Google Cloud Next '25は、2025年4月9日から4月11日の3日間、アメリカ・ラスベガスのMandalay Bayにおいて開催されるGoogleのクラウドサービスに関する世界最大級のイベントです。「今回は、これまでで一番多彩なデベロッパー コンテンツを用意します。デベロッパー専用のエクスペリエンスやコンテンツを充実させ、アプリ開発や AI のほか、スケーラブルで安全なデータ駆動型アプリケーションの学習や開発に役立つ重要なトピックを網羅します。」と銘打っており、AIコンテンツで大いに盛り上がった昨年や一昨年にも勝るとも劣らないイベントとなることが期待されます。
私たち日本情報通信株式会社も、Google Cloudに精通した専門家として、技術イノベーションの最新動向を取り入れ、顧客に対するソリューション提供に活かしていくことを目指して参加しています。
このような貴重な機会ですので、現地からいち早くブログで最新情報や熱量を発信してまいります。
このセッションでは、Googleが研究を進めている「AIエージェント」の概念や機能について詳しく理解することができます。具体的には、AIエージェントがどのような要素で構成されているか、どのような環境で動作し、どんなことができるのかについて最新の事例を交えながら学ぶことができます。また、AIエージェントの課題や将来的な展望についても詳しく触れられています。このセッションを通じて、AIエージェントの応用可能性や将来性について深い知見が得られます。
ここでは私が興味深く感じたセッション内容の要点をまとめました。
AIエージェントは、ある目標を達成するために環境を認識し、自律的に行動を起こすことのできる存在として定義されます。具体的な要素として、環境の知覚(Sensing)、計画の作成(Planning)、行動の実行(Action)が不可欠です。そして、多くの場合、行動を支援するツールが与えられ、それによって複雑な問題を解決します。
GoogleはGeminiというAIモデルを利用してエージェントの開発を進めており、Gemini 2.5 ProやGemini 2.5 Flashなどのモデルを発表・リリースしています。
AIエージェントが実際に動くためには、以下のようなコンポーネントが必要です。
さらに、これらすべてをまとめるオーケストレーション層やランタイム環境によって、実際の動作環境が整備されています。
セッションでは実際に開発されているAIエージェントの応用事例が紹介されました。
また、具体的なユースケースや応用可能な分野としては、コーディング、リサーチ、カスタマーサポート、セールス、採用、人事業務などの多岐にわたり、現在活発に利用されていることが紹介されました。
AIエージェントには、多くの可能性がある一方で以下のような課題も存在していると紹介されました。
今後の展望としては、複数エージェント間のコラボレーションやロボティクス分野との統合、より高度な自律性を持ったマルチエージェントシステムなどの展開が予測されています。
会場は3日目の最終日かつセッションも午後12時のお昼時だったため、空席が多くなるかと思っていましたが内容がAIエージェントについて「all you need(さえいればいい/あれば十分)」という表現がされていたことで9割近くの席が埋まっていました。実際の内容は現状のAIエージェントを取り巻く状況と課題、そして将来についてのセッションでしたが、Google Deepmindのエンジニアの考えを知ることも可能になっていて、最終日でも注目は集まっているのかなと感じました。
今回のセッションで、AIエージェントの高度な可能性を認識する一方、現実課題も多く存在していてその両面が詳しく紹介されていたのが印象的でした。特に、Geminiを使ったコードエージェントやリサーチエージェントの事例は、実際に開発に取り入れてみたいと思わされるほど興味深いものでした。
私個人としては、AIエージェントの市場が、比較的リスクや失敗コストの低い、かつワークフローが明確に証明されている分野で急速に進展している点に興味を持ちました。AIエージェントの活用範囲が今後さらに拡大し、業務の効率化が加速される時代が来ることを感じました。
また、セッションの中で提起された課題や倫理的問題にも引き続き注目し、「安全で責任あるAIエージェント」のあり方を考えていく必要性を改めて感じました。将来的には、より恒常的に自己進化するAIや、エージェント同士の協調・連携が広がっていくことを期待したいと思います。
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