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Google Cloud アップデート情報 | データ分析 (2026年7月13日〜2026年7月19日)

作成者: XIMIX Google Cloud チーム|2026.07.24

はじめに

データを起点にした意思決定が広がるなか、Google Cloud のデータ分析サービスは「専門家でなくても扱える」「安心して運用できる」方向へ進化を続けています。2026年7月13日〜7月19日の期間は、BigQuery を中心に、SQL や AI を活用した分析機能、データ連携、ガバナンスまで幅広いアップデートが発表されました。

本記事では、この期間に発表されたデータ分析カテゴリのアップデートから、特に注目したい主要トピック 10 件を抜粋し、業務担当者・IT 部門・経営層の方々にわかりやすく解説します。セキュリティ速報やバージョン系の告知などは、記事末尾の「その他のアップデート」でまとめてご紹介します。

特に BigQuery の Apache Iceberg 管理テーブルの機能拡張(GA) や、Datastream の新しいアプリケーションソース対応Knowledge Catalog のデータリネージ取り込み制御(GA) は、データ活用とガバナンスの両面で押さえておきたいアップデートです。

対象期間 2026年7月13日〜2026年7月19日
対象製品 Google Cloud
対象カテゴリ データ分析
アップデート件数 10件(主要トピック)

今回のアップデート一覧

アップデート詳細

1. BigQuery — Iceberg 管理テーブルや移行支援など複数機能を拡充(2026年7月13日)

BigQuery(Google Cloud のクラウド型データウェアハウス)では、7月13日に多くの機能が公開されました。データレイクとの連携や移行支援、画面の使い勝手、リソース管理まで、分析基盤の土台を広く強化するアップデートです。

🔍 何が変わったのか

  • Apache Iceberg 管理テーブル で、テーブルのパーティション分割、複数ステートメントのトランザクション、advanced runtime が一般提供(GA)になりました。Iceberg はオープンなテーブル形式で、データレイク上のデータを効率よく扱えます
  • BigQuery Migration Service の MCP サーバー を使い、SQL の翻訳(GoogleSQL 構文への変換、SQL からの DDL 生成、翻訳内容の説明)を実行できるようになりました(GA)
  • Salesforce 向け BigQuery Data Transfer Service の増分データ転送が GA になりました
  • BigQuery の Overview(概要)ページ が GA になりました。チュートリアルや機能・リソースを見つけられる入り口として、習熟度に応じたガイドを提供します
  • ALTER SEARCH INDEX の DDL ステートメントで、検索インデックスの構成を更新できるようになりました(Preview)
  • プロジェクトキャップ(スケジューリングポリシー) により、BigQuery 予約内でプロジェクトごとの最大スロット数と同時実行数を制限できます(Preview)

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

データレイクとデータウェアハウスを併用するデータエンジニアは、Iceberg 管理テーブルの機能拡張により、オープンな形式のまま高度なテーブル運用を進められます。既存データベースからの移行を検討する担当者は、MCP サーバーを使った SQL 翻訳で移行作業の負荷を抑えられます。予約を運用する IT 管理者は、プロジェクトキャップでコストと処理量のばらつきを管理しやすくなります。

✨ 導入メリット

  • Iceberg 管理テーブルの機能拡張により、データレイク上のデータをより柔軟かつ堅牢に扱えます
  • SQL 翻訳の自動化や Salesforce の増分転送で、移行・連携にかかる手間を減らせます
  • プロジェクトキャップにより、予約リソースの使いすぎを抑え、コスト最適化とガバナンスを両立しやすくなります

📚 公式ソース

2. Cloud SQL for MySQL — パラメータ化セキュアビューに対応(Preview・2026年7月13日)

Cloud SQL for MySQL(Google Cloud のマネージド MySQL データベース)で、パラメータ化セキュアビュー を作成・クエリできるようになりました(Preview)。セッション変数を参照する MySQL ビューを作成し、データアクセスを柔軟に管理できます。

🔍 何が変わったのか

  • セッション変数を参照する パラメータ化セキュアビュー を作成・クエリできます
  • あらかじめ定めた範囲のデータに対し、単一のビューで複数のクエリに対応でき、ユーザーごとに静的なビュー定義を複数用意する必要がなくなります
  • 利用には Cloud SQL for MySQL 8.0.43 以降、およびメンテナンスバージョン R20260320.00_20 以降が必要です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

部門やユーザーごとに参照できるデータ範囲を分けたいデータベース管理者が、アクセス制御を効率よく実装したい場面で活用できます。従来はユーザー別に複数のビューを用意していたケースを、単一のパラメータ化ビューへ集約できます。

✨ 導入メリット

  • 単一のビューで複数の利用者・クエリに対応でき、ビュー定義の管理負荷を抑えられます
  • セッション変数を用いた柔軟なアクセス制御により、データアクセスの統制を高めやすくなります

📚 公式ソース

3. Managed Service for Apache Spark — Confidential Compute 対応とランタイム調整(2026年7月13日)

Managed Service for Apache Spark(Google Cloud のフルマネージド Apache Spark。旧 Google Cloud Serverless for Apache Spark/Dataproc on Compute Engine)で、機密性の高い処理向けの対応と、ランタイムの動作調整が行われました。

🔍 何が変わったのか

  • クラスターイメージバージョン 2.1・2.2・2.3 が、g4-standard-48 GPU マシンタイプで Confidential Compute(実行中データを保護する機密コンピューティング)に対応しました
  • 3.0 ランタイムのエグゼキュータ数の既定値が見直され、より少ないエグゼキュータで動作するよう調整されました
  • すべてのランタイムで、リスナーバスの終了タイムアウトが 30 秒に設定されました

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

大規模なデータ処理や機械学習の前処理を Spark で行うデータエンジニアが、機密性の高いデータを扱う際に Confidential Compute を活用できます。ランタイムの調整は、リソースの使い方を見直したいワークロードで役立ちます。

✨ 導入メリット

  • Confidential Compute への対応により、実行中データの保護要件があるワークロードにも対応しやすくなります
  • エグゼキュータ数の調整により、リソース利用の効率化を検討しやすくなります

📚 公式ソース

4. BigQuery — 会話型分析が AI.AGG 関数と HIPAA 準拠に対応(2026年7月14日)

BigQuery会話型分析(conversational analytics) が、AI を使った集計関数への対応と、医療分野の規格への準拠を進めました。自然な言葉での分析と、コンプライアンス対応の両面が強化されています。

🔍 何が変わったのか

  • 会話型分析が AI.AGG 関数 をサポートしました(Preview)。この関数は、データをまとめて AI に分析させる集計処理に用います
  • Gemini in BigQuery の一部として、会話型分析が HIPAA(米国の医療情報保護に関する規格)準拠に対応しました

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

SQL に不慣れなビジネス担当者が、自然な言葉で BigQuery のデータを分析したい場面で活用できます。医療・ヘルスケア分野など、規格準拠が求められる領域でも、会話型分析を検討しやすくなります。

✨ 導入メリット

  • AI を使った集計を会話型分析に取り込め、より柔軟な分析を言葉で進められます
  • HIPAA 準拠への対応により、規格要件のある領域でも会話型分析を活用しやすくなります

📚 公式ソース

5. Bigtable — ホットタブレット診断の MCP ツールが GA(2026年7月14日)

Bigtable(Google Cloud の NoSQL 大規模テーブルデータベース)で、AI エージェントがクラスターの健全性をプログラムから照会できる list_hot_tablets MCP ツール が一般提供(GA)になりました。負荷の偏りを特定し、ノードの過負荷を検知できます。

🔍 何が変わったのか

  • AI エージェントが list_hot_tablets という MCP(Model Context Protocol)ツールを使い、Bigtable クラスターの健全性を照会できるようになりました(GA)
  • リソースを多く消費するタブレット(ホットタブレット)を切り分け、ノード CPU の過負荷を検知できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Bigtable を運用する IT 管理者や開発者が、性能上のボトルネックを調査する場面で活用できます。AI エージェントに診断作業を任せることで、負荷の偏りの発見や原因の切り分けを効率化できます。

✨ 導入メリット

  • ホットタブレットの特定とノード過負荷の検知により、性能問題の調査を素早く進められます
  • AI エージェントに診断作業を委ねられ、運用担当者の負荷を抑えられます

📚 公式ソース

6. BigQuery — データガバナンスタグで列レベルのセキュリティを強化(Preview・2026年7月15日)

BigQueryデータガバナンスタグ をサポートしました(Preview)。列レベルのセキュリティやデータマスキングを適用でき、機微な列に条件付きアクセスを設定できます。

🔍 何が変わったのか

  • データガバナンスタグ により、列レベルのセキュリティとデータマスキングを適用できます
  • これは Resource Manager タグの一種で、機微な列に付与し、BigQuery のデータポリシーで条件付きアクセスを付与できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

個人情報や機微なデータを含むテーブルを扱うデータガバナンス担当者が、列単位でアクセス制御やマスキングを整備したい場面で活用できます。タグを軸に、統一的なポリシー運用を進められます。

✨ 導入メリット

  • 列レベルのセキュリティとマスキングをタグで管理でき、機微データの保護を進めやすくなります
  • タグとデータポリシーの組み合わせにより、条件付きアクセスの運用を標準化しやすくなります

📚 公式ソース

7. Cloud Data Fusion — バージョン 6.11.1.4 が GA(2026年7月15日)

Cloud Data Fusion(Google Cloud のノーコード ETL/ELT パイプラインサービス)で、バージョン 6.11.1.4 が一般提供(GA)になりました。複数の不具合修正と使い勝手の改善が含まれます。

🔍 何が変わったのか

  • Cloud Data Fusion 6.11.1.4 が GA になりました
  • 正常完了した Dataproc ジョブが誤って失敗と表示される競合状態や、パイプライン一覧ページが固まる不具合が修正されました
  • ログダウンロードのセキュリティ脆弱性が、リクエストパスやクエリパラメータの検証強化により修正されました
  • Wrangler の既定の閲覧上限が 2,000 件に引き上げられました

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Cloud Data Fusion でデータパイプラインを構築・運用するデータエンジニアが、安定性やセキュリティを重視して最新バージョンの適用を検討する場面で参考になります。Wrangler で大量データを扱う際の操作性も向上します。

✨ 導入メリット

  • ジョブ状態の誤表示やページの固まりなどが解消され、運用の安定性が高まります
  • ログダウンロードの脆弱性修正により、セキュリティ面の安心感が高まります
  • Wrangler の閲覧上限拡大により、より多くのデータを一度に確認しやすくなります

📚 公式ソース

8. Datastream — ServiceNow など新しいアプリケーションソースに対応(Preview・2026年7月15日)

Datastream(Google Cloud の CDC・リアルタイムレプリケーションサービス)が、新たに複数のアプリケーションソースからの変更データレプリケーションに対応しました(Preview)。SaaS 上のデータを分析基盤へ取り込みやすくなります。

🔍 何が変わったのか

  • 次のアプリケーションソースからの変更データをレプリケーションできるようになりました(Preview)
    • ServiceNow
    • Salesforce Marketing Cloud
    • Microsoft Dataverse

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

ServiceNow や Salesforce Marketing Cloud、Microsoft Dataverse のデータを分析基盤に集約したいデータエンジニアが活用できます。業務 SaaS のデータを継続的に取り込み、BigQuery などで横断分析する用途に適しています。

✨ 導入メリット

  • 主要な業務 SaaS のデータを継続的に取り込め、分析対象を広げられます
  • 変更データのレプリケーションにより、鮮度の高いデータを分析に活用しやすくなります

📚 公式ソース

9. Oracle Database@Google Cloud — Autonomous AI Database のクローンに対応(GA・2026年7月16日)

Oracle Database@Google Cloud(Google Cloud 上で提供される Oracle データベースサービス)が、Autonomous AI Database のクローン作成に対応しました(GA)。Google Cloud CLI と API を使って各種のクローンを作成できます。

🔍 何が変わったのか

  • Autonomous AI Database で、フルクローン・メタデータクローン・リフレッシュ可能クローンを作成できます
  • クローンの作成は Google Cloud CLI と API から実行できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Oracle Database@Google Cloud を利用する IT 担当者が、本番環境のデータを使って検証・開発環境を素早く用意したい場面で活用できます。用途に応じてクローンの種類を選べます。

✨ 導入メリット

  • 目的に応じたクローンを作成でき、検証・開発環境の準備を効率化できます
  • CLI・API から操作でき、環境構築の自動化を検討しやすくなります

📚 公式ソース

10. Knowledge Catalog — データリネージの取り込み制御が GA(2026年7月17日)

Knowledge Catalog(旧 Dataplex Universal Catalog。データカタログ・ガバナンスサービス)で、データリネージ(データの来歴) の取り込みを組織・フォルダ・プロジェクトの各レベルで制御できるようになりました(GA)。対象は BigQuery、Managed Service for Apache Spark、Managed Service for Apache Airflow です。

🔍 何が変わったのか

  • データリネージの取り込みを、組織・フォルダ・プロジェクトのレベルで制御できます(GA)
  • 対象サービスは BigQuery、Managed Service for Apache Spark、Managed Service for Apache Airflow です

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

全社のデータガバナンスを担う担当者が、どの範囲でデータリネージを収集するかを組織階層に合わせて制御したい場面で活用できます。必要な範囲に絞って来歴を管理することで、統制と運用効率を両立できます。

✨ 導入メリット

  • 取り込み範囲を階層ごとに制御でき、組織のポリシーに沿ったリネージ管理を進められます
  • データの来歴を把握しやすくなり、影響範囲の調査やガバナンス強化につながります

📚 公式ソース

その他のアップデート

上記の主要トピック以外にも、この期間にはセキュリティ速報や運用上の告知、バージョン系の情報が発表されています。自組織の利用状況に応じてご確認ください。

  • セキュリティ速報 GCP-2026-047(BigQuery・Dataform・Colab Enterprise)(2026年7月13日): これらのリポジトリで、認可の欠落(Missing Authorization)に関する脆弱性が確認されました。認証済みの攻撃者が権限を昇格し、テナントをまたいだリポジトリの乗っ取りを行える可能性があるとされています。詳細と対応は公式のセキュリティ速報をご確認ください。GCP-2026-047 security bulletin
  • Looker(Google Cloud core)リリースチャンネルの展開(2026年7月13日): Rapid / No Channel チャンネルで Looker 26.12、Regular チャンネルで Looker 26.10 の展開が始まりました。Google Cloud release notes - July 13, 2026
  • Looker — OpenJDK 21 への対応(2026年7月17日): Looker 26.8 以降で Java OpenJDK 21 に対応しました。Looker がホストするインスタンスはアップグレード済みで、顧客ホスト型インスタンスは OpenJDK 21 へのアップグレードが案内されています。OpenJDK 21 へのアップグレード(Looker)
  • Managed Service for Apache Airflow(Managed Airflow Gen 3)の既知の問題(2026年7月13日): Airflow 2.11.1(composer-3-airflow-2.11.1-build.7 以降)のビルドで、Airflow ウェブサーバーが最低 3 GB のメモリを必要とします。メモリが不足すると断続的な OOM(メモリ不足)が発生する可能性があり、ウェブサーバーのメモリを 3 GB 以上に増やすことが推奨されています。ウェブサーバーのメモリを増やす(Cloud Composer)

まとめ

2026年7月13日〜7月19日のデータ分析カテゴリは、BigQuery を中心とした分析・連携機能の拡充と、ガバナンス・セキュリティの強化が大きなテーマでした。BigQuery の Apache Iceberg 管理テーブルの GA会話型分析の AI.AGG・HIPAA 対応は、データレイク活用や規格対応を後押しします。Datastream の新しいアプリケーションソース対応は、業務 SaaS のデータ活用の幅を広げます。

また、Cloud SQL for MySQL のパラメータ化セキュアビューBigtable のホットタブレット診断ツールCloud Data Fusion 6.11.1.4 の GAOracle Database@Google Cloud のクローン対応Knowledge Catalog のデータリネージ取り込み制御など、データ基盤全体で運用性とガバナンスが高まっています。Preview の機能も多く含まれるため、まずは検証環境での確認から、自組織の利用状況に照らしてご検討ください。

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参考資料