※本記事は、Google Workspace Studio(旧Flows)の実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Studio活用方法100本ノック」の一つです。
今回は、最近公開されたGoogle Workspace Studio(旧Flows)を使用して、未読のメールを毎朝1通のメールにまとめて自動で送信してくれる仕組みを作ります。この仕組みを利用すれば、重要なメールの見落としを防いだり、朝のメールチェックにかかる時間を短くすることができます。
プログラミングやRPAツールを使用した経験が無くても、今回ご紹介する機能を使用すれば、誰でも簡単に自動化の仕組みを作ることができます。
一昔前までは、業務の自動化をするためにはプログラミングの知識が必要でした。代わりにRPAツールを使用して自動化しようとしても、細かいチューニングができず、用途が限られてしまうこともありました。
最近登場したGoogle Workspace Studioを使用すれば、簡単なGUI操作だけで業務を自動化することができます。また、Geminiを使用することで細かな設定や指示をすることもできるので、ご自身の業務に細かく合わせて自動化の仕組みを作成することができます。
Google Workspace Studioでは、
この3つのいずれかの方法で処理を自動化できるため、ユーザーのレベルに合わせた使い方で業務を自動化できます。今回は、「②テンプレートを使用」した上で、それをカスタマイズする方法をご紹介します。
Google Workspace Studioは2025年12月時点ではそれまではFlowsという名前で提供されていたサービスからリネームされたサービスです。提供されて間もないため、このブログの内容が最新ではなくなる可能性があることをご了承ください。
実際に自動化したエージェントで作成されたメールはこちらになります。
毎朝、1本の要約メールが自分宛に送信されるようにしています。未読かつ重要なメールのみをまとめて、優先度ごとにグルーピングしてもらっています。
Google Workspace Studioを使ったことがある方は、こちらを参考に同じステップを組めば作成が可能です。Step2で使用するプロンプトも添付しておきますのでご利用ください。
すべてのメールを確認し、「⚠️緊急対応事項」「👀要対応事項」「💡その他の情報」の3つに分類した上で、すべてのメールの件名と概要を抽出し、優先度順に箇条書きでまとめてください。
出力形式:
⚠️<緊急対応事項>
・メールの件名1:メールの内容1
・メールの件名2:メールの内容2
👀<要対応事項>
・メールの件名3:メールの内容3
・メールの件名4:メールの内容4
💡<その他の情報>
※該当するメールなし
では、ここから詳しい作成手順を見ていきましょう!
まずはGoogle Workspace Studioにアクセスするとこのような画面が出てきます。ページを翻訳すれば、日本語に翻訳されたページを表示することもできます。
一番上に「Describe a task for Gemini」(訳:Geminiにタスクを説明する)と記載されていますが、ここに自動化させたいタスクを記入するだけでも、自動化の仕組みを作ってくれます。
今回は、「テンプレートを使用してカスタマイズする」方法をご紹介するため、画面左下の、「Get a daily summary of unread emails」(訳:未読メールの日次サマリを取得)のテンプレートを選択します。
すると次の様な画面が表示されます。画面左側にはタスクのステップが、右側には選択されたステップの詳細設定画面が表示されています。「Step 1:On a schedule」が選択されていることを確認し、右側の詳細を設定します。実行されるスケジュールなどをご自身の用途に合わせて設定してください。
次に、「Step 2: Recap unread emails」(訳:未読のメールを要約する)のステップを選択すると、Step2に関する設定画面が開きます。下記2つの設定を行ってください。
要約を生成するためのプロンプトは、できるだけ詳しく具体例を交えながら入力することがポイントです。グルーピング方法、要約の度合い、メールのどの情報を盛り込んでもらいたいかなどを詳しく記入しましょう。
「Recap unread emails」のアクションは、"重要なメール"のみを対象としているようです。プロンプトにそれ以外のメールも含むように指示してみたのですが、上手くいきませんでした。
ここで言う"重要なメール"は、Gmailで重要なメールと判断されたものになります。対象となるメールは、①Gmailが自動で重要だと判断したメール、②送信者/受信者が重要なメールにカテゴライズしたメール の2つです。Gmailの画面で、黄色いマークが付いているメールが対象です。
「Step 3 Notify me in Chat」のステップを設定すれば完成ですが、今回はメールで要約を送ってもらうようにカスタマイズしてみましょう。
チャットのステップを選択して削除した後に、「Add step」のボタンから新しいステップ(Notify me by email)を追加してください。
新しく追加した「Step 3: Notify me by email」(訳:eメールで通知する)を選択し、最後の設定をします。
「+Variables」のボタン > 「Step 2:Recap unread emails」 > 「summary of unread email」を選択
これで完成です!試しにテスト実行をしてみましょう。画面一番下の「Test run」をクリックして、右側に現れた「Start」ボタンから実行してみましょう。
次のようなメッセージが出力されていれば無事実行できています。
実際にメール画面を開くと1本の要約メールが送られています。もし修正した点があれば、Step2のプロンプトを調整して、お好みの要約内容になるように調整してください。
完成したエージェントを起動(毎日動くように)するためには、画面下の「Turn on」ボタンを押します。これでエージェントが起動した状態になり、設定したタイミングで要約メールが送られてくるようになります。
作成したエージェントは、画面左の「My Flows」から確認できます。先ほど作成したエージェントが登録されており、Activeのステータスであることが確認できます。ここから設定変更や管理を行うことができます。
今回は、Google Workspace Studioを使用して、未読のメールを毎日1通にまとめて自動送信する方法をご紹介しました。
今まで敷居が高かった業務の自動化も、生成AIの登場で誰でも簡単に出来るようになっています。Workspace Studioを使いこなして業務の自動化に挑戦してみてください!