はじめに
2026年9月第3週の Google Cloud AI カテゴリでは、利用できるモデルの選択肢が広がる一方で、契約条件やライブラリの前提も切り替わりました。Anthropic の Cyber Verification Program が Preview で提供され、検証を受けた組織が防御目的のサイバーセキュリティ業務で Claude モデルを利用できるようになりました。xAI の Grok 4.6 は正式提供(GA)となり、本番利用が可能になっています。一方で Gemini 2.5 Flash Image の提供終了日が更新され、Agent Platform SDK for Python 2.0.1 では破壊的変更を伴う構成変更が入りました。Gemini Enterprise の新規・更新サブスクリプションに Gemini Code Assist が含まれなくなるという、契約面の変更も公開されています。
本記事では、2026年9月14日〜9月20日に公式リリースノートで発表された Google Cloud AI カテゴリの36件のアップデートを、読者価値の高い単位に整理した主要トピック17項目として、リリース日順に解説します。定型のリリース告知や同一内容の重複掲載はまとめたうえで、各項目に公式ドキュメントと該当日のリリースノートへのリンク、想定ユースケース、業務上のメリットを添えています。
コンタクトセンター基盤の Google Cloud CCaaS では、バージョン 6.13 と高度なレポートダッシュボード 6.4 が正式リリースされました。このうち 6.4 については、前週の記事でプレリリースノート(提供前の予告情報)としてご紹介した内容が、今回提供開始となっています。経営層の方は「どのモデル・どの契約条件を前提に AI 活用を計画するか」、IT 担当者の方は「提供終了日・破壊的変更・適用スケジュールをどう社内計画へ落とすか」という視点で読み進めると、判断の材料を拾いやすくなります。
| 対象期間 |
2026年9月14日〜2026年9月20日 |
| 対象製品 |
Google Cloud |
| 対象カテゴリ |
AI |
| アップデート件数 |
36件(主要トピック17項目として整理して解説) |
今回のアップデート一覧
アップデート詳細
1. Gemini Enterprise Agent Platform — Gemini モデルの非推奨・提供終了日が更新
Gemini Enterprise Agent Platform(機械学習・生成 AI を統合的に扱う Google Cloud のプラットフォーム)で、以下の 2 つの Gemini モデルについて、非推奨(deprecated)と提供終了(retirement)の日付が更新されました(2026年9月14日)。非推奨とは「新規利用は推奨されないが、当面は使える状態」、提供終了とは「その日を過ぎると利用できなくなる」ことを指します。
🔍 何が変わったのか
| 対象モデル |
更新された日付 |
Gemini 2.5 Flash Image (gemini-2.5-flash-image) |
非推奨となり、提供終了は 2027年3月15日に予定されています(2026年10月2日から延長)。移行先として Gemini 3.1 Flash-Lite Image(gemini-3.1-flash-lite-image)が案内されています |
Gemini 3.1 Flash-Lite Image (gemini-3.1-flash-lite-image) |
提供終了日は 2027年6月28日以降に予定されています |
✨ 使えるようになる機能
- Gemini 2.5 Flash Image の提供終了日が、2026年10月2日から2027年3月15日へ延長されました。移行の検討・実施に充てられる期間が長くなっています
- 移行先として Gemini 3.1 Flash-Lite Image が公式に案内されており、こちらの提供終了日は2027年6月28日以降とされています
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- Gemini 2.5 Flash Image は非推奨の状態であり、2027年3月15日に提供終了が予定されています
- 提供終了後もそのモデルを呼び出す前提のアプリケーションは、動作の前提が失われることになります
- 今回の公開情報は日付の更新に関するもので、機能面の変更は示されていません
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
画像生成を業務に組み込んでいる企業の開発部門・マーケティング部門が対象です。たとえば商品画像のバリエーション生成や、販促資料用のビジュアル作成を自動化している仕組みでは、呼び出しているモデル名がアプリケーションの設定やコードに書き込まれています。今回の日付更新により、いつまでに移行作業を終える必要があるかを逆算した計画が立てられます。
✨ 導入メリット
- 提供終了日が公式に明示されているため、移行計画を年度計画・予算計画に組み込みやすくなります
- 移行先モデルが示されているため、置き換え先の検討にかかる調査時間を短縮できます
- 期限が延長されたことで、検証や品質確認に充てられる時間を確保しやすくなります
🤔 判断観点
- 影響範囲: Gemini 2.5 Flash Image を呼び出しているアプリケーション、バッチ処理、社内ツールが確認対象です
- 期限からの逆算: 提供終了は2027年3月15日に予定されています。検証・切り替え・本番反映に必要な期間を見積もったうえで着手時期を検討するという観点があります
- 出力品質の検証: 移行先のモデルでは生成される画像の傾向が変わる可能性があります。業務上許容できる品質かを、実際のプロンプトで確認する進め方が考えられます
- 移行先の寿命: 移行先の Gemini 3.1 Flash-Lite Image も提供終了日が2027年6月28日以降と示されています。次の移行が発生しうる前提で、モデル名を設定値として外出しする設計を検討する余地があります
📚 公式ソース
2. Gemini Enterprise Agent Platform — Claude 向け Cyber Verification Program が Preview で提供開始
Anthropic の Cyber Verification Program(CVP) が、Gemini Enterprise Agent Platform 上で Preview(評価目的での先行提供)として利用できるようになりました(2026年9月14日)。CVP は、検証を受けた組織が正当な防御目的のサイバーセキュリティ業務で、対応する Claude モデルを既定のデュアルユース制限を解除した状態で利用できるようにする仕組みです。
🔍 何が変わったのか
- 提供段階: Gemini Enterprise Agent Platform で Preview として提供されます
- 対象モデル: 公式リリースノートでは、対応する Claude モデルとして Claude Opus 4.7、Claude Opus 4.8、Claude Sonnet 5、Claude Opus 5 が挙げられています
- 解除される制限: 検証を受けた組織が正当な防御目的のサイバーセキュリティ業務に使う場合に限り、既定のデュアルユース制限(攻撃にも防御にも転用しうる用途に対する既定の利用制限)が解除されます
- 前提: 利用にあたっては、組織が検証を受けていることが前提となります
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
自社のセキュリティ運用(SOC)や脆弱性診断を担う部門、セキュリティサービスを提供する事業者が対象です。防御目的のサイバーセキュリティ業務では、攻撃手法に関する記述を扱う必要が生じる場面があり、一般的な利用制限の下では AI に十分な支援を求めにくいことがあります。CVP では、検証を受けた組織が防御目的で利用する前提で、この制限が解除されます。
✨ 導入メリット
- 防御目的の業務で制限に阻まれて検討が止まる場面を減らせるため、セキュリティ運用に AI を組み込みやすくなります
- 検証を受けた組織に限定される仕組みのため、利用の正当性を組織として説明しやすくなります
- Gemini Enterprise Agent Platform 上で Claude モデルを扱えるため、既存の Google Cloud 環境の中で構成を完結させやすくなります
📚 公式ソース
3. Agent Search — 検索クエリアドオン指定が GA
Agent Search(Google Cloud の企業内検索・回答生成サービス)で、構成可能な料金体系(configurable pricing)向けの検索クエリアドオン指定(searchAddonSpec)が、v1 API で正式提供(GA)となりました(2026年9月14日)。アドオンとは、検索に付加される追加機能のことで、有効にすると料金に影響します。searchAddonSpec を使うと、プログラムから発行する個々の検索リクエスト単位でアドオンをオフにして、費用を抑えられます。
🔍 何が変わったのか
- 提供段階: searchAddonSpec が v1 API で GA となりました
- 制御の粒度: 検索リクエストごとにアドオンの適用有無を指定できます
- 公式に示された目的: プログラムから発行する個々の検索リクエストについてアドオンをオフにすることで、費用を節約する用途が挙げられています
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
社内検索やナレッジ検索のアプリケーションを開発・運用している情報システム部門が対象です。たとえば「利用者が入力した自由文の検索には高度なアドオンを使い、システム内部で定型的に発行する検索ではアドオンを使わない」といった使い分けができます。すべての検索に一律でアドオンを適用する構成に比べ、利用実態に合わせて費用を調整できます。
✨ 導入メリット
- リクエスト単位で制御できるため、検索基盤の運用コストを細かく最適化できます
- GA として提供されるため、本番システムへ組み込む判断がしやすくなります
- 費用と機能のバランスを設計段階で決められるため、利用量の増加に伴うコスト増を見積もりやすくなります
📚 公式ソース
4. Gemini Enterprise Agent Platform — 強化学習ファインチューニングが Google Cloud コンソールで利用可能に(Preview)
Gemini モデルの強化学習ファインチューニング(reinforcement learning fine-tuning)のジョブを、Google Cloud コンソール(ブラウザで操作する管理画面)から作成・監視・テストできるようになりました(2026年9月15日、Preview)。ファインチューニングとは、既存のモデルを自社の目的に合わせて追加学習させることです。強化学習では、出力の良し悪しを評価する報酬関数を定義し、その評価をもとにモデルを調整します。
🔍 何が変わったのか
- 操作場所: コンソールの Models > Tuning ページから操作します
- 報酬関数の設定: Python コードによる報酬関数、またはモデルベースの報酬関数を構成できます
- 事前テスト: ジョブを実行する前に、サンプルのプロンプトに対して報酬のロジックをテストできます
- 進行状況の把握: 学習と評価の指標をリアルタイムで確認できます
- 結果の確認: 調整済みのチェックポイント(学習途中の保存点)を Agent Studio でテストできます
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
自社固有の判断基準に合わせて AI の応答を調整したい、データ活用部門や AI 推進チームが対象です。たとえば「回答の形式を社内規程に沿わせたい」「特定の観点を満たす出力を優先させたい」といった要件を報酬関数として定義し、調整を進める場面が想定されます。これまでコードを書いて実行していた一連の作業を、画面上で設定・実行・確認まで進められるようになります。
✨ 導入メリット
- 画面から操作できるため、専門のエンジニア以外も検討プロセスに参加しやすくなります
- 報酬ロジックを事前にテストできるため、学習をやり直す手戻りを減らせます
- 指標をリアルタイムで追えるため、うまくいかない学習を早い段階で見極められ、計算コストの無駄を抑えられます
- 調整結果を Agent Studio で試せるため、業務での使い勝手まで含めて評価できます
📚 公式ソース
5. Google Cloud CCaaS — モバイル SDK 2.16.2 でチャットチェックインと「入力中」表示に対応
Google Cloud Contact Center as a Service(CCaaS)(マネージド型のコンタクトセンター基盤)のモバイル SDK(スマートフォンアプリに問い合わせ機能を組み込むための開発部品)のバージョン 2.16.2 がリリースされ、2つの新機能と不具合修正が提供されました(2026年9月15日)。
🔍 何が変わったのか
- チャットチェックイン: モバイル SDK で利用できるようになりました。人のオペレーターへつなぐ前に、問い合わせ者がその場にいて対応の準備ができているかを確認する仕組みです。公式には、チャットを離脱した問い合わせ者をオペレーターが待つことで生じる時間の損失をなくし、平均処理時間(agent handle time)を削減すると説明されています
- 「入力中」インジケーター: オペレーターが入力している間、問い合わせ者側の画面に「入力中」であることが表示されるようになりました
- Android / iOS 共通の修正: モバイルからの着信通話がつながらなかった問題など、2 件が修正されました
- iOS のみの修正: チャット終了通知が重複して届く問題など、3 件が修正されました
- Android のみの修正: 最初のチャット取得までに5秒の遅延が発生する問題(1 件)が修正されました
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
自社スマートフォンアプリから問い合わせを受け付けている小売・金融・通信などの事業者と、その運営を担うコンタクトセンター部門が対象です。チャット送信後にアプリを閉じた利用者がいても、チャットチェックインで対応可能な状態を確認してからオペレーターへ接続できます。「入力中」表示は、回答を待っている間の不安を和らげる用途で役立ちます。
✨ 導入メリット
- 離脱した問い合わせ者を待つ時間がなくなり、オペレーターの稼働を対応が必要な問い合わせへ振り向けられます(平均処理時間の削減は公式に示された効果です)
- 「入力中」の表示により、待ち時間中の体験が改善し、途中離脱を抑えることが期待できます
📚 公式ソース
6. Gemini Enterprise Agent Platform — CodeMender が v0.7.0・v0.8.0 へ連続アップデート
CodeMender(コードの脆弱性を検出し修正まで支援するツール)が、v0.7.0(2026年9月14日)と v0.8.0(2026年9月16日)の2回にわたってアップデートされました。とくに v0.8.0 では、CLI セッションの既定モデルが Gemini 3.8 Flash に切り替わりました。
🔍 何が変わったのか
- 既定モデルの変更(v0.8.0): Gemini 3.8 Flash(gemini-3.8-flash)がサポートされ、CodeMender の CLI セッションの既定モデルとして有効になりました。公式には、より高速な推論と推論能力の向上がもたらされると説明されています。新しい既定が有効になった際には、CLI 上で一度だけ通知が表示されます
- ツール出力の上限設定(v0.8.0): ファイル読み取りに 2 MiB、コードベースの grep 検索に 512 KiB という安全な出力上限が設けられ、一致箇所を中心に前後を含める形で結果が返されるようになりました。大規模リポジトリのスキャン時に発生していた出力量の超過エラーが解消され、安定性が向上します
- ネットワーク接続の回復性(v0.7.0): 長時間のスキャンや修正作業の途中で接続が切れた場合に自動的に再接続し、一時的なエラーから回復するようになりました
- 設定の統一(v0.7.0): 設定ファイルと CLI のスキャン用フラグの間で、ディレクトリ除外ルールが scan_config.exclude_dirs の下に標準化されました
- 主な不具合修正: v0.7.0 では、サマリー表で DISMISSED(却下済み)の検出結果が OPEN(未対応)として誤って分類される問題、サンドボックスでの権限拒否エラー、指定したリポジトリのルート外を参照しうる問題が修正されました。v0.8.0 では、Windows 環境での Git Bash 検出の失敗、検証済みの結果が「見つからない」と表示される問題、生成された検証スクリプトの構文エラー、長時間セッション中の HTTP 409 エラーが修正されています
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
自社開発のアプリケーションについて、セキュリティ上の問題を継続的に点検している開発部門・セキュリティ部門が対象です。とくに、コード量の多い大規模なリポジトリを対象にスキャンを実行する場面では、途中で接続が切れる・出力量が上限を超えるといった理由で作業がやり直しになることがあります。今回の改善により、長時間の点検作業を最後まで実行しやすくなります。Windows 環境で開発を行っているチームにとっては、Git Bash 検出の修正も実務的な意味があります。
✨ 導入メリット
- 長時間のスキャンが中断されにくくなり、点検作業の完了までにかかる実時間を短縮できます
- 既定モデルの刷新により、応答の速さと推論の質の両面で改善が見込まれます(公式に示された内容です)
- 却下済みの検出結果が未対応として表示される問題が解消され、対応状況の管理精度が高まります
- 除外ルールの書き方が統一され、設定の引き継ぎやレビューがしやすくなります
📚 公式ソース
7. Gemini Enterprise — チャットボックスの音声入力が正式提供(GA)
Gemini Enterprise(企業向けの AI アシスタント・エージェントプラットフォーム)のチャット入力欄で、音声による質問・指示の入力ができるようになりました(2026年9月17日、GA)。マイクのボタンで音声を録音し、文字に起こされた内容を確認・編集してから送信する流れです。
🔍 何が変わったのか
- 音声での入力: マイクボタンを押して話した内容が文字に変換されます
- 送信前の確認・編集: 変換された文章をその場で確認し、必要に応じて修正してから送信できます
- 提供段階: 正式提供(GA)です
- 有効化に必要な作業: 利用者が音声入力を使えるようにするには、Gemini Enterprise の管理者が Google Cloud コンソールで「Enable speech-to-text」のトグルをオンにする必要があります
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
現場業務や外出の多い部門の担当者、長文の入力に手間を感じている業務担当者が対象です。移動中や作業の合間に、キーボードを使わずに質問を投げかけられます。文字起こしの結果を送信前に修正できるため、固有名詞や専門用語の誤変換があっても、そのまま誤った質問として送られてしまう心配がありません。
✨ 導入メリット
- 入力にかかる手間が減り、思いついたときにすぐ AI に尋ねるという使い方がしやすくなります
- タイピングが負担になる利用者にも使いやすく、AI 活用の裾野が広がります
- GA として提供されるため、全社展開の対象として位置づけやすくなります(管理者によるトグルの有効化が前提となる点にご留意ください)
📚 公式ソース
8. Gemini Enterprise — サブスクリプションにおける Gemini Code Assist の提供条件が変更
Gemini Enterprise の Standard または Plus のサブスクリプションについて、新規契約およびオンラインでの更新では、Gemini Code Assist の機能が含まれなくなりました(2026年9月17日)。すでに Gemini Code Assist の機能を含む契約については、契約期間の終了まで引き続き利用できます。契約条件に関わる内容のため、あらかじめの確認をおすすめします。
🔍 何が変わったのか
- 対象: Gemini Enterprise Standard または Plus のサブスクリプションを新規に契約する場合、またはオンラインで更新する場合が対象です
- 変更内容: これらのサブスクリプションには、Gemini Code Assist の機能へのアクセスが含まれなくなりました
- 既存契約の扱い: Gemini Code Assist の機能を含む既存のサブスクリプションは、契約期間が終了するまで引き続き利用できます
- 代替として案内されているもの: Gemini Code Assist に代えて、AI 開発者ツールを備えた IDE 向けの Antigravity を利用できると案内されています
- 引き続き利用したい場合: Gemini Enterprise のライセンスで Gemini Code Assist を利用したい場合は、Google Cloud の営業担当へ問い合わせて、Gemini Code Assist を含む新しいサブスクリプションを取得するという方法が示されています
✨ 使えるようになる機能
- 代替として Antigravity が案内されており、AI 開発者ツールを備えた IDE 向けの選択肢として利用できます
- Gemini Code Assist を含む形のサブスクリプションを、Google Cloud の営業担当への問い合わせにより取得する経路が公式に示されています
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- 新規契約、およびオンラインでの更新による Gemini Enterprise Standard / Plus のサブスクリプションには、Gemini Code Assist の機能が含まれません
- 既存契約で利用中の場合も、契約期間の終了をもってその前提が変わります
- 今回の公開情報は提供条件に関するもので、Gemini Code Assist 自体の機能変更は示されていません
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
Gemini Enterprise のライセンスを購入・更新する立場にある情報システム部門・調達部門と、開発部門の管理者が対象です。開発者の日常的なコーディング支援を Gemini Code Assist に依存している組織では、更新のタイミングで利用できる機能が変わることになります。契約更新の稟議や年度予算の検討にあたって、この条件変更を織り込んでおく必要があります。
✨ 導入メリット
- 提供条件が公式に明示されたことで、契約更新時の前提を正確に把握したうえで社内調整を進められます
- 既存契約は期間終了まで利用できるため、移行の検討に充てる時間を確保できます
- 代替手段と、Gemini Code Assist を含む契約の取得方法の双方が示されており、選択肢を比較したうえで方針を決められます
🤔 判断観点
- 影響範囲: Gemini Enterprise Standard / Plus を新規契約・更新する部門と、Gemini Code Assist を日常的に利用している開発者が確認対象です
- 契約期限の確認: 現在の契約に Gemini Code Assist が含まれているか、契約期間がいつまでかを整理することが検討の起点になります
- 更新方法による違い: 公開情報では「オンラインでの更新」が対象として示されています。自社の更新方法がどれに該当するかを確認するという観点があります
- 代替手段の評価: 案内されている Antigravity が自社の開発環境や運用ルールに適合するかを、実機で確認する進め方が考えられます
- 継続利用の要否: Gemini Code Assist の継続利用が必要と判断する場合は、Google Cloud の営業担当への問い合わせという経路が示されています。必要性の整理を先に行う余地があります
📚 公式ソース
9. Gemini Enterprise Agent Platform — Gemini Omni Flash がステートフル・ストリーミングの動画生成に対応(Preview)
Gemini Omni Flash が、Interactions API でのステートフル(store: true)およびサーバー送信イベント(SSE)によるストリーミング(stream: true)での動画生成に対応しました(2026年9月17日、Preview)。ステートフルとは、やり取りの状態をサーバー側で保持する方式、ストリーミングとは、処理の完了を待たずに途中経過を順次受け取る方式です。
🔍 何が変わったのか
- 一時的な保存: 生成した動画とやり取りの状態を、サーバー上に一時的に保存できます
- 状況の逐次受信: SSE 接続を通じて、処理のステータス更新と最終的な出力をストリーミングで受け取れます
- 完了した処理の取得: 非同期で完了したやり取りを、単発(unary)またはストリーミングの GET リクエストで取得できます
- 提供段階: Preview です
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
動画コンテンツの生成を業務に取り入れようとしている、マーケティング部門や広報部門の支援システムを開発する部門が対象です。動画生成は処理に時間がかかるため、「リクエストを送って完了まで待ち続ける」構成では、利用者の画面が固まったように見えてしまいます。ストリーミングに対応することで進捗を画面に表示でき、ステートフルな構成により、生成結果をあとから取得する作りにもできます。
✨ 導入メリット
- 処理の途中経過を利用者に伝えられるため、待ち時間中の体験を改善できます
- 非同期での取得に対応するため、利用者の操作を待たせないアプリケーション設計が可能になります
- 状態をサーバー側に一時保存できるため、クライアント側で保持すべき情報が減り、実装を簡素にできます
📚 公式ソース
10. Gemini Enterprise — Microsoft 365 系データストアで新しいアクションに対応(Public Preview)
Gemini Enterprise で、Microsoft OneDrive・Microsoft Outlook・Microsoft SharePoint・Microsoft Teams の各データストアに対して、新しいアクションが Public Preview で利用できるようになりました(2026年9月18日)。アクションとは、AI アシスタントが外部サービスに対して実行できる操作のことです。これまでの「読み取って回答する」に加え、ファイルやカレンダーを実際に操作する範囲が広がります。
🔍 何が変わったのか
| データストア |
追加されたアクション |
| Microsoft OneDrive |
フォルダのコピー、ファイルの移動、フォルダの移動、ファイル名の変更、フォルダ名の変更、ファイルまたはフォルダの共有、ファイルプロパティの更新 |
| Microsoft Outlook |
カレンダーの作成、予定への出欠返答(RSVP)、カレンダーの更新 |
| Microsoft SharePoint |
リストアイテムの作成、ドキュメントのチェックアウト破棄、リストフィールドの取得、リストアイテムの取得、リストの一覧取得、リソースの共有、ファイルプロパティの更新、リストの更新、リストアイテムの更新、ページの更新 |
| Microsoft Teams |
チャネルへのメンバー追加、チャネルの作成、チャットの作成、スケジュールの作成、休暇エントリの作成、チャネルの更新、チャネルメッセージの更新、チャットの更新、チャットメッセージの更新、休暇エントリの更新 |
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
Microsoft 365 を業務の中心に据えつつ、Gemini Enterprise を全社の AI アシスタントとして導入している組織が対象です。たとえば「プロジェクト開始時に Teams のチャネルを作成してメンバーを追加する」「会議の招待に出欠を返す」「SharePoint のリストへ項目を追加する」といった定型作業を、AI アシスタントへの依頼として実行できます。資料の整理では、OneDrive 上のフォルダのコピーやファイルの移動・リネームも対象です。
✨ 導入メリット
- 情報の検索だけでなく操作まで任せられるため、アプリを切り替えながら行う定型作業を減らせます
- プロジェクト立ち上げ時の環境準備といった繰り返し作業を依頼でき、業務効率化につながります
- Microsoft 365 と Google Cloud の双方を利用している組織でも、AI アシスタントの窓口を1つに集約しやすくなります
- Public Preview として提供されるため、本格展開の前に業務適合性を確認できます
📚 公式ソース
11. Gemini Enterprise Agent Platform — xAI の Grok 4.6 が正式提供(GA)
xAI の Grok 4.6 が正式提供(GA)となり、本番利用が可能になりました(2026年9月18日)。利用できるのは global エンドポイントと US マルチリージョンエンドポイントです。エンドポイントとは、サービスへ接続するための宛先のことで、どの地理的範囲で処理するかに関係します。
🔍 何が変わったのか
- 提供段階: Grok 4.6 が GA となりました
- 本番利用: 本番環境での利用が可能であると公式に示されています
- 利用可能なエンドポイント: global エンドポイントと US マルチリージョンエンドポイントで利用できます
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
用途に応じて複数の生成 AI モデルを使い分けたい、AI アプリケーション開発チームやデータ活用部門が対象です。Gemini Enterprise Agent Platform では Google 以外のパートナーモデルも扱えるため、同じ基盤の上でモデルを比較・選択できます。GA になったことで、検証段階にとどまっていた構成を本番の業務システムへ引き上げる判断がしやすくなります。
✨ 導入メリット
- GA として提供されるため、本番の業務システムへ組み込む判断がしやすくなります
- 同一のプラットフォーム上で複数のモデルを扱えるため、用途ごとに適したモデルを選びやすくなります
- 利用可能なエンドポイントが明示されているため、処理地域に関する社内規程との照合が行いやすくなります
📚 公式ソース
12. Gemini Enterprise Agent Platform — Agent Platform SDK for Python 2.0.1 が提供開始(破壊的変更)
Agent Platform SDK for Python(パッケージ名: google-cloud-agentplatform)のバージョン 2.0.1 が提供開始となりました(2026年9月18日)。公式リリースノートでは破壊的変更(breaking change)として公開されており、ライブラリの構成そのものが見直されています。移行手順は公式の移行ガイドで案内されています。
🔍 何が変わったのか
- 生成 AI モジュールの移行: 生成 AI 関連のモジュールが Google Gen AI SDK へ移行されました
- エージェント機能の分離: エージェントに関する機能面が google-cloud-aiplatform から切り離され、専用のパッケージとして提供されるようになりました
- 名前空間の再構成: 名前空間(モジュールの階層構造)が再構成されました
- 移行手順: google-cloud-aiplatform からの移行手順を含む、公式の移行ガイドが用意されています
✨ 使えるようになる機能
- 生成 AI 関連の機能が Google Gen AI SDK に集約され、扱う窓口が整理されました
- エージェント機能が専用パッケージとして独立し、依存関係を目的に合わせて選べる構成になりました
- 再構成された名前空間により、モジュールの位置づけが整理されています
- 移行のための公式ガイドが提供されています
⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点
- 公式リリースノートでは破壊的変更として公開されています。google-cloud-aiplatform を前提としたコードは、そのままでは動作しない可能性があります
- 名前空間が再構成されているため、インポートの記述が変更対象となります
- 生成 AI 関連のモジュールは Google Gen AI SDK 側へ移っているため、呼び出し方の見直しが必要になります
- 具体的な変更内容と対応方法は、公式の移行ガイドに示されています
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
Python で AI アプリケーションやデータ処理パイプラインを開発している部門が対象です。従来 google-cloud-aiplatform に一体化していた機能が、生成 AI とエージェントで分かれることにより、使う機能に応じて必要なパッケージだけを導入する構成が取りやすくなります。ノートブックでの検証コード、バッチ処理、社内ツールなど、対象となるコード資産の棚卸しが最初の作業になります。
✨ 導入メリット
- パッケージが目的別に整理され、依存関係の見通しがよくなります
- 生成 AI 関連の窓口が Google Gen AI SDK に集約され、学習・教育の対象が明確になります
- 公式の移行ガイドが用意されているため、対応方法の調査にかかる時間を抑えられます
🤔 判断観点
- 影響範囲: google-cloud-aiplatform を利用しているすべての Python コード(アプリケーション、バッチ、ノートブック、社内ツール)が確認対象です
- 破壊的変更への備え: 破壊的変更として公開されているため、本番環境へ適用する前に検証環境で動作を確認する進め方が考えられます
- バージョン固定の確認: 依存関係の指定方法によっては、意図せず新しいバージョンが導入される可能性があります。バージョン指定の方針を確認するという観点があります
- 移行の単位: すべてのコードを一度に移行するか、影響の小さい範囲から段階的に進めるかという選択肢の比較が起点になります
- 移行ガイドの参照: 具体的な差分は公式の移行ガイドに記載されています。まずガイドを確認したうえで作業量を見積もるという観点があります
📚 公式ソース
13. Google Cloud CCaaS — 高度なレポートダッシュボード 6.4 が正式リリース(前週の予告内容が提供開始)
CCaaS の高度なレポートダッシュボード(Advanced reporting dashboards)のバージョン 6.4 がリリースされました(2026年9月18日)。前週(2026年9月7日〜9月13日)の記事でプレリリースノート(提供前の予告情報)としてご紹介したリアルタイム監視の項目拡充とチームフィルタの整理が、今回そのまま正式に提供開始となっています。
🔍 何が変わったのか
| 追加・変更された項目 |
内容 |
Active Call ID(s) 列 (Real-time Agent Monitoring の Live Agent Data テーブル) |
接続中・接続済み・再接続中のいずれかの状態にある通話の ID を表示します。1人のオペレーターが複数の通話を同時に扱っている場合は、通話 ID がカンマ区切りで並びます。公式には、監督者がライブ監視中に対象の通話を特定するまでの手順数を減らす、と説明されています |
Total Consumer Talk Time / Total Hold Time (Real-time Calls - Calls Connected の Connected Calls テーブル) |
Total Consumer Talk Time は、通話がバーチャルエージェントまたは人のオペレーターに最初につながってからの合計時間です。Total Hold Time は、進行中の保留を含めて、その通話がこれまでに保留となっていた合計時間です |
Total Consumer Chat Time (Real-time Chats - Chats Connected の Connected Chats テーブル) |
チャットがバーチャルエージェントまたは人のオペレーターに最初につながってからの合計時間を表示します |
Projecting 列 (Real-time Calls - Calls Queued の Call Queued テーブル) |
ルーティングエンジン(deltacast)が、その待ち呼を対応可能なオペレーターへ割り当てようとしている最中かどうかを示します |
| Teams フィルタを Agent Teams に改称 |
応対を担当しているオペレーターのチームで絞り込むフィルタであることが明確になりました。対象は Real-time Queue Monitoring - Calls、Real-time Queue Monitoring - Chats、Real-time Connected - Calls、Real-time Connected - Chats の各ダッシュボードです |
| Queue Teams フィルタの追加 |
Real-time Queued - Calls と Real-time Queued - Chats の各ダッシュボードに追加され、キューに割り当てられたチームで待機中の問い合わせを絞り込めるようになりました |
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
コンタクトセンターの現場監督者(スーパーバイザー)と、応対品質・人員配置の管理を担う部門が対象です。問い合わせが集中している時間帯に「どのオペレーターがどの通話を扱っているのか」を素早く特定したい場面、「待たせている時間のうちどれだけが保留によるものか」を把握したい場面で役立ちます。複数の製品・サービス窓口を1つのセンターで運営している組織では、自部門が担当するキューの待ち呼は Queue Teams で、自チームのオペレーターの稼働は Agent Teams で、目的に合った絞り込みができます。
✨ 導入メリット
- 通話 ID を画面上で直接確認できるため、監督者が対象の通話にたどり着くまでの操作が減り、リアルタイムの支援に入りやすくなります
- 通話時間と保留時間を分けて見られるため、顧客体験の悪化要因を切り分けて改善できます
- 待ち呼の割り当て状況が見えることで、増員や振り分け変更の意思決定スピードが上がります
- フィルタの意味が名称から読み取れるようになり、誤った条件で集計してしまう事故を減らせます
- 前週にプレリリースノートとして予告されていた内容がそのまま提供されたため、事前に立てた確認計画をそのまま実行しやすくなっています
📚 公式ソース
14. Google Cloud CCaaS — 高度なレポートがフランス語(カナダ)に対応し、集計精度の不具合を修正
高度なレポートダッシュボードと Explore(データを任意の切り口で分析する画面)が、フランス語(カナダ)で表示できるようになり、あわせて集計値の正確性や表示に関わる多数の不具合が修正されました(2026年9月18日)。集計精度・フィルタ・表示の修正は前週のプレリリースノートで予告されていた内容で、フランス語(カナダ)対応とその翻訳不備の修正は今回あらたに公開された内容です。
🔍 何が変わったのか
- フランス語(カナダ)対応: CCAI Platform ポータルでプロフィールの言語としてフランス語(カナダ)を選択すると、その言語で表示されます。管理者は Admin > Change Language から新設された Français (CAN) を選択できます
- 平均待ち時間の算出: 短時間の放棄呼(short abandons)を含む期間で、Queue Summary テーブルの Avg Queue Time 列が平均ではなく待ち時間の単純合計を表示していた問題(1 件)が修正されました
- リアルタイムの待ち呼指標: Total Queued Now の件数と、最大/平均待ち時間の計測起点に関する 2 件が修正されました
- フィルタの効き方: 複数のダッシュボードで Direction フィルタが正しく反映されない問題など、2 件が修正されました
- チームフィルタと集計対象: 個人別の通話・チャット履歴レポートに、管理対象外のキューのデータが混ざっていた問題(1 件)が修正されました
- 表示と多言語対応: フランス語(カナダ)の訳が誤っている・不完全・欠落していた問題など、4 件が修正されました
- その他: Productive Agents 列がキューグループの設定に応じた値を表示していなかった問題など、2 件が修正されました
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
コンタクトセンターの KPI 管理を担う運営責任者や、レポートをもとに人員配置を検討する管理部門が対象です。平均待ち時間やキュー別の実績は増員判断や SLA(サービス品質の約束)の評価に使われる数値で、今回の修正によりこれらが定義どおりの計算で表示されるようになりました。カナダを含む複数地域でセンターを運営している組織では、現地の担当者が母語でダッシュボードを参照できます。
✨ 導入メリット
- 平均待ち時間やキュー滞留の数値が正確になり、データに基づく意思決定の信頼性が高まります
- フィルタが意図どおりに適用されるため、レポート作成時の手作業による確認・突き合わせを減らせます
🤔 判断観点
- 影響範囲: 高度なレポートダッシュボードを日常的に参照している運営部門・管理部門が確認対象です
- 過去データとの比較: 平均待ち時間の算出やフィルタの挙動が変わるため、修正前後で同じ期間の数値が変わる可能性があります。過去の報告値と比較する場合は、前提の違いを整理しておくという観点があります
- レポート運用の見直し: 手作業の補正で不具合を回避していた運用があれば、その手順が不要になっていないかを確認する余地があります
- 多言語運用の確認: フランス語(カナダ)を利用する場合は、プロフィール言語の設定手順を現地担当者へ案内するという観点があります
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15. Google Cloud CCaaS 6.13 をリリース — ルーティング・レポート・外部連携の広範な修正
Google Cloud CCaaS のバージョン 6.13 がリリースされました(2026年9月18日)。通話の振り分け(ルーティング)、レポートの集計精度、外部サービス連携など、広い範囲の不具合修正を含むリリースです。
🔍 何が変わったのか
- ルーティング・キャパシティ関連: キャパシティ上限が回避され、対応可能なオペレーター数が必要最低数を下回る問題など、4 件が修正されました
- 通話の接続・終了まわり: 通話終了後もオペレーターが通話中として扱われ、新しい通話を受けられなくなる問題など、4 件が修正されました
- 音声・IVR・ボイスメール: オペレーターの音声の一部が録音から欠落する問題など、3 件が修正されました
- レポート精度: 通話がレポートから欠落する、または誤った区分で記録される問題 6 件が修正されました(エスカレーションされた音声通話が「応答済み」と「放棄」の両方として報告される問題など)
- エージェントデスクトップ・オペレーター操作: 後処理(ラップアップ)の入力パネルが固まる問題など、6 件が修正されました
- 外部連携・基盤: Salesforce(4 件)、Kustomer、メールアカウント、Agent Assist(各 1 件)の連携に関する 7 件が修正されました
- データ連携・アクセシビリティ: チャットのデータ連携 2 件と、Web SDK のキーボード操作・スクリーンリーダー対応に関する 2 件の計 4 件が修正されました
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
CCaaS を運用しているコンタクトセンター全般が対象です。とくに Salesforce や Kustomer と連携した応対、多段メニューの IVR(自動音声応答)、SLA の達成率を経営指標として報告している運用では、今回の修正が日々の数値と応対体験に直接影響します。アクセシビリティ要件を調達条件としている業種では、Web SDK の改善も確認の対象になります。
✨ 導入メリット
- レポートからの通話の欠落や誤った分類が解消され、応対実績と SLA 指標の信頼性が高まります
- ルーティングと通話接続の不具合が解消され、オペレーターの稼働の無駄を減らせます
- Salesforce などの外部連携の修正により、顧客データの正確性が保たれます
- アクセシビリティ要件への適合を説明しやすくなります
🤔 判断観点
- 緊急性: 修正の中心は動作の不具合と集計精度です。自社で該当する事象が発生していたかどうかを起点に緊急度を整理するという観点があります
- 影響範囲: コンタクトセンターの運営部門、レポートを利用する管理部門、Salesforce などの外部連携を担う情報システム部門が確認対象です
- レポートの連続性: 通話の欠落や分類の修正により、修正前後で同じ期間の指標が変わる可能性があります。月次・四半期の報告と適用時期の関係を整理しておく余地があります
- 検証推奨事項: 転送・ボイスメール・IVR のアナウンス間隔・Salesforce 連携といった、修正対象に該当する動作を実機で確認する進め方が考えられます
- ロールアウト戦略: 適用時期は選択中のデプロイスケジュールに依存します。公式のスケジュール情報を確認し、繁忙期を避けた確認計画を立てるという観点があります
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16. Agent Platform Workbench — JupyterLab のクライアントサイドログが Cloud Logging に集約
Agent Platform Workbench(データサイエンス業務に使う、Jupyter ノートブックベースの開発環境)の JupyterLab が、ブラウザ側で発生したログをインスタンスのバックエンドへ転送するようになりました(2026年9月18日)。転送されたログは Cloud Logging(Google Cloud のログ管理サービス)に表示され、問題の切り分けがしやすくなります。
🔍 何が変わったのか
- 転送されるログの種類: コンソールのエラー、捕捉されなかった例外、処理されなかった Promise の拒否(非同期処理の失敗)、失敗したネットワークリクエストが対象です
- 転送先: インスタンスのバックエンドへ転送され、Cloud Logging 上に表示されます
- 目的: 公式には、デバッグ(不具合の原因調査)を容易にすることが目的として示されています
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
データ分析基盤を運用している情報システム部門や、分析チームからの問い合わせを受けるサポート担当者が対象です。これまで「ノートブックの画面が動かない」という申告を受けた場合、利用者のブラウザ側で何が起きているかを把握するには、本人に開発者ツールの画面を開いてもらうといった手順が必要でした。今回の変更により、ブラウザ側のエラーも管理者側からログとして確認できるようになります。
✨ 導入メリット
- 利用者に操作を依頼せずに状況を確認できるため、問い合わせ対応にかかる時間を短縮できます
- 再現しにくい事象でもログが残るため、原因究明の精度が高まります
- ログが Cloud Logging に集約されるため、既存の監視・通知の仕組みと同じ枠組みで扱えます
- 調査手順が標準化され、サポート業務の属人化の解消につながります
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17. Agent Platform Workbench — 定期リリースと依存パッケージの更新
Agent Platform Workbench では、対象期間中に定期的なリリースと、上流の依存パッケージの更新が公開されました(2026年9月14日、9月18日)。いずれも公式リリースノートでは互換性を損なわない変更(non-breaking change)として扱われており、記載されている内容はリリース名と更新の事実にとどまります。
🔍 何が変わったのか
- 2026年9月14日: M150 Release が公開されました。あわせて、上流の依存パッケージから最新版がインストールされています
- 2026年9月18日: 20260918-2130-rc0 Release および 20260918-2230-rc0 Release が公開されました。あわせて、上流の依存パッケージから最新版がインストールされています
- 公開内容の範囲: 公式リリースノートには、リリース名と依存パッケージの更新以外の記載はありません。ハイライトされた新機能や、動作の変更に関する記載はありません
💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)
Agent Platform Workbench を分析基盤として運用している情報システム部門が対象です。依存パッケージの更新は、利用しているライブラリのバージョンが上がることを意味します。ノートブック上で特定のバージョンに依存した処理を組んでいる場合には、環境の更新タイミングを把握しておくことが、動作の変化に気づくうえで役立ちます。
✨ 導入メリット
- 依存パッケージが継続的に最新化されるため、既知の不具合や脆弱性への追随が基盤側で進みます
- リリースの単位と日付が公開されているため、環境の変更履歴を追跡しやすくなります
- 互換性を損なわない変更として扱われているため、利用中の処理への影響は限定的と見込めます
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まとめ
2026年9月14日〜9月20日の AI カテゴリでは、モデルの選択肢が広がる一方で、前提条件も切り替わりました。Anthropic の Cyber Verification Program が Preview で提供され、検証を受けた組織が防御目的のサイバーセキュリティ業務で Claude Opus 4.7・Claude Opus 4.8・Claude Sonnet 5・Claude Opus 5 を利用できるようになりました。xAI の Grok 4.6 は GA となり、global エンドポイントと US マルチリージョンエンドポイントで本番利用が可能です。Gemini Enterprise Agent Platform 上で、複数のモデルを比較しながら使う構成が取りやすくなっています。
同時に、IT 担当者が計画へ織り込むべき変更も複数ありました。Gemini 2.5 Flash Image の提供終了は2027年3月15日に延長され、移行先として Gemini 3.1 Flash-Lite Image が案内されています。Agent Platform SDK for Python 2.0.1 は破壊的変更として公開され、生成 AI モジュールの Google Gen AI SDK への移行と名前空間の再構成が行われました。Gemini Enterprise Standard / Plus の新規契約・オンライン更新には、Gemini Code Assist が含まれなくなりました(既存契約は契約期間の終了まで利用可能)。いずれも、自社の契約・コード資産の棚卸しから逆算して計画を立てることが判断の起点になります。
利用者に近い領域では、Gemini Enterprise のチャットボックスが音声入力に対応(GA)し、Microsoft OneDrive・Outlook・SharePoint・Teams に対する新しいアクションが Public Preview で提供されました。AI アシスタントに任せられる範囲が、調べて答えることから操作そのものへ広がっており、Microsoft 365 を併用している組織でも活用しやすくなっています。開発現場では CodeMender が v0.7.0・v0.8.0 へ連続アップデートし、CLI セッションの既定モデルが Gemini 3.8 Flash へ切り替わりました。
コンタクトセンター領域では、Google Cloud CCaaS 6.13 と高度なレポートダッシュボード 6.4 が正式リリースされました。とくに 6.4 は、前週の記事でプレリリースノート(提供前の予告情報)としてご紹介した Active Call ID(s) 列・Projecting 列・チームフィルタの整理・ダッシュボードの改善が、そのまま提供開始となったものです。予告の段階で確認計画を立てていた組織は、そのまま検証へ移れます。モバイル SDK 2.16.2 のチャットチェックインによる平均処理時間の削減とあわせ、経営の視点では、AI 活用の適用範囲を広げる投資と、契約・モデル・ライブラリの前提変更への対応を、並行して計画することになります。
関連 XIMIX 記事
Google Cloud アップデート情報をシリーズでご覧になりたい方は、アップデート情報一覧から過去の記事もご確認いただけます。前週(2026年9月7日〜9月13日)の AI カテゴリ記事では、今回正式リリースされた高度なレポートダッシュボード 6.4 のプレリリースノートを取り上げています。
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