コラム

脱・属人化!チームのファイル管理が変わる Google Workspace「共有ドライブ」とは?使い方とメリット【入門編】

作成者: XIMIX Google Workspace チーム|Apr 22, 2025 1:10:11 AM

はじめに

「チームで使っていたファイルが、担当者の退職と同時に消えてしまった…」 「プロジェクトのフォルダを共有しているけど、誰がどのファイルにアクセスできるのか管理が大変…」 「最新版の資料がどれか分からず、確認に時間がかかる…」

Googleドライブの「マイドライブ」で ファイル共有 を行っている チーム で、このような課題に直面したことはありませんか?個人ベースの「マイドライブ」での共有は手軽ですが、チームで本格的にファイルを共同管理するには、限界やリスクが伴います。

そんな課題を解決するために Google Workspace に用意されているのが「共有ドライブ」です。共有ドライブ を活用すれば、チームでの ファイル共有 と管理がより安全かつ効率的になります。

この記事では、「共有ドライブとは 何か?」「通常の Googleドライブ(マイドライブ)との違い は?」「どんな メリット があるの?」といった疑問をお持ちの方向けに、共有ドライブ の基本的な概念と 使い方 を分かりやすく解説します。

共有ドライブとは? - チームのためのファイル保管庫

共有ドライブ は、その名の通り「チームで共有して使う」ことを前提とした、Googleドライブ内の特別なスペースです。一番のポイントは、共有ドライブ 内に保存されたファイルやフォルダは、個人ではなくチーム(組織)が所有者となる 点です。

これにより、個人の「マイドライブ」でファイルを共有する場合に起こりがちな様々な問題を解決し、チーム としての継続的かつ安定したファイル管理を実現します。

マイドライブと共有ドライブの比較

共有ドライブ の特徴を理解するために、「マイドライブ」との主な 違い を比較してみましょう。

比較項目 マイドライブ 共有ドライブ
ファイル所有権 ファイルを作成した個人 共有ドライブ を作成した組織(チーム)
ファイルの場所 各個人のドライブ領域 チーム共通の独立した領域
メンバーの役割 共有相手(閲覧者、編集者など、ファイル毎に設定) メンバー(役割に応じた明確な権限レベルを付与)
ファイルの存続性 所有者がアカウント削除するとファイルも消える可能性あり メンバーが脱退してもファイルは共有ドライブに残る
管理の主体 基本的に個人 チーム(または管理者)
主な用途 個人のファイル管理、一時的なファイル共有 チーム・プロジェクト単位での継続的なファイル共同管理
のように、共有ドライブチーム での利用に特化した設計になっていることがわかります。

共有ドライブを使うべき理由:主なメリット【入門】

共有ドライブ を活用することで、チーム は以下のような メリット を享受できます。

①ファイルの消失リスク低減(事業継続性の向上)

大の メリット はこれです。共有ドライブ 内のファイルは チーム 所有のため、ファイルを作成したメンバーが異動したり退職したりしても、ファイルが勝手に削除されたり、アクセスできなくなったりする心配がありません。チーム の重要な情報資産を確実に守ることができます。

②シンプルで確実な権限管理

マイドライブではフォルダやファイル単位で共有設定を行う必要があり、管理が煩雑になりがちです。一方、共有ドライブ では、ドライブ単位でメンバーを追加し、各メンバーに明確な役割(アクセス権限レベル)を付与するだけで、中のファイル・フォルダすべてにその権限が適用されます。チーム 全体の権限管理がシンプルかつ確実になります

③情報共有の効率化

部署やプロジェクトに必要なファイルが 共有ドライブ という一つの場所に集約されるため、メンバーは「どこにファイルがあるか分からない」と迷うことが減り、必要な情報へ素早くアクセスできます

④セキュリティの向上

共有ドライブ の設定として、メンバー以外の組織外ユーザーへの共有を制限したり、ダウンロードや印刷を禁止したりすることが可能です。マイドライブよりも厳格な ファイル共有 ポリシーを適用しやすくなります。

⑤コラボレーションの促進

チーム 全員が常に同じファイル、最新の情報にアクセスできる環境が整うことで、認識の齟齬が減り、スムーズな共同作業や意思決定を促進します。

【入門】共有ドライブの基本的な使い方ステップ

それでは、共有ドライブ の基本的な 使い方 を見ていきましょう。

①共有ドライブの作成

Googleドライブの左側メニューにある「共有ドライブ」をクリックし、「+ 新規」ボタン(または何もない場所で右クリック)から作成できます。ただし、共有ドライブ の作成権限は、組織の管理者によって制限されている場合があります。作成できない場合は、管理者に相談しましょう。

②メンバーの追加と削除

成した 共有ドライブ を選択し、画面上部にある「メンバーを管理」をクリックします。ここで、チーム メンバーのメールアドレスや、Google グループのアドレスを入力して追加します。不要になったメンバーはここから削除できます。

③アクセス権限レベルの設定

メンバーを追加する際には、その役割に応じた「アクセス権限レベル」を設定します。まずは以下の主要なレベルを理解しておきましょう。

  • 管理者: メンバーの追加/削除、共有ドライブ の設定変更、ファイルの完全な管理(追加、編集、移動、削除)が可能。最も強い権限。
  • コンテンツ管理者: ファイルの追加、編集、移動、削除が可能。メンバー管理や 共有ドライブ 設定の変更は不可。
  • 投稿者: ファイルの編集、アップロードが可能。ファイルの移動や削除は不可。
  • 閲覧者(コメント可): ファイルの閲覧とコメントの追加が可能。編集は不可。
  • 閲覧者: ファイルの閲覧のみ可能。

メンバーの役割に応じて、適切な権限レベルを付与することが重要です。

④ファイル・フォルダの操作

共有ドライブ 内でのファイルの作成、アップロード、編集、フォルダの作成といった基本的な操作は、マイドライブとほとんど同じ感覚で行えます。ただし、自分のアクセス権限レベルによっては、ファイルの移動や削除ができない場合があります。

⑤共有ドライブ内の検索

Googleドライブ上部の検索ボックスを使えば、自分がアクセスできる 共有ドライブ 内のファイルも、マイドライブのファイルと合わせて検索できます。必要に応じて、検索オプションで「場所」を特定の 共有ドライブ に絞り込むことも可能です。

共有ドライブをうまく活用するためのヒント

共有ドライブ の メリット を最大限に活かすためには、いくつかのポイントがあります。

  • 適切な単位で作成する: 部門全体で一つ、大きなプロジェクトで一つ、あるいは短期的なタスクフォースで一つなど、チーム の活動実態に合わせて適切な単位で 共有ドライブ を作成しましょう。細かく作りすぎると管理が煩雑になり、大きすぎると関係ないファイルが増えてしまいます。
  • メンバーと権限の定期的な見直し: プロジェクトの終了やメンバーの異動に合わせて、不要になったメンバーを削除したり、権限レベルを見直したりすることが重要です。
  • フォルダ構造のルール化: 共有ドライブ 内でも、分かりやすいフォルダ構造を チーム で決めて運用することで、ファイルの整理と検索性が向上します。
  • マイドライブとの使い分け: すべてを 共有ドライブ に入れる必要はありません。個人だけで使うファイルや、一時的な下書きなどはマイドライブ、チーム で共有・管理すべきものは 共有ドライブ、というように使い分けるのが良いでしょう。

管理者向け:共有ドライブの管理設定(概要)

Google Workspace の管理者は、管理コンソール で 共有ドライブ に関する組織全体のポリシーを設定できます。例えば、誰が 共有ドライブ を作成できるか、組織外のユーザーをメンバーに追加できるか、といった設定が可能です。(※詳細な設定方法は別の記事で解説します)

XIMIX による導入・運用支援

共有ドライブ は、チーム での ファイル共有 と管理を劇的に改善する可能性を秘めた強力なツールです。しかし、その効果を最大限に引き出すためには

  • 「既存のマイドライブから、どうやってファイルを 共有ドライブ に整理・移行すればいいのか」
  • 「自社の組織体制や業務フローに合った、最適な 共有ドライブ の設計(フォルダ構成や権限設定)がわからない」
  • 「全社的に 共有ドライブ の利用を推進するための運用ルールやトレーニングをどうすればいいか」

といった、導入設計や運用に関する新たな課題が出てくることも少なくありません。

私たち XIMIX (NI+C) は、Google Cloud および Google Workspace のプレミアパートナーとして、数多くの中堅・大企業様の Google Workspace 導入・移行プロジェクトをご支援してきました。その豊富な経験とノウハウに基づき、お客様の状況に合わせた最適な設計コンサルティング、データ移行支援、運用ルールの策定、従業員向けトレーニングなどを提供し、スムーズな導入と活用定着をサポートします。

チームでのファイル管理を改善したい、共有ドライブを効果的に活用したいとお考えでしたら、ぜひ一度 XIMIX にご相談ください。

XIMIXのGoogle Workspace 導入支援についてはこちらをご覧ください。

※Google Workspace については、こちらのコラム記事もご参照ください。 
改めて知りたい「Google Workspace とは」- 機能・メリット・活用法をDX視点で解説
グループウェアの進化がDXを加速する - Google Workspaceに見る次世代の働き方
Google Workspace導入コストを徹底解剖!ライセンスから運用まで費用全体を把握

Google Workspace の「共有ドライブ」は、個人所有の「マイドライブ」とは異なり、チーム でファイルを所有・管理するための機能です。共有ドライブ を活用することで、ファイルの消失リスクを防ぎ、権限管理をシンプルにし、チーム 内の情報共有とコラボレーションを加速させるという大きな メリット があります。

この記事では、共有ドライブとは 何か、マイドライブ との違い、そして基本的な 使い方 について解説しました。チーム での ファイル共有 に課題を感じている方は、ぜひ 共有ドライブ の導入・活用を検討してみてください。

まずは、小さな チーム や特定のプロジェクトで試験的に 共有ドライブ を作成し、その 使い方 や メリット を体験してみることから始めるのがおすすめです。