Google Cloud Next '24は、2024年4月9日から4月11日の3日間、アメリカ・ラスベガスのMandalay Bayにおいて開催されるGoogleのクラウドサービスに関する世界最大級のイベントです。開発者、エンジニア、IT専門家、業界リーダーが集結し、3日間にわたり技術の最前線を駆け巡ります。特に今年のイベントは、AI/ML(人工知能・機械学習)にフォーカスが当てられ、セッションの約4割がAI/ML関連となり、その最新情報が発表されることが強く期待されています。
私たち日本情報通信株式会社も、Google Cloudに精通した専門家として、技術イノベーションの最新動向を取り入れ、顧客に対するソリューション提供に活かしていくことを目指して参加しています。
このような貴重な機会ですので、現地からいち早くブログで最新情報や熱量を発信してまいります。
Cloud Runの2つの主要エリアである「エンタープライズアーキテクチャ」「アプリケーション管理」の新機能について説明します。
2024年4月10日に発表されたCloud Runの新機能について学ぶことができます。
Cloud Run のボリューム マウントを使用して、NFSまたはCloud Storage バケットをストレージ ボリュームとしてマウントすることが可能となります。また、公式ドキュメントを見ると、インメモリボリュームのマウントもプレビューで提供されています。
本機能により、バケット・ファイルシステム・インメモリの内容がコンテナ ファイル システムのファイルとして使用できるため、標準のファイル システム オペレーションとライブラリを使用して、そのファイル システムにアクセスできます。また、1 つの Cloud Run インスタンスの異なるコンテナ間でボリュームを共有することができます。
Cloud Runのアプリケーションで使用しているベースイメージ(予めOSや必要なソフトウェアがインストールされている状態のイメージ)の更新がダウンタイム無し・再構築無しで、自動アップグレードされます。
本機能により、脆弱性情報によりベースイメージを更新しなければならない場合、動いているCloud Runアプリケーションを止めずに、ベースイメージが自動更新されるため、Cloud Runで動いているミッションクリティカルなシステムには嬉しい機能だと思います。
Cloud Runのサービスを最初にデプロイしたときに提供される、自動割り当ての一般公開URLをhttps://[service name]-[project-number].[region].run.appという規則に従った形に変更可能となります。
これまでの自動割り当ての一般公開URLはhttps://[リクエストしているリビジョンのトラフィックタグ][Cloud Run サービスの安定した一意の識別子].run.appという形式だったため、比較的わかりやすいURLになります。
Geminiが、デプロイ済みのCloud Runの各リソースに対して推奨事項をバナーで提示してます。
開発者が作成したCloud Runリソースを最適化することができるので、誰でもベストプラクティスな設定・構成に近づけることが可能となります。
一つのCloud Runサービスを一つのコマンドで複数のリージョンにデプロイすることが可能となります。
これまでは、Cloud Runサービスを複数のリージョンにデプロイするには複数の手順を踏む必要がありましたが、一つのコマンドで実行できるようになるため、工数削減が可能となります。
Google Cloud コンソール UI と Google Cloud CLI を使用して、特定のインテグレーションに必要なリソースとサービスを自動的に作成して構成できる機能である、「Cloud Run Integrations」に、CloudSQL・Firestore・Vertex AIの三つのサービスが加わりました。
これにより、特定のGoogle Cloudプロダクトと統合するCloud Runアプリケーションを開発する工数が削減可能となります。
Cloud Runのアプリケーションをダイアグラムで可視化しながら数回のクリックで作成することができます。また、Geminiを使うことで自然言語でアーキテクチャの作成が可能で、実際にデプロイができます。
本機能は個人的に一番面白い機能だと思います。
Cloud RunのアプリケーションをGUIで作成する場合、複数のGoogle Cloudプロダクトを画面を遷移しながら作成する必要があり、プロダクト間の接続がうまくいかないケースが多々ありましたが、本機能により、一つの画面で各プロダクトの作成が可能で、プロダクト間の接続も可視化されているため、接続不良はなくなり、開発のスピードが格段に上がるのではないかと思います。
Direct VPC EgressがGAとなります。(全リージョン対応・CloudNAT対応・ファイアウォールログ/VPCログ対応)
Cloud Run サービスまたはジョブが、サーバーレス VPC アクセスコネクタを使用せずに、VPC ネットワークにトラフィックを送信できるようになります。
マイクロサービス間の通信を管理し、制御するためのサービスメッシュがCloud Runで使用可能となります。
サービス間の通信の安全性を高めたり、パフォーマンスをモニタリングしたり、トラフィックの流れを制御することが可能となります。
新機能の紹介は以上となります。
今回のGoogle Cloud Nextは生成AI系の発表が多い中、Cloud Runの開発効率化に関する発表が多く、個人的には一番興味深いセッションとなりました。
特にApplication canvasはPreviewステージになったらすぐに使ってみたいと思いました。
Cloud Runの新しい機能を使って、開発スピードを改善していきましょう!
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