本記事は、Google Workspace Studio(旧Flows)の実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Studio活用方法100本ノック」の一つとなります。
今回は、日々の業務効率を密かに、しかし確実に低下させる「大量のメルマガ・通知メール」を自動整理するエージェントを作成します。メール本文に「unsubscribe（登録解除）」というキーワードが含まれている場合、それを自動的に「プロモーション」ラベルに振り分け、受信トレイからアーカイブするフローを構築します。
| 難易度 | 初心者向け |
| 実現すること | 業務に関係のないメールを自動で受信トレイから除外し、集中力を維持できるクリーンな受信環境を保つ |
| 想定する対象者 | 毎日大量のメルマガが届き、重要なメールが埋もれてしまっている方 |
| 利用サービス | Gmail |
今回作成するエージェントの代表的なユースケースとしては以下のようなことが考えられると思います。
エージェントは3ステップのシンプルな構成となっています。
「Starter」に「When I get an email」を選択します。
「Has the words」に"unsubscribe"と入力します。
「Add step」で「Add labels」を選択します。
「+ New label」をクリックし"プロモーション"などのラベル名を入力し、作成したラベルにチェックをつけてください。
「Add step」で「Archive an email」を選択します。
試しにこのようなプロモーションメールでテストしてみましょう
Test runをクリックします。
Email receivedでユーザーが既に受け取ったメールを選択します。
Startをクリックすることでフローの動作確認ができます。
Stepごとに実施状況が確認できるので、もしエラーが発生しても問題の切り分けができますね。
Run Completedで完了です。
受信トレイからプロモーションラベルへ移動しています。
紹介した手法では"unsubscribe"という文言を含むメールを全てアーカイブしてしまいます。対象範囲を狭めて、より確実にプロモーションメールだけをアーカイブしたいという方は以下の設定を入れてみてください。
Step1のWhen I get an emailでShow moreをクリック
下にスクロールしGmail labelの"Promotional"を選択します。
ここで提示されているラベルはGmailのAIがメールの内容から判断して自動的にカテゴリ分けしているものです。
この設定でプロモーションにカテゴリされている、かつ"unsubscribe"を含むメールをアーカイブすることができます。
今回は、Workspace StudioとGmailの機能だけで、受信トレイを圧迫するメルマガを自動的に整理するエージェントを作成しました。
この自動化のメリットは、重要なメールが埋もれるのを防ぐだけではありません。「業務に関係のないメールが視界に入らない」という環境を作ることで、今やるべきタスクへの集中力を維持できる点が最大の効果です。
Google Workspace Studioを使えば、キーワードだけでなく、AIを使って「重要度が低いメール」といった抽象的な判断基準で振り分けることも可能です。ぜひ、ご自身の受信状況に合わせてカスタマイズしてみてください。