NI+C大岡です。
皆さんの組織では、部署や役職、拠点ごとのメーリングリスト(Google グループ)の運用・管理をどのように行っていますでしょうか。
人事異動や新入社員の入社、退職が発生するたびに、管理者が手動でメンバーの追加・削除を行っているという企業も少なくないかと思います。組織の規模が大きくなればなるほど、この手動での運用は管理者の大きな負担となり、また「メンバーの追加漏れ」や「削除漏れによる情報漏洩リスク」といった運用の課題が生じる原因にもなります。
今回は、そのようなメーリングリストの管理を自動化し、管理者の負担を劇的に軽減できる Google Workspace の機能「動的グループ」についてご紹介します。
※本機能(動的グループ)は、Google Workspace Enterprise Standard、Enterprise Plus、Enterprise for Education、Cloud Identity Premium のアカウントでのみ利用できます。
動的グループとは、ユーザーの「属性情報(部署、役職、勤務地など)」を条件としてあらかじめ設定しておくことで、その条件に合致したユーザーを自動的にメンバーとして追加・削除してくれる Google グループの機能です。
例えば、「部署が『営業部』のユーザー」という条件で動的グループを作成しておけば、新しく営業部に配属されたユーザーは自動的にそのグループのメンバーになり、営業部から異動したユーザーは自動的にグループから外れます。管理者が手動でグループのメンバーをメンテナンスする必要が一切なくなります。
動的グループの条件(クエリ)には、Google ユーザープロファイルに登録されている「部署名」「役職」「勤務地」などの標準属性が使用できます。
しかし、実際の組織運用においては、以下のようなケースで「標準の属性情報だけではうまくグループを自動化できない」という壁にぶつかることがあります。
・ 部署名と「部署コード(例:A100)」でシステム管理している場合
・ 1人のユーザーが複数の部署を兼務している場合
・ プロジェクトやタスクフォースなど、組織図にはない流動的なグループを作りたい場合
Google Workspace では、標準のプロファイル項目以外に、自社独自の項目(属性)を自由に作成してユーザーに紐付けることができます。このカスタム属性を動的グループの条件に組み合わせることで、より柔軟で実態に即したグループの自動生成が可能になります。
実際に部署コードをカスタム属性で作成し、動的グループを構築するまでの大まかな手順は以下の通りです。
1. Google 管理コンソール(Admin Console)にログインします。
2. [ディレクトリ] > [ユーザー] > [その他のバケット(カスタム属性を管理)] の順に移動します。
3. [カスタム属性を追加] をクリックし、任意のカテゴリ名と項目名(例:dept_code)を設定します。
※カテゴリ、名前は英語で入力します。
4. 追加したカスタム属性に対して、各ユーザーの具体的な値を登録します。
カスタム属性の準備ができたら、それを条件にした動的グループを作成します。
1. [ディレクトリ] > [グループ] に移動し、[動的グループを作成] をクリックします。
2. 条件を入力して、[プレビュー]>[動的グループを作成]をクリックします。
※NOT(等しくない)といった条件を作成したいときは、「⊖」をクリックします。
例:`custom_attributes.Organization.DepartmentCode == 'A100'`
(部署コードがA100のユーザー)
3. グループ名、グループアドレスを入力し、[保存]をクリックして完了です。条件に合致したユーザーが自動的にスキャンされ、グループのメンバーとして登録されます。
非常に便利な動的グループですが、運用を開始する前に以下の制限事項を理解しておく必要があります。
・外部ユーザー(組織外のアドレス)の追加は不可
動的グループのメンバーにできるのは、自組織のドメインに属するアカウント(内部ユーザー)のみです。社外のパートナー企業や、個人の一般Gmailアドレスなどを動的グループに含めることはできません。
・手動によるメンバーの個別追加・削除は不可
「この人だけ例外的にグループに入れたい」「特定のメンバーだけ個別に削除したい」といった手動操作はできません。メンバーを変更したい場合は、ユーザー側の属性情報を書き換えるか、グループ側のクエリ(条件)を変更する必要があります。
・グループのネスト(階層化)は不可
「動的グループの中に、別のグループを入れ込む(子グループにする)」というネスト構造はサポートされていません。
・権限設定の制限
動的グループのアドレスに対して、個別のユーザーを「オーナー」や「マネージャー」として指定し、通常のグループのような細かい管理権限の割り当てを行うことが原則できません。
・作成数の上限
標準では1組織あたり500個まで作成可能です。これ以上の拡張が必要な場合は、Google のサポートへ上限緩和の申請が必要となります。
今回は、Google Workspace の「動的グループ」と「カスタム属性」を組み合わせた、メーリングリスト運用の自動化についてご紹介しました。
人事異動のたびに発生していた「グループのメンテナンス作業」が自動化されることで、管理者の業務負荷が軽減されるだけでなく、ヒューマンエラーによる情報漏洩や連絡漏れのリスクも未然に防ぐことができます。
社内のアカウント管理やグループ運用に課題を感じている管理者の方は、ぜひライセンス要件をご確認の上、動的グループの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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