みなさんこんにちは、XIMIXの伊藤です。
本記事はNI+C TeamGCP Advent Calendar 2024の14日目の記事となります。
Google Workspace (GWS) の管理では、時に登録ドメインのDNSレコードの調査、各種サービスで記録されたログの解析、動作不具合がおきた端末のトラブルシューティングなど、GUI上では完結しない作業が必要になる場合があるかと思います。
そこで、本記事ではGoogleから提供されている公式のトラブルシューティングツールであるGoogle Admin Toolboxより提供されているツールを紹介します!
Google Admin Toolbox では、GWSの利用上で不具合が発生した際のトラブルシューティングに役立つツールがいくつか提供されています。
Browserinfo
アクセスした端末のブラウザの情報や、ネットワーク環境に関する情報が表示されます。
CheckMX
指定したドメインのMXレコード、およびTXTレコードを確認して、設定が正しく行われているかを判定します。
Dig
ドメイン、およびDNSレコードの種別を指定することで、エントリを確認できます。
HAR Analyzer
主要なブラウザのHTTPセッションツールでキャプチャした、HAR形式のデータを解析することができます。
Log Analyzer/Log Analyzer 2
GCDS、Password Sync、GWSMOなど、GWSから提供されるいくつかの製品のログデータを解析することができます。
Messageheader
ペーストしたメールヘッダーを分析し、見やすい形式でサーバーホップ数やメッセージの遅延等を確認できます。
Useragent
アクセスした端末で使用しているブラウザ、OS、レンダリングエンジンなど様々な情報が表示されます。
Encode/Decode
Base64、URL、SMALなど、様々エンコード/デコードを行えます。
スクリーン レコーダー
画面上の操作を録画し、動画形式でダウンロードすることができます。
GWSアプリの動作不具合によるトラブルシューティング等で、エンドユーザーが使用している端末の情報を収集する必要がある場合には、Browserinfoにアクセスしてもらい、表示される情報を取得することで、解決につながる情報を得られる可能性があります。
例えば、動作が重たい、遅延すると言った症状が報告されたケースでは、"プラグイン"欄から意図しないプラグインがインストールされていないか、"ファイアウォール"欄から特定のホストへの接続が遅延していないか、といった情報を参考にすることができます。
GCDSを構成した環境によっては、膨大な処理に伴って大量のログデータが記録され、解析に手間がかかってしまうこともあるかと思います。
Log Analyzer では、ログファイルをアップロードすることで、特定の文字列を含む、エラーが起きている等の条件でレコードをフィルタして表示することが可能です。
また、フィルタしたレコードはエクスポートすることも可能であり、以降の調査に必要なデータのみを抽出することもできます。
メールの送受信に関わるドメインのDNS設定ですが、実際のメールの送受信で不具合が生じた場合、要因の特定が難しいケースもあるかと思います。
CheckMXにドメインを入力することで、不足しているレコードについてのアラートを表示したうえで、設定方法に関するヘルプページのリンクが表示されます。
マルチテナント構成を取っている、複数のドメインを追加している等のケースで、ドメイン要因のメール送受信のトラブルシューティングを行う場合、初動調査の情報収集として利用することが可能です。
GWSの管理には、サービスの基本機能とは別にドメインやメールに関する知識が求められます。
Admin Tool Boxを活用することで、日頃の管理業務の負荷の低減や、管理チーム内での作業方法の統一に効果が見込めますため、本記事が参考になりましたら是非一度触ってみることをおすすめします!
Google Workspace の診断ツール
https://support.google.com/a/answer/2520136?hl=ja
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