コラム

【基本編】Google Cloudで実現するコスト削減 - 具体的な効果とメリットを分かりやすく解説

作成者: XIMIX Google Cloud チーム|Apr 21, 2025 11:04:10 AM

はじめに

「クラウドを導入すればコストが削減できると聞くけれど、具体的にどういうこと?」 「Google Cloudの導入を検討しているが、本当にコストメリットがあるのか知りたい」

企業のDX推進において、ITインフラのあり方は重要なテーマです。中でも、ITコストの最適化は経営層にとっても大きな関心事であり、クラウドサービスの導入はその有力な選択肢として注目されています。しかし、特にクラウド初心者の方にとっては、その具体的なコスト削減効果が見えにくいという側面もあるかもしれません。

この記事では、Google Cloudを導入することで、どのようにコスト削減につながるのか、その具体的な効果やメリットを初心者の方にも分かりやすく解説します。オンプレミス環境との比較を交えながら、Google Cloudならではのコストメリットをご紹介します。

この記事が、貴社のITコスト削減、そしてGoogle Cloud導入検討の一助となれば幸いです。

なぜGoogle Cloudでコスト削減が可能なのか? 

まず、なぜクラウドサービス、特にGoogle Cloudを利用するとコスト削減が期待できるのか、その基本的な考え方を押さえておきましょう。これは、従来のオンプレミス(自社運用)環境との違いを考えると理解しやすくなります。

オンプレミス環境の課題

  • 初期投資が大きい: サーバーやネットワーク機器などのハードウェアを購入・設置するための初期費用がかかります。
  • 過剰なリソース確保: 将来の需要を見越して、余裕を持ったスペックの機器を導入する必要があり、結果的にリソースが余剰になることがあります。
  • 運用管理コスト: データセンターの維持費(電気代、空調費など)、ハードウェアの保守・管理、ソフトウェアのライセンス費用、専任の運用担当者の人件費などが継続的に発生します。
  • 柔軟性の低さ: 急な需要増加に対応するためのリソース増強には時間とコストがかかります。

Google Cloud(クラウド)のメリット

  • 初期投資の抑制: サーバー等のハードウェアを自社で購入する必要がなく、初期費用を大幅に抑えられます。
  • 従量課金制: 利用した分だけ料金を支払うモデルが基本です。CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク通信量など、実際に消費したリソース量に応じて課金されるため、無駄なコストが発生しにくいのが特徴です。
  • 運用管理負担の軽減: ハードウェアの保守やインフラ基盤の管理はGoogleが行うため、自社の運用管理に関わるコスト(人件費、設備費など)を削減できます。
  • 高い柔軟性と拡張性: ビジネスの状況に合わせて、必要なリソースを迅速かつ容易に増減(スケールアップ/ダウン、スケールアウト/イン)できます。これにより、常に最適なリソース量で運用でき、コスト効率を高められます。

このように、Google Cloudは「必要なものを、必要なときに、必要なだけ利用し、その分だけ支払う」という考え方に基づいているため、オンプレミス環境と比較してコスト面で大きなメリットが期待できるのです。

【具体例】Google Cloud導入によるコスト削減効果

それでは、Google Cloudを導入することで、具体的にどのようなコスト削減効果が期待できるのか、項目別に見ていきましょう。

効果1:ハードウェア関連コストの削減

前述の通り、自社でサーバーやストレージ、ネットワーク機器などを購入・保有する必要がなくなります。これにより、以下のようなコストが削減されます。

  • ハードウェア購入費用: 高額な初期投資が不要になります。
  • 設置スペース・設備費用: サーバーラックや設置スペース、空調設備、電源設備などのコストが不要になります。
  • 保守・維持費用: ハードウェアの故障対応や定期的なメンテナンス、リプレース(買い替え)にかかる費用が不要になります。

効果2:運用管理コストの削減

インフラ基盤の運用管理はGoogleに任せられるため、自社の運用負担が大幅に軽減され、関連コストを削減できます。

  • インフラ運用人件費: サーバー監視、OS・ミドルウェアのアップデート、障害対応などに従事していた担当者の工数を削減、またはより付加価値の高い業務へシフトさせることが可能です。
  • データセンター関連費用: 自社でデータセンターを保有・賃借している場合、その賃料、電気代、空調費などが不要になります。
  • ソフトウェアライセンス費用: OSや一部ミドルウェアのライセンス費用がクラウド利用料に含まれる場合があります。(※利用するサービスによります)

効果3:リソース最適化による無駄の排除

Google Cloudの高い柔軟性と拡張性を活かすことで、リソースの無駄をなくし、コストを最適化できます。

  • オートスケーリング: アクセス数や負荷状況に応じて、仮想マシン(VM)の台数などを自動で増減させる機能です。これにより、ピーク時に合わせて常に大量のリソースを確保しておく必要がなくなり、平常時のコストを抑えられます。
  • 必要なスペックの選択: 様々なスペックの仮想マシンやストレージが用意されており、ワークロードに合わせて最適なものを選択できます。オーバースペックによる無駄を防ぎます。

効果4:Google Cloud独自の料金体系・割引制度の活用

Google Cloudには、利用者のコスト削減に繋がる独自の料金体系や割引制度があります。

  • 秒単位の課金: 多くのサービスで秒単位または分単位の課金が採用されており、短時間の利用でも無駄がありません。
  • 継続利用割引 (SUDs): 特定のサービス(Compute Engineなど)を一定期間継続して利用すると、自動的に割引が適用される制度です。特別な契約は不要です。
  • 確約利用割引 (CUDs): 1年または3年の利用をコミット(確約)することで、大幅な割引(最大70%程度)を受けられる制度です。利用量が安定しているワークロードに適しています。
  • プリエンプティブルVM (Spot VMs): Google Cloudの余剰リソースを格安で利用できるオプションです。中断される可能性があるため用途は限られますが、バッチ処理などフォールトトレラントなシステムで大幅なコスト削減が可能です。

効果5:生産性向上による間接的なコスト削減(TCO削減)

Google Cloudが提供する各種サービス(データ分析、AI/機械学習、開発ツールなど)を活用することで、業務効率化や生産性向上が実現し、結果的に人件費などの間接的なコスト削減(TCO:総所有コストの削減)に繋がることも期待できます。

  • データ分析基盤(BigQueryなど): 高速なデータ処理により、分析にかかる時間を短縮。
  • AI/機械学習サービス(Vertex AIなど): 定型業務の自動化や高度な予測分析を実現。
  • 開発・運用ツール: アプリケーション開発サイクルの短縮や、運用自動化を支援。

コスト削減を最大化するためのポイント

Google Cloudのコストメリットを最大限に引き出すためには、いくつかのポイントがあります。

  • 利用状況の可視化: Google Cloudが提供するコスト管理ツール(Billingダッシュボード、Cost Explorerなど)を活用し、どのサービスにどれくらいのコストがかかっているかを常に把握することが重要です。
  • 適切なサービス・構成の選択: ワークロードの特性に合わせて、最適なサービスや仮想マシンのタイプ、ストレージクラスなどを選択します。
  • リソースの棚卸しと最適化: 定期的に利用状況を見直し、不要なリソース(停止中のVM、未使用のディスクなど)がないか確認し、削除または最適化を行います。
  • 割引制度の活用: CUDsやSUDsなどの割引制度を積極的に活用します。
  • 予算アラートの設定: 事前に設定した予算額を超えそうになった場合に通知を受け取るように設定し、意図しないコスト超過を防ぎます。

これらのポイントを意識し、継続的にコスト管理・最適化に取り組むことが重要です。

XIMIXによるGoogle Cloud支援

Google Cloudによるコスト削減効果は大きいものの、そのメリットを最大限に引き出すためには、専門的な知識やノウハウが必要となる場面もあります。

「自社に最適なサービス構成がわからない」 「継続的なコスト監視・最適化の体制を構築したい」 「確約利用割引(CUDs)を効果的に活用したい」

このようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひXIMIXにご相談ください。Google Cloudプレミアパートナーとして、多くのお客様のコスト最適化をご支援してきた実績に基づき、最適なソリューションをご提案します。

XIMIXのコスト最適化支援例

  • アセスメントサービス: お客様の既存環境や利用状況を分析し、Google Cloud移行・導入によるコスト削減効果を試算します。
  • 導入コンサルティング: お客様の要件に合わせた最適なサービス構成や料金プランをご提案し、スムーズな導入を支援します。
  • コスト分析・最適化サービス: Google Cloud利用開始後、コスト状況を定期的に分析し、具体的な最適化策(リソースの見直し、割引制度の適用推奨など)をご提案・実行支援します。
  • 請求代行・コスト管理サポート: 請求代行サービスを通じて、日本円での請求書発行や、利用状況の可視化、コスト管理に関するアドバイスを提供します。

XIMIXは、お客様の状況に合わせた丁寧なヒアリングに基づき、初期導入から運用後の継続的なコスト最適化まで、トータルでサポートいたします。

まとめ

本記事では、Google Cloudを導入することで得られる具体的なコスト削減効果について、初心者向けに解説しました。

Google Cloudは、ハードウェアコストの削減、運用管理負担の軽減、リソースの最適化、独自の料金体系・割引制度など、多岐にわたるコストメリットを提供します。オンプレミス環境と比較して、ITインフラにかかるTCO(総所有コスト)を大幅に削減できる可能性があります。

ただし、その効果を最大限に引き出すためには、自社の利用状況を把握し、継続的にコスト管理・最適化に取り組むことが重要です。

Google Cloudの導入やコスト最適化に関して、ご不明な点や課題がございましたら、どうぞお気軽にXIMIXまでお問い合わせください。専門知識を持つスタッフが、貴社の状況に合わせた最適なプランをご提案させていただきます。