本記事は、Google Workspace Studio(旧Flows)の実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Studio活用方法100本ノック」の一つとなります。
今回は、通勤や外出前に雨を事前に把握し、傘を忘れないためのリマインドをするエージェントを作ります。指定エリアの天気(降水確率)が高い日をチェックし、「傘を忘れずに!」というメッセージをGoogle Chatで受け取れるように設定します。前日・当日の通知タイミングを整えて、朝の支度をスマートにしましょう。
| 難易度 | 初心者向け |
| 実現すること | 毎朝/前日に天気情報を確認し、降水確率が高い場合にChatで傘リマインダーを送信することで傘を忘れないように準備することができます |
| 想定する対象者 | 通勤・外出が多く、傘の持参をよく忘れてしまう人 |
| 利用サービス | Google Chat |
今回作成するエージェントの代表的なユースケースとしては以下のようなことが考えられると思います。
今回作成したエージェントは5ステップのシンプルな構成となっています。
スターターとして「On a schedule」を設定し、毎日決まった時間にエージェントが実行されるようにしています。
続くアクションでは、まずGeminiの「Ask Gemini」ステップで特定の地域の天気情報を取得し、その後の「Decide」ステップでその天気情報から降水確率がしきい値を超えているか判断しています。そして、その後に結果を「Check if Step3: Decision is true」で判定して、しきい値を超えている場合は「Notify me in Chat」ステップでGoogle Chatへ傘を忘れないためのリマインド通知を送るような作りとしています。
今回作成したエージェントの構築手順は以下のようになっています。
Starterで「On a schedule」を選択して、Dateには今日の日付、Timeには「6:00am」を選択します。そして、毎日実行するようにしたいのでRepeatには「Daily」を入れるようにしました。Time zoneも設定できますがデフォルトの日本時間となるようにしています。
最初のActionsでは「Ask Gemini」を選択して、Enter a promptの欄に「今日の東京都の降水確率を出力してください。」と記入します。この時の地域は好きな地域に変更してもらえればと思います。Sources Gemini can useのプルダウンは「Web only」を選択します。
次のStepには「Decide」を選択してください。そして、Enter a promptには「今日の東京都の降水確率は70%以上の場合はtrue、そうでない場合はfalseを出力してください。」と入力した後に、VariablesからStep2で生成した内容を「Step2: Content created by Gemini」として追加してください。
Step3のDecideを設定したときに自動で作成されるStep4である「Check if Step3: Decision is true」は以下の画像のような設定となっているかを確認してください。
そして、substepには「Notify me in Chat」を選択し、Messageには「今日の予報では降水確率が高いです。傘を忘れずに持っていきましょう!」と入力して完了となります。
作成したエージェントを有効化します。エージェントの下部に存在している「Turn on」のボタンを押してエージェントを有効化します。
今回作成したエージェントはスケジュール実行となっているため、Turn onのボタンの横にあるTest runボタンからテスト実行させてみたいと思います。ボタンを押すとTest runの画面が出てくるので、Startのボタンを押してみます。
テストの結果を見てみるとちゃんと降水確率を確認しており、その後の判定処理についても正常に実行されているようです。このブログを作成していた日付の天気を確認したところおおむね正しい情報となっていることを確認しています。
今回のエージェントでは地域情報や降水確率のしきい値をテストケースで設定しました。もし利用する場合はご自身の環境に合わせた設定とされるようにしてください。
降水確率の高い日だけをピンポイントで知らせるエージェントがあれば、傘の持ち忘れを防ぎつつ、無駄な通知を減らせます。Workspace Studioを用いて天気データを参照し、条件に合致した日だけChatにリマインダーを送る仕組みを構築することで、日々の外出準備を自動化できます。
まずは自分用に設定しておくと、チームや家族向けの応用にも広げやすくなるでしょう。
そして展望としては、Google Calendarには勤務地といった情報を設定することができるので将来的にはそういった情報を自動で連携したりできればいいなと考えています。ここまでご覧いただきありがとうございました!