本記事は、Google Workspace Studio(旧Flows)の実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Studio活用方法100本ノック」の一つとなります。
今回は、毎日のルーティン業務である「勤怠登録」の入力漏れを防ぐためのエージェント構築について解説します。単にリマインドを送るだけでなく、「昨日は何の会議があったっけ?」という振り返りを支援するために、Googleカレンダーから前日の予定を取得し、勤怠システムのリンクと共にGoogle Chatへ通知するフローを作成します。
| 難易度 | 初心者向け |
| 実現すること | 平日の定刻に前日のイベントや勤怠登録リンクを含んだ内容をChatで送信 |
| 想定する対象者 | 日々の勤怠入力や稼働の入力を忘れがちな方 |
| 利用サービス | Google Calendar, Google Chat, Gemini |
今回作成するエージェントの代表的なユースケースとしては以下のようなことが考えられると思います。
エージェントは3ステップのシンプルな構成となっています。
「Starter」に「On a schedule」を選択します。
「Time」に勤怠登録したい任意の時刻を設定します。
「Repeat」に「Every weekday」(平日)を選択します。
「Add step」で「Ask Gemini」を選択します。
「Enter a prompt」に以下のようなプロンプトを入力してください。
"""
勤怠登録のリマインダーを作成してください。
1. 昨日の日付を記載してください。
2. Google Calendarから昨日のイベントを取得し、リスト化してください。
"""
「Sources Gemini can use」は「Web, Workspace, and connected apps」を選択します。
「Add step」で「Notify me in Chat」を選択します。
「Message」の右下の「+ variables」で「Ask Gemini」の「Content created by Gemini」を選択するとステップ2でGeminiがまとめた内容を取得できます。
その下に固定メッセージとなる勤怠登録を案内する文章を入力すれば完成です。
ワークフローの下部にあるTest runで動作確認が行えます。
「Start」をクリックするとテストが開始します。
ステップごとにテストが行われます。
Geminiが生成した内容もここで確認することができます。
前日のカレンダーは以下のようになっていました。
Geminiはカレンダーの内容を正しく取得できています。
ChatではFlowsというアプリから設定した内容の通知が来ていました。
これにてテスト完了です。
今回は、Google Workspace Studioを用いて「定刻に勤怠登録と前日の予定をChatでリマインドする」エージェントを作成しました。
単なる「入力してください」という通知だけではスルーされがちですが、「昨日はこの会議に出ていましたね」という具体的な情報(コンテキスト)を添えることで、アクションを起こしやすくなります。
カレンダー情報の取得範囲を変えれば「当日の予定確認」や「来週の予定サマリ」などにも応用可能ですので、ぜひご自身の業務に合わせてプロンプトをカスタマイズしてみてください。