はじめに
「分析結果を AI に聞けば返ってくる」「データパイプラインの不具合を AI が診断してくれる」——こうした運用が、少しずつ現実の選択肢になってきています。2026年8月24日〜8月30日の期間は、Looker の会話型分析や Managed Service for Apache Airflow の AI エージェント/MCP 連携、BigQuery のデータエージェント可観測性など、「AI とデータ基盤をつなぐ」アップデートが数多く発表されました。
本記事では、この期間に発表された Google Cloud のデータ分析カテゴリのアップデートから、特に注目したい主要トピック12件を厳選し、業務担当者・IT 部門・経営層の方々にわかりやすく解説します。Looker の細かな改善や修正などは、記事末尾の「その他のアップデート」でまとめてご紹介します。
特に Looker の会話型分析における検証済みクエリの一般提供(GA)、Managed Service for Apache Airflow の Orchestration Pipelines の GA、BigQuery Graph のコアグラフ処理に関するエディション要件の告知、そして BigQuery Data Transfer Service のセキュリティ情報 は、AI 活用の推進と将来の構成計画・セキュリティ対応の両面で押さえておきたい内容です。
| 対象期間 |
2026年8月24日〜2026年8月30日 |
| 対象製品 |
Google Cloud |
| 対象カテゴリ |
データ分析 |
| アップデート件数 |
12件(主要トピック) |
今回のアップデート一覧
アップデート詳細
1. Managed Service for Apache Airflow — リモート MCP サーバーが GA、Managed Airflow Agent がコンソールで利用可能に(2026年8月25日)
Managed Service for Apache Airflow(Google Cloud のマネージド Apache Airflow。データパイプラインの実行順序を管理するサービス)で、2 つの AI 連携機能が前進しました。Managed Airflow リモート MCP サーバー が一般提供(GA)になり、さらに Managed Airflow Agent が Google Cloud コンソールで利用できるようになりました。MCP(Model Context Protocol)は、AI エージェントが外部のツールやデータへ安全にアクセスするための共通の仕組みです。
🔍 何が変わったのか
- Managed Airflow リモート MCP サーバーが一般提供(GA)になりました
- Managed Airflow Agent が Google Cloud コンソールで利用できるようになりました
- このエージェントは、失敗した Airflow タスクや DAG 実行(パイプラインの実行)に関する問題の理解・診断・解決を支援します
- あわせて、環境の性能最適化や、既存/潜在的な問題・ボトルネック・改善余地の特定にも役立ちます
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
夜間バッチのデータパイプラインが失敗した際、原因調査に時間を取られているデータエンジニアが、エージェントに状況を確認しながら原因の切り分けを進めたい場面で活用できます。Airflow の運用経験が浅いメンバーが、ログの読み方に迷ったときの支えにもなります。
✨ 導入メリット
- 失敗タスクの診断をエージェントが支援するため、障害対応にかかる時間を短縮しやすくなります
- パイプライン運用の知見が特定の担当者に集中する状態(属人化)の解消に寄与します
- MCP サーバーが GA となり、AI エージェント連携を本番環境で計画しやすくなります
📚 公式ソース
2. BigQuery Data Transfer Service — JDBC ドライバの脆弱性に関するセキュリティ情報を公表(修正済み・顧客対応不要・2026年8月26日)
BigQuery Data Transfer Service(外部データを BigQuery へ定期的に取り込むサービス)の JDBC ドライバ(Java からデータベースへ接続する部品)に、不適切な入力検証(Improper Input Validation)の脆弱性が存在していたことが公表されました(深刻度: Critical、CVE-2026-12717)。
対象は 2026年5月1日より前のバージョン で、公式のセキュリティ情報では「お客様側での対応は不要」とされており、本脆弱性は2026年5月1日にすでに修正済みです(Google が管理するマネージドサービス側で修正が適用されています)。
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- 2026年5月1日より前のバージョンの JDBC ドライバに、不適切な入力検証の脆弱性(CVE-2026-12717、深刻度: Critical)が存在していました
- 認証済みの攻撃者が、細工した JDBC 接続文字列のパラメータを使うことで、コネクタのコンテナ内で任意のコード実行(リモートコード実行)を行い、テナントプロジェクト内で権限昇格を行える可能性がありました
- 本脆弱性は2026年5月1日に修正済みで、公式のセキュリティ情報では「お客様側での対応は不要」と明記されています
📚 公式ソース
3. BigQuery Graph — コアグラフ処理に Enterprise / Enterprise Plus の予約が必要に(2026年8月27日)
BigQuery Graph(BigQuery でグラフデータを扱う機能)の コアグラフ処理 について、Enterprise エディションまたは Enterprise Plus エディションの予約(reservation) が必要になることが告知されました。既に許可リスト(allowlist)に登録されている利用者は、2027年4月26日 までは Standard エディションまたはオンデマンド課金で利用を継続できますが、それ以降はこれらの課金モデルではコアグラフ処理がサポートされなくなります。
✨ 使えるようになる機能
- 新機能の追加ではなく、提供条件(必要なエディション・課金モデル)の変更に関する告知です。公式にハイライトされた新機能はありません
- なお、グラフの集計・分析に用いる Graph measures は、Enterprise / Enterprise Plus エディションに加えて、オンデマンド料金で実行するクエリでも引き続き利用できます(Measures は Standard エディションでは利用できません)
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- コアグラフ処理には、Enterprise または Enterprise Plus エディションの予約が必要になります
- 既存の許可リスト登録済み利用者は、2027年4月26日までは Standard エディションまたはオンデマンド課金での利用を継続できます
- 2027年4月26日以降、コアグラフ処理においてこれらの課金モデルはサポートされません(該当期日: 2027年4月26日)
🤔 判断観点
自組織の利用状況に照らして、以下の観点をご確認ください。
XIMIX として一律の対応を推奨するものではなく、状況に応じたご判断の材料としてご参照ください。
- 影響範囲: BigQuery Graph のコアグラフ処理を、Standard エディションまたはオンデマンド課金で利用しているか
- 時間的猶予: 該当期日は2027年4月26日であり、現時点で即時の影響はないこと
- 検証推奨事項: 該当する場合、Enterprise / Enterprise Plus エディションの予約への移行、または代替となる処理方式の検討
- コスト観点: エディション・予約の利用に伴う料金体系の違いの確認
- 機能の切り分け: 用途が Graph measures のみで足りる場合は、オンデマンド料金でも継続利用できる点を踏まえた整理
📚 公式ソース
4. Looker — 会話型分析の「検証済みクエリ」が一般提供(GA・2026年8月28日)
Looker(Google Cloud の BI・データ可視化プラットフォーム)の Conversational Analytics(会話型分析) で、検証済みクエリ(verified queries)——通称 golden queries ——が一般提供(GA)になりました。あわせて、Looker(Google Cloud core) のインスタンスでも検証済みクエリを定義できるようになりました。
🔍 何が変わったのか
- 会話型分析の検証済みクエリ(golden queries)が一般提供(GA)になりました
- Looker(Google Cloud core)インスタンスでも検証済みクエリを定義できるようになりました
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
「今月の売上は?」といった社内でよく聞かれる質問に対し、AI が正しい集計ロジックで答えるようにしたいデータ活用推進担当者が、想定質問と正しいクエリの組み合わせをあらかじめ登録しておく場面で活用できます。担当者が変わっても、同じ問いに同じ答えが返る状態を整えられます。
✨ 導入メリット
- よく使う問いに対する回答の一貫性を高め、部門間で数値の解釈がぶれるリスクを下げられます
- 非エンジニアの利用者が自然言語で分析でき、データ活用の裾野が広がります
- GA として提供され、Looker(Google Cloud core)を含む本番環境での展開を計画しやすくなります
📚 公式ソース
5. Managed Service for Apache Airflow — Orchestration Pipelines が一般提供(GA・2026年8月28日)
Managed Service for Apache Airflow の Orchestration Pipelines が一般提供(GA)になりました。
データや AI のワークフローを実行し、そのためのリソースをプロビジョニング(用意)するための機能です。
🔍 何が変わったのか
- Orchestration Pipelines が一般提供(GA)になりました
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
データ取り込みから加工、AI モデルの実行までを一連の流れとして自動化したいデータエンジニアが、パイプラインの実行と必要なリソースの準備をまとめて扱いたい場面で活用できます。個別の環境構築を都度行う手間を減らせます。
✨ 導入メリット
- データ・AI のワークフロー実行とリソース準備を一体で扱え、運用の見通しが良くなります
- GA として提供され、本番環境での利用を計画しやすくなります
- マネージドサービス上で動くため、基盤運用の負荷を抑えたままパイプラインを増やせます
📚 公式ソース
6. BigQuery — データエージェントの性能・利用状況・コストを監視できるように(Preview・2026年8月24日)
BigQuery(Google Cloud のクラウド型データウェアハウス)で作成した データエージェント(自然言語でデータに問いかけられる AI エージェント)について、Google Cloud Observability(Google Cloud の監視・可観測性サービス)を使って、性能・利用状況・レイテンシ(応答までの時間)・コストを監視できるようになりました。エージェントとの会話単位でも確認できます。本機能は Preview(プレビュー)段階です。
🔍 何が変わったのか
- BigQuery のデータエージェントとその会話について、性能・採用状況(利用の広がり)・レイテンシ・コストを Google Cloud Observability で監視できるようになりました
- 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
社内にデータエージェントを展開したデータ活用推進担当者が、「どれだけ使われているか」「応答は十分に速いか」「コストはどの程度か」を把握したい場面で活用できます。導入効果の説明資料づくりや、改善ポイントの特定に役立ちます。
✨ 導入メリット
- 利用状況を数値で把握でき、AI 活用の投資判断や社内展開の説明がしやすくなります
- レイテンシとコストを可視化でき、利用者体験と費用のバランスを検討しやすくなります
- 会話単位で確認できるため、うまく機能していない使い方の発見につながります
📚 公式ソース
7. BigQuery — データガバナンスタグが Terraform に対応(Preview・2026年8月25日)
BigQuery の データガバナンスタグ(テーブルや列に「機密情報」などの意味づけを行い、管理・統制に活用するしくみ)が、Terraform(インフラ構成をコードで管理するツール)でサポートされました。本機能は Preview(プレビュー)段階です。
🔍 何が変わったのか
- BigQuery のデータガバナンスタグを、Terraform を使って構成できるようになりました
- 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
データガバナンスのルールをコードで一元管理したいデータ基盤担当者が、タグの付与ルールを手作業ではなく構成管理の中に組み込みたい場面で活用できます。環境を複製する際も、同じガバナンス設定を再現できます。
✨ 導入メリット
- タグ設定をコード化でき、設定漏れや人手による作業ミスを減らせます
- 開発・検証・本番など複数環境で同じガバナンス設定を再現しやすくなります
- 変更履歴がコードとして残り、監査対応や属人化の解消に寄与します
📚 公式ソース
8. Cloud SQL for PostgreSQL — Database Center の「Assessments」で推奨設定の効果を事前検証(Preview・2026年8月25日)
Database Center(Google Cloud のデータベース群を統合管理するサービス)の Assessments(アセスメント) を使い、データベースに対する推奨設定を 本番環境へ適用する前に、その性能への影響を評価・テストできるようになりました。対象は Cloud SQL for PostgreSQL で、Preview(プレビュー)段階です。
🔍 何が変わったのか
- Assessments のワークフローでは、次の処理が実行されます
- (1)データベースインスタンスのクローン(複製)を作成します
- (2)そのクローンに対してベンチマークのシミュレーションテストを実行します
- (3)クローンのベースライン性能と、推奨された設定変更を適用した後の性能を比較します
- 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
本番データベースの設定変更に慎重を期したいデータベース管理者が、「推奨された設定を適用すると実際にどれだけ速くなるのか」を、本番に触れずに確かめたい場面で活用できます。変更提案の社内承認を得る際の根拠づくりにも使えます。
✨ 導入メリット
- 本番環境に影響を与えずに性能影響を確認でき、変更に伴うリスクを抑えられます
- ベースラインとの比較結果が得られるため、効果を数値で説明しやすくなります
- 検証環境を都度自前で用意する手間が減り、運用担当者の負荷を軽減できます
📚 公式ソース
9. BigQuery — Python UDF のログを Cloud Logging でリアルタイム確認(GA・2026年8月26日)
BigQuery の Python UDF(ユーザー定義関数。Python で独自の処理を書き、SQL から呼び出せる機能)について、実行時のログを Cloud Logging(Google Cloud のログ管理サービス)でリアルタイムに確認できるようになりました。本機能は一般提供(GA)です。
🔍 何が変わったのか
- Python UDF のリアルタイムログを Cloud Logging で閲覧できるようになりました
- 本機能は一般提供(GA)です
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
Python UDF で独自のデータ加工処理を実装しているデータエンジニアが、期待どおりに動かないときの原因を調べたい場面で活用できます。ログを見ながら処理の途中経過を確認でき、試行錯誤のサイクルを回しやすくなります。
✨ 導入メリット
- 実行中のログをリアルタイムで確認でき、不具合の原因特定にかかる時間を短縮できます
- Cloud Logging に集約されるため、他のサービスのログとあわせた運用監視を組み立てやすくなります
- GA として提供され、本番環境での利用を計画しやすくなります
📚 公式ソース
7. Knowledge Catalog — dbt Core と MetricFlow のメタデータ取り込みに対応(Preview・2026年8月26日)
Knowledge Catalog(旧 Dataplex Universal Catalog。Google Cloud のデータカタログ・ガバナンスサービス)が、dbt Core と MetricFlow からのメタデータ取り込みに対応しました。dbt はデータ変換を SQL で管理するツール、MetricFlow は指標(メトリクス)の定義を管理する仕組みです。本機能は Preview(プレビュー)段階です。
🔍 何が変わったのか
- dbt Core の成果物(artifacts)から、技術的メタデータ・セマンティック(MetricFlow)メタデータ・運用メタデータ・データ品質メタデータ・リネージ(データの来歴)を抽出し、Knowledge Catalog へ取り込めるようになりました
- 取り込みには gcloud alpha dataplex dbt metadata-jobs コマンドを使用します
- 本機能は Preview(プレビュー)段階での提供です
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
dbt でデータ変換を管理しているデータチームが、「この指標はどのテーブルから、どのような加工を経て算出されているのか」を全社的なカタログ上で確認できるようにしたい場面で活用できます。データ利用者からの問い合わせ対応にも役立ちます。
✨ 導入メリット
- dbt 側の定義と Google Cloud のカタログがつながり、データの来歴を追跡しやすくなります
- 指標の定義がカタログ上で共有され、部門間で数値の解釈がずれるリスクを下げられます
- メタデータの二重管理を減らし、データガバナンス運用の負荷を抑えられます
📚 公式ソース
11. Cloud SQL — Private Service Connect の構成が簡単に(MySQL / PostgreSQL / SQL Server・2026年8月27日)
Cloud SQL(Google Cloud のマネージドリレーショナルデータベース)で、Private Service Connect(インターネットを経由せず、自社の仮想ネットワーク内から安全にサービスへ接続する仕組み)の構成がより簡単になりました。MySQL・PostgreSQL・SQL Server の 3 つのエンジンで同日に発表されています。
🔍 何が変わったのか
- Private Service Connect を有効にしたインスタンスを作成する際、Private Service Connect で使用したい VPC ネットワーク内に、サービス接続ポリシーとエンドポイントを自動で作成する選択ができるようになりました
- Cloud SQL for MySQL / Cloud SQL for PostgreSQL / Cloud SQL for SQL Server が対象です
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
セキュリティポリシー上、データベースへの接続を閉域(プライベートな経路)に限定したいインフラ担当者が、新しい Cloud SQL インスタンスを立ち上げる場面で活用できます。従来は接続ポリシーとエンドポイントを個別に用意する必要がありましたが、インスタンス作成時にまとめて構成できます。
✨ 導入メリット
- ネットワーク側の設定をインスタンス作成時に自動化でき、構築工数と設定漏れを減らせます
- 閉域接続の構成を標準化しやすくなり、セキュリティ強化を進めやすくなります
- 3 つのエンジンで同様に利用でき、社内の構成方針を統一しやすくなります
📚 公式ソース
12. Looker — CI の連携先が拡大(dbt Cloud CI / GitLab CI / Bitbucket Pipelines / GitHub Actions・2026年8月28日)
Looker の Continuous Integration(CI・継続的インテグレーション) について、外部の開発ワークフローとの連携が広がりました。dbt Cloud の CI ジョブ完了時に CI スイートを自動実行できるようになり、さらに GitLab CI / Bitbucket Pipelines / GitHub Actions のワークフローから、Looker API と公式の Looker Python SDK(looker-sdk)を使って CI を起動できるようになりました。
🔍 何が変わったのか
- dbt Cloud の CI ジョブが完了したタイミングで、Looker の CI スイートを自動実行するよう構成できるようになりました
- この CI スイートの実行により、dbt モデルの変更が Looker の Explore で SQL エラーを引き起こすかどうかを、dbt の変更をデプロイする前に検証できます
- Looker の CI は、Looker API と公式 Looker Python SDK(looker-sdk)を使って、GitLab CI・Bitbucket Pipelines・GitHub Actions のワークフローから起動できます。設定手順とサンプルスクリプトが公式ドキュメントに掲載されています
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
dbt でデータモデルを変更した際、後から Looker のダッシュボードがエラーになる事故を防ぎたいデータチームが、変更のデプロイ前に自動検証を挟みたい場面で活用できます。既に GitHub Actions などを使っている組織なら、既存のワークフローに組み込めます。
✨ 導入メリット
- データモデルの変更に起因するダッシュボードの不具合を、デプロイ前に検知しやすくなります
- 既存の CI ツールにそのまま組み込めるため、開発プロセスの分断を避けられます
- 手作業の確認を自動化でき、品質とスピードを同時に高めやすくなります
📚 公式ソース
その他のアップデート
上記の主要トピック以外にも、この期間には機械学習・データベース運用・Looker の機能改善に関する情報が多数発表されています。自組織の利用状況に応じてご確認ください。
BigQuery・データベース関連
Looker 関連(すべて2026年8月28日)
- Advanced Unused Content Cleanup が一般提供(GA): 使われていないコンテンツを整理する機能が GA になりました。Manage unused content
- MongoSQL への接続をサポート: 従来の MongoDB Connector for BI への既存接続も引き続き完全にサポートされますが、Looker は MongoSQL ダイアレクトへの更新を推奨しています。なお、MongoDB Connector for BI の非推奨化が決まった場合は、その 1 年前にサービス告知が送付されるとされています。MongoSQL / Migrating to MongoSQL
- LookML Explore からデータベース内分析モデルを定義(Preview): derived_analytic_model パラメータの model_source サブパラメータを使い、既存の LookML Explore から Looker 管理のデータベース内分析モデルを定義できます。Explore のトポロジ、foreign_key で定義された結合、ディメンション、メジャーが、BigQuery Graphs や Snowflake のセマンティックビューといったデータベース内分析モデルへ自動変換されます。derived_analytic_model
- LookML ダッシュボード上でデータエージェントと対話(Preview): LookML ダッシュボード上でデータエージェントを定義し、対話できるようになりました。利用には「Gemini in Looker」管理ページで Conversational Analytics と Enable Dashboard Agents の設定を有効にする必要があります。Data agents on a LookML dashboard
- New/Edit Roles Enhancement(Preview): 管理パネルの Users セクションにある Roles ページで、ロール作成・編集の手順型(ステップバイステップ)の新しい画面が利用できます。Creating and editing roles
- Google Maps Enhancements(Preview)の機能追加: Dual-axis Map オプションが点(points)と円(circles)に対応し、TopoJSON ファイルの URL を指定してカスタムマップレイヤを設定できるようになりました。Google map options
- JDBC 追加パラメータの許可値を明示: データベース接続時に追加の JDBC パラメータを指定できますが、セキュリティ維持のため一部パラメータは許可値が制限されます。制限のあるパラメータの許可値は、各ダイアレクトのデータベース構成手順ページの「Supported JDBC parameters」セクションに記載されています。Additional JDBC parameters
- マージクエリタイルの編集がダッシュボード内で完結: New Looker Explore と Merge Query Experience の Preview 機能を有効にしている場合、ダッシュボード上のマージクエリタイルを編集すると、新しいタブではなくダッシュボード編集キャンバス内で「Join data」ページが開きます。Merge queries in the new Explore
- 会話型分析の System Activity ダッシュボードに観測情報を追加: Token usage タブに、トークン使用量が多い上位ユーザー・上位会話の情報が追加され、データエージェントの種類も指標上で示されるようになりました。System Activity dashboards
- 修正: ダッシュボードタブのタイル実行タイミング: ダッシュボードのタブ上に配置されたタイルは、そのタブを開いたときにのみ実行されるようになりました。Tabbed dashboards
- 修正: ダッシュボードのパラメータフィルタ: 既定値を決める際に、手動で制限したオプションリストを正しく反映するようになりました。これにより、意図的に画面上で非表示にしていた LookML の既定値へフィルタが戻ってしまう挙動が解消されます。Release notes - August 28, 2026
- Looker 26.14 で自動有効化される機能の告知: Looker 26.14 で稼働する Looker(original)インスタンスに対し、2026年8月24日から8月26日にかけて対象機能が自動的に有効化されるとの告知がありました。Release notes - August 28, 2026
まとめ
2026年8月24日〜8月30日のデータ分析カテゴリは、AI エージェントをデータ基盤の運用と分析の中核に据える動きが一段と進んだ週でした。Looker の会話型分析における検証済みクエリの GA は、AI による分析結果の一貫性を担保するための実務的な一手です。Managed Service for Apache Airflow の Managed Airflow Agent と MCP サーバー GA、BigQuery のデータエージェント可観測性(Preview) も、AI 活用を「試す」段階から「運用に組み込む」段階へ進めるための材料になります。
一方で、BigQuery Data Transfer Service の JDBC ドライバに関するセキュリティ情報(GCP-2026-056) や、BigQuery Graph のコアグラフ処理に関するエディション要件(該当期日: 2027年4月26日) のように、自社の利用状況を点検しておきたい告知も含まれます。前者はすでに修正済みで顧客対応は不要のため社内報告・棚卸しの観点で、後者は中期的な構成計画の検討という位置づけで、それぞれ自組織の状況に照らしてご判断いただくとよいでしょう。
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