2025/11/05に公開されたGoogle Cloud Partner All Certification Holders 2025 受賞者発表にて、私の受賞が発表されました。
これまでも資格取得は継続して資格取得を継続するようにしてきていましたが、今年から初めて全資格取得者を表彰するプログラムが生まれたことで、あらためてモチベーションを高めて資格取得に取り組みました。
せっかく表彰を受けましたので、Google Cloudの認定資格にどんなものがあるのか、そして各資格がどんな方におすすめなのかを解説していきます。
2025/11現在で、14の資格があり、公式ページでは、レベルごとに以下のように分けられています
※ Security Operations Engineerは2025/09新設の資格であり、Google Cloud Partner All Certification Holders 2025の対象外です。
Leader, Associate, Professionalという、資格名からレベルが判断できます。
Google Cloud認定資格はいずれも永久のものではなく、有効期限があります。
Google Cloudではサービスや技術のアップデートが頻繁に行われるため、知識の陳腐化を防ぎ、資格の価値を維持するために更新制度が設けられています。大変に感じるかもしれませんが、この仕組みがあるからこそ「Google Cloudにおける技術認定」としての価値が担保されています。
有効期限が切れる前に更新試験に合格することで、引き続き資格を保持できます。なお、一部の試験では「更新専用」の試験を受けることが出来ます。詳細は各試験のページをご確認ください。
ここからは、私が実際に資格を取得した経験から「こういった方におすすめ」という観点で、関連スキルごとに各資格を解説します。
Google Cloud認定資格の中で最も基礎的な試験です。クラウドの技術的に詳細な知識よりも、「ビジネスにおいてクラウドをどう活用し、どのような価値を生み出すか」というビジネス視点の理解が問われます。Google Cloudの個別サービスに関する設問もありますが、それ以上に「クラウドビジネスとは何か」という部分に比重が置かれているのが特徴です。
エンジニア職に限らず、営業、マーケティング担当者も含め、クラウドを活用したビジネスに関わる全ての方にとって最初のステップとなる試験です。
Google Cloudの主要なサービスを広く理解し、それらを適切に利用できるかを問う試験です。他のプロフェッショナル資格と比較して、広く浅い知識が求められます。特にGCE、Cloud Storage、IAMといった利用頻度の高いサービスに関する出題が多い印象です。また、`gcloud` コマンドによる操作を想定した問題も出題されるため、実際にGoogle Cloud環境を構築・運用するエンジニア向けの資格と言えます。
より専門的なプロフェッショナル資格を目指す前の基礎固めとして最適な試験です。
Google Cloudのサービスを活用し、スケーラブルで高可用性なアプリケーションを開発する能力を測る資格です。Cloud RunやGKE、Cloud Functionsといったコンピューティングサービスの選択、データベースの利用、CI/CDパイプラインの構築など、開発者としての幅広い知識が問われます。特にGKEの設問では、Kubernetes自体の設定に関する深い知識も求められるため、アプリケーションの開発・構築経験がないと難易度が高いかもしれません。
日常的にGoogle Cloud上でアプリケーションを開発しているソフトウェアエンジニア向けの試験です。
SRE(Site Reliability Engineering)の考え方に基づき、CI/CDによる自動化やモニタリングによるシステムの可観測性を、Google Cloud上でいかに実現するかという知見を問う試験です。「ダウンタイムなしで安全にアプリケーションを更新する」といった要件に対し、どのサービスをどう組み合わせるか、という実践的な問題が多く出題されます。また、SREの文化や用語に関する知識も必要となるため、Google Cloud以外の学習も求められます。
開発チームと運用チームの橋渡しを担うDevOpsエンジニアやSREの方には必須の資格と言えるでしょう。
データ分析やデータレイク構築などを行う上での、基本的なサービス知識と技術に関する試験です。専門性はプロフェッショナル資格ほど高くありませんが、どのようなデータを扱う際に、どのサービスで加工し、どこに保存するかという一連の流れを理解している必要があります。データの「利用」側に近い内容で、Lookerに関する問題が出題されることも特徴です。
データ分析基盤の構築に携わりつつ、データの可視化など利用者側の業務にも関わる方にとって有用な試験です。
Google Cloudが提供する各種データベースサービスに関する専門知識を問う試験です。「オンプレミスのSQL Serverを移行する」といったシナリオなど、既存のデータベースをクラウドへ移行(リフト)する要素が強いのが特徴です。後述のData Engineer資格と比較して、扱うデータベースサービスの幅は広いですが、その分BigQueryに関する出題は少ない印象です。
データベースの移行や更改といった業務に携わる方に求められる知識が詰まった試験と言えます。
なお、本試験はなかなか日本語対応されず、いまだに英語での試験が必要です。Google Cloudの技術・ITの知識とは別で、そこがハードルになる方もいるかもしれません。
データ関連の試験の中で最も歴史のある資格です。「利用するデータをどのようにGoogle Cloudに取り込み、使えるようにするか」という観点が強く、データを使う人というよりは「データを加工する人」向けの試験です。データ投入先としてBigQueryが選ばれることが多く、そのためのETL/ELTパイプラインをどのサービスで構築すべきか、といった内容が頻繁に問われます。
ETL/ELTパイプラインの構築・管理を担うデータエンジニアの方には必須の試験と言えます。
Google Cloud上でシステムを構築するにあたり、各サービスの仕組みを理解し、システムの要求に合致した構成を提示できるかを問う試験です。「ビジネスの成長に合わせて、スケーラブルかつ可用性の高いシステムを構築したい」といった要望に対し、性能・コスト・セキュリティのバランスを取った最適な答えを出すことが求められます。そのため、個別の機能よりもシステム全体の設計思想を問う問題が多いのが特徴です。
開発工程より上流の、アーキテクチャ設計などに携わる方にマッチした試験と言えます。
Google Cloudのインフラやシステムにおけるセキュリティ対策を、正しく実践するための知見を問う試験です。データに含まれる個人情報の取り扱いや、悪意のある第三者からのアクセスといった脅威に対し、Google Cloudの機能でどう対策すべきかが問われます。単にサービスを知っているだけでなく、具体的な設定方法まで理解している必要があります。他の資格と学習範囲が重なる部分もありますが、セキュリティならではの深い知識が求められます。
セキュリティ専門のエンジニアはもちろん、アーキテクトとしてインフラ全体を設計するエンジニアも目指したい試験です。
Google Cloud環境のネットワーク構築と運用に特化した試験です。特に、オンプレミス環境との接続(Cloud Interconnect/Cloud VPN)や、マルチクラウド環境での接続に関する深い知見が問われます。構成を設計するだけでなく、問題発生時のトラブルシューティング能力も必要です。一般的なネットワークの知識も必須であり、実務で経験しにくい技術も多いため、難易度の高い試験の一つです。
クラウド時代におけるネットワークエンジニアを目指す方には、ぜひチャレンジしてもらいたい試験です。
生成AIに関するビジネス寄りの新しい基礎資格です。「ChatGPTのような技術で何ができるのか」「どんな業務を効率化できるのか」といった、技術の可能性とビジネスインパクトを理解しているかが問われます。技術的な詳細よりも、ユースケースの創出やAI導入の勘所を学びたいビジネスリーダーにとって、最初の一歩となる資格です。
AIモデルを開発するエンジニアではなく、「生成AIをビジネスにどう活用できるか?」を考える企画職やマネージャー向けの資格です。
Google Cloud上で機械学習システムを構築し、サービスとして運用・維持管理できる能力を問う資格です。Vertex AIなどのサービスを活用するだけでなく、自身でデータの準備からモデル構築、MLOpsパイプラインの実装までを行うための知見が求められます。多くのAIサービス知識に加え、機械学習の理論や専門用語も深く理解している必要があります。
AIを活用した仕組みを開発・運用・管理する専門家が、そのスキルを証明するのに最適な資格です。
(旧資格: Professional Google Workspace Administrator)
唯一のGoogle Workspace関連の認定資格です。(旧資格: Professional Google Workspace Administrator)
Gmail、Googleドライブ、カレンダーといったWorkspaceの各サービス、およびアカウント管理に関する知識が問われます。アカウント発行やデータ移行、共有ルールの設定など、日々の運用業務に直結する内容です。
企業のGoogle Workspace管理者や情報システム部門の担当者に求められる知識が詰まった試験です。
これまでのProfessional資格とは毛色が異なり、いわゆる「SecOps(セキュリティ運用)」分野の試験です。「Google Cloudをどう使うか」というより、セキュリティインシデントに対してどう対応するかに焦点が当てられています。Googleの`Chronicle Security Operations`などのツール知識も問われますが、それ以上に、実際のセキュリティ事象に対する運用やオペレーションの考え方が重要です。
セキュリティオペレーションセンター(SOC)のアナリストや、インシデント対応チームの方にとって有用な資格となるでしょう。
Google Cloudの認定資格は、新設や更新、内容のアップデートが頻繁にあり、変化を追い続けるのは大変かもしれません。しかし、試験内容は非常に実践的であり、学習した内容がそのまま実務に活かせる場面も多いはずです。
ぜひ、ご自身の現在の業務や今後習得したいスキルと照らし合わせながら、目標とする資格にチャレンジしてみてください。
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