本記事は、Google Workspace Flowsの実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Flows活用方法100本ノック」の一つとなります。
今回は、受信メールの署名から連絡先情報を抜き出し、Google Contactsを自動的に更新するフローを組み立てます。メール本文から署名を読み取り、メールアドレス・名前・会社名・電話番号を抽出して連絡先管理を省力化するのが狙いです。Contactsへの登録処理はGoogle Apps Script(GAS)で実装し、Flowsから呼び出す構成とします。GASの具体的な作り方は別の番外編記事で詳しく解説しますので、併せてご参照ください。
GASの作り方はこちらのリンクから確認してください。今回のブログを実現するにはこのGASの作成とFlowsへのインストールを先んじて実施しておく必要があるため、番外編のブログを先に実施しておいてください。
| 難易度 | 中級者向け(GASの構築を含むため) |
| 実現すること | 受信メールの署名から連絡先情報を抽出し、Google Contactsへ自動登録・更新するようなるため、連絡先の管理を省力化することができます |
| 想定する対象者 | 新しい取引先や問い合わせが多く、連絡先管理の手間を減らしたい営業・CS担当 |
| 利用サービス | Gmail、Google Contacts、Google Apps Script |
今回作成するフローの代表的なユースケースとしては以下のようなことが考えられると思います。
今回作成したフローは3ステップのシンプルな構成となっています。
スターターとして「When I get an email」を設定し、Gmailで新しいメールを受信したタイミングでフローが起動します。
続くアクションでは、まずGeminiの「Extract」ステップでメールの署名を調査して抽出してもらい、その結果をGASで作成した「Upsert Contact」でGoogle Contactsへ連携されるような作りとしています。
今回作成したフローの構築手順は以下のようになっています。
Starterで「When I get an email」を選択して、「All emails」を選択します。
最初のActionsでは「Extract」を選択します。Content to analyzeの欄にはVariablesを選択して、Step1で取得したEmail bodyを選択するようにします。
What to extractでは、Custom contentを4つ設定してください。項目を追加する場合は「+add」を押して追加するようにしてください。
| Custom content name | Description for Gemini |
| Company Name | Extract the company name from the email body. |
| Customer Name | Extract the full name of the customer from the email body. |
| Customer Email | Extract the Customer Email from the email body. |
| Customer Phone | Extract the Customer Phone from the email body. |
次のStepでは、「+Add step」を選択してからGASからインストールしたActionとなる「Upsert Contact」を選択してください。そうするとGoogle Contactsに追加する情報を追加する画面が出てきます。
Step2で抽出した各種情報をVariablesから設定してください。以下のようになっていたら完了です。
作成したフローを有効化します。フローの下部に存在している「Turn on」のボタンを押してエージェントを有効化します。
試しに、自分に対して以下のようなテストメールを送信してみました。
そうすると自動でGoogle Contactsに署名の情報をもとにした連絡先が追加されるようになりました。
Flowsの実行履歴を見たところ、ちゃんとメールの中の署名から情報を抽出できていることを確認できます。
メールの署名から連絡先を手作業で登録していると、更新し忘れや表記ゆれが発生しがちです。Google Workspace Flowsで署名抽出とGASを組み合わせれば、受信と同時にGoogle Contactsを最新化する仕組みを数ステップで構築できます。
本記事ではフロー側の設計に集中し、Contacts登録ロジックについては別の番外編で詳しく解説します。まずはフローを試してみて、連絡先管理の自動化による業務効率化を体感してみてください。