Google Cloud Next '25は、2025年4月9日から4月11日の3日間、アメリカ・ラスベガスのMandalay Bayにおいて開催されるGoogleのクラウドサービスに関する世界最大級のイベントです。「今回は、これまでで一番多彩なデベロッパー コンテンツを用意します。デベロッパー専用のエクスペリエンスやコンテンツを充実させ、アプリ開発や AI のほか、スケーラブルで安全なデータ駆動型アプリケーションの学習や開発に役立つ重要なトピックを網羅します。」と銘打っており、AIコンテンツで大いに盛り上がった昨年や一昨年にも勝るとも劣らないイベントとなることが期待されます。
私たち日本情報通信株式会社も、Google Cloudに精通した専門家として、技術イノベーションの最新動向を取り入れ、顧客に対するソリューション提供に活かしていくことを目指して参加しています。
このような貴重な機会ですので、現地からいち早くブログで最新情報や熱量を発信してまいります。
このセッションでは、Google Cloudの新しい機能である『Out-of-the-box アプリケーションモニタリング』の詳細を知ることができます。特に注目すべきはアプリケーションをインフラ単位ではなく、サービスやワークロード単位というアプリケーション中心の視点で簡単に監視・管理できる新機能の紹介になります。(今回のセッションの内容は[Google Cloud Next '25 Las Vegas] Google Cloud の Day 2 運用の変革: 新機能でも紹介させていただいた部分と一部重複しておりますが、このブログではより詳細なApp Hubの内容を知ることが可能となります。)
また、アプリケーション定義をApp Hubで行い、それをベースに一貫したラベリングが自動化され、ログやメトリクス、アラートまでさまざまな情報を自動的に統合して表示・分析できる機能が実現される様子を理解できます。
具体的には以下のポイントが期待できます。
本ブログでは、実際に聴講したセッションの中で特に興味深かったポイントをまとめさせていただきます。
多くのどの企業でも、さまざまなクラウドサービスやインフラ環境でアプリケーションを管理しています。しかし実務上、利用者が本当にケアしたいのは個々のインフラストラクチャではなく、実際に動いているアプリケーションの状態やユーザー視点での体験です。
セッションではまず、『App』を一つの抽象単位としてプラットフォームに定義し、その単位に沿ってログ・メトリクス・アラートなどを簡単に集約・分析することの重要性が説明されました。
Google Cloudでは、App Hubという機能を使ってアプリケーションの構成要素を設定できます。
App Hubでは以下のように定義されています。
このサービスとワークロードを組み合わせて『アプリケーション』を定義します。さらに、このアプリケーション単位で環境(ステージング、本番)、重要度、担当者といった属性情報も同時に付与できる仕組みになっています。
アプリケーションが定義されると、Google Cloudはすべての関連テレメトリ(メトリクス、ログ、トレースイベントなど)に対して自動でラベル付けを行います。ユーザーがマニュアルでラベルを管理する必要はなく、アプリケーションが自動で認識され、関連性の高いログ・メトリクスが統合的に表示することが可能になります。
これまでラベリングは管理コストが高かったですが、Google Cloudがこれを自動化することにより劇的に簡素化されるとのことです。
今回特に注目したのが「アプリケーションモニタリング」という新機能です。
この機能を使うと以下のようなことが簡単にできるようになると紹介されました。
Gemini Cloud Assistによるトラブルシューティングサポートやコストの可視化や最適化の機能についてもセッションでは触れられていました。
こちらの二つの内容についてはデモを交えての実施となっておりましたので、実際にどのような内容がセッションで行われたかについては、セッションの録画が公開されましたらご確認いただければと思います。基本的には、[Google Cloud Next '25 Las Vegas] Google Cloud の Day 2 運用の変革: 新機能にて紹介した「アプリケーション中心の管理(App-centric Management)」と「Cloud Hubによる統合的な運用体験」の内容について実際のコンソール画面を使ってデモが行われたとお考え下さい。
会場は3日目の最終日ということもあり落ち着いた雰囲気で空席も目立つように感じました。ただし、セッションの参加者はこのテーマが気になって参加しているということの裏返しにもなっていて、セッションが終わった後には登壇者の周りに多くの参加者が集まっていました。App HubがGoogle Cloudの世界観の中でどれくらいの存在感を出してくれるかに多くの期待を寄せているため、他の参加者もそのような考えのもと前のめりでセッションを聞いているものと考えていました。
今回のセッションを通じ、従来の個々のインフラに着目した管理・運用方法から、利用者が本当に気になる「アプリケーションの中心」の視点への転換を強く印象づけられました。
Google Cloudが提供するApp Hubやアプリケーションモニタリング機能により、複数プロジェクト、多数サービスで構築された複雑な環境での運用課題を劇的に改善できる可能性があります。
また、Gemini Cloud AssistをはじめAIを駆使したトラブルシューティングデモも非常に魅力的で、将来的にはこのような高度なAI分析が運用業務の中で当たり前に利用されるようになるだろうと感じました。
私個人としては、ラベル管理の自動化やアプリ単位でのコスト管理機能、そして高度なAI支援機能に特に惹かれました。日本企業においても、このようなサービスを活用し、運用に伴うエンジニアの負荷を下げられるように働きかけていきたいと思いました。
このブログを通じて、日本でも「インフラからアプリケーションへ」という視点の転換が進むきっかけになればと願っています。
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