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[GWSStudio100本ノック] 長時間の会議を検知し、休憩のリマインドを出すエージェントを作成してみた

作成者: Yudai Imai|2025.12.06

はじめに

本記事は、Google Workspace Studio(旧Flows)の実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Studio活用方法100本ノック」の一つとなります。  

今回は、メンバーの健康管理を意識したエージェントとして、休憩をはさまずに長時間続く会議を検知し、Google Chatで「休憩を取りましょう」とリマインドする仕組みを作ります。働き過ぎを防ぎ、集中力を維持するうえで欠かせない小休止を自動で促せるようにしましょう。

難易度 初心者向け
実現すること カレンダーから長時間会議を検出し、休憩リマインドをChatに自動送信することができます
想定する対象者 連続会議が多いチームリーダーや人事、健康配慮を促したいマネージャー
利用サービス Google Calendar, Google Chat

ユースケース

今回作成するエージェントの代表的なユースケースとしては以下のようなことが考えられると思います。

  • プロジェクトチームの会議運用に休憩を組み込む
    • 90分以上の会議が完了後にチャットで「休憩を取りましょう」とリマインドされます。
  • リモートワーク下のウェルビーイング向上
    • オンライン会議が連続するチームメンバーに向けて、一定時間ごとに休憩を促すリマインドができます。

前提条件

今回のエージェントを作成するための前提条件は以下となります。Google Workspace Studioは2025年12月時点ではそれまではFlowsという名前で提供されていたサービスからリネームされたサービスかつまだ提供されて間もないため、このブログの内容が最新ではなくなる可能性があることをご了承ください。
  • 利用環境:Google Workspace Studioにアクセスできるユーザーであること。
  • 利用アプリ:通知先のGoogle Chatスペース(またはDM)が事前に用意されていること。

エージェントの全体図

今回作成したエージェントは4ステップのシンプルな構成となっています。

スターターとして「Based on a meeting」を設定し、会議が終わったタイミングにエージェントが実行されるようにしています。

続くアクションでは、まずGeminiの「Decide」ステップで会議の時間がどれくらいだったかを判定してしきい値を超えていた場合は、「Check if Step 3: Check if Step2:Decision is true」ステップで判定し、Step4の「Notify me in Chat」では長時間のMTGが実施されたと判定された場合に休憩を促すメッセージがGoogle Chatへ連携されます。

構築手順

今回作成したエージェントの構築手順は以下のようになっています。

Starter

Starterで「Based on a meeting」を選択します。そして、Meetingには「Every meeting」、Time offsetには「0」、Unitsには「Minutes」、Startには「After meeting」を設定します。

Actions

最初のActionsでは「Decide」を選択して、Enter a promptの欄に以下の内容を入力してください。[]で囲まれている内容はVariablesを選択した中から作成するようにしてください。

"​​[Step1: Meeting title]" というタイトルで、 ​​​[Step1: Meeting start time]に始まりに​​[Step1: Meeting end time]終わる会議の所要時間は90分以上になっているか。true または false のみで答えてください。

Step2が作成できたらStep2を作成したときに自動で作成された「Step 3: Check if Step 2: Decision is true」を選択してください。

そしてCheck ifの中の条件分岐の内容が以下の画像のように「Step 2: Decision」が「is true」となっていることを確認してください。

次に、Step3の中にある「Add substep」を選択してから「Notify me in Chat」を選択してください。

次に、Messageの欄にはChatへ連携する以下の内容を入力します。 

会議が長時間にわたっていたようです。短い休憩(例:5分間)を取って、集中力を維持することをお勧めします。
MTG:[Step1: Meeting title]

実行テスト

作成したエージェントを有効化します。エージェントの下部に存在している「Turn on」のボタンを押してエージェントを有効化します。

今回作成したエージェントは予定が終わった後に実行されるため、Turn onのボタンの横にあるTest runボタンからテスト実行させてみたいと思います。ボタンを押すとTest runの画面が出てくるので、テストのために作成した2時間の予定をBased on a meetingのフォーム欄に入れてから、Startのボタンを押してみます。

テストで作成した予定は2時間となっているので今回の判定では条件を満たすことが分かっています。そして、テスト実行の結果を見るとちゃんと判定が正常に行われているため、後続のステップが実行されていることが分かります。

そしてChatにも休憩を促すメッセージが届いていました。

まとめ

現時点でのWorkspace Studioではユーザーのカレンダーの情報までは取得できないようだったので、今回の1個の会議単位でのエージェントとしてみました。GASなどと連携することで連続した予定の合算値での判定を実現することはできるとは思いますが、今回はWorkspace Studioのみでの実装としています。

長時間の会議が続くと集中力が低下し、体への負担も増大します。Workspace Studioを使ってカレンダーから長時間会議を検知し、自動で休憩を促すリマインドを出すことで、メンバー全員が健康的に働ける環境を整備できます。

エージェント自体はシンプルな構成で実装できるため、まずはチーム用に導入し、会議文化の改善につなげてみましょう。