本記事は、Google Workspace Flowsの実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Flows活用方法100本ノック」の一つとなります。
今回は、様々なファイルから業務に必要な情報を抽出しスプレッドシートに転記する、作業を自動化することを目的としたフローを作ります。
| 難易度 | 初心者向け |
| 実現すること | 任意の形式のファイルから抽出したい項目をSpreadsheetに自動転記する |
| 想定する対象者 | 経理、営業事務、人事など、紙やメール、複数ファイルからのデータ転記が多い担当者。 |
| 利用サービス | Google Drive, Google Spreadsheet |
この連携が最も威力を発揮するのは、フォーマットが統一されていない非定型文書の処理です。これは紙や画像データに限らず、担当者ごとに形式がバラバラな状態で作成されたGoogle Docsやsheetから必要な情報だけを抽出する際にも有効です。
以下のような例が挙げられます。
各部門が異なるプロジェクト管理テンプレート(Spreadsheetなど)を使用して進捗率や予算ステータスの列を担当者が書いていて、全社や部門でのサマリー作成のために各ファイルからそれらを抽出・別ファイルに転記する作業が考えられます。これを、単純な転記作業かもしれませんが、対象ファイルやデータが増えると比例して作業時間も取られます。その作業をWorkspace Flowsに実施させることで、ヒューマンエラーも減らしつつ作業時間削減につながるでしょう。
関係各所から届く請求書のPDFや、経費精算のためのレシートや領収書など、バラバラな形式の紙・画像データを目視で確認し、手作業で金額や日付を支払台帳に転記する作業があると考えられます。月末の繁忙期に集中したり、入力ミスや転記漏れが大きな影響を与えかねない作業です。その作業をWorkspace Flowsに実施させ、担当者はチェックだけを行うようにするだけで、大きく負担を減らせるでしょう。
構成は至ってシンプルです。
特定フォルダにファイルが配置されたら、その中から必要な項目を抽出して、Spreadsheetに書き込む、という3Stepを作るだけです。
Workspace Flowsでの作業を行う前に、いくつかの事前準備をGoogle Driveで実施します。
Workspace Flowsに戻り、各ステップについて詳細を説明します。
上記のフローを実際に回してみました。様々なフォーマットに対応できていることを確認するため、いくつかのファイルを試しています
以下のようなDocsファイルを作ってみました。いろいろと情報量が多いですね。
こちらをGoogle Driveの「処理用フォルダ」に投入してみると、集計用Spreadsheetに期待通り転記されていました。金額と通貨の処理、日付のフォーマット(YYYY/MM/DDに変換)も期待通りやってくれています。日付については、「請求日」と簡単な指示だけだったので、今回のように複数箇所に日付がある場合は精度が低い可能性もあります。実利用に合わせて指示を細かくしてもいいでしょう。
シンプルな領収書風のファイルを同じようにフォルダに配置します
こちらも期待通りのデータが追加されました。
今回のようなことは、OCRツールを使ったりすることでも確かに実現できるものです。ただし、Google Workspace上で完結するという点で、利用者が新たなシステムを導入する必要がありません。「決まった場所にファイルを置く」という営みに変えるだけで実際に運用していくことが出来るのが、魅力ではないでしょうか。
この使い方が有効だと感じた方は、是非利用してみてください。