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Google Cloud アップデート情報 | AI (2026年8月3日〜2026年8月9日)

作成者: XIMIX Google Cloud チーム|2026.08.21

はじめに

Google Cloud の AI 関連サービスは、2026年8月上旬も企業向け AI アシスタントの連携先拡大と運用性の向上が続きました。今回の中心は、Gemini Enterprise の新データストア追加(Public Preview)や、カスタム MCP サーバーデータストアの一般提供(GA)です。あわせて、データコネクタのエンドツーエンドのトレーシング対応や、コンタクトセンター(CCaaS)の高度レポートダッシュボードの新機能と多数の不具合修正も行われました。

本記事では、2026年8月3日〜8月9日に発表された Google Cloud AI カテゴリの主要トピックを、リリース日順に解説します。Gemini Enterprise の外部データ連携の広がりや観測性の強化に加え、開発者向けの CodeMender CLI の改善を取り上げます。さらに、コンタクトセンター(CCaaS)の機能追加と大量の修正まで解説します。

経営層の方は「AI 活用の連携先と選択肢が着実に広がっている」という視点で、IT 担当者の方は「どの機能が GA になり、何が変更・訂正され、何を確認すべきか」という視点で読み進めると、導入・運用判断に役立つはずです。

対象期間 2026年8月3日〜2026年8月9日
対象製品 Google Cloud
対象カテゴリ AI
アップデート件数 6件(主要トピック)

今回のアップデート一覧

アップデート詳細

1. Gemini Enterprise — 新しいデータストアと新アクションの追加(Public Preview)

Gemini Enterprise(企業向け AI アシスタント・エージェントプラットフォーム)で、外部サービスと接続するための新しいデータストアが多数追加されました(2026年8月3日、Public Preview)。あわせて、既存のデータストアで実行できる新しいアクションも提供されています。

🔍 何が変わったのか

  • 17 種類の新データストア(Public Preview): Attio、Cohesity、Descript、Fiscal.ai、Gamma、iManage platform、Moody's、NetDocuments、Nexla、Oracle NetSuite、Pylon、S&P Global(Deterministic Retrieval)、Sanity、Supabase、Supermetrics、SurveyMonkey、Wix が接続できるようになりました
  • 新アクションの追加: Freshservice のデータストアで、チケットにメモを作成するアクション(Create ticket notes)が Public Preview で利用できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

社内で複数の SaaS ツールを使い分けている組織の担当者が対象です。これまで個別のツールを開いて確認していた情報を、接続したデータストア経由で Gemini Enterprise から横断的に照会できるようになります。Freshservice を利用する IT サービスデスクでは、アシスタントからチケットへメモを追加する、といった操作も進められます。

✨ 導入メリット

  • 接続できる外部データソースが広がり、社内に散在する情報を AI から探索しやすくなります
  • アシスタントから新しいアクションを実行でき、ツール間の行き来を減らせます
  • 自社が利用中のサービスに合わせて AI 活用の範囲を段階的に広げられます

📚 公式ソース

2. Gemini Enterprise — データコネクタのエンドツーエンドのトレーシング対応

Gemini Enterprise で、データコネクタのワークフロー全体にわたるトレーシング(処理の流れの追跡)のサポートが拡張されました(2026年8月4日)。観測性(オブザーバビリティ)向上のため、2 つの新しいトレーススパンが導入されています。

🔍 何が変わったのか

  • 2 つの新トレーススパン: エージェントのオーケストレーション層でのツール実行を表すスパン(execute_tool)と、コネクタ実行層でのリクエスト処理・実行を表すスパン(invoke_connector)が追加されました
  • 親子関係のワークフローの可視化: アシスタントへのプロンプトから外部 API までの一連の流れを、親子関係として可視化できます
  • 検索・照会の手段: Trace Explorer でサービス名やスパン名による検索・絞り込みができるほか、ターンレベルのアシストトークンや W3C トレース ID を使ってトレースを照会できます

💼 こんな場面で活用できます(ユースケース)

Gemini Enterprise のデータコネクタを運用する IT 担当者・開発者が対象です。アシスタントの応答が想定と異なる場合や、外部 API との連携で遅延・エラーが起きた場合に、どの処理段階で何が起きたかを追跡して原因を切り分けたい場面で活用できます。

✨ 導入メリット

  • プロンプトから外部 API までの流れを可視化でき、問題の切り分けがしやすくなります
  • 検索・絞り込みの手段が用意され、必要なトレースにたどり着きやすくなります
  • 運用の観測性が高まり、データコネクタを使った AI 活用の安定運用につながります

📚 公式ソース

3. Gemini Enterprise Agent Platform — CodeMender CLI のプロセスサンドボックスと自動更新(Preview)

Gemini Enterprise Agent PlatformCodeMender CLI(コードのセキュリティに関わるエージェント向けコマンドラインツール、Preview)に、プロセスレベルのサンドボックス、自動更新チェック、その他の改善が導入されました(2026年8月4日)。

✨ 使えるようになる機能

  • プロセスレベルのサンドボックス: エージェントが提案するツール(コードのコンパイル、テスト実行、シェルスクリプト実行など)を、OS レベルのサンドボックス内で実行できます。既定では無効ですが、設定ファイル(config.yaml)で恒常的に、またはコマンドごとに --sandbox フラグで有効化できます
  • 自動更新: 対話型ターミナルで実行中、CLI がバックグラウンドで更新を自動確認します(最大でも24時間に1回)。cm update コマンドで即時に更新を確認・適用することもできます
  • トークン使用状況の統計: cm stats サブコマンドで、ローカルセッションのトークン使用量(入力・出力・キャッシュ・思考・ツール利用)のサマリーを確認できます
  • Windows 対応の改善: スタンドアロン CLI の Windows での実行に関するサポートが改善されました

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 機能の廃止やデフォルト動作の破壊的変更は、今回の公開情報には含まれていません

🤔 判断観点

  • 影響範囲: CodeMender CLI(Preview)を利用する開発チーム・セキュリティ担当が主な確認対象です
  • 検証推奨事項: サンドボックスを有効化する場合は、依存関係の解決やビルド・テストが従来どおり動作するかを、事前に検証する運用が考えられます
  • ロールアウト戦略: 自動更新の挙動を把握したうえで、更新のタイミングをどう管理するかを検討する余地があります

📚 公式ソース

4. Gemini Enterprise — データストアに関する訂正(Clinical Trials、Gemini 3.5 Flash 削除延期)

Gemini Enterprise で、過去のリリースノートに対する 2 件の訂正が公開されました(2026年8月5日・8月6日)。いずれも既存の案内内容を修正するものです。

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • Clinical Trials データストアが Public Preview から取り下げ: Clinical Trials データストアは Public Preview では提供されなくなり、Private Preview に戻りました。これは2026年4月14日のリリースノートに対する訂正です(2026年8月5日)
  • Gemini 3.5 Flash の削除を延期: Gemini Enterprise アプリの global リージョンからの Gemini 3.5 Flash の削除が延期されました。改訂後の削除スケジュールは、判明し次第あらためて案内されるとしています。これは2026年7月21日のリリースノートに対する訂正です(2026年8月6日)

🤔 判断観点

  • 影響範囲: Clinical Trials データストアの利用を検討していた組織や、global リージョンで Gemini 3.5 Flash を利用している組織が主な確認対象です
  • 検証推奨事項: いずれも過去案内の訂正のため、社内で共有済みの前提(提供ステータスや削除時期)を、最新のリリースノートに照らして更新する運用が考えられます
  • 継続確認: Gemini 3.5 Flash の削除は延期であり、改訂スケジュールが後日案内される見込みのため、今後のリリースノートの継続確認が検討対象となります

📚 公式ソース

5. Gemini Enterprise — カスタム MCP サーバーのデータストアが GA、説明フィールドは不要に

Gemini Enterprise で、独自の MCP(Model Context Protocol)サーバーをデータストアとして接続する機能が一般提供(GA)になりました(2026年8月7日)。あわせて、カスタム MCP サーバーのデータストア設定から説明(Description)フィールドが不要になる変更も行われています(2026年8月6日)。

✨ 使えるようになる機能

  • カスタム MCP サーバー接続の GA: 自社の独自 MCP サーバーを Gemini Enterprise に接続し、社内の非公開データ・独自の内部ツール・MCP 準拠の外部システムに安全にアクセスできます
  • 組織ポリシーによる制御: この機能は既定でオフです。有効化するには、組織ポリシー管理者が組織の制約を解除する必要があります

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 説明フィールドの削除: カスタム MCP サーバーのデータストアから説明フィールドが削除されました。Gemini Enterprise はサーバーの tools/list エンドポイントを自動で呼び出し、ツール・パラメータのスキーマ・機能を直接把握するため、説明を書く必要がなくなります。設定が簡素化され、ルーティングの精度向上が図られます。既存のカスタム MCP データストアに更新は不要です

🤔 判断観点

  • 影響範囲: 独自の MCP サーバーで社内データや内部ツールを Gemini Enterprise に接続したい組織が主な確認対象です
  • 権限・ガバナンス: 機能は既定でオフのため、有効化には組織ポリシー管理者による制約解除が必要です。誰が・どの範囲で有効化するかを検討する余地があります
  • 検証推奨事項: 接続先の MCP サーバーが tools/list エンドポイントで意図どおりツールとスキーマを公開できているかを確認する運用が考えられます

📚 公式ソース

6. Google Cloud CCaaS — 高度レポートダッシュボード 5.1 の新機能とコンタクトセンターの機能追加・多数の修正

Google Cloud Contact Center as a Service(CCaaS)で、高度レポートダッシュボード(Advanced reporting dashboards)5.1 がリリースされました(2026年8月6日)。あわせて、レポートやコールバック、エージェントデスクトップに関する複数の新機能と、8月6日・7日にわたる多数の不具合修正が行われています。

✨ 使えるようになる機能

  • 高度レポートダッシュボード 5.1: 高度レポートダッシュボードのバージョン 5.1 がリリースされました
  • 平均チャット同時対応数(Avg Chat Concurrency): Agent Metrics(Historical)Explore に、エージェント・チーム・キュー単位で同時対応の傾向を捉える指標が追加されました
  • ウォーム転送・エージェント相談の指標: Transfers - Calls / Transfers - Chats ダッシュボードに、相談後に転送するまでの時間(Agent Connection Time)と、通話に戻る前に相談していた時間(Agent Consult Time)が追加されました
  • サブチームの集計: ダッシュボードの Team フィルタで上位チームを選択すると、そのサブチームのデータも含めて集計されるようになりました
  • コールバック制限: 営業時間終了間際やキュー停止中に問い合わせがあった場合に、コールバックを自動的に振り分けたりスケジュールしたりする設定を追加できます(管理者向けにチェックボックスを新設)
  • カスタムパネル URL のパラメータ対応: エージェントデスクトップのカスタムパネルの URL に、固定・動的なパラメータを設定でき、セッション・エージェント・顧客のコンテキストを渡せます

⚠️ 使えなくなる機能 / 変更点

  • 多数の不具合修正: 「今週」「今月」の時間別集計値の誤り、チャットで放棄数・放棄率が常に 0 と表示される問題、仮想エージェントの通話指標の誤り、接続していないエージェントが担当として表示される問題、7 日を超える期間指定でのエクスポート失敗など、レポート関連の多数の問題を修正しました(2026年8月6日)
  • 通話・チャット・エージェントデスクトップの修正: 自動応答された対応が「Queued」のまま滞留する問題、発信通話が接続されない問題、複数の同時 Web チャット切り替え時の遅延、チャット添付(PDF・テキスト)の失敗・タイムアウト、仮想エージェントからの転送時に文字起こしが失われる問題など、多数の問題を修正しました(2026年8月7日)
  • デフォルト動作の破壊的変更や機能廃止は、今回の公開情報には含まれていません。5.1 や各機能の適用タイミングは、選択しているデプロイスケジュールにより異なります

🤔 判断観点

  • 影響範囲: CCaaS の高度レポートダッシュボード、コールバック、ウォーム転送、エージェントデスクトップのカスタムパネルなどを利用しているコンタクトセンターが主な確認対象です
  • 検証推奨事項: 新しい指標(平均チャット同時対応数・転送関連時間)やサブチーム集計の変更が、現行のレポート運用や KPI の見方に与える影響を確認する運用が考えられます
  • ロールアウト戦略: 5.1 や各機能の適用時期は選択中のデプロイスケジュールに依存するため、公式のリリースノートとスケジュール情報を確認する運用が考えられます

📚 公式ソース

まとめ

2026年8月3日〜8月9日の AI カテゴリでは、Gemini Enterprise の新データストア追加(Public Preview)カスタム MCP サーバーのデータストア GAなど、企業向け AI アシスタントの連携先を広げるアップデートが充実しました。あわせて、データコネクタのエンドツーエンドのトレーシングや CodeMender CLI の改善など、運用性・観測性を高める動きも進んでいます。

IT 担当者の視点では、カスタム MCP サーバー GA に伴う組織ポリシーの制御Clinical Trials データストアや Gemini 3.5 Flash 削除に関する訂正の反映CCaaS 5.1 と各新機能・修正の適用スケジュールの確認が、社内周知や設定・検証のポイントです。経営の視点では、AI アシスタントの連携先拡大が業務データ活用の裾野を広げる材料となります。自組織の AI 活用方針・利用中の機能・データガバナンス要件に照らし、これらの評価や対応の検討を進めていただくとよいでしょう。

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