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[GWSStudio100本ノック] Google Calendarの予定に添付ファイルがあれば、参加者へChatで要約した内容を通知するエージェントを作成してみた

作成者: Yudai Imai|2025.12.08

はじめに

本記事は、Google Workspace Studio(旧Flows)の実践ノウハウを100本紹介する連載「Google Workspace Studio活用方法100本ノック」の一つとなります。  

今回は、Google Calendarの予定に資料が添付されている場合、その内容を会議開始前にGoogle Chatへ要約付きで通知するエージェントを作ります。ミーティングが始まるたびに「この資料は何?」と説明する時間を減らし、参加者が事前に概要を把握できるようにする狙いです。Geminiで添付ファイルの要点を抽出し、会議前の準備を自動化していきます。

難易度 初心者向け
実現すること 予定開始前に添付資料の要約をChatへ通知し、会議準備の時間を短縮することが可能
想定する対象者 定例会議や資料共有が多く、参加者に事前に内容を把握してほしい人
利用サービス Google Calendar, Google Chat

ユースケース

今回作成するエージェントの代表的なユースケースとしては以下のようなことが考えられます。

  • プロジェクト定例の資料共有
    • 5分前に添付資料を要約してChatへ投稿するため、参加者が事前に目を通しておけます。冒頭の説明時間を削減できます。
  • 提案会議の事前確認
    • 提案資料や見積書が添付されている場合、概要と重要ポイントを通知して関係者が準備しやすくなります。
  • 社内研修・ワークショップ
    • 研修資料を事前に把握できるように、要約と主要トピックをチャットで案内します。受講者の理解を高めつつ、当日の進行をスムーズにすることが可能になります。

前提条件

今回のエージェントを作成するための前提条件は以下となります。Google Workspace Studioは2025年12月時点ではそれまではFlowsという名前で提供されていたサービスからリネームされたサービスかつまだ提供されて間もないため、このブログの内容が最新ではなくなる可能性があることをご了承ください。
  • 利用環境:Google Workspace Studioにアクセスできるユーザーであること。
  • 利用アプリ:通知先のGoogle Chatスペース(またはDM)が事前に用意されていること。

エージェントの全体図

今回作成したエージェントは4ステップのシンプルな構成となっています。

スターターとして「Based on a meeting」を設定し、予定の開始時間前にエージェントが実行されるようにしています。

続くアクションでは、まず「Check if」ステップで予定に添付ファイルが存在しているかを確認し、添付ファイルが存在していればその後の「Ask Gemini」ステップで添付ファイルの要約を実施します。そして、「Send a message」ステップで予定への参加者に対して要約した結果をGoogle Chatへ通知するような作りとしています。

構築手順

今回作成したエージェントの構築手順は以下のようになっています。

Starter

Starterで「Based on a meeting」を選択して、Meetingには「Every meeting」、Time offsetには「5」を入力、Unitsは「Minutes」を選択し、Startは「Before meeting」を選択します。

Actions

最初のActionsでは「Check if」を選択して、ifに続く欄には「Step1: Meeting attachments」を選択して、その次の欄では「is not empty」を選択してください。

そして、サブステップを追加して「Ask Gemini」を設定します。Enter a promptの欄には「以下の添付ファイルの概要と重要なポイントを日本語で要約してください。」と入力した後に、Variablesから「Step1: Meeting attachments」を選択して追加します。Sources Gemini can useの欄はデフォルトの「Web, Workspace, and connected apps」としてください。

そして、新しいサブステップを追加して、「Send a message」を選択します。Toには予定に参加することを承諾しているメンバーのみにChatするため、「Step1: Accepted: Guests」を選択し、Messageの欄には以下の内容を入力します。[]で囲まれている要素はVariablesから選択して追加した内容です。

まもなく会議「[Step1: Meeting title]」が開始されます。
添付ファイルはこちらです:
[Step1: Meeting attachments]

添付ファイルの要約は以下の通りです:
[Step3: Content created by Gemini]

実行テスト

作成したエージェントを有効化します。エージェントの下部に存在している「Turn on」のボタンを押してエージェントを有効化します。

今回作成したエージェントは予定開始前に実行となっているため、Turn onのボタンの横にあるTest runボタンからテスト実行させてみたいと思います。ボタンを押すとTest runの画面が出てくるので、以下のテスト用の予定を利用してテストを実行してみます。

テストの結果を見てみるとちゃんと添付ファイルが存在しているか確認しており、その後の判定処理や要約、Chat連携についても正常に実行されているようです。

まとめ

カレンダーに添付した資料の説明に毎回時間を取られてしまうなら、会議前に自動で要約を配信しておくのが効果的です。Workspace StudioとGeminiの組み合わせで、予定をモニタリングし添付ファイルがある場合だけChatに要約を送る仕組みを構築できました。

シンプルな通知でも、参加者の事前準備が整うことで会議の質と時間効率が向上します。対象スコープを広げたり、要約フォーマットを調整するなど、チームの運用に合わせてカスタマイズしてみてください。