Google Cloud Next '26は、2026年4月22日から4月24日の3日間、アメリカ・ラスベガスのMandalay Bayにおいて開催されるGoogleのクラウドサービスに関する世界最大級のイベントです。「ディープ ラーニング、刺激的なセッション、共同での問題解決など、充実した 1 週間になることでしょう。業界の専門家や、あなたと同じ課題や機会に直面している同業者から直接学ぶチャンスです。Next 26 を終える頃には、他では得られない斬新なアイデア、最先端のスキル、行動につながる知見を身につけていることでしょう。」と銘打っており、AIコンテンツで大いに盛り上がった昨年や一昨年にも勝るとも劣らないイベントとなることが期待されます。
私たちNTTインテグレーションも、Google Cloudに精通した専門家として、技術イノベーションの最新動向を取り入れ、顧客に対するソリューション提供に活かしていくことを目指して参加しています。
このような貴重な機会ですので、現地からいち早くブログで最新情報や熱量を発信してまいります。
AI アプリケーション開発において、データベースは「アプリケーションと基盤モデルをつなぐブリッジ」です。セッションではこのコンセプトを軸に、NoSQL 各サービスの AI 統合を 3 つのカテゴリで整理していました。
LLM が急速に普及する中で、高スループット・低レイテンシ・柔軟なスキーマという NoSQL の特性が改めて問われています。
セッションでは Google Cloud のトップ顧客の 95% が利用しているという Memorystore の新機能がセッションの最初のトピックとしてスタートしました。マイクロ秒のレイテンシと 99.99 の可用性を維持しつつ、今回のアップデートで選択肢が大きく広がりました。
Valkey は Redis から派生したオープンソースプロジェクトで、多くのクラウドベンダーが支持しています。Valkey 9.0 では以下の改善が加えられたとのことです。
ワークロードに合わせて選べるよう、3 カテゴリ計 6 つの新ノードタイプが追加されました。
AI エージェントが利用する Feature Store のような高コンピュートなワークロードを想定した 8 vCPU ノードの追加は、地味に使い道が広がりそうです。
ベクトル類似検索モジュール(Google がコントリビュート済み)に続き、JSON モジュールと Bloom Filter モジュールが Memorystore for Valkey で GA になりました。
セルフマネージドの Redis や Memorystore for Redis から Memorystore for Valkey へのマイグレーションを支援するネイティブオンラインマイグレーション機能が発表されました。クロスリージョンレプリケーション技術を活用しており、セカンダリクラスターとして接続→データ同期→カットオーバー→クリーンアップという流れが自動化されているとのことです。
Flexible CA サポート(独自 CA の持ち込み、リージョナル CA 管理に対応)、トークンベース認証(Basic Auth を利用中の顧客向け)が追加され、ACL サポートは近日公開予定とのことでした。
登壇者は Bigtable を「Fast and flexible storage at scale」とシンプルに表現しました。Google 内部でも機械学習など多くのサービスで利用されており、Sundar Pichai 氏の基調講演でも言及されたとのことです。
現在のスケールとして、1 テーブルに最大 1.6 京行(1.6 Quadrillion rows)、1 テーブルで 2.5 億 QPS、全体では毎秒 70 億クエリを処理可能と説明されていました。
今回の発表で個人的にいちばん刺さったのが Bigtable In-Memory Tier です。
Bigtable はもともとストレージとコンピューティングが分離されたアーキテクチャを採用しています。In-Memory Tier はそれをメモリにも適用し、特定のデータをメモリにピン止めしながら、コンピューティングは独立してスケールできる設計です。
「それなら Redis を前段に置くのと何が違うのか」という疑問に対し、登壇者は以下の 2 点を強調していました。
パフォーマンスへの効果として示された数値は以下の通りです。
「ホット行がある」こと自体をアーキテクチャ上の課題としてきた設計が変わりそうです。
In-Memory Tier を含む新機能群は Enterprise Plus Edition で提供されます。
今年の Bigtable の開発速度は相当なものがあります。時系列関数の追加、70 以上の地理空間クエリ関数・オペレーター、Continuous Materialized Views(非同期セカンダリインデックスとしても利用可)、Pub/Sub との自動同期、BigQuery からの逆 ETL と、1 セッションで収まりきらないほどの数でした。
Firestore は「サーバーレスの企業向け JSON データベース」として、エンタープライズからモバイルアプリ、週末プロジェクトまで幅広い用途で使われています。20 億人のエンドユーザーを支えるアプリが Firestore 上で動作しており、アクティブな開発者数は 75 万人超とのことです。
99.999 の可用性、マルチリージョンでの ACID トランザクション、スキーマレスな柔軟性を兼ね備えた設計は、AI エージェントが「スキーマを即座に変更しながら素早く試す」という開発スタイルとの相性が良いと登壇者は強調していました。
昨年の Google Cloud Next で Preview として発表されていた Firestore の MongoDB 互換モードが GA になりました。MongoDB の API をそのまま使いながら Firestore のインフラ上で動作するため、既存 MongoDB ワークロードの移行コストを抑えられます。
GA に合わせて追加された機能はかなり充実しています。
MongoDB 互換モードと並行して、Firestore ネイティブ API の Enterprise Edition も発表されました。パイプライン操作(JOIN・集計・バルク編集)、地理空間機能、Data Catalog 統合が追加されています。フルテキスト検索は MongoDB 互換モードとネイティブ API の両方で利用可能です。
Palo Alto Networks からは、3 つのプロダクトにわたる GCP NoSQL 活用事例が紹介されました。
会場は Mandalay Bay の中規模ルームで、Introductory トラックとしては1日目ということもありましたが、お昼時だったこともありそれなりの入りでした。ただ、ラスベガスで開催される Google Cloud Next という規模のイベントにしては、データベース専門セッションの集客はグローバルでも控えめな印象があります。NoSQL という技術領域そのものへの関心が、AIでは必須ではありつつ全体の盛り上がりほどには反映されていないのかもしれません。
内容面では、Bigtable In-Memory Tier の発表がもっとも反響を感じました。「Redis を別途用意しなくてもいい」というメッセージは会場でも伝わっていたように見えましたし、実際に使い方を変えるインパクトがある機能だと思います。Firestore の MongoDB 互換 GA も、既存 MongoDB ユーザーに対する強いメッセージで、今後の移行事例が増えそうです。
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