コラム

Google Cloudの料金体系をわかりやすく解説!課金の仕組みとコスト管理の基本

作成者: XIMIX Google Cloud チーム|Apr 21, 2025 6:23:12 AM

はじめに

Google Cloudの導入を検討する際、多くの企業担当者が気になるのが「料金」ではないでしょうか。「料金体系が複雑そうでよくわからない」「従量課金だと、使いすぎたら高額になるのでは?」「コストの見積もりが難しい」といった不安の声をよく耳にします。

確かに、Google Cloudは様々なプロダクトがあるがゆえに、その料金体系も一見すると複雑に感じられるかもしれません。しかし、基本的な課金の仕組みを理解すれば、過度に恐れる必要はありません。むしろ、その柔軟性を活かすことで、コストを最適化することも可能です。

この記事では、Google Cloudの料金について不安を感じている入門者の方に向けて、料金体系の基本的な考え方、主な課金要素、コストを抑えるための仕組み、そして料金を確認・管理する方法などを、わかりやすく解説します。この記事を読むことで、Google Cloudの料金に関する基本的な仕組みを理解し、導入検討や利用における不安を少しでも解消するための一助となれば幸いです。

(重要: クラウドサービスの料金体系は変更される可能性があります。この記事では基本的な仕組みと考え方を解説しますが、最新かつ正確な情報については、必ずGoogle Cloudの公式サイトをご確認ください。)

Google Cloud料金の基本原則:「使った分だけ」が中心

Google Cloudの料金体系を理解する上で、まず押さえておきたい基本原則は「従量課金制」が中心であるということです。これは、利用したサービスやリソースの量に応じて料金が発生する仕組みです。

  • 初期費用は原則不要: 物理的なサーバー購入などとは異なり、高額な初期投資は基本的に必要ありません。
  • 使った分だけ支払い: 例えば、仮想サーバー(Compute Engine)であれば起動している時間、ストレージ(Cloud Storage)であれば保存しているデータ量に応じて課金されます。
  • 柔軟なリソース調整: 必要に応じてリソースを増やしたり減らしたりでき、コストを柔軟にコントロールしやすいというメリットがあります。

この「使った分だけ」という原則が、クラウドコストの最適化を可能にする大きな要因の一つです。ただし、具体的に「何に」「どれくらい」課金されるのかを知ることが重要になります。

何に課金される? Google Cloudの主な課金要素

Google Cloudでは、利用するサービスの種類やその使い方によって課金の対象となる要素が異なります。ここでは、代表的なサービスカテゴリにおける主な課金要素の考え方をご紹介します。

コンピューティングサービス (例: Compute Engine)

仮想マシン(VM)インスタンスを利用するサービスです。

  • vCPUとメモリ: インスタンスに割り当てられた仮想CPUコア数とメモリ容量、およびその利用時間に応じて課金されます。スペックが高いほど、また利用時間が長いほど料金は高くなります。
  • 永続ディスク: インスタンスに接続されるストレージ(SSDやHDD)の容量に応じて課金されます。
  • ネットワーク: インスタンスから外部へ送信されるデータ量(下り/Egressトラフィック)などに応じて課金される場合があります。(詳細は後述)

ストレージサービス (例: Cloud Storage)

ファイルなどのデータを保存するサービスです。

  • ストレージ容量: 保存しているデータの総量(GBやTB単位)と保存期間に応じて課金されます。ストレージクラス(アクセス頻度に応じた種類)によって単価が異なります。
  • オペレーション: データの書き込み、読み取り、削除といった操作の回数に応じて課金される場合があります。
  • ネットワーク: ストレージから外部へ送信されるデータ量(下り/Egressトラフィック)に応じて課金されます。

ネットワークサービス

データ転送やネットワーク機能に関する料金です。

  • 下り(Egress)データ転送: Google Cloudからインターネットへデータを送信する場合、そのデータ量に応じて課金されるのが一般的です。同じリージョン内や特定のGoogleサービスへの上り(Ingress)データ転送は無料の場合が多いです。
  • IPアドレス: 静的な外部IPアドレスなどを利用する場合、料金が発生することがあります。
  • ロードバランサなど: Cloud Load Balancingなどのネットワークサービス利用にも料金がかかります。

データベースサービス (例: Cloud SQL, BigQuery)

データベースの利用に関するです。

  • Cloud SQLなど (マネージドDB): インスタンスのスペック(vCPU, メモリ)、ストレージ容量、バックアップ容量、ネットワーク転送量などに応じて課金されます。
  • BigQuery (データウェアハウス): 主に、分析クエリで処理(スキャン)されたデータ量(オンデマンド料金)または、予約したコンピューティング容量(定額料金)に応じて課金されます。データのストレージ料金も別途発生します。

このように、サービスごとに課金の考え方が異なります。利用したいサービスの料金ページを確認し、どの要素がコストに影響するかを把握することが重要です。

Google Cloudの料金を抑える仕組み:割引オプションの活用

従量課金は柔軟ですが、利用量が増えるとコストも増加します。Google Cloudには、料金を抑えるための様々な割引オプションが用意されています。

  • 確約利用割引 (CUDs: Committed Use Discounts): 特定のリソース(Compute EngineのvCPU/メモリ、Cloud SQLインスタンスなど)を1年間または3年間継続して利用することを「確約」することで、従量課金よりも大幅な割引(最大50%~70%程度)を受けられる制度です。安定して利用するワークロードに適しています。
  • 継続利用割引 (SUDs: Sustained Use Discounts): Compute Engineの一部のリソースでは、インスタンスを長時間(1ヶ月の一定割合以上)継続して利用すると、自動的に割引が適用される仕組みです。事前のコミットメントは不要です。
  • スポットVM (旧プリエンプティブルVM): Google Cloudの余剰リソースを大幅な割引価格(最大60%~91%程度)で利用できる仮想マシンです。ただし、システム側の都合でいつでも中断(プリエンプション)される可能性があるため、バッチ処理やフォールトトレラントな(中断しても問題ない)ワークロードに適しています。

これらの割引をうまく活用することで、Google Cloudのコストを計画的に削減できます。

Google Cloudの料金を確認・管理する方法

料金体系を理解するとともに、実際の利用料金を把握し、管理する仕組みを知っておくことも重要です。

  • Google Cloud 料金計算ツール: 導入前に、利用予定のサービスやリソース構成を入力して、おおよ目の月額料金を試算できるオンラインツールです。コスト見積もりに役立ちます。
  • Cloud Billing コンソール: 現在の利用料金、過去の請求履歴、サービスごとの料金内訳などを確認できる管理画面です。
  • 請求データのエクスポート: 請求データをBigQueryなどにエクスポートし、詳細なコスト分析を行うことも可能です。
  • 予算アラート: 設定した予算額に近づいたり、超えたりした場合に通知を受け取る機能です。予期せぬコスト増を防ぐのに役立ちます。

これらのツールや機能を活用し、定期的に利用状況と料金を確認・分析することが、コスト管理の基本となります。

料金体系を理解する上でのポイント

最後に、Google Cloudの料金体系を理解し、賢く利用するためのポイントをまとめます。

  • 無料枠の活用: Google Cloudには、特定のサービスを一定量まで無料で利用できる「Always Free」枠や、新規ユーザー向けの無料トライアル(クレジット提供)があります。まずはこれらを活用して、サービスを試してみるのが良いでしょう。
  • サービスごとの料金詳細を確認: 利用する可能性のある各サービスの公式料金ページを確認し、課金要素と単価(変動する可能性あり)を把握しましょう。
  • 不明点は公式ドキュメントやサポートへ: 詳細な仕様や最新情報については、Google Cloudの公式ドキュメントを参照するか、サポートに問い合わせることが確実です。
  • パートナーへの相談: 自社でのコスト試算や最適化が難しい場合は、Google Cloudパートナーに相談するのも有効な手段です。専門的な知見に基づいたアドバイスや支援が受けられます。

XIMIXによるGoogle Cloud導入・利活用支援サービス

Google Cloudの料金体系は、基本原則を理解すれば透明性がありますが、多様なサービスとオプションがあるため、自社にとって最適な構成やコスト管理方法を見つけるのは容易ではないかもしれません。「料金計算ツールを使っても見積もりが難しい」「どの割引を使えば効果的かわからない」「継続的なコスト監視・最適化の体制がない」といった課題も出てくるでしょう。

私たちNI+Cが提供する「XIMIX」は、Google Cloudの導入から運用、そして最適化までをトータルで支援します。

  • コスト試算・最適化コンサルティング: お客様の利用計画や既存システムの状況をヒアリングし、料金計算ツールなども活用しながら最適な構成とコスト効率の高いプランをご提案します。確約利用割引(CUDs)などの効果的な活用方法もアドバイスします。
  • 導入・移行支援: 計画に基づき、スムーズかつセキュアなGoogle Cloud環境の構築・移行を支援します。
  • 運用サポートとコストモニタリング: 導入後のシステム安定稼働はもちろん、Cloud Billingのデータ分析などを通じて継続的なコスト状況の監視と最適化をご支援します。
  • 請求代行サービス(オプション): ご要望に応じて、日本円での請求書発行や支払い代行などもご相談可能です。

Google Cloudの料金に関するご相談や、最適な導入・運用について、ぜひお気軽にXIMIXまでお問い合わせください。多くの企業様の最適化をご支援してきた経験に基づき、貴社に最適なプランをご提案します。

XIMIXのGoogle Cloud 導入支援についてはこちらをご覧ください。

※Google Cloud については、こちらのコラム記事もご参照ください。 
【基本編】Google Cloudとは? DX推進の基盤となる基本をわかりやすく解説
【基本編】Google Cloud導入のメリット・注意点とは? 初心者向けにわかりやすく解説

まとめ

今回は、Google Cloudの料金体系について、基本的な課金の仕組み、主な課金要素、コスト削減のヒント、管理方法などを解説しました。

Google Cloudの料金は、「従量課金」を基本とし、利用した分だけ支払う透明性の高い仕組みになっています。一見複雑に見えるかもしれませんが、料金計算ツールや請求コンソール、予算アラートといった管理ツールも充実しており、計画的に利用すればコストを最適化することが可能です。

この記事を通じて、Google Cloudの料金体系に対する漠然とした不安が少しでも和らぎ、基本的な考え方を理解いただけたのであれば幸いです。適切な情報収集と計画、そして必要に応じた専門家のサポートを活用し、コストを意識した賢いGoogle Cloud活用を進めていきましょう。