kafka のクラスタを、パブリッククラスタとして構成できるようになりました
  • パブリッククラスタに構成すると、クライアントアプリケーションがパブリックインターネット経由で接続できます
  • 接続方法の詳細は、公式ドキュメントの「Connect clients to a public cluster」で案内されています

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

データ基盤の担当者が、Google Cloud のネットワーク外にあるシステムから Kafka へデータを送りたい場面で活用できます。オンプレミス環境のシステムや、他のネットワークで稼働するアプリケーションからのデータ取り込みを検討する際、専用線や VPN の構成を前提としない接続の選択肢が加わります。

✨ 導入メリット

  • ネットワーク構成の選択肢が広がり、データ連携の実現方式を柔軟に検討できます
  • 接続経路の準備に要するリードタイムを抑えられ、検証や初期導入を進めやすくなります
  • マネージドサービスとして提供されるため、Kafka クラスタ自体の運用負荷を抑えたまま利用できます

なお、パブリックインターネット経由の接続を伴う構成のため、導入にあたっては公式ドキュメントに記載された接続方法と、自社のセキュリティポリシーとの整合をご確認ください。

📚 公式ソース

9. Looker — VS Code 拡張機能が一般提供(GA・2026年9月10日)

Looker extension for VS Code(コードエディタ Visual Studio Code 向けの Looker 拡張機能)が一般提供(GA)になりました。ローカル環境での LookML(Looker でデータモデルを定義するための言語)開発に加え、Model Context Protocol(MCP)を利用した AI 支援による「vibe coding」が可能になります。MCP は、AI アシスタントが外部のツールやデータへ接続するための共通仕様です。

🔍 何が変わったのか

  • Looker extension for VS Code が一般提供(GA)になりました
  • ローカル環境での LookML 開発と、MCP を用いた AI 支援の「vibe coding」に対応します
  • 対話形式のオンボーディング ウォークスルー(導入手順を案内するガイド)が追加されました
  • ベアリポジトリ(作業ファイルを持たない形式の Git リポジトリ)からワークスペースを構成する機能がサポートされました
  • ローカルの Git ブランチと Looker の開発モード(Development Mode)との同期が強化されました
  • Kiro IDE での OAuth 対応と、API クライアントシークレットのより安全な保存が改善点として案内されています

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Looker のデータモデルを開発する担当者が、使い慣れた VS Code 上で LookML の編集からブランチ管理までを一貫して進めたい場面で活用できます。ローカルの Git ブランチと Looker の開発モードが同期されるため、コードの変更とダッシュボード上での確認を行き来する作業がスムーズになります。また、MCP を通じた AI 支援により、LookML の記述を対話的に進める開発スタイルも選べます。

✨ 導入メリット

  • GA として提供されるため、本番の開発フローへ組み込む計画を立てやすくなります
  • 使い慣れたエディタで開発でき、Git を用いたレビュー・変更履歴管理を標準の開発プロセスに載せられます
  • オンボーディング ウォークスルーにより、新しく参画したメンバーの立ち上がりを支援できます
  • API クライアントシークレットの保存方法が改善され、開発環境のセキュリティ強化に寄与します

📚 公式ソース

まとめ

2026年9月7日〜9月13日のデータ分析カテゴリは、BigQuery の分析系 AI 関数が一気に拡充された週でした。なかでも AI.CAUSAL_EFFECT(Preview) は、時系列データに対する施策の影響を定量化できる関数であり、「やってみたが効果が分からない」という状態から一歩踏み出すための手がかりになります。ML.METRICS(Preview) は保存済みモデルなしに評価指標を算出でき、予測結果の品質を共通の物差しで確かめる用途に向いています。さらに会話型分析が AI.PREDICT と ML.CORRELATION に対応したことで、SQL を書かずに予測や相関の確認を進められる範囲が広がりました。

基盤・ガバナンス面では、Knowledge Catalog のデータドメイン(Preview)がリソース整理の新しい手段となり、Managed Service for Apache Kafka のパブリッククラスタ対応がデータ連携のネットワーク構成に選択肢を加えています。開発の現場では Looker の VS Code 拡張機能が GA となり、LookML 開発を標準的なソフトウェア開発のプロセスに寄せやすくなりました。一方で Looker Mobile (Legacy) の廃止期日が2027年1月31日へ延期された点は、猶予が生まれた今のうちに移行計画を整理しておきたい告知です。いずれも自組織の状況に照らしてご判断いただくとよいでしょう。

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